表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/310

第22話 こいつホントに神官か?


コメント欄でいただいたアイディアを使用させていただきました!

元のアイディアとは少し違う形になりましたが。


アイディアをくれた方ありがとうございます!


メイを連れて洞窟(正式名称は蜥蜴洞窟と言うらしい)へ行った次の日、初イベントまでにレベルを出来るだけ上げて起きたかったのでリクルスとカレットと一緒に蜥蜴洞窟に来ていた。


「しゃぁ!レベル上がったぜ!」


リクルスが鉄の剣で《ケイブ・スパイダー》の頭部を胴体から切断し、倒した所でレベルが上がった様だ。


「いやぁ、すげぇな!『岩蜥蜴殺し』のお陰でレベルが上がりやすくなった!」


リクルスが嬉しそうに言う。経験値が1.5倍と言う事は実質レベルアップ速度が1.5倍になると言う事だ。リクルスのテンションが上がるのも仕方が無いというものだろう。


「無茶すんじゃねーぞ」


はしゃいでいるリクルスに注意を飛ばしながらバフを掛け直す。俺の隣ではカレットが遠くにいる《ケイブ・ウルフ》や《ケイブ・バット》に【ファイアボール】や【ウィンドボール】などの魔法攻撃で一方的に倒していく。精度も()事乍(ことなが)ら威力が普通じゃない。


「カレットお前、威力高くないか?」

「ん?あぁこれはな、称号の効果だぞ」

「へぇどんなのか聞いていいか?」

「あぁ、トーカなら大丈夫だ」


そう言ってカレットが教えてくれた称号は『玉入れ上手』と『固定砲台』、そして威力には関係が無いが経験値稼ぎと言う観点では大活躍な『いいとこ取り』の三つだった。


========================


『玉入れ上手』

穴に的確に物を入れる者の証

遠距離攻撃補正 遠距離攻撃威力上昇


========================


この称号は岩蜥蜴の口内に【ファイアボール】を入れまくった際に『非道』と一緒に入手したらしい。いやぁ今夜はお赤飯だな。

べ、べつに『非道』仲間が出来て喜んでる訳じゃないんだからなっ!

……野郎のツンデレとかどこに需要があるんだよ……自分でやっといて鳥肌たったわ。

でも『非道』仲間は普通に嬉しいな、俺は『外道』だけど。……なんで神官が『外道』なんて称号貰ってるんでしょうね……


========================


『固定砲台』

一箇所で遠距離攻撃を繰り返した証

一箇所に留まっている間は遠距離攻撃の威力が上昇


========================


これは動かなければ動かないほど遠距離攻撃の威力が上がっていく効果で、最大は2倍になるらしい。

この称号の『留まる』の判定は計測開始地点から直径1mの範囲内らしい。カレットは戦闘中はあまり動かないので有効活用出来るだろう。


========================


『いいとこ取り』

いいとこ取りをした証

モンスターにトドメを刺した場合、経験値1.2倍


========================


これはまんまの称号だ。《ロック・リザード》のラストアタックを持っていった事で入手した称号らしい。

『岩蜥蜴殺し』との相乗効果で経験値効率は1.8倍だ。ま、まぁ?俺は『洞窟の天敵』と合わせて2.25倍ですし?悔しくなんか無いですし?


この三つの称号+『岩蜥蜴殺し』のおかげで高火力、高経験値の狩りが実現されている、という事だ。攻撃するのに近づかなければならない俺やリクルスとは効率が桁違いだろう。


ちなみに今俺達はパーティを組んでいない。理由は簡単でリクルスが「誰が1番レベルアップ出来るか競走だ!」と言い、カレットが賛成したからである。

経験値効率が1番低いリクルスが言い出しっぺと言う事にどこか悲しさが湧き上がって来るな……


その調子でリクルスは見敵必殺サーチアンドデストロイ戦法で、カレットは遠距離からの一方的な蹂躙。そして俺はメイの採掘音に異常に寄ってきた事から洞窟の敵は採掘音に反応して襲ってくるのではないか、と仮定を立てて実行していた。


結果は大当たり。採掘ポイントでツルハシを振り下ろし始めてスグにモンスターが寄って来るわ来るわで採掘する暇もない。

予想を立てた通りに洞窟のモンスターは採掘音に過剰反応する様だ、なんという意地悪設計。

浅い方の洞窟で採掘慣れしたプレイヤーをハメてやろうと言う運営の悪意が透けて見える様だ。


「おぉ、おぉ、めっちゃ来るな。【スマッシュシェイク】!」


ワラワラと採掘音につられてやって来たモンスター(経験値)達を【スマッシュシェイク】で足止めする。

亀甲棍で地面を殴り付けると、そこを震源として地震が発生し、その地震に足を取られ動きを止める。これが本来の【スマッシュシェイク】であって本来は敵に叩き込むのでは無い。この前は《ロック・リザード》が半分岩石かつ巨大だった為に効果があっただけであって本来は効果は無い。


『グルルッ!?』

『グロッ!?』

『キシュッ!?』


【スマッシュシェイク】によって足止めされたモンスターの叫びが多重奏となって洞窟に響く。嫌だわこんな多重奏。


しかしもちろん空を飛ぶ《ケイブ・バット》には効果が無い。天井に止まっているなら効果はあるが、飛んでいる状態の奴らは墜落していく同族や足止めされている他の奴らには目もくれずにこちらに襲いかかってくる。


「なんかテニスみたいだな!【スマッシュ】!」


テニスプレイヤーに聞かれたら怒られるだろう事を呟きながら飛んでくる《ケイブ・バット》を2匹まとめて【スマッシュ】で殴り飛ばす。

殴り飛ばされた《ケイブ・バット》が『飛ばし屋』の効果で普段より1.5割増し程の速度で吹き飛ばされ、向かってきていた他の《ケイブ・バット》と衝突事故を引き起こしていた。


空中で《ケイブ・バット》の衝突事故が起こっている中、未だに動けずにいる地上組に向かって駆け出す。そしてまずは《ケイブ・リザード》の顔面を【インパクトショット】を使い叩き潰す。そしてソイツの真横にいた《ケイブ・ウルフ》を【ハイスマッシュ】を使って吹き飛ばす。


『グガッ!』

『グルッ!』


結果、連鎖的に数体の仲間を巻き込んで《ケイブ・ウルフ》か吹き飛んでいった。そして他のモンスターの行動不能時間が切れ、一斉に襲いかかってくる。


「シッ!シャラァァッ!」


《ケイブ・スパイダー》の吐き出す糸を体を逸らす事で回避し、背後に飛びかかって来ていた《ケイブ・ウルフ》に体を逸らした際の勢いを利用して顔面に【インパクトショット】を打ち込む。


殴り付けられた《ケイブ・ウルフ》の体は吹き飛ぶ事はなく、その場で光と化し、その光の中を亀甲棍が通り抜ける。


「やわらけぇ!」


あまりの柔らかさに思わず叫んでから前方に飛び出す事で背後に迫っていた《ケイブ・スパイダー》の前足の振り下ろしを回避する。


小賢(こざか)しゃぁぁ!」


着地した1歩目の足を軸足として思いっきり体を回転させることで振り下ろした前足ごと《ケイブ・スパイダー》の顔面を吹き飛ばす。

足がへし折れ、勢いを殺さずに顔面も(えぐ)り取って行った亀甲棍がブォンッ!と音を立てて振り抜かれ、亀甲棍が後ろからの光で明るく彩られる。


しかし振り抜いた隙を見計らい、四方から《ケイブ・ウルフ》や《ケイブ・リザード》が時間差もなく襲い来る。

トーカは亀甲棍を振り抜いた姿勢のまま息を思いっきり吸い込むとーー


『動くなぁァァァ!!』


リクルスやカレットに散々ツッコミを入れていた為か、いつの間にかLv.4にまで上がっていた『咆哮』を使用する。そんなんでもレベル上がんのかい!

戦闘時以外では敵寄せの効果がある『咆哮』だが戦闘中となるとその効果は変わる。本来はヘイトを集めるだけだがある程度レベルが上がると、ヘイト集めか相手の硬直を選べるようになる。


【スマッシュシェイク】と比べると硬直時間は短いが空中にいる相手にも効果があり、叫ぶ以外のモーションを必要としないので戦闘中でも使えると言う利点もある。


ビクッ!と震え硬直するモンスター達。まずは運悪く俺の目の前で硬直してしまった《ケイブ・リザード》を亀甲棍をすくい上げる様に振るい、頭部を無理やり持ち上げられた事で《ケイブ・リザード》の弱点とも言える腹部が丸見えになる。


「【ハイスマッシュ】!」


弱点を(さら)した《ケイブ・リザード》を【ハイスマッシュ】で撃ち抜く。吹き飛び、地面を転がりながらその身を光に変えていく《ケイブ・リザード》を尻目に、横で惚けている(強制)《ケイブ・ウルフ》の頭部を押し潰す。


《『棍術』のレベルが上昇しました》

《『見切り』のレベルが上昇しました》

《称号『打撃好き』を取得しました》

《称号『蹂躙せし者』を取得しました》

《称号『撲殺神官』を取得しました》


同時に視界の隅に現れる大量のインフォメーション。視界の邪魔にはならないがしっかりと認識は出来る、不思議仕様だ。


ちなみにだが、いちいち脳内にインフォメーションが流れるのがウザかったので設定を色々探していたら『脳内』と『視界』の二パターンに変更できることがわかったので『視界』の方に変更しておいた。『どちらもあり』や『どちらもなし』も出来たがそれは割愛する。


そして手に入れた神官には似つかわしくない称号。そして全て心当たりがあるから質が悪い。

とは言え今は確認している暇は無いので後回しだ。確認するのが気が重いな……いっそ開き直ってやろうか。


「チクショウがぁぁっ!あっ?」


半分ヤケクソで《ケイブ・スパイダー》をいつもの感覚で殴り付ける、しかし手応えがまるで違う。

なんと表現したらいいのか、新雪を手ですくう感覚……とでも言えばいいのか、ほんの一瞬の僅かな抵抗の後、まるで空を切る様に亀甲棍が《ケイブ・スパイダー》の頭部がある場所を通過する。


あまりの手応えの無さに、そして急に手応えが変わった事に一瞬惚けるもそんな余裕は無いと言わんばかりのモンスターの勢いに思考を無理やり隅に追いやり迎撃する。


「シッ!やっぱり手応えが無さすぎる!」


今度は一瞬の抵抗も無く《ケイブ・ウルフ》の頭部が消し飛ぶ。ここまで急に手応えが変わるとなると思いつくのは先程の称号三つだが……


「それは後だッ!ワンパン出来るならそれに越した事はねぇ!」


そのままあらゆる敵を一撃で消し飛ばして数分、ようやく敵の流れが途切れる。


《レベルが上昇しました》

《レベルが上昇しました》


称号の合わせ効果と長時間の戦闘によりレベルが二つも上昇する。そして素材もウハウハだ。

『洞窟狼の牙』や『洞窟狼の毛皮』などの《ケイブ・ウルフ》の素材や『洞窟蝙蝠の羽』や『洞窟蝙蝠の牙』などの《ケイブ・バット》の素材。『洞窟蜘蛛の牙』や『洞窟蜘蛛の糸』などの《ケイブ・スパイダー》の素材に『洞窟蜥蜴の牙』や『洞窟蜥蜴の肉』などの《ケイブ・リザード》の素材……って牙好きだな!?全部から出たぞ!?


他にも『爪』やら『骨』やらがポロポロと落ちている。

何気に1番嬉しかったのは『洞窟蜘蛛の上質な糸』だ。これは服の素材になる現段階では最高ランクの素材なのでメイに頼んで防具に使って貰おうと思っている。まぁ、無理そうならガマンするが。


さてさて、称号の確認をしましょうかね何やら物騒な称号だらけだしな。


========================


『打撃好き』

打撃系攻撃のみで敵を倒し続けた証

打撃系武器装備時STRが1.2倍


========================


これはまだマシな方の称号だな。効果も純粋に嬉しいし何よりーー名前が物騒じゃない。名前が物騒じゃない。

大事なことなので二回言いました。

それに比べて他の称号と来たら……やれ『外道』だのやれ『通り魔』だのねぇ。

もぅ!失礼しちゃうわ!まったく!(〜キャラ崩壊中〜)


========================


『蹂躙せし者』

1人で大量の敵を蹂躙した証

一対多の戦闘時ステータス1.5倍


========================


これまた『外道』と同じく名前が酷い上に性能がいいと言った問題児(問題称号?)だな。

1人で戦うことが前提の称号だがステータス1.5倍は純粋に嬉しい、特に今回みたいな場合や仲間が全滅した時なんかは使えそうだ。ただこちらが複数の場合だけでなく、相手が1体の時もダメだろうからそこは注意だな。


最後は一番の厄介者、『撲殺神官』だ。確かに撲殺しまくってるし神官だが……今までの経験から言うと名前が酷いほど効果はいいものが多いんだよな……


※注

普通は違います。トーカの取得する称号がおかしいだけです


して、その効果は……


そこに表示されている文字を確認し、無意識に喉をゴクリと鳴らす。


「おいおい……これはちょっとやばくないか?」


========================


『撲殺神官』

神官なのに撲殺し続けた証

打撃系武器装備時ーー


「おーい、トーカ!終わったぞー!」


っと、リクルスとカレットも一段落付いたようだ。


「わかった!今行く!」


俺は先程まで見ていたウィンドウを閉じて急かす2人の方へと駆け出していく。



トーカェ……荒ぶってますね……

『撲殺神官』の効果は決めているんですが後々バァーン!と出せればなぁと思ってくだらない引きにしてみました。気になるっ!って方がいてくれたら作者の作戦勝ちですね。

え?気にならない?……作戦勝ちですね!(涙目)


今後その場のノリで色々なスキル(複合スキル含む)や称号、武器防具アイテムを増やしていくと思うので何かアイディアがあればお願いします!


おかしい所や誤字脱字、誤用などがあったら是非ご指摘お願いします

ブクマしてくれた方や読んでくれてる方本当にありがとうございます!

今後も当作品をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 今のところ、主人公が一番ヒャッハー、、、 タイトル通りになる気配がない
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ