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第236話 『大集合。3:3:3』

遅くなって申し訳ない!

ホロウナイト楽しゲフンゲフンリアルの方が忙しくて!

姦しーズもですが、元気いっぱいハイテンションなキャラ達は書いてて楽しいです

具体的には作者の制御を離れて駆け抜けていく所が

 

「いや……まさか……うむ。え、いやぁ……うむぅ……」

「マジかぁ……うわ、えぇ……マジで、うん。いや、うん……」


 衝撃から回復し、自己紹介を終えた5人。

 だが、明楽と瞬の2人は自己紹介をした事で改めて『ゲーム内の友人であるメイとリーシャが遠足で来ていた遊園地に自分たちも遠足に来ていてたまたま遭遇した』と言う奇跡中の奇跡のような現象を飲み込めず、ひたすら似たような事を繰り返している。

 一方、既に(トーカ)と遭遇して未知からの邂逅を終え、さらに事前にこの2人がいると知らされていた有咲と陽の2人は落ち着いていた……


「「…………?…………あぁ!」」


 訳ではなく、(リクルス)明楽(カレット)がいることは聞いていた2人だが、そこに追加で一守(リトゥーシュ)がいるという事は聞いていなかった。

 かつて2人がリトゥーシュ率いる『異端と王道』と戦った時も、リトゥーシュの相手をしていたのはリクルスであり2人は直接彼を相手取った訳では無い。

 そして、同じ神官としての完全上位互換として強くリトゥーシュを記憶に焼き付けていた(トーカ)ほど、この2人はリトゥーシュの事を記憶に残していなかった。


 故に、目の前の人物の自己紹介を受けて思い出すまでに若干のタイムラグがあった。

 だが、そこを過ぎれば待っているのは『現実で【カグラ】の仲間と出会っただけでも奇跡のようなものなのに、さらにかつて大会で戦ったチームのリーダーが仲間と同じ学校にいて遭遇した』と言う予想外の角度からの衝撃だ。


「「『リトゥーシュ』もいるなんて聞いてない……!」」


 とてつもない確率での遭遇に、改めて驚く有咲と陽だった。


 なお、話題に上がったリトゥーシュこと一守はと言うと、予想外の人物との遭遇に驚きこそしていたものの、瞬と明楽のお守りから開放された安堵感の方が大きかったのかそこまで衝撃に襲われていた様子は無い。


 むしろ、護が他校の女子2人を引き連れて帰ってきた上にこの場に護を呼びに行ったはずの環がいない事に気を取られていた。

 正確には、何があったのかうっすらと予想を付けてどうなだめるか(場合によっては逃げるか)を考えていた。


「ってカレット!じゃなくて明楽?まぁいいわ。何よこのスコア!?私の記録は!?」

「む?リーシャ……ではなく有咲。お前もランキングに乗っていた(過去形)のか?誰だったかは知らんが、見ての通り今のランキングは私一色だ!」

「『かっこかこけい』まで発音して煽ってきた!?ぬぎぎぎぎ……」

「ふはははは!このバトルシミュレーターのシステムの仕様上、私を超えるスコアは恐らく出せんぞ!諦めるんだな!」

「むきぃー!こうなったら明楽……いいえ、カレット!今夜【島】で決闘よ!ぼっこぼこにしてやるんだから!」

「ほう!いいではないか決闘!私も【白龍砲】が使えず不完全燃焼だったのだ。相手になろうではないか!」

「お?お?【島】で決闘するってんならもちろん俺も参加するぜ?今回は地の利で負けたがフラットな条件なら負けねぇ!」

「システムの仕様を地の利って言うなよ……」


 そんな、割とどうでもいい言い争いをしながら三馬鹿は仲良くケンカしていた。

 最も、【カグラ】のメンバーで行動していれば割とよく見る光景だ。瞬と明楽がしょっちゅうくだらない事で喧嘩(じゃれ合い)しているように、そこにリーシャも加わってなおかつ下手に実力がある分規模が大きくなるだけだ。


 だからこそ、万が一の時実力行使でこの三馬鹿を止める事が出来る必要があるために『トーカ』は3人を上回る実力をつける必要があった。

 現状は動きの癖の把握やステータスのゴリ押しによって鎮圧可能だが、いつかはそれも叶わなくなるかもしれない。なので、早めに自重を覚えて欲しい『トーカ』であった。


「なんか、今日一日で瞬と明楽をいつも抑えてる護への尊敬度が跳ね上がってるよ……よく制御できるね」

「なんだかんだ人生のほぼ全部をアイツらと過ごしてるからな。むしろ初日でここまで食い付いて行ける一守に俺はびっくりだよ」

「あはは……りーちゃんは知ってたけどあの二人もリアルでもほとんど同じなんだね。いや、リアルではしっかり者だったら逆に振れ幅が大き過ぎて怖いけど」


 ぎゃーぎゃー騒ぎながら、今夜の決闘を取り決めた3人は、そのままの流れでシミュレーターに突撃していた。

 システム上魔法を使うカレットが圧倒的有利なのは分かってはいるが、それはそれとして負けっぱなしは悔しいと言う当然といえば当然の心理が働いたのだろう。


 リクルスは何度もプレイしたのが分かる洗練された動きで、リーシャはまだ試行回数が少ないが故に動きの硬さこそあるものの、実戦で培われた適応力の高さでぐんぐんと動きを良くしていく。

 もはや、他の展示品や会館の外のアトラクションになど興味は微塵も無さそうだ。


 見守り態勢に入っている護と一守と陽の3人は、護と陽が自己紹介したカフェテリアで軽食とドリンクを買って、スポーツの試合感覚でベンチに腰掛けて3人の激闘を観戦している。


「もぐもぐ……ねぇ、2人は『カレット』のスコアを更新出来ると思う?」

「んー、無理じゃねぇかなぁ。多分だけど、このシミュレーターのスコア算出方法って『終了時の残り時間×討伐数』みたいな感じだと思うんだよな。んで、動く必要のないカレットは案山子が出現した瞬間に魔法を叩き込める。端数切捨てなら1秒未満で《ファイナルステージ》まで終わらせて合体前に叩けば多分それが理論上の最高スコアだ。さすがに正確な計算式は分からんが、1秒台で行けたぞ!ってアイツが自慢してきたから動く必要のあるリクルスや矢を番える必要のあるリーシャじゃどうしても追い付けない」


 焼き鳥を楽しみながらそう問いかけた一守に、少し考えてから護が答える。

 この護の予想は当たっており、このシミュレーターの計算式は『討伐ポイント×(残り時間+100)』で算出されている。

 討伐ポイントは通常案山子が1、大案山子が3で換算され、巨大案山子は⭐マークが付く代わりにポイントは無い。

 そして、巨大案山子への合体前に消滅させると追加で倒した判定になってポイントが増え、スコアが跳ね上がるのだ。

 また、時間も端数切捨てで計算しているため、10秒と9.9秒の差は限りなく大きい。


 そんな裏処理など知る由もない3人は、護のほぼ当たっている推測を『だったら厳しそうだなぁ』と参考程度に考えていた。


「だよなぁ……」

「んー、そうなんだよねぇ。弓ってどうしても番える必要があるから……それに慣れるまでは結構扱い難しいし……。連射性を考えるならやっぱり銃?こっちもこっちで練習は必要だけど、あって損は無いよね。試してみようかな。まずはシンプルな銃から試して、だんだん凝っていけばいいよね」

「あれ?《EBO》に銃って実装されてたっけ?少なくとも僕は見た事ないけど」


 さも当然のように銃を使う発言をした陽に対し、一守が《EBO》にそんな武器が存在したのかと小さく驚きの表情を浮かべる。

 ……が、他でない(メイ)の発言だ。その意味を、付き合いの長い(トーカ)は正確に認識していた。


「いや、この場合はゼロから作るって意味だな。システム的に実装されてなくても、物理的に撃てる構造にすれば撃てるのが《EBO》だ。そして、コイツにはそれが出来る技術力と物資と施設がある。近い将来、《EBO》に銃が生まれるな」

「えぇ……銃をゼロから作り出す女子高生ってどういう存在……?」

「いやいや、全然詳しくないよ。興味はあるからちょっと調べて、あとは試行錯誤だね。やれる所までやってみるだけだよ。《EBO》内の物理法則は現実にほぼ準拠してるとはいえある程度は簡略化されてるしね」

「騙されるなよ一守。コイツの『全然詳しくない』と『ちょっと』と『やれる所までやってみる』は俺らのイメージするそれじゃないぞ。正式には『完璧に作れるほど把握してるわけじゃ無いから納得いくまで調べてあとはひたすらトライアンドエラーで行き着くところまで行く』っていう決意表明みたいなもんだ」

「えぇ……未発見の方法によってゴーレム従えてる上に銃まで生み出すの怖いよ……」


 小さな体に宿す極大の創造力を目の当たりにし、頬を引き攣らせる一守。味付きポーションや気温完全調節防具など、彼女が手がけた様々な偉業を知ったらその程度では済まないだろう。

 特に、未発見の方法によってテイムされていると思っているゴーレムすら自作だと知ったら……

 勘違いしてくれているならしめたものなので、わざわざ手の内を明かすことはせずに訂正しないで苦笑いで流す護と既に没頭して銃の制作のイメトレをしている陽であった。


「「「やっと見つけた!!!!」」」


 三馬鹿がシミュレーターで競い合っているのを遠目に見守りながら談笑(?)していた3人の元に、新たな刺客が現れる。

 あまりの衝撃に処理落ちしていた両校のゴシップ好き達……姦しーズだ。フリーズから再起動して探しに来ていたらしい彼女達は、ついに目標を再び発見したのだった。

 

「「げっ……!」」

「あ、環やっと帰って来た。……って、その2人は?」

「さっき知り合った他校の子達よ!彼女達は同志でお客様だわ!」

「どうも!彩女1年の鹿島(かしま)です!環さんと一緒にさっきの男の人とあーちゃんとはるちーとの関係を聞き出しに来ました!正直あーちゃんが向こうで一緒にはしゃいでる男女にも興味あるけどあそこに割り込むのは怖いのでこっち来ました!」

「同じく彩女1年の(しい)です!私としては人見知りなひなっちがこの短時間でさらに別の男子とも普通に話せてる事の方に興味津々です!御三方はどういう関係!?ひなっち見知らぬ間に大人の階段昇り降り!?」


 一瞬で打ち解けたどころか、『冷津波の情報屋』としてのネームバリューからか、はたまた天性の性格(カリスマ)からか、一瞬で姦しーズのリーダー格に収まった環と、そんな環にノリノリで付き従う彩女勢の鹿島と椎の3人がベンチに腰掛けて談笑していた3人を一瞬で取り囲む。

 バトルシミュレーター中の3人はテンションが怖いという事でスルーされた。分断後、それぞれに根掘り葉掘りが待っている事だろう。


「うわぁ……賑やかな人達だね……」

「朱に交われば赤くなるどころか朱に朱を足してさらに赤くなってるな……一瞬で意気投合しやがった」

「うーん。これはもうダメだね。完全に退路が断たれてるや。こうなったらもう適当に流すしかないね」


 苦笑い気味にどうにかして肯定的に捉える一守に、共通のネタがあると打ち解けるのは早いな……と現実逃避気味に考える護、そして悟ったような笑みを浮かべた陽。


 結局、この後の三馬鹿のシミュレーターマラソンと姦しーズによるベンチ組への根掘り葉掘りタイムは自由時間ギリギリまで続いたのだった。


これにて現実編終了です!

いや、うん。本当に初期構想だと2〜3話の予定だったんだよ

《EBO》会館とか一守とかが出てきたから25話になったただけで

……【島】編でも似たような事言ってた気がする


っていうか、姦しーズの彩女勢の君たちそんな名前だったんだ

なお、今後も出番があるかは未定。元はと言えばクラス委員(男)(現一守)やクラス委員(女)(現環)と同じで単発の名無しモブのはずだったのにね

さて、陽ことメイが新しい目標を見つけてしまいました

今の彼女は自分の領地を持っているので……うん。怖い


次章からは《EBO》に舞台を戻します

衝撃の出会いがあった遠足から少し経ったある日の事、《EBO》に新たなシステムが実装される……!的な章です

構想だとそこまで長くならない気はしますが、【島】編と現実編で自分の長くならない構想に自身失くしたので多分長くなります(予防線)

実は次章含めてあと5章分のふんわりとした構想はあったり

全て書き切るのにどれくらいかかるのやら……


感想&アイディアをいただけると作者は泣いて喜びます


あとアレですね、面白いなーと思ったら下の方にある『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』にして頂けるとさらに狂喜乱舞します

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― 新着の感想 ―
[一言] ギルド対抗戦でのメイの惨劇の始まりはここきっかけだったんですねぇ… (ここで興味を持たなくてもなにをきっかけに着手し始めてもおかしくないですけど)
[気になる点] 今更ながら、護(トーカ)が用意したお弁当って、どうなったんだろう? ちゃんと消費されたのかな?
[一言] 姦しーズ参戦したら絶対ジョブで話術士とか言霊遣いとかそれに類するスキルの類とか音波兵器とか爆誕するに違いない(´-ω-`)うぅーん、島崩壊の危機?
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