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第129話 『VS【クラウン】②トーカVSドウラン 前半』

 

 チームとして1歩劣ると言わざるを得ない【カグラ】が勝つ為の秘策。

 チーム戦をさせないという、チーム戦のトーナメントにおいてそのコンセプトその物を否定するかのような戦法。


 その大前提である【クラウン】のメンバーをバラけさせる事には、既に成功している。


 ならばーー後は個々の戦いだ。


 ◇◇◇◇◇


「【スマッシュ】ッ!」


 吹き飛ばされ、未だに空中にいるドウランに『縮地』で追い付くと、追い討ちのように【スマッシュ】を掬い上げるようにして放つ。


 踏ん張りの効かない空中でそのような衝撃を喰らえばどうなるかは火を見るより明らかだろう。


 異常極まる威力の一撃を受けたドウランの体はまるで砲弾のように加速し、闘技場の端の方まで飛ばされてようやく勢いが落ち切りその両足を大地に付けた。


「【チェインボム】ッ!【ロックバッシュ】ッ!」


 ドウランが着地した直後、すぐさま高火力の連撃が襲い来る。


 本来なら歯牙にもかけず無視出来るはずの低威力のアーツだが、使い手がトーカであるというだけでその“本来”は儚くも砕け散る。

 諸々の強化が乗ったトーカの放つ低威力のアーツ。だが、その威力は既に他者が使う大技クラスにまで高められていた。


「……!【ブロック】!」


 とっさの事であってもしっかりとタイミングを合わせて大盾を差し込んだドウランを砲弾でも当たったんじゃないかという程に重い衝撃が連続して降り掛かる。


 白銀ノ戦棍と大盾がぶつかり合い、ガインッ!ガインッ!と重く硬質な音が鳴り響く。

 聞くからにとてつもない威力を孕んでいると分かる一撃だったが、基礎にして奥義とまで言われる、ダメージカット率を上昇させるアーツである【ブロック】と使い手の技量によって阻まれたその攻撃は、ドウランのHPを減らす事はなかった。


「……これでもノーダメかよ。ったく、自信なくすぜ」

「それはこっちのセリフだ。たった数発受けただけでもう手が痺れてきやがった」

「はっ、よく言うぜ。なんならそのまま盾を取り落としてくれてもいいんだぞ?【ハイスマッシュ】!」

「面白い冗談だな。俺はタンクなんだ、死んでも離すかよ。【ブロック】」


 再び鳴り響く激突音。


 あまりの衝撃にドウランは1歩2歩後退る。

 だが、彼のHPバーはその場に踏みとどまっている。


 確かにその衝撃は壮絶に過ぎるものではあったが、盾によるダメージカット率を上昇させる『盾術』のスキルや称号やスキルの効果でかかっているドウラン自身へのバフ効果による彼の防御を突破するにはいたらなかったようだ。


 トーカが異常な程の攻撃力を有していると言うのならば、ドウランは異常な程の防御力を有しているという他ない。


 異常ですらある攻撃力を持つトーカの攻撃を正面から受け止められるプレイヤーというのは、同じく異常ですらある防御力を持つドウランだけだろう。


「はっはぁ!まだまだ終わんねぇぞ!【スマッシュシェイク】【スマッシュ】【チェインボム】【クラッシュスタンプ】ッ!」

「っう……!」


 トーカとしても、ここまで真正面から自分の攻撃が受け止められた経験は少ない。

 故に、この圧倒的な硬さを誇る強敵を前にテンションが上がって仕方がないトーカは普段は見せないような攻撃的な凶相(えみ)を浮かべてアーツによる連撃を叩き込む。


「うっ、ぐっ、ふうっ!」


 トーカが気軽に放つ1発1発が、まともに喰らえば致命傷になりかねない凶悪極まりない攻撃である。


 そんな攻撃を受け止めるドウランの表情には余裕などはまるで見受けられない。

 当然、しっかりと防げばノーダメに抑えられるとはいえ、それはつまりイコール楽であるという事にはならない。

 むしろ、しっかり防がなければ瞬く間にサンドバッグに早変わりだろう。


 故に、ドウランはトーカの放つ1発1発を細心の注意を払って防ぎ続けなくてはならない。

 無軌道に無規則にトーカが思うままに振り回す致死の一撃に毎回毎回遅れること無くジャストガードを決める。それは生半可な集中力では不可能な芸当だ。


 そして、如何に集中していようといずれ限界は訪れる。


「っあ……」


 身体を回転させて勢いを付けて振り上げた掬い上げるような一撃。それに対する反応が一瞬だけ遅れた。

 あえて理由を付けるならば身体を回転させる事による軌道のブレだろうか。


 だが、理由などは関係ない。今この場で必要なのは、ドウランの防御が僅かにズレたという事実だけだ。


「あ゛ぁ゛!硬ってぇ!あっははははは!楽しいなぁ!【アースクラッシュ】ッ!」


 自身の持つ異常な攻撃力故に、普段は1つの対象を殴り続けるという経験の少ないトーカだが、いま戦っているドウランは違った。

 己の攻撃をひたすらに耐え抜くドウランに、トーカの変なスイッチが入ってしまう。


 そんな最高にハイッてやつになっているトーカが、この隙を見逃すはずもなく、振り上げた白銀ノ戦棍を勢いを殺さず、弧を描くようにして素早く振り下ろす。

 そして、そのまま重心の移動を利用してより深く踏み込み、全体重を乗せた一撃を左から右へ、薙ぎ払うようにドウランの大盾に叩き込む。


 完璧に決まったその一撃は、見事にドウランの大盾の中心を捉える。核ともいっていい芯を捉えたその一撃の威力は、想像を絶する程だっただろう。


 衝撃が一切逃げずに完璧に伝わったからなのか、先程までと違いドウランの身体が後ろに押されるような事はなかった。


 ただ、深く、深く決まったその一撃はーー


「なっ!?」

「っは、ははははは!」


 ドウランの盾を砕いた。


「うっそだろテメェ!」

「ところがどっこいってなぁ!」


 ドウランとてトッププレイヤーの一角。盾を失ったくらいで何も出来なくなるようなやわなタンクでは無いが……


 盾を失った状態でトーカを相手にするのはさすがに無理がある。


「オラオラァ!逃げてばっかじゃどうにもなんねぇぞ!」

「るせぇな!この脳筋ゴリラが!」


 熱に浮かされ、いつもよりも語気の荒くなったトーカがここぞとばかりに殴りかかり、そんなトーカに影響されたのか試合前は寡黙だったドウランも怒号を上げて時に避け、時に腕を使って受け流していく。


 鎧があるとはいえトーカの攻撃を受け流すためにあえてトーカの攻撃を喰らっているドウランのHPが、目に見えて減少していく。


 その減少速度に、このままでは限界が近い事をドウランが1番よく分かっていただろう。だからこそ彼は賭けに出た。


「【頑健】ッ!くっぅ!」

「っ!マジかよ!」


 トーカの一撃を、ドウランはわざと喰らった。


 もちろん諦めた訳では無い。


 自身の防御力を一時的に超上昇させ、あらゆる攻撃に耐性を付与する防御系スキルの中でも一二を争うほど強力なスキルである【頑健】を使い、さらに腕をクロスさせる事で盾がない状況で出来る最大限の防御姿勢を取っている。


 そうまでして彼がトーカの攻撃を真正面から受け止めた理由それはーー


「【チェンジNO.2(ナンバーツー)】、【再生】。まだまだ俺は終わんねぇぞ!」


 一瞬で装備を変更するスキル【早着替え】で予備の装備を呼び出す事で盾を補完し、更には『回復魔法』以外の数少ない自己回復スキルである【再生】で残量2割を切っていたHPを回復させる。


「ははっ!そうだよなぁ!そう来なくっちゃ面白くねぇ!」


 ドウランは盾を構え直し、トーカも白銀ノ戦棍を構え直す。

 一拍開けて、トーカが駆け出す。


「第2ラウンドとしゃれこもうじゃねぇの!」

「あぁ!やってやらァ!」


 数秒の後、異常な攻撃力を持つトーカと異常な防御力を持つドウランが、再び、激突した。


今後その場のノリで色々なスキル(複合スキル含む)や称号、武器防具アイテムを増やしていくと思うので何かアイディアがあればお願いします!


おかしい所や誤字脱字、誤用などがあったら是非ご指摘お願いします


ブクマしてくれた方や読んでくれてる方本当にありがとうございます!


今後も当作品をよろしくお願いします!

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