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第112話 『PvP大会:初戦』

あとがきで詳しく書きますが、今回の話は展開にめちゃくちゃ迷った回になります

 

 今回の試合会場となる闘技場は直径100メートル程の円形の作りをしており、周囲は10メートル程高くなってそのまま階段状に客席となっている。


 俺達が控え室直通の通路を通って闘技場に向かっていると、ちょうど相手の『紳士連盟』も控え室からこちらに向かって来ていた所だった。

 対戦相手同士の控え室は対角線上にあるため、向こうの通路を確認するのは現実だったらかなり難しいが、今の俺には『遠見』と言うスキルがある。前から持っていたがそこまで使用頻度が高い訳ではないのでスキルレベルは低めだが……それでも200メートルもない距離を見通すことは余裕で出来る。


「っと、ありゃ?通れねぇぞ?」


 そして、そのまま闘技場内に入ろうとしたのだが……一番乗りをしようとしたリクルスが出口の部分で見えない壁に阻まれて首を傾げている。


 みな一様に通れない通路に首を傾げるが、意外にも問題の解決は一瞬だった。


『さぁさぁお時間となりました!それでは登場していただきましょう!1回戦第1試合『カグラ』対『紳士連盟』!両者入場!』


 エボ君がそう宣言すると、闘技場と通路を隔てていた空間が一瞬揺らぎ、もう普通に通れるようになっていた。

 どうやらこの演出をするために闘技場内部を一時的に不可侵領域設定にしていたようだ。


「よっしゃ!気を取り直して行くぞ!ってカレットてめぇ!」


 改めて一番乗りしようと駆け出すリクルスと、無言でそれに先行するカレット。長距離と言わず短距離でもAGIを重点的に伸ばしているリクルスに魔道士であるカレットが勝てるはずもないが、超短距離となれば話は別だ。


 出だしのほんの一瞬の差でカレットが先に闘技場内に突入し、その直後にリクルスが悔しげな表情をしながら闘技場内に入っていった。


 そんな2人に呆れながらも残りの4人も闘技場内に入る。

 と、途端に沸き起こる割れんばかりの歓声。正真正銘初の公式の試合に観客達のテンションは最高潮になっているようだ。


「あなたが『カグラ』のリーダーですね?本日はよろしくお願いします」


 闘技場の中央まで進むと、少し先に中央にたどり着いていた『紳士連盟』の1人が歩み出てきて握手を求めてくる。


「あぁ、負けるつもりはさらさらないが……お互い全力を尽くそう」


 そう言って握手に応じると、想像以上に強い力で握り返される。


 割と全力で手を握られていて、痛くはないがかなり圧迫感があるが……やはり舌戦とは名ばかりの挑発に相手も少しイラッと来たのだろうか。


「ふむ……ふむふむ。積年の恨み……晴らすには絶好の機会でしょう。我等が護るべき者を不当に扱った報い、受けてもらいますぞ」


 紳士服にちょび髭の、The紳士といった風体の男は忌々しげにそう言い捨てると、乱暴に握手していた手を振り払って仲間の方へと戻っていく。


 なんだ……?めちゃくちゃ恨まれてるというか、憎まれているというか、物凄い負の感情を向けられたが……初対面、だよな?


 リーダー紳士の、対戦相手だからという以上の謎の敵視に疑問を覚えつつ、トーカも仲間の元へと戻る。


「我等は女神(ロリ)の為にあり!女神(ロリ)は我等の為にあらず!故にこそ我等は女神(ロリ)を不当に貶める悪鬼羅刹を許すまじ!我等の目的は勝利にあらず!ただ悪鬼羅刹を滅するのみ!YLNT!」

「「「「うぉぉぉぉぉッ!YLNT!」」」」


 ルビの振り方とかがおかしい気もしなくはないが、相手方の気合いは十分なようだ。と言うより敵意を超越して殺意がひしひしと伝わってくる。


「とうとう本戦だ。だが気負う必要は無い。いつも通り戦っていつも通り勝てばいいだけだ。行くぞ!」

「「「おうッ!」」」

「「おーッ!」」


『両者気合いは十分みたいだね!それではいよいよ《EBO》史に残るであろう《EBO》初の公式戦、第1試合『カグラ』対『紳士連盟』!レディー…………ファイトッ!』


「心置き無くぶっ飛ばしな!【バフセット:カレット】ッ!」

「任された!開幕から吹っ飛べ!【拡散型白龍砲:三頭(みつがしら)】ッ!」


 試合開始直後、チーム『カグラ』の十八番である開幕ぶっぱが放たれた。観客も、そして相手も確信に近いレベルで予想してはいた状況だろうに、実際に『カグラ』と対戦した事のあるプレイヤーも含めて全ての観客がそのあまりの光景に言葉を失っていた。


 だが、それも無理のない事だろう。

 今放たれた【白龍砲】は、予選の時に使っていた物とは根本的に違うのだから。格が違うと言い換えてもいい。


 予選の時に使われていた【白龍砲】は、【ファイアブレス】と【ウィンドブレス】をそれぞれ『多重詠唱』で4重に合わせたものを更にひとつにまとめていたが、『多重詠唱』の威力が上がった事で4重から6()重へと進化しているのである。


 予選期間中にも既に『多重詠唱』のレベルをひとつ上げていたが、自身のチームの本戦出場、そしてノルシィ率いる『魔道研究会』の本戦出場を知ったカレットは、それでもまだ足りないとばかりに予選終了から本戦の間……僅か1日で『多重詠唱』のレベルを更にひとつ上げたのだ。


 たった一日でスキルレベルを5から6上げるために、カレットがどれだけ自分を酷使したのかは定かではないが……消費されたMPポーションが優に4桁を超えると言うだけでもその過酷さの一端を感じ取れるだろう。


 ひとつ確かなことは、今この瞬間のカレットが使う【白龍砲】が過去最高の威力であるという事だけだ。


 そして、今放った【三頭(みつがしら)】はその名の通り、進化した【白龍砲】を更に3重に展開しているのだ。そこには、予選の時の【白龍砲】と同じ魔法と考えるのも烏滸がましい程に明確な威力の差が存在している。


 更に言えば、予選の時はカレットの開幕ぶっぱにバフを盛っていない。より正確に言うならばちまちまとバフを盛っていては速攻にならず、相手に防御する暇を与えてしまうためバフを盛れていなかった。


 だが、その問題はトーカが新たな領域に至った事であっさりと解決された。


 トーカの使うバフ……『付与魔法』も、この予選期間の最後の方でついにスキルレベルが10になり、派生スキルを得るに至ったのだ。


 その名も『支援魔法』。


 もうひとつの派生スキルである『強化魔法』と対をなす魔法であり、その効果はざっくりと言ってしまえば『自身には付与不可能な強力なバフを他者へかける』というという物。


 となると当然『強化魔法』は『他者には付与不可能な強力なバフを自身へかける』という内容になるのだが、それはまた別の機会にという事で。


 その『支援魔法』がスキルレベル1の段階から使えるいくつかの魔法のうちのひとつに【バフセット】という物がある。

 それは『事前にいくつかのバフを、使用する順序を含めて一連の流れとして登録し、それをMPを多めに消費する事で一手で使用出来る』という『魔法合成』に似ている効果を持っている。


 その効果に従って、トーカは事前に【バフセット:カレット】……その名の通りカレット専用の【バフセット】を作っていたのだ。


 その内訳は、3段階に分けられている。


 まずは自身に『付与魔法』の【マジックアップ】をかけ、これから使うただでさえ強力な上に『蛇装飾の魔杖』で効果が強化された『支援魔法』の効果自体を更に強化する。


 続いてカレットに『支援魔法Lv.1〜2』で使えるようになる【エンハンスマジック】【エンハンススペル】【エンハンスファイア】【エンハンスウィンド】をかける。


 効果はそれぞれ『他者のINTを超強化する』『他者の使う魔法を超強化する』『他者の使う火属性の攻撃を超強化する』『他者の使う風属性の攻撃を超強化する』というもので、これによって火属性と風属性の複合魔法である【白龍砲】の威力を底上げしているのだ。


 最後にこれまた『支援魔法Lv.1』から使える【マジックポイントギフト】を使用する。


 この【マジックポイントギフト】というのは、これまた字面から予想できる通り『使用者のMPを他者に分け与える』というものであり、これで分け与えられたMPは本来の容量を超過して保持することが出来る。


 紆余曲折を経て超絶火力を有する事になっているとは言っても、トーカも曲がりなりにも魔法職であり、そのMP量は全体的に見て多い部類に入る。

 それが更に『蛇装飾の魔杖』の効果で『支援魔法』や『付与魔法』での消費MPが削減されているので、かなりの量のMPがこの段階では残っている事になるのだ。


 これによって5つのバフを使用した上で余った相当量のMPを全て(・・)カレットに譲渡する。


 そのような効果を一手で付与できる【バフセット】はそれだけてとてつもないポテンシャルを秘めていると言えるだろう。


 後はそんな専用バフによって限界まで強化され、更に約2人分のMPを保持しているカレットがその膨大なMPに物を言わせて全力で焼き払うだけ。

 しかもカレット自身も装備や称号の効果で『火魔法』と『風魔法』は威力は上昇しつつ消費MPは減少しているため、より多くの魔法を放つ事が出来る。


 そんなカレットが放つ【白龍砲】を更に3つ束ねた【三頭】……生半可な、どころかたとえ《EBO》最高の魔法防御力を持つ者であっても直撃すればとても耐えられる魔法(もの)では無いだろう。

 否、防御姿勢を取っていても生き残れるか怪しい所である。


 そんな魔法を、来るのは知っていたとはいえ事前準備も間に合わず、半ば不意打ち気味に喰らえばどうなるか……


 その結果は火を見るより明らかだろう。


 《WINNER『カグラ』!》


 つまりはこういう事である。


『紳士連盟』に【白龍砲】を防がせて本戦の高レベルさを押し出すか予選と同じように【白龍砲】で瞬殺してカグラ(正確にはカレットとトーカのコンボ)のヤバさを押し出すか……

迷いに迷った結果流れに身を任せたらこうなりました

次回からはまともなバトルをしてくれるはずです


今後その場のノリで色々なスキル(複合スキル含む)や称号、武器防具アイテムを増やしていくと思うので何かアイディアがあればお願いします!


おかしい所や誤字脱字、誤用などがあったら是非ご指摘お願いします


ブクマしてくれた方や読んでくれてる方本当にありがとうございます!


今後も当作品をよろしくお願いします!

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