第10話 幼馴染み達
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今回は合流した3人がただ駄弁るだけの回です
目の前でぎゃーすか騒いでいる幼馴染み(仮)に表情筋を引き攣らせる。こいつらさっきリアルの方であった時は普通だったよな?何でこんな短時間でこうなってるんだよ……メイを見てみろよ完全に混乱してるぞ。
「あっと……この人達はトーカさんのお知り合いですか?」
「多分そうだと思う。このゲームはそこまで顔弄れないし2人とも俺の知り合いのそっくりさんでなおかつその2人にも俺とそっくりな知り合いがいる、とかなら話は別だけど」
まぁそんな事は無いだろう。そう言えばこの2人は仲は良いんだけどしょっちゅうケンカしてるし今回もそれだろう。だとしても早すぎだろ。
「はいはい。落ち着いて、落ち着いて」
「護ぅ〜聞いてくれよ〜」
「後で聞いてやるから。あとリアルの名前をこっちで出す、なっ!」
ゴンッ!
「ふごぉッ!?」
「なぁなぁリクルスが〜」
「お前も落ち着け、話はしっかりと聞いてやるから」
「むぅぅ〜」
リアルでの名前を出しやがった瞬にゲンコツを見舞ってから明楽を宥める。メイがポカンとしたままなので早めに何とかせねば。
「落ち着いたか?」
「「はーい……」」
「んじゃお前らは俺の幼馴染みでいいんだよな?」
「まぁ酷い!幼馴染みの顔を忘れるなんて」
「あ〜はいはいそうですね〜」
「スルーいくない……」
「あぁ、ま……お前がそっくりさんじゃないなら間違いないぞ!」
このノリは間違いなく幼馴染みの2人ですわ。特に瞬のウザいノリなんかは間違いようが無いな。明楽も瞬が殴られた事で学んだのか名前を出すのをギリギリで抑えた様だ。
「このままだと不便だし自己紹介と行くか」
「おう!俺はリクルスだ」
「私はカレットだぞ」
見た感じ初期装備だと思われる皮鎧と剣を装備した、少し長めの紫がかった黒髪を後ろで縛り首元まで垂らしている金眼のアバターが瞬ことリクルス。
これまた初期装備感満載のローブと杖を装備した、腰まで伸びる鮮やかな赤色の髪と同色の瞳をしたアバターが明楽ことカレット。
「リクルスにカレットだな、俺はトーカだ」
「ほーい、了解。ところでそこでアタフタしてるお嬢さんは何者?」
「トーカ、こいつは誰だ?」
2人の興味が状況においてけぼりにされてアタフタしているメイに向けられる。一瞬ビクッとした後にこちらを見てくる。突然の状況に混乱しているのだろう。
「あっとこの子は……名前教えていいか?」
「あっはい、どうぞ」
紹介しようとしてから思い当たり教えていいか尋ねる。すると了承してくれたので続ける。
「フレンドのメイだ。さっき話したクエスト受けてる時にフレンドになったんだ」
「へぇ、んじゃメイちゃん、オレはリクルス、よろしくな!」
「私はカレットだ!これからもよろしくお願いするぞ!」
「あっえっと、先ほどトーカさんから紹介されましたメイです。こちらこそよろしくお願いしますリクルスさん、カレットさん」
2人がメイに名乗りメイも2人に名乗る。なんだろうな、初めてあった時の俺への対応と少し違ってテンパってるようにも見える。こういうの苦手な人かな?とも思ったが俺の時は普通に話してたしな……
「あーメイちゃんやゲーム内だしそんなかたっくるしい感じじゃなくてもっとラフな感じで行こうぜ!」
「確かにこれは少し堅苦しいしな、気楽に行こうぞ!」
「あぁ、そうだな俺もラフな口調で構わないしむしろラフな口調の方が楽だからそっちでよろしくな」
「えっとじゃぁこれからよろしく?」
「あぁ、よろしく」
「おう!よろしく!」
「うむ!よろしくな!」
2人とメイの自己紹介も終わり、リクルスとカレットとのフレンド登録も済ませた。ちなみにリクルスとカレットもメイとフレンドになったようだ。
そういえばメイはこの後依頼の報告に行くと言ってたのに引き止めちゃったので軽く謝ると気にしないでと言って去っていった。
「さて、これからどうするかだが……」
「「レベル上げ!」」
「だよな、ちなみに2人は何までレベル上げたんだ?」
「俺は3だな」
「私はまだ2だ」
俺が確か12だったから約10の差が付いてしまったのか……これはお詫びとして2人のレベル上げを手伝うべきだな。
「そうか、じゃあしばらくは2人のレベリングだな。俺も手伝うよ」
「それはありがたいけど、お前は今何レベなんだ?」
「あぁ、それは気になるな」
「えっと12だな」
「「高っ!?」」
色々やって来たしね……ウサギ狩りとか亀狩りとか通り魔とか、ちなみに認めたくなかった称号だが以下の2つ、更にスキルも新しく2つ手に入った。
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『通り魔』
戦闘するでもなくただ大量のモンスターにダメージを与えた証
『峰打ち』の取得 トドメ以外の攻撃のダメージが1.1倍
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『飛ばし屋』
自分の攻撃を持ってモンスターを吹き飛ばし続けた証
ノックバック効果上昇
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スキルは称号効果での『峰打ち』、走り続けたからだろう『疾走』の2つだ。峰打ちは敵のHPが1残るようになるパッシブスキル。ON/OFFは意識するだけなので簡単だ。
疾走は走行中のAGIが1.スキルレベル倍になるスキルだ。また10分に『スキルレベル回』ダッシュブーストが出来る。ちなみにダッシュブーストは一時的にAGIが倍になる。
「負けてばかりはいられん!こうなったら今日中にレベル10にはするぞ!」
「あぁ!カレットの言うとおりだ。むしろ追い抜いてやるぞ!」
2人のやる気が満ち溢れてる様で満足です。
「そうか、それなら俺は補佐に回ろうかな。ちなみに2人のジョブは聞いてもいいか?」
「あぁ、俺は重戦士と軽戦士だ」
「それただの戦士じゃね?」
重い戦士と軽い戦士を足して2で割ったらただの戦士じゃね?
まぁ瞬も日本国民だし職業選択の自由はあるんだけどな……いや、それは少し違うか、自己決定権かな?まぁいいか。
「何でまたそんなお互いの個性を殺しかねないジョブを選んだ?」
「そりゃぁお前あれだよ、臨機応変常に前線で戦えるだろ?」
「臨機応変に戦えたらな」
「そこは……トーカ!指示は任せた!」
「お前バカだろ……いや、バカだったわ」
「否定出来ないのが辛い……」
もういいや、慣れれば大丈夫だろ。瞬は飲み込みだけは早いからな。
「次、カレットは?」
「私は火の魔道士と軽戦士だな」
こいつもまた、何で遠距離型の魔道士と近距離型の軽戦士を合わせた……魔道士はINTとMPにDEX、軽戦士はSTRとAGI場合によってはVITを上げる必要があるから器用貧乏になりやすい組み合わせだな……まぁ俺もあんまり人のこと言えないし別にいいか。
「何でか聞いてもいいか?」
「あぁ!遠距離から魔法をバンバン撃って嫌気がさして近づいてきた相手を返り討ちにしたい!」
「あっはい、もうそれでいいです頑張ってください」
「流されたッ!?」
うん、そういやこいつらそういう奴だったわ。
これは神官取っといて良かったな、サポートが大変そうだ。
「トーカのジョブは何なんだ?」
「俺は神官と狩人だな」
「おい、お前も変な構成じゃねぇか」
「お前等のフォロー用に神官取ったんだよ。まぁ役立ってるけどさ」
特にメイスがな。俺の今のメイン武器が亀甲棍だからな。
神官ってなんだっけ?前衛職だっけ?
「あっそうだ。レベル上げの前にクエスト終了報告をしてきたいんだがいいか?」
「あぁお前が俺達放置して進めてたクエストか、別にいいぞ」
「いやに言い方にトゲがあるな」
「べっつにぃ〜?」
「なぁんでもないよぉ〜?」
リクルスとカレットが間延びした声とジト目で俺に精神的ダメージをあたえてくる。そろそろ許してくれないかな……
「じゃあ少し行ってくるわ。それともついてくるか?」
「んー俺はいいや。町の探検してくるから終わったらメッセージよろしく」
「私も大丈夫だ。トーカが言ってた路地裏の探検もしてみたいからな」
「了解、でも路地裏は気を付けろよ?マジで迷ったら出れなくなるかも知れないぞ?迷ったら出れなくなって永遠に本来のゲームでは無く迷路ゲームをする事になるぞ」
「うっわ、何それ怖い」
「えっ?そんな入り組んでるのか?」
「それはもうどこに力入れてんだよ運営!って言いたくなるぐらいだな。もうね、俺もカノンに会わなかったら今頃まだ迷ってたかもしれないしな」
ちなみにマップで町を見たら路地裏だけは霧がかかった様に見えなくなっている。ただ見える箇所もありそのルートは『カノンの裏道』となっている。そこだけは明るくなっておりその中でも少し開けた場所が『カノンの秘密基地』となっている。初めてあったあの場所だろう。やっぱり秘密基地だったのか。
「うぐっ……それは……」
「まぁ俺は多少なら大丈夫だからどうしても探検したいなら今度行くか?」
「おぉ!じゃあ今度一緒に行こう!」
「また今度な」
しょんぼりしたり目をキラッキラさせたり感情がころっころ変わって忙しい奴だな。そんなに探検したいのか?
「よし、町を見て回るか!」
「路地裏がダメなら私もリクルスについて行くか」
「どうせ初期資金しか無いんだから無駄遣いするなよ〜」
「へーい」
「了解だ!」
2人を見送ってから俺も道具屋に向かう。確か普段は道具屋に居るって言ってたからそこに行けばいるだろう。
たださっき瓶を買った時は見当たらなかったから多少不安もあるが……そしたら『秘密基地』にでも行ってみればいいか。
次回は掲示板回を予定してます
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