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第99話『秘境の守護者達』

ヤバイ……どんどん投稿間隔が伸びてく……

エタらせる気は無いので気長にお付き合いください……!

 

「ほーらほら、私は1歩も動いてないわよー?こっち来ないのー?」


 その後も、現れる箇所が判明している事もあり、リーシャは1歩も動く事無く続々と現れるモンスター達を射抜き続ける。


 そんな一方的な戦闘とも呼べない的当てゲームがどれだけ続いた頃だろうか、そろそろ残弾が心許なくなって来たリーシャに、最高とも言えるタイミングでとあるインフォメーションが流れてきた。


 《称号『固定砲台』を取得しました》

 《称号『乱射魔(トリガーハッピー)』を取得しました》

 《称号『無限射手』を取得しました》


「お、新しい称号だな……っと」


 一気に3つの新たな称号(ちから)を手に入れたリーシャだが、依然として敵はなだれ込み続けているためその詳細を確認する暇がない。

 魔法か物理かの違いはあれど同じ遠距離攻撃職であるカレットから『固定砲台』の方はチラッと聞いてはいたので、『固定砲台』の効果は分かるが、残りのふたつが分からない。


 経験則から言えば名前がヤバイ称号程効果は規格外な事が多いが……


「おろ?矢が増えてる……?」


 確認したくても出来ない状況にやきもきしながらリーシャは矢筒に手を伸ばし、その事に気付いた。

 先程までは残り僅かだった矢の数が、一気に増えているのだ。


「これがさっきの称号の効果?だとしたら……名前的に『無限射手』の方かな?」


 リーシャのその予想は当たっており、新たに取得した称号の『無限射手』の効果は使用した矢の回収を自動で行ってくれるという弓術士からすれば垂涎ものの称号である。

 また、取得条件が矢の回収をせずに一定数以上の矢を放ち、なおかつ一定数以上のモンスターを討伐する事であるため、弓術士であっても取得しているプレイヤーは多いとは言えない。


 ついでに言えば『乱射魔(トリガーハッピー)』の効果は矢を連射する限り常に威力が上昇し続けるという効果で、具体的に言えば1発につき1%ずつ攻撃倍率が上昇していき、MAXで1000%……元の10倍の威力にまで達するというぶっ飛んだ効果となっている。


 もちろんそこまでの倍率になるには相当数の矢を放たなくてはならないし、1発でも間に射撃以外の攻撃行動が入れば倍率はリセットされてしまうが、それでも強力な効果である事に変わりはない。


「あははははっ!こりゃいいわ!撃っても撃っても矢が尽きない、最っ高じゃない!」


 手元に残弾が一気に増えた事で精神的な余裕も復活してきたリーシャは、続々と現れる狼やら蝙蝠やら蜥蜴やら蜘蛛やらを次々と射抜いていく。

 その度に『乱射魔(トリガーハッピー)』と『固定砲台』の効果で少しずつ威力が上昇していき、最終的に急所に当たれば1発で確殺出来るまでに威力が上がったところで変化が訪れた。


 あれだけ湧いてきたモンスターの波が2〜3分前に仕留めた洞窟蜥蜴を最後にピタリと止まったのだ。一瞬メイの採掘が終わったのかとも思ったが、耳をすませるまでもなく未だに採掘音は鳴り響いている。


「なにが……っ!?」


 起こってる?と言おうとした所で突如としてすぐ側に揺らめくナニカが出現し、攻撃を仕掛けてきた。

 持ち前の反射神経で飛び退いて矢を射掛けるものの、カキンッと音を立てて下手人が手に持った何か(恐らく武器)に防がれてしまう。


「ったく……今度はなに?」


 よく見れば、周囲には同じように揺らめく人影がいくつも出現している。リーシャの半分程しかない背丈のずんぐりむっくりとした体型に立派な髭を蓄えたその人影は、ひとつの種族を連想させる。


「これは……ドワーフってヤツかな……?」


 初めて見るその種族に、リーシャが喉を鳴らしながらそう呟く。

 本人からしてみれば、返事を期待していない単なる独り言のつもりだったのだが、想定外な事にその独り言に返事を返す声があった。


『ホう……我ラを知ッテいルカ……』


 周囲の人影……ドワーフ達がその声に反応して道を開けるように開け始める。そして、そこから現れたのは周囲のドワーフ達よりも一回りも二回りも大きな体を持つ巨大なドワーフだった。


 リーシャよりも僅かに背が高いそのドワーフ……ドン・ドワーフとでも言うべき威圧感を放つそのドワーフは、周囲のドワーフ達よりも大きく立派なそのツルハシを地面に叩き付けると、ビリビリと痺れるような大声をあげる。


『貴様ラは……マた我等の秘境ヲ荒らスノか!』


 その声に追随するように周囲のドワーフ達もツルハシを地面に打ち付けてカンカンと耳障りな音を鳴らし口々に同じような事を叫びだす。


「なんか変なイベント踏んだっぽいなぁ、ここ本当は今来ちゃったら話が合わなくなるタイプの場所じゃない?」


 ただでさえ強そうなドン・ドワーフに加え、2桁をゆうに超える数の取り巻きのドワーフ達もいる超危機的な状況にリーシャはあえてとぼけたような言い方をしつつもゴクリと喉を鳴らし、冷や汗を拭う。


 明らかにヤバそうなドン・ドワーフに加え、周囲のドワーフ達も決して弱くはなさそうだ。そして、数も向こうの方が多く、戦わないという選択肢は無いと来た。


 こんなの……


「最っ高にテンション上がるじゃない!【ハイショット】ッ!」


 そういうや否や弓を引き絞り、比較的近くにいるドワーフに向けて『弓術Lv.4』のアーツである【ハイショット】を放つ。

 このアーツはレベル1のアーツである【ショット】を純粋に強化したものであり、特殊な効果こそないもののそこそこの威力がある。その上、雑魚相手に散々連射した事で『乱射魔(トリガーハッピー)』の効果でさらに威力が上昇している。


『ヴっ!』


 矢はドワーフの肩に突き刺さるとHPを1割程削り取る。

 ここのモンスター達を片っ端から射殺していたリーシャの矢で1割程しかダメージを受けないドワーフが凄いのか、明らかになんらかのイベントモンスターであるドワーフのHPを矢の1発で1割も削り取ったリーシャが凄いのかは分からないが、リーシャが苦戦させられる事は間違いなさそうだ。


「うっわ、全然効いてないじゃない」


『ヴォ゛ォぉ゛ぉ゛ぉッ!』


 雄叫びを上げながらリーシャに群がりツルハシを叩き付けるドワーフ達。その猛攻を『縮地』を駆使して回避するが、自分が少し前までいた場所を見て頬を引き攣らせる。

 まともに喰らったらタダじゃ済まないと一目で分かる程に地面にはツルハシの爪痕が生々しく刻まれていた。


「当たったらヤバそうね……まぁ当たればの話なんだけどっ!」


 別のドワーフ集団の攻撃も『縮地』を使って回避すると、その集団からあえて射線を外して矢を放つ。甲高い音を上げて突き進むその矢の正体は、陽動用に騒音を撒き散らして進む【クライショット】だ。


 その【クライショット】は自らの役目を立派に果たし、ドワーフ達の注意を引き付ける。僅かな時間とはいえ全てのドワーフの視線がリーシャから外れる。


「戦いの最中に相手から目をそらすとはいい度胸ね!マヌケな自分を恨みながら蜂の巣になりなっ!【スコールショット】ッ!」


 その隙を見逃さず、先程突撃してきた集団の上空目掛けて山なりに矢を放つ。【スコールショット】はその名の通り矢をスコールのように降らせる、【レインショット】の強化版アーツだ。


 その倍率は『スキルレベル×5』本であり、リーシャの『弓術』のスキルレベルは最大の10である。

 つまり、計50本の矢が豪雨の如くドワーフの集団に襲いかかる事になる。


『『『ヴぐァ゛ァァぁ゛ァ゛ァ゛ッ!』』』


 絶叫を上げながら矢の豪雨に飲まれHPを根こそぎ削り取られるドワーフ達。生き残ったドワーフ達もHPは既にレッドゾーンに突入しており、ドワーフ達に痛々しく突き刺さった大量の矢が【スコールショット】の壮絶さを物語っている。


「ひゅー!数の暴力ってやっぱシンプルに強いわ」


 リーシャは多数のドワーフを仕留めた【スコールショット】の成果に満足気に頷くと、【スコールショット】で生き残った僅かなドワーフ達に向けてもう一度矢を放つ。


「割と生き残ったみたいだけど……これは耐えられるかな?【ボムショット】ッ!」


 リーシャの放った矢は生き残ったドワーフ達のすぐ側に着弾すると、轟音と共に爆ぜる。【ボムショット】はその名の通り衝撃を与えられると爆発する矢を放つ『弓術Lv.7』のアーツであり、その爆発の規模や威力はスキルレベルに依存する。


 そして、『弓術Lv.10』を持つリーシャの【ボムショット】の威力はちょっと頬を引き攣らせるレベルにまで達している。

 そんな爆撃を至近距離で受けて無事な訳はなく、【スコールショット】から生き延びたドワーフ達も呆気なく残りのHPを削り取られた。


今後その場のノリで色々なスキル(複合スキル含む)や称号、武器防具アイテムを増やしていくと思うので何かアイディアがあればお願いします!


おかしい所や誤字脱字、誤用などがあったら是非ご指摘お願いします


ブクマしてくれた方や読んでくれてる方本当にありがとうございます!


今後も当作品をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] トリガーハッピーやばくないか?しかも矢の自動回収と相性良すぎるしトーカの持ってるスキルを取得したら100倍超えるんじゃ? それにアーツでの倍率合わせたらとんでもないぞ [一言] 称号を…
[気になる点] 眼球とかひたすらに絶え間なく射抜き続けてるのに、外道は覚えないんですか? いや、そこまでの精密射撃は難しいから攻撃とか散ってるのかもしれませんが
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