表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/310

第105話 『新たな町を目指して』

イベントじゃい!

という事で今回から第2回イベントのお話になります

 

「つーいにきーたー」「つーいにきーたー」「「イベーがーきたー!」」「やーっときーたー」「とうとうきーたー」「「イベがーきたーぁぁ!」」

「うるせぇよ」


 目の前で歌う瞬と明楽に冷たい視線を向けて護が言い放つ。


 学校が終わるなりすぐに押しかけて来て歌い始めやがって……

 まだ2人とも制服姿じゃねぇか。


「ったく、なんでお前らそんなテンション高いんだよ……」

「これがテンション上げずにいられるかっての!」

「待ちに待ったぞこの時を!」

「「ついに来たぞ!第……」」

「第2回イベントだろ?」

「「なっ!?」」


 イベント情報を知るや否や家に着くなり着替えもせずに護の部屋に突撃してきた瞬と明楽が驚愕の表情を浮かべ固まっている。

 まさか護が既にイベントについて知っているなど夢にも思っていなかったようだ。


「一応俺も《EBO》の公式サイトはちょくちょくチェックしてるんだよ。そしたら昨日の夜たまたま第2回イベントを近々開催するって話を見かけてな」

「まさか護がもう知ってたなんて……」

「昨日の夜からずっと我慢してたこの時間は無駄だったのか……」


 とっておきの情報が既に護は知っていたと知ってガックリと項垂れる瞬と明楽。とりあえず着替えてこない?というか俺が早く着替えたいのだが……

 家に帰ったらすぐに制服は着替える派の人間からしたら家で制服姿でいるのはなかなか落ち着かないものがある。


「分かった分かった。俺もちらっと見ただけで内容は全然把握してないから」

「「ッ!」」


 護の言葉に反応して顔を上げた2人が何か喋り出す前に手を前にかざしてソレを一旦止める。


「はいストーップ。だから一旦着替えさせてくれ。ついでに飲み物用意するから……5分後くらいにもう1回俺の部屋に来てくれ」

「へいへーい」

「了解だ」


 そう言って2人を一旦追い返すと、ぱっぱと部屋着に着替えて折りたたみ式の机を引っ張り出す。そして1階の冷蔵庫から飲み物(突然来訪なので麦茶)と3人分のコップ、買い置きのお菓子を何種類か持って部屋に戻る。

 と、ここで5分ジャスト。護が1階から持ってきた一式を机に置き終わったタイミングで瞬と明楽が全く同時に護の部屋に舞い戻ってきた。


「本当にこういう時だけは時間厳守するのな」

「「もっちろんさ!」」


 護の呆れ声と2人の自慢気な声を以て突発的お茶会は始まった。


 ◇◇◇◇◇


「んーやっぱ塩せんべいって神だわ。開発した奴マジで神。しょうゆせんべいなんて目じゃないくらい美味いわ」

「いーやしょうゆせんべいの方が間違いなく美味いな。塩が美味いのは認めるがせんべいと言ったらしょうゆせんべいだろう」

「なんだって?」

「なんだと?」

「………………はぁ」


 目の前でせんべい論争を繰り広げる2人に護の呆れ混じりのため息は聞こえていないようだ。如何に自分の推しせんべいの方が美味しいかを熱心に討論している。


「なぁ、2人とも、イベントについてはいいのか?」

「「あぁっ!忘れてた!」」

「………………はぁ」


 もう慣れたとはいえコイツらの相手は疲れるな……

 と、それよりも早く本題に入ろう。また2人の話題が脱線する前に。


「俺は近々第2回イベントがあるってだけしか知らないからな。開催時期もイベント内容もなんにも知らないからな。とりあえず分かるだけでも教えてくれ」

「あぁ、まかせろい!とりあえずこの前第3の町が発見されたのは知ってるな?」

「え?何それ知らない」


 マジかよ!とのっけから出鼻をくじかれた瞬が芸人よろしくずっこける。うーむ、美しいずっこけ芸だ。


「いつの間にか見つかってたのか第3の町」

「あ、あぁ。ってもしょうがないのか?俺らって今基本的に【ウクスタ】付近がメインじゃん。第3の町は【トルダン】から【ウクスタ】とは真逆の方向に進んだルートで見つかったっぽいからな」


 へぇ……最近は新しい装備の慣らしでロッ君マラソンをしてるかメイの工房(キッチン)で料理(主にジュース)の腕を磨いてるかだったからな。

 外ではそんな事になっていたのか。なんというか……祭りに乗り遅れた感があるな。


「んでだ、その新しく発見された町……【ララララ】と言うんだが、そこがだな……」

「ちょ、ちょっと待ってくれ」


 一緒に聞いていたはずの明楽はおろか自ら言っていたはずの瞬まで何も違和感を感じていないようだったから流しかけたが、さすがにこれはちょっと突っ込ませてもらいたい。


「ん?どうした?」

「いや町の名前!なんだ【ララララ】って!なんでお前らはそんな歌ってる見たいな名前に違和感を持たないんだ!?」

「あーそれか。俺は昨日の時点で『なんだよ【ララララ】って!』って笑い転げた後だからだが……明楽も同じじゃないか?」

「いや、違うぞ?私は別に変な名前だとは思わんが……公式から正式な発音の発表がない以上【ララララ〜♪】と歌い上げるようにでも【ラッラッラッラッ】と変なマンガキャラの笑い声のようにでも無数の可能性があって逆に面白いじゃないか。私は普通に【ララララ】派だが」

「「お、おう……」」


 確かによく考えてみれば常識的観点から町名が同じ発音の言葉の4連続というのに意識を持ってかれがちだが、別に名前としてそこまで変な意味を持っている訳ではない。

 そういう意味では明楽のように捉えた方が楽しくはあるだろう。


「すまん。脱線させたな。続けてくれ」

「あ、あぁ。【トルダン】から【ウクスタ】とは正反対に進むとそのうち荒野に行き着くんだと。で、そこはエリアボスである狼の群れ……通称『群狼ぐんろう』のナワバリって訳だ」


 名前的にフィールドボスは複数居るのかと思ったが、どうやらボス扱いなのは群れのリーダー1匹らしい。そのリーダーが率いる狼の群れも倒さないといけないのと、素早く手数が多いためなかなかな難易度になっているらしい。

 一応範囲攻撃があればボスはともかく群れは敵ではないらしいのだが……範囲攻撃と言ったら俺の得意分野だ。そこまで気負う必要もないだろう。


「で、その『群狼』を倒せば辿り着けるようになる【ララララ】だが……1番の見どころは町の中心にでっかく陣取るコロッセオだな、大抵は闘技場とか言われてるが……そこが今回のイベントの会場になるらしい」

「へぇ……コロッセオねぇ。って事は今回のイベントは対人戦なのか?」

「らしいな。まぁ参加受付がその闘技場でしか出来ないから……そういう意味では今回のイベントの参加条件は『【ララララ】に辿り着けるだけの実力がある事』とも言えるな」


 ふぅむ。なかなかシビアな条件だな。参加受付がどのくらいの期間受け付けているかは分からないが、これでは確実に参加したくても参加出来ないというプレイヤーが出てしまうだろう。

 俺がそう言うと、そこら辺は2人も考えていたらしく、瞬からは「そうだよなぁ」と同意を頂いた。


 ただ、明楽の意見は少し違ったようだ。正確には理由の予想があると言った方が正しいか。


「ほら、近々第2陣投入の噂があるだろう?それに合わせたトッププレイヤーの実力の確認とそれに伴う微調整も理由の一つでは無いか?」


 確かに《EBO》が世に出てしばらく経ったからなぁ。そろそろ第2陣が来てもおかしくないとは思うが……というか良く考えれば俺らって第1陣なんだよな。元は誕プレで2人がくれたものだが……初回版という事は相当入手は難しかったのではないだろうか?

 今度のこいつらの誕生日は俺も全力で祝わないとだな。


「それに、一応本戦に参加出来ないプレイヤーもイベントに参加出来る措置はあるらしいぞ。期間中はあらゆるモンスターが専用のコインをドロップするらしい。そのコインを使ってどこが優勝するか賭けができるんだと、結果によってコインが増減して、イベント終了後はそのコインをアイテムと交換出来るとか、参加したくても参加出来ないプレイヤーにはそういった面で楽しんで貰おうって事なのだろう」


 どうも明楽は俺が思った以上に今回のイベントについて深く考えていたようだ。どうも先日のカレットと(トーカ)の決闘で明楽はPvPの楽しさを知ったらしいが、それも関係しているのだろうか。


「へぇ、んじゃ当然2人も今回のイベントには参加するつもりではあるのか」

「あぁ!もちろん!」

「参加しない訳がなかろう!」


 だよなぁ。この2人明らかにそういうの好きそう……というか(イベント)には全て参加したがるタイプだからきっとそういうと思った。


「で、2人はもう【ララララ】に行けるのか?」

「いんや、まだ『群狼』に勝つどころか挑んですらいないんだよなぁ。発見されたのも極最近らしいし」

「だが、早ければ今夜にでも『群狼』に挑もうと思っているぞ!もちろん護……トーカも一緒にだ!」

「なるほど、俺もPvP大会(第2回イベント)にはちょっと興味あるし、それならこっちからお願いしたいくらいだ。んじゃ今夜は『群狼』討伐を目指すとしようか」

「「おぉー!」」


 ◇◇◇◇◇◇


「「「とーちゃくっ!」」」


 護の部屋で今日の方針が決まってから3時間ほどたった頃。

 トーカ、リクルス、カレットの3人は最近発見されたばかりの町【ララララ】の土を踏み締めていた。


「よっし、これで次からはテレポですぐ行けるな」

「それよりも早く参加受付しよう!確か今日の正午から受付開始だったはずだ!」

「まぁまぁ、落ち着けよカレット。焦らなくたって闘技場は逃げやしないって」


 え?『群狼』戦?


 カースリングで強化した俺の『呪術魔法』でMND(魔法防御)を100%減少させられた所にバフ盛りまくったカレットの四重の【ファイアストーム】と【ウィンドストーム】で取り巻きが根こそぎ焼き払われて、それでもまだHPが9割以上は残っていたボスをリクルスのスタン攻撃で動きを止めて俺とリクルスでボスの四肢を砕いた後は3人で延々とサンドバッグにしてた話でもする?


えー、早速プロットから脱線しております。

そこまで重傷じゃない上に大筋は決まっているので筆が詰まるということはないんですが……自身の脱線力を改めて思い知りました。

私の脱線力は53万です。


今後その場のノリで色々なスキル(複合スキル含む)や称号、武器防具アイテムを増やしていくと思うので何かアイディアがあればお願いします!


おかしい所や誤字脱字、誤用などがあったら是非ご指摘お願いします


ブクマしてくれた方や読んでくれてる方本当にありがとうございます!


今後も当作品をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いですww 最初の瞬と明楽が歌ってたのは、春が来たの替え歌と思うのですが… 間違ってたらすいません。
[良い点] いや最後まで言ってんじゃんwwww かなり面白い作品ですね。結構好きです。 お目汚ししてすみません。
2021/03/09 13:19 御心の世界
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ