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第3章 殺人鬼は会敵を悦び笑う

【注意】

この小説には、

・グロテスクな表現

・身勝手な価値観

・異世界厨二バトル

が含まれています。苦手な方はご注意ください。


また、今作には実在の神話に出てくる神々と、よく似た名前のキャラクターが登場します。

ただ、実際の神話を基にはしておらず、あくまで名前を借りているだけです。ご了承くださいませ。


【前回のあらすじ】

右手「え? 切り落とされた?」

左手「あれ? しかもこれ燃えてね?」

右足「ちょ、うちら放置で脱出?」

左足「解せぬ」


 アルル=グル=ボザードは、人間をこよなく愛している。


 それは、この少女の生い立ちを考えれば、やや不自然にも思える事実だった。

 人々が彼女を愛し、崇拝するならまだともかく、彼女自身が人間を愛するというのは、どこかずれているような、奇妙な違和感がつきまとう。


 にも拘らず、彼女はその身を賭してでも、人間を助けたいと思うほどに、人間に入れ込んでいた。


 その身と言っても、不死身だが。


 両手足を切断されても、瞬時に再生する程度には不死身だが。


「…………!?」


 そんな不死身の少女が、チリチリと焦げ臭い抜け穴を駆け抜け、地上に出て最初に目にしたのは――――各々武器を構えた、マリオット村の住民たちだった。


 否、マリオット村の住民たちだったモノ、だった。


 ある者は片方の眼球がこぼれ落ち、ある者は心臓がだらりと胸からぶら下がっている。

 腕がない者も、腰から下がない者もいる。平癒の見込めないほどの損傷が、傷口もそのままに放置されている。

 流れる血は、もう流れ終えたのだろう、腐りかけた肉の断面が異臭と共に剥き出しになっていた。


 死体の、群れだ。


 幾十、幾百の死体たちが、鍬に犂に鎌に箒に包丁にナイフにフォークに鋏に瓦礫に自分の骨に他者の頭蓋にと、武器を携えてアルルとルキを包囲していた。



「アルル=グ」「ル=ボ」「ザード」「ダナ」



 まるで輪唱のように、声が次々と重なり合い、意味の定まった文を作っていく。




「……猛れ、【火天炎上(レーヴァテイン)】」




 呼ばれたアルルは、しかし声に応えることはなく、ぼそっ、とその名を呟く。


 瞬間、アルルの手に再び、一振りの炎でできた剣が出現する。



火天炎上(レーヴァテイン)】――――アルルの血液や体液から、炎を発することができる異能だ。


 汗の一滴、涙の一粒さえあれば、アルルは地盤をも焼き貫く炎を作り、操作できる。


 しかし、それを見てなお、死体たちは――死体に寄生したスレイムたちは――、構えた武器を下ろそうとはしない。


「寄生生物・スレイム。今すぐ、この村の人たちの、亡骸を、解放して。でないと、私はあなたたちを殺すことになる。私が、魔獣に容赦しないのは、もう聞いているでしょう?」



「アァ」「確カ」「ニ」「ナ」「ダガシ」「カシ」「ソ」「レガド」「ウシ」「タ」「?」「貴様」「ハ人」「間」「ガ好」「キナノダ「ロウ?」「ソノ」「成レノ果」「テト」「ハ」「イエ」「死体」「ト」「ハイエ」「貴」「様ニ」「傷ツケ」「ル」「コトガデ」「キル」「ノカ?」



「っ、そんなの――」


 歯噛みして、反駁を迷った一瞬に――――死体の群れは、既に行動を開始していた。


 手にした武器を振り翳し、アルルめがけて一気に吶喊してくる。

 見渡す限り、一八〇度全方位からの攻撃。

 かけ声もなく一斉に行われたそれに、アルルは刹那、判断を躊躇った。


 それらを操っているのが、人ならぬ魔獣であることは知っている。

 なのに、心が追い付かない。


 こよなく愛する人間が、自分に向けて刃を振るってくる現実を。

 こよなく愛する人間に、自分が刃を向けねばはならない現実を。


 受け入れるのを戸惑う心が、剣を振るう腕を僅かに遅らせた。




「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死ネ」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死」「死死」「死死」「死死死死「死死死死死死死死「死死「死死死「死「死死死死死死死「死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死――――――――――――――――――――!!」




 聞き取るのが追い付かないほどの、殺意の多重唱。


 雑音とも轟音ともつかないそれに呑まれ、アルルは咄嗟に目を閉じる。


 まるで逃げるようなその動きが、彼女の視界をほんの一瞬遮った。




「うるせぇんだよ、お前ら」




 だから、彼女はそれを直視することを免れた。


 自分へと迫った死体が、宙を舞った死体が、突撃してきた死体が。


 頭蓋を割られ、肩口を裂かれ、腰から両断され、顔面を潰されるその様を。


「…………ッ!?」


「な、あ……っ!?」


 アルルと死体たちは、同時に言葉を失った。


 ほんの一瞬の凶行だった。物言わぬ死体に帰した死体たちは地面に倒れ伏し、その頭蓋から、どろり、と粘ついた液体が漏れ出ている。


 核を壊された、スレイムたちの死骸だった。


 酸性の身体が、死体たちをじゅうじゅうと融かし、異臭を撒き散らしていく。


「ヒッ、怯ムナ! 相手ハタカガ人間一匹――」


「おいおい。喋ってる暇があるのか?」


 声を荒げた死体の一体に、ぐさり、とナイフが突き刺さる。

 顔面を真正面から穿たれた男の死体は、悲鳴一つ上げられずにそのまま倒れた。


 凶刃の主は、ルキ=リビングデイだった。


 ――――次の瞬間、男の周囲を取り囲んでいた死体たちが、一斉に飛びかかる。

 各々凶器を携え、目の前の闖入者を串刺しにせんと迫ってきた。


「とろい」


 その頭蓋に、次々とナイフが突き立てられる。


 ボロボロの外套、ズタ袋を縫い繕ったような酷い服。

 その至るところに仕舞われ、仕込まれていたナイフが続々と取り出され、死体たちに投擲される。

邪血暴虐(ブラムストーカー)】はまるで片手間のように振るわれ、ざくっ、ざくっと死体たちの頭を切り裂いていく。



邪血暴虐(ブラムストーカー)】――――その能力は、血液操作だ。



 その刃で裂いた獲物の血を、【邪血暴虐(ブラムストーカー)】は刀身に蓄えることができる。

 そして、貯蔵した血を放出すると、それは刃のように鋭く尖り、自身の手足のように操れるのだ。


 かつて吸血忌(ドラクルエラ)と呼ばれた種族を討伐した際、その牙を加工して作られた特殊な武器。


 アルルの四肢を切断したのも、闇に紛れるほどに鋭く砥がれた、血の刃だ。


 その血の刃さえ、使おうとはしない。


 死体を切り刻んだところで、つまらない。欲求不満は、変わらない。



 ならばせめて、死体を切り刻むその感触を愉しもう――――棒立ちになっていた死体の一つを、ルキは素早く突き倒した。



「っ……や、めて……やめてよっ! 止まってっ! ルキっ‼」


 気がつけば、アルルは叫んでいた。


 見て、いられなかったのだ。


 次々と足元が死体で埋め尽くされていく。アルルのこよなく愛する、人間の死体でだ。

 どれ一つとして、まともな形をしていない。

 生前の面影一つ、残してはもらえていない。

 スレイムによって弄ばれ、道具として使われるだけでは飽き足らず――


「やめて……もう、もうやめてっ! これ以上、この村の人たちを傷つけないでっ! やめて、やめてよぉっ‼」


 悲鳴に近いその声が、聞こえているのかいないのか。


 ルキは一向に、死体を切り刻む手を止めようとはしなかった。


 寧ろその速度は上がり、手際は洗練されていき、寸刻みにする際には笑みさえ――



「やめてって――――言ってるんだよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」



 感情に任せ、アルルは、手にしていた炎の剣を思い切り振り下ろした。

 瞬間、アルルの目の前が業火に包まれ、一直線に爆炎が走った。


「っ、と、ぉっ!?」


 咄嗟に飛び退いたルキは、そのまま思考することなく、アルルの元へと走った。

 死体も地面も関係なく焼き尽くし、直線的な焦土を作り上げたアルルの攻撃には、見向きさえせず。

邪血暴虐(ブラムストーカー)】の象牙色の刃を、アルルに向けて突き出した。


「っ!?」


 ギィィィンッ!


 反射的に曲げた腕が、【邪血暴虐(ブラムストーカー)】の血に飢えた刃を防ぐ。

 ナイフと、アルルの身に纏う鎧とがぶつかり合って、歪な金属音を響かせた。


 自分の心臓が、嫌な風に早鐘を叩くのを、アルルはひしひしと感じていた。


 鋭く尖ったルキの瞳と、視線がかち合う。


「邪魔をすんなよ、アルル=グル=ボザード」


 お前を殺すのは、この雑兵共を殺したらやるさ。


 だから、大人しく待ってろ。


邪血暴虐(ブラムストーカー)】を握る手から、力を寸分抜くことなく、寧ろ一層力強く押しつけながらルキは言う。


「わ、たし、を……? っ、一体なにを言って――」


「お前が魔獣ではないとしたって、ただの人間でもねぇだろう? 切り落とされた手足が、蜥蜴の尻尾みたいに再生するなんて、人間にそんな能力はあり得ねぇ。おまけに炎まで使えるときた。……正直な、楽しみなんだよ」


「……?」


「お前みたいな奴を殺したら、俺もようやっと、満足のいく殺しができるかもしれねぇ。一回死んで二回生きても、まだ足りない俺を満たせるかもしれねぇ。そう思うと、身体が疼いて仕方ねぇんだよ……!」


 言って、ルキはべろりと唇を舐り、爛々と目を輝かせた。


 その瞳を間近に見つめて――――アルルは、雪原に放られたかのように背を震わせる。


 全身から血の気が引いていく音が、身体の中からおぞましいくらいに聞こえた。


 永い永い生の中で、アルルはそんな瞳を見たことがなかった。


 手に持つ【邪血暴虐(ブラムストーカー)】よりなお深い、死と血に飢えた獣の瞳――




「――「――「――「――「――「――「――「――「――「――「――「――」




「え……?」


 意識が、死体たちから完全にルキへと移された、その僅かな間隙。



 それを見計らったように、アルルたちを取り囲んでいた死体たちは、一斉にその場で崩れ落ちた。







『逃げた』という可能性を、ルキは真っ先に思いつき、そしていの一番に否定した。


 辺りには、物言わぬ肉塊ばかりが転がっている。

 スレイムが、人間の死体を捨てたのは明白だった。

 しかし、それが逃走のためだとは、どうしても思えなかったのだ。


 理屈をつけようと思えばいくらでも思いつくが――――一番の理由は、単なる直感。


 スレイムたちがアルルにぶつけていたあの殺意が、ルキの頭を冴え渡らせる。

 薄暗い夜闇の中、ルキは目を尖らせ、村の中心部を見やる。


 村の外れと思しき、堀にほど近い場所からは、マリオット村は大層栄えた村に見えた。

 石造りとはいえ背の高い建物が建ち並び、ルキがかつて生きた世界を彷彿とさせる。

 尤も、この世界には電気もガスも水道もなく、合金もコンクリートもないのだが。


 ――――と、その時。


「な、なに……?」


 低い、唸るような声が聞こえてきた。

 否、それが声なのかさえ、定かではない。

 ビリビリと肌を震わせる音が、村の中心部から波動のように響き渡り、アルルは思わず一歩後ずさる。


 一方のルキは、震動を全身で感じながら、ギリギリと弓のように唇を吊り上がらせた。

 そわそわと、手足が動く。痙攣みたいなそれを、最早止める術はない。


 やがて、待ち望んでいたそれが、ゆっくりと姿を現した。




「GOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO…………!」




 罅割れた声が轟き、次いで、鼻がもげそうになるほどに酸っぱい臭いが漂ってきた。


 ぐじゅぐじゅと、背の高い建造物たちが融けて、崩れていく。


 見開いた目に、その異形はくっきりと映り込んでいた。


「へぇ……昔見た、宇宙人のイラストみたいだな。ひははっ、いいねぇ……!」


 それは、蒼白く輝く巨人だった。


 月明かりを屈折させ、不気味な色を放つそれは、体躯が数十メートルはあるだろう。

 輪郭の定まらない液体製の身体の中に、黄土色の巨大な球が三つほど浮かんでいる。

 人間の形を模しているのであろうそれは、しかし明確な頭部がなく、ひょろりと長い腕の先、手だけが異様に大きかった。



 スレイムの最終手段――――個を捨てた一体化。巨大な個体への合成。



 村一つを滅ぼし尽くし、村民の死体に取りついていたスレイムが一ヶ所に集結し、一つの巨大な生命体へ変貌したのだ。


「さ、下がっててルキ!」


 両手の指に炎を纏わせ、アルルが前へ飛び出した。

 スレイムの巨人と、ルキとの間に割って入ると、アルルは力強い口調で続ける。


「君が、魔獣を圧倒できるくらい強い人間だっていうのは、分かったよ。君を放っておくのは、すごく危険だってことも――――けど、紛れもなく君は、人間だ」


 人間なら、私が守る。


 私は――――人間のことが、大好きだから。


 勇ましく言うアルルの指先から、炎が鞭のように撓り、伸びていく。やがてその炎は、力強い剣へと変貌を遂げていく。

 その、最中。



「ふざけんな」



 ぞくっ、と背筋が凍るように冷たくなるのを、アルルは痛いほどに感じてしまった。


 指先が異様に冷える。炎を纏っているにも拘らず、氷水に浸けているかのようだ。

 思わず、その場から逃げるように飛び退いて――――瞬間、寸前までアルルが立っていた位置に、鶴嘴の如く尖った血の刃が振り下ろされた。


 切っ先が、寸分違わずアルルの頭蓋があった位置を穿つ。


「っ……!? な、なにを――」


「邪魔をされちゃ困るんだよ。あれは、俺の獲物だ。俺が、殺すんだよ――――」


 貪欲に叫ぶと、ルキはアルルの横をすり抜け、スレイムの巨人めがけて突っ込んでいった。


 姿勢を低くし、風を切って走るルキは、晴れやかな笑顔を浮かべていた。

 手にした【邪血暴虐(ブラムストーカー)】を、砕けんばかりに握り締める。


 笑い出しそうになるのを、懸命に堪えていた。


 敵を切り裂くその瞬間までは、歓喜の雄叫びをとっておきたかったのだ。


「さぁ、さぁ、さぁさぁさぁさぁ!」


 ぶんっ、とナイフを振るうと、血でできた刃が足場の如く展開される。

 階段みたいにそれを踏み締め、踏み砕き、頼りない空中へとその身を投げ出していく。


 スレイムの巨人が、吶喊してくるその影に気づき、緩慢に腕を伸ばしてきた。


 血の足場が融け、砕け、腐臭にも似た強い臭いを放つ。

 だがその程度では、ルキの表情はまったく崩れない。

 やがて、巨人の背丈さえ追い抜いて、遙か上空へ到達したルキは――



 ――唐突に足場を崩し、その身を完全に虚空へと放り出した。



「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」



()い声で啼けよ――――【邪血暴虐(ブラムストーカー)】っ!!」


 吼える巨人が、強酸性の手の平を突き出してくる。


 対してルキは、刀身に貯蓄された血の大半を吐き出し、巨大な血の刃を作り上げた。

 手に持つナイフを指揮棒代わりに、血の刃が迫り来る巨人の手と衝突する。



 その瞬間――――目の前が雷の如き光に包まれ、巨人の手の平が消失した。



「っ!? な、んだ……!?」


「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!?」


 野太い悲鳴を上げる巨人を後目に、ルキは大きく目を見開いた。


邪血暴虐(ブラムストーカー)】によって繰り出した血の刃が――――煌々と、炎を放っていたのだ。


 スレイムの身体を一瞬にして蒸発させるほどの熱量。

邪血暴虐(ブラムストーカー)】の刃に、そんな特性が加わったのは初めてだった。


 相手を切るのでも、裂くのでもなく、焼き滅ぼす凶刃――――


「……ひはっ、ひははははははははははははははぁっ!!」


 困惑したのは、数秒にも満たない僅かな間だった。

 いつも以上の哄笑を漏らし、いつも以上に大雑把に、いつも以上に大振りに。


 ルキは【邪血暴虐(ブラムストーカー)】を、自身の持つ最高の得物を振り回した。


 その度に、炎を放つ血の刃は大きく動き。

 スレイムの巨人を、切り、焼き焦がし、焼失させていった。


 刃の触れた箇所から順に、音さえなく消えていく。

 一瞬にして蒸発していく身体を、スレイムは惜しむ間さえ与えられない。


 腕は断たれ、脚はもがれ、腹を裂かれて体躯は二つに割れた。


「ナ、何故ダ⁉ 何故、貴様ハ――」


「何故もクソもあるか。理由なんて、考えるだけバカバカしいじゃねぇか」


 地面まであと数メートルに迫ったその時、ルキとスレイムは、微かにそんな会話を交わしていた。


 刹那の交錯。


 地に吸い寄せられる、浮遊というより墜落に近い感覚の中、片方は笑い、片方は絶望に苛まれながら言葉を紡いだ。



「殺したいから殺すんだよ、俺は。お前らが食いたいから食うのと、おんなじだ」



 言って、ルキは【邪血暴虐(ブラムストーカー)】を突き下ろすように構える。


 スレイムの、残った核の直上には、炎熱を持った血の刃が槍の形に錬成され、狙いをすましていた。


 それは、獲物を啄む不死鳥にも似ていて――――スレイムは、絶命の刹那に一雫の感動さえ覚えていた。


 それは、一気に真下へと振り下ろされ――



 爆音と共に、辺り一帯が業火と、赤黒い煙幕とに包まれた。




意思疎通ができても早々に退場という罠。

基本戦法がゴリ押しですが、まぁ本人の自覚的に『戦って』はいないので悪しからず。

バトルだけど『戦闘』ではない。いつか『戦闘』する日も来るかも。


【次回予告】

復活


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