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第131話 『VS【クラウン】④カレットVSショウキョウ 前半』

 

 カレットの【白龍砲】によって【クラウン】を分断した後、トーカとドウランが戦い始めたのとほぼ同じタイミングで、他のメンバーと合流しようとしたショウキョウだが、そんな彼目掛けて何発もの魔法が放たれる。


「おわっと!やぁ、カレットちゃん。随分と苛烈なラブコールじゃないか。まぁそりゃ簡単には合流させてくれないよね」


 魔法群自体は余裕を持って回避したショウキョウだが、合流するために動かしていた足を止めざるを得なかった。


 そして、1度足を止めてしまえばもうカレットのかっこうの的でしかない。いかに最強と名高いチームのメンバーであろうと、無数に放たれる魔法群に背を向けて無事でいられる訳はない。


 結果、ショウキョウは仲間と合流しようと思ったらまずカレットを仕留めるしかなくなってしまう。


 「当然だな。それでは引き剥がした意味がないでは無いか」

 「んーだよねぇ。それより、さっきの魔法……【白龍砲】だっけ?アレ、凄い威力だね。何がどうなったらあんな威力になるんだい?あぁそれはそれとして、死んでくれるかな?【六重光球】【六重光槍】【六重光刃】」

「はっ、教えてなんかやらんし教えてもお前には再現なんて出来んわ!そして死ぬのはお前だ!【二重風炎嵐】【三重風炎槍】ッ!」


 足止めをされたというのに、けらけらと軽い調子を崩さずに笑いながらショウキョウは複数個の【光魔法】を同時に放つ。


 だが、それらは全てカレットの生み出した超火力の炎の嵐に阻まれてカレットの元まで届くことは無かった。


 それどころか、遅れて放たれた3本の【風炎槍】がショウキョウ目掛けて襲いかかる。


 だが、ショウキョウの顔から笑みが消えることは無かった。


「あははっ、これが噂のカレットちゃんの高威力魔法かぁ、確かにこれは並の魔法じゃ防げないなぁ」


 相変わらずそうけらけらと笑いながら、ショウキョウは無理に相殺する必要は無いとばかりに、魔道士とは思えない身のこなしでカレットの魔法を次々と回避していく。


「なっ!?」

「はっはっはっ、驚いたかい?うちにゃすばしっこいのが2人もいるんだよ。回避練習にゃもってこいだよね」


 おかげでオレにも当たらなきゃノーダメ精神が芽生えちゃったよ。

 そう、冗談っぽく続けるショウキョウだが、そんなふざけたような声音とは裏腹に、縦横無尽に動き回りカレットの攻撃を避けつつも彼が放つ『光魔法』の勢いが衰える事はない。


 むしろだんだんと、量が、質が、上昇しているような気すらしてくる。


「あっはっはっ!楽しいなぁ、楽しいねぇ!楽しいだろう!?なぁなぁ、カレットちゃんもそう思わないかい?こんな大舞台で、自慢の魔法を披露できるんだ。もうさぁ、とても昂ってこないかい?」

「同感だ、これで勝てればさらに最高だろうな。という訳で焼け死ね!」


 両者から放たれる光と風炎が衝突し、弾け、空を彩る。


 無数に展開された魔法群がぶつかり合いせめぎ合い、弾け散るその姿は、まるで夏の夜を彩る花火のように美しかった。

 例えそれが、致死の威力を孕んでいたとしても。


「ひゃぁ怖い怖い。でもまぁオレも負けたかないんだよね」


 弾き、威力の減衰こそしたものの相殺しきれなかった【風炎球】を紙一重で避け、すぐさま追加の弾幕を張るショウキョウ。


「ふん!ここまで来て負けたい奴なんているものか!」


 無数の弾幕の撃ち漏らしを【風炎壁】で防ぎ即座に反撃に移る、カレット。


 2人の攻防は、より激しく、より過激に、加速度的に激化していく。


「あぁ、全くの同感だ。ただ、勝負する以上勝者と敗者は必ず生まれるもんさ」


 敵の攻撃を時に避け、時に相殺し、僅かな隙を見逃さずに反撃に転じる。


 それがショウキョウのバトルスタイルであり、ガンガンいこうぜを体現したかのようなカレットのバトルスタイルとは当たらなければいいという意味では相性がよく、1発でも当たったらアウトという意味では相性が悪い。


 1つ間違えれば即サンドバッグになりかねない火と風の乱舞の中、それでもショウキョウはケラケラと笑う事を止めず言葉を続ける。


「ただ……勝負ってのはね、勝ちを奪い合うより負けを押し付け合う方がよっぽど熾烈で過激なんだぜ?『勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり』、いい言葉だよね。俺の座右の銘さ【五光壁(ごこうへき)】」


 ショウキョウは突然立ち止まると、錫杖を地面に打ち付ける。

 しゃらんっ、と綺麗な音が鳴ると同時に、ショウキョウを光のベールのような物が包み込み、カレットの魔法を全て受け止めてしまう。


 この【五光壁】は『光魔法』の防御魔法である【ライトドーム】を五重に展開するというガチガチの防御魔法であり、その防御力は小魔法群とはいえカレットの魔法を完全に防いで見せた事からも分かる通り、かなりのものである。


 また、余談ではあるがこの魔法名は五重の光としての【五光】と仏や菩薩が発する光である【後光】をかけた高度なギャグでもあるのだが、理解してくれた者はいないらしい。


「さぁさぁさぁさぁ、覚悟はいいかい?仏に祈った?菩薩に縋った?オレの切り札、早速だけど切らせてもらおうか!」


 ショウキョウがそう高らかに宣言すると、打ち付けた錫杖を中心に巨大な魔法陣が展開されていく。

 その規模、直径にして5mはあるだろうか。魔法陣その物が光り輝いているため、とても眩しい。


「うおっ!?なんだそれは!?」

「あっはっはっは、言ったろ?オレの切り札さ!『巨大展開』って言うスキルでね、MPバカみたいに消費する代わりに魔法の威力やサイズを巨大化させられるのさ」


 ショウキョウがそう言っている間も魔法陣はグングンと拡大を続け、ついには直径10m程の超巨大な魔法陣が地面に描かれた。


「ほぉ!それは面白い!この試合が終わったら私も習得にチャレンジしてみようか!【五重風炎槍】ッ!」

「いいねぇ!励めよ若人!ただ、なかなかハードだから気を付けろよ?」

「ご忠告感謝する!という訳で、ぱっぱとこの試合を終わらせてしまおう!【収束型白龍砲:二頭(ふたつがしら)】ッ!」


 巨大に展開され、あからさまに嫌な予感を振りまいているショウキョウ目掛けて、カレットは先手必勝とばかりに【白龍砲】を放つ……が。


 一瞬遅かった。


 「叩き潰せ【極光菩薩・滅殺】」


 直後。


 質量すら持った巨大な光の塊に、【白龍砲】ごとカレットは飲み込まれた。


今後その場のノリで色々なスキル(複合スキル含む)や称号、武器防具アイテムを増やしていくと思うので何かアイディアがあればお願いします!


おかしい所や誤字脱字、誤用などがあったら是非ご指摘お願いします


ブクマしてくれた方や読んでくれてる方本当にありがとうございます!


今後も当作品をよろしくお願いします!

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