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第94話『決着』

やべ、書くだけ書いて投稿するの忘れてた……

 

「焼き切れッ!【四重風炎刃】ッ!」


 カレットが放った【ファイアカッター】と【ウィンドカッター】の合わせ技である【風炎刃】が地中から生えた根を焼き切って消滅する。


 太枝相手には歯が立たなかった『火魔法』だが、相性抜群である『風魔法』と合わせたことや、そもそもエンシェントトレントの根が太枝程硬くも耐火性がある訳でもなかったことが重なり、今や根程度なら簡単に焼き切れるらしい。


「ふははははっ!私の『火魔法』を止めたければもっと強い根を持ってくるんだな!んぐんぐんぐっ!ぷはぁ!」


 ここまで魔法を連打していればMPは相当カツカツなはずだが、カレットは巧みに魔法を操りMPポーションを補給する時間を上手く作り出しているため、MP切れで魔法が撃てないなどという事態には陥っていない。


「おらおらおらおらおらッ!さっきのにゃ驚かされたが……こんくらいの根なら殴って弾けらぁ!」


 一方、本体に向かって飛び込んで行ったリクルスはというと、CTから回復するや否や即座に【乱牙】を発動し、四方八方から迫り来る無数の根相手に乱撃を繰り出していた。

 周囲に無数に生えている根から攻撃が繰り出される上に、一撃でも喰らったら即座に袋叩きにされてゲームオーバーという関係上、襲い来る根を相手取っているとどうしても【乱牙】の連撃判定を満たしてしまう。


 エンシェントトレントが躍起になって攻撃すればするほどそれに触発されたリクルスの動きはより良くなっていき、【乱牙】による威力上昇効果によりリクルスの放つ一撃の威力も加速度的に上昇していく。


 ただでさえ『大地の豪腕』で十分に防げているところに、さらに【乱牙】の連撃判定による強化が加わることで、リクルスはより一層簡単に根を弾けるようになる。

 そして、1回1回が簡単になればなるほど攻撃と攻撃の間に余裕が生まれ、その分本体に近付いて行ける。

 それを繰り返しているうちに、気が付けばリクルスはエンシェントトレントの懐まで到達していた。


『ーーーーーーーーッ!』


「はっ!今更木の葉にちょっとばかしの耐火性を付けたところで私の魔法の前で意味など無いわッ!【二重風炎嵐】ッ!」


 エンシェントトレント本体が凶暴化モードに入ってて強化されたことで、エンシェントトレントがばら撒く木の葉にも若干の耐火性が付与されてはいるようだが、カレット本人が言うように彼女の繰り出す魔法の前ではもはやそんなモノは些細な違いでしかない。


 二重に巻き起こる火と風の嵐によって舞い散る木の葉はいとも容易く蹂躙され、燃え滓すら残さずに焼き尽くされる。

 ならばと繰り出した細枝も、これまた耐火性が上昇してはいるようだが、木の葉と同じくカレットの放つ、《EBO》内最強と言っても過言ではない程にとことんまで突き詰められた『火魔法』に耐えられる訳もなく、無残に焼き尽くされるだけだ。


 そして、その間にもリクルスは【乱牙】によって少しずつ少しずつ一撃の威力を高めながら、根を弾き合間合間に的確に本体にも攻撃を打ち込んでいく。

 元々運動神経がよかったリクルスだが《EBO》内で様々な経験を詰んだ事で、今やリクルスの体術は《EBO》内限定とはいえスキルに頼らなくてもそこそこ人間離れしたレベルにまで到達している。


 そんな2人を相手に、いくらエンシェントの名を冠している特殊ボスとはいえ相性最悪の樹木系モンスターであるエンシェントトレントが、唯一2人が全力で防御に回らなければ止められない最大の攻撃手段である太枝を失った時点で、その後どんなに他の手札を強化しようと勝ち目などもう無いに等しい。


 その証拠に、エンシェントトレントのHPバーは目に見えて分かる速度でグングンと減少していき、一方のリクルスとカレットのHPバーは、エンシェントトレントの太枝を2本落としてからはまるで凍り付いたように1ミリたりとも減少していない。


「これはアレだな!パターンに入ったってヤツだな!」

「だな!根の動きが止まって見える!ほらほら本体がガラ空きだぞッ!」


 本体に刻一刻と強力になっていく乱撃を打ち込むリクルスに対処しようにも、細枝や木の葉はカレットに焼き尽くされ、ならばとやぶれかぶれで繰り出したカレット狙いの根の一撃は地中から突き出すという前動作の大きさが仇となって簡単に躱されてしまう。


 だからといってリクルスに根を放てば、その根はいとも容易く弾かれ、さらに【乱牙】による威力強化を手助けするだけの結果となる。

 2人のうち片方でも何か大きなミスをやらかして落ちない限り、もはやエンシェントトレントに勝ち目など無いだろう。


 そして、ここまでノリに乗っている2人が今更そんなミスをやらかすはずもなく……


「これで……ッ!」

「終わりだぁぁぁぁッ!」


『ーーーーーーーーーーーーーーーーッ!』


 HPバーにして4本という莫大な量を誇っていたエンシェントトレントのHPがついに底をついた。


『ーーーーーーーーーーーーー…………ッ』


 HPが尽きてからも、少しの間音無き絶叫を上げて激しく揺れ荒ぶったエンシェントトレントだが、やがてそれすらも止まり、もはやこの場で動くものはリクルスとカレットの2人……この激戦の勝者だけだった。


「かっ……たぁ……」

「だな……」


 まさに疲労困憊と言った様子でリクルスが仰向けに倒れ込む。

 エンシェントトレントとの激戦で荒れたとは言え地面にはまだ柔らかい芝生が残っている。

 その芝生が、疲れ切ったリクルスの体を優しく包み込み、これ以上ない程の寝心地をリクルスに与えてくれる。


「ドロップアイテムだけ確認したらもう帰ろ……ってリクルスはなんでもう寝っ転がってるのだ……」

「あぁ……ヤバい。これ、めっちゃ気持ちいい……寝そう……」

「なっ!?そんなになのか……」


 あまりに気持ちよさそうなリクルスの寝顔(まだ起きてる)を見て、ドロップアイテムを確認して帰ろうとしていたカレットも我慢できなくなったのか、まだ芝生が残っている箇所を探してドサッと音を立ててそこに寝転がる。


 そして……


 ◇◇◇◇◇


「そのまま2人とも寝落ちした……と」


 一連の話を聞き終えたトーカがそう呟くと、そして、リクルスとカレットの2人は息を合わせてこう答えた。


「「その通り!」」



2人のステータスは明日辺りに投稿します


今後その場のノリで色々なスキル(複合スキル含む)や称号、武器防具アイテムを増やしていくと思うので何かアイディアがあればお願いします!


おかしい所や誤字脱字、誤用などがあったら是非ご指摘お願いします


ブクマしてくれた方や読んでくれてる方本当にありがとうございます!

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