第127話 『最後の戦い』
お久しぶりでございます
延期に次ぐ延期で大変お待たせいたしました
ある程度は書き上がったので、投稿を再開致します
「あ゛ー今更ながら緊張してきた。だって決勝だぜ?緊張するよなしちゃうよな。俺だけじゃないよなみんな緊張してるよな?入場は勢いで行けたけどさやっぱなんか今更ながら場の空気に飲まれて来たって言うか緊ちょ……あだァッ!?」
入場も終えた今、本当に今更のように緊張しだしたリクルスの背中を思いっきり叩く。
完全に不意打ちを喰らった形になったリクルスは、ギャグ漫画のお手本のように綺麗な跳躍を見せてくれた。
「痛ったぁ!?ちょ、トーカさん!?かなり痛いんですけど!?」
「いや、お前がさっき『緊張してたら思いっ切り引っぱたいてくれ』って言ってたから……」
「言ったけどさぁ!?ソレで殴るのは良くないだろ!?」
リクルスが指さす先にあるのは俺のメイン武器てある白銀ノ戦棍。
創り出されてからまだ日は浅いが、それでも既に数々の激戦を共に制してきた、唯一無二の相棒だ。
それを指さして騒ぎ立てるリクルス。
「?」
はて、何かおかしい所があるのだろうか?
「いやなに首傾げてんの!?普通こういう時って平手で背中バチーンッ!ってやるパターンだよね!?敵撲殺する戦棍でドカッ!とやるものじゃないよね!?」
「偉大なる先人はこんな言葉を残しました。『お前の常識非常識』、と」
「ブーメラン!!」
キレのいいリクルスのツッコミが響き渡る。
その反応を見て、リクルスの緊張が完全にほぐれた事を確信した。
長年の幼馴染み経験から分かるが、リクルスやカレットは緊張している時は変に落ち着かせようとせずに過激なくらいの接し方の方がペースを取り戻してくれたりする。
これなら俺も幼馴染みの背中に得物を振るった甲斐があったな。え?決勝前の素振り?そんな訳ないじゃん。
「変に気張る必要は無いんだよ。いつも通り行けばいい」
「なーんか腑に落ちねぇが……ま、その通りだな。いつも通り行くぜー!」
うん。すっかり元通りだ。
ついでに武器で殴られた事ももう気にしてないらしい。単純な奴で助かる。
ちなみに、リーシャとメイは未だに2つ名について話していて、カレットは逆に2つ名がついたことでテンションが上がった様で未だにはしゃいでいる。
更には、そんな俺達5人の様子を見てリベットがなんとも言えない笑みを浮かべている。その表情から察するに呆れ半分安心半分と言った所か。
だが、大事な決勝戦前に【カグラ】だけが騒いでいると思われてはたまらない。
チラリと対戦相手たる【クラウン】に目を向ければ、あっちもあっちで決勝戦前とは思えないやり取りをしているのだから。
アッシュはひたすら豪快に笑っているし、ウィシャルネは手鏡を取り出して自分の美貌に酔いしれている。そしてショウキョウはそんな2人を笑って見ている。
その横では、そんな3人のうるささに辟易したように口を噤んで静かに立っているカザキとドウランがいて、その2人の周りを未だにネルが騒ぎ回っている。
要は、あっちもあっちで似たり寄ったりな惨状ということだ。
「はっはっはっはっはっは!」
「ふっ……今日も私は美しい……!」
「2人ともテンション高いなぁ。カザキとドウランもテンション上げてこうぜ?」
「「…………………………」」
「そうだよそうだよ!2人ともムスッとしちゃってさぁ、楽しまなきゃ損だよ?」
うーん。カザキとドウランからはかなりウザがってるオーラがぷんぷんと醸し出されているが……それでも続けるんだからあの4人も凄いよな。
『はいはーい。そろそろ決勝戦始めますよー?両チームとも準備はいいですかー?』
「おう!いつでも構わないぜ!」
「ふっ……美しき私は常に万全の状態さ」
「おーけーおーけー始めよぉぜ」
「はいはーい!準備おっけーでーす!」
「………………早く始めてくれ。五月蝿くて敵わん」
「……隣に同じく」
「え?私?」
「お前じゃねぇよ殺すぞ」
「ひゃー怖っぶな!?マジで蹴ってきた!?」
「いつでもいいぞ」
「しゃぁ!腕がなるぜ!早く始めてくれ!」
「うむ!私もいつでも大丈夫だ!」
「準備ばんたーん」
「僕も平気だよ」
「あぁ、もう大丈夫だ」
妖精ちゃんの呼び掛けに、両チームからすぐに返事があった。
なにやら【クラウン】はまたしてもコントを繰り広げているが、準備万端の様だ。
『おーけーおーけー!それじゃあ行くよー!』
その声に合わせて妖精ちゃんとエボ君が片手を上げる。
2人のサイズこそ違えどそのポーズは鏡に映した様にまったく同じだった。
『泣いても笑ってもこれが最後の試合!第2回イベント《EBO》トーナメント大会決勝戦!レディー…………』
そして、そのまま同じ速度で腕を振り下ろす。
『ファイトッ!』
ついに、最後の戦いの幕が開けた。
今後その場のノリで色々なスキル(複合スキル含む)や称号、武器防具アイテムを増やしていくと思うので何かアイディアがあればお願いします!
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今後も当作品をよろしくお願いします!




