第7話「智を司る蛇」〈1〉蛇への夢想
(つД`)ノ一夜明けて、混乱の策謀都市は…の巻w
おまたせ?第7話の開幕ですw
第7話「智を司る蛇」〈人間の本当の価値は、すべてが上手くいって満足している時ではなく、試練に立ち向かい、困難と戦っているときにわかる〉The ultimate measure of a man is not where he stands in moments of comfort and convenience, but where he stands at times of challenge and controversy
草創歴0444年5月18日〈1〉
昏く長い夜が明け、彼等の前途に眩しい太陽が昇る。
奇しくも城塞都市「リムルブルグ」にとっては、厚く溜まった膿を流し切り、産みの苦しみの只中にあると言っても良いだろう。
しかし、堕ちるところまで堕ちてしまえば、後は上がるだけだ。これ以上、状況が悪くなる余地はない(笑)。
《報告。能力〈調理〉〈説教〉〈商才〉〈演技〉〈加工〉〈設計〉〈調査〉を統合することで〈同調〉の能力を獲得可能です。〈能力編纂技能−〉を使用しますか?YES・NO》
同調?調理や商才の能力が削られるのは痛いものがあるが、これは上位互換 能力なんだろうな?そうじゃなきゃ、俺は許さんぞ(怒)。
そんなわけで俺はYESを選択する。
《能力〈調理〉〈説教〉〈商才〉〈演技〉〈加工〉〈設計〉〈調査〉を統合しました。ステリアス・シーヴァは能力〈同調〉(NEW)を獲得しました。おめでとう。》
何がどう変わったのか?それはサッパリ実感が無い…。
ともあれ、清々しい朝だ。
快眠から目覚めた俺は、頭を軽く振って、昨夜からの現状を整理してみる。
レグ侯爵家が統治する「リムルブルグ」は、その統治者である「アマノリッチ・レグ」が前後不覚のまま昏倒して意識を消失。
おそらく、大聖母たる「慈愛のモロスター」の死亡にも遠からず原因があるものと思われる。
あの濃厚な瘴気を吸った事も寿命を縮めた。
治療院に収容されるも、既に老体の身であり、復調の見込みは絶望的らしい。
因果関係の究明は傭兵大隊が追って指示すると宣言するが、ホズミン・フト長官が顔を真っ赤にして強硬に反発。
しかし、この蛸親父は自分の置かれている立場を理解していない。被疑者が居ない今、唯一の容疑者が「お前自身」だって事を、だ。
責任の追及が難しいこの事態に、傭兵大隊のラシャ・コウヤショウは強権を発動し、傭兵大隊の隊員を以って市内を強行制圧。
ホズミン・フト伯爵を拘束し、国境警備隊を掌握。
事情聴取の為に収監された貴族は、上はワラハギ・エインクル伯爵から下は最下級の士爵まで、総勢150名にも及んだ。
それを深夜のうちに一気に成し遂げたラシャ・コウヤショウの敏腕は恐るべきものだった。
何より、ワラハギ・エインクル伯爵が無抵抗のまま、縄を掛けられ引っ立てられて行く姿に謁見の間の空気は凍り付いていた。
俺はと言えば、そんな修羅場になんの興味も無いとばかりに、居城を飛び出している。七面倒な事はラシャのやつに任せておけばいいさ。
それよりも当面の問題は…一際、豪華な寝台を占領しているソレについて一言、言いたい。
元より、寝台を使う気は毛頭無い俺である。どうにもフカフカの羊毛は身体に馴染まないのだ。
彗星の触り心地は大好きだがな(笑)。
で、寝台の上には、腹を上に向けて大欠伸をする巨大な「猫」の姿。
能天気にも、未だ熟睡中のようだ。しかし尻尾だけは天使ちゃんとジャレ合っている。
「こらこら、危ないぞ。噛まれるんじゃないぞ?」
コンっ♪
なんと、この猫の尻尾は「毒蛇」を彷彿させる蛇頭だ。それが別の意思を持っているかの如くウネウネと動き、天使ちゃんと遊んでいる。
思えば、毒蛇に始まり毒蛇に終わった旅路だったなあ。
ある意味、感慨深い…。
《待って〜。全然、何も終わって無いからねっ?そもそも僕等の旅の目的は、〈旧アステリト王国〉のお姫様の行方を探す事に…。》
うっさい(怒)。せっかく俺が余韻に浸っていたと言うのに…ベネめ、嫌なことを思い出しちまった。
それにしても話が脱線し過ぎだな(笑)。
妙に懐かれちまったが、死の間際に大聖母(モロスター・レグ)が呼び出したこの馬鹿でかい「猫」なのだが、一応、合成獣である。
正確には混合生物の「守護獣」と言うらしい。
そんなプックリと膨らんだ腹の上でスヤスヤと寝息を立てているのが彗星。
北欧山羊も本来は魔物の部類に入るのだが、俺の彗星はその範疇を逸脱する可愛いさ(笑)。黄金色の巻毛は極上だ。
ちなみにサラサラの銀色の長毛が天使ちゃん。種族は「仙狐種」。
つぶらな瞳が魅力的である。
命名して「哀歌」と名付けたこの猫…目立つ事この上なく、連れ歩くのも儘ならず、連れ込めそうな大きさの店舗門を発見し、1番広い客室を確保。迷わず宿泊料金を支払った。
え?拒否されなかったのかって?
無論、そこはお花ちゃんの八面六臂の大活躍(笑)。
哀歌の存在さえも消し去る「薔薇の香気」。大したものだ。
引き換えに、気絶するようにお花ちゃんは昏倒中。彗星の綿毛の中で就寝中だ。
《君はお花ちゃんの酷使が酷いねぇ。》
んな事を言っても仕方ない。
一度は宿泊拒否をされた「黒山羊の宿亭」のリムルブルグ支店である。中でも特上の個室。最上階。一泊、何と「煌白銀貨150枚」だ(笑)。
《高く付いたねぇ。でも、どうするの?哀歌君さ?》
連れ歩くにも目立ち過ぎるし、かと言って俺の手元に置いておかないと暴走する可能性があるとベネが解析。
その「侵食解放」を抑えられるなら、クラトゥ爺さんに「亜人の森」に連れ帰ってもらい、放置する手もあるのだがな。
「ほっほっほっ。それは御勘弁ですな。」
うおっ!?クラトゥ爺さん、いつの間に?
俺にさえ気付かせずに侵入しているとか、一体、その「隠形」って何なんだ。何でもありか?
しかし、その爺さんでさえも、哀歌を拒否(笑)。困ったもんだ。
「驚かせてしまいましたかな?申し訳ない。さて、某はそろそろお暇させて頂こうと思いましてな。」
「なんだ?もう帰っちまうのか?」
「…それで大嵐殿を借り受けたく。」
ああ。それは一向に構わん。
クラトゥ爺さんを送り届けてトンボ帰りしたところで、大嵐の「疾雷の蹄」なら半日と掛かるまい。
「しかし、そうなるとどうするかだな。頼りのベネも役立たず(笑)。」
《ちょっと待ってよ。僕を誰だと思ってるの?僕は補助機能の〈揺光〉ですよっ。善後策はありますよっ。》
「何だと!?なんでそれを早く言わん?」
《え?君が聞かなかったから言わなかっただけだよ。》
「……。」
本当にコイツって、本体のアムを上回る天然さ。
その癖、事務処理のごとく「能力」管理をしてくれている。よく分からん奴だ。
《選択肢の1つとして、合成獣としての特性を生かして、他の生き物と更に合成する方法。小さい魔物と合成すれば、通常はその形態を維持できる筈だねぇ。ただし、合成すると対象の能力に牽引されて弱体化する可能性が高いよ。》
それは本末転倒だ。第一、この哀歌より強い魔物なんか早々居ないだろ?
思い付くのは天使ちゃんのお母さんの「九尾の天狐種」ぐらいか?実質的に困難。心も痛い(笑)。
《もう1つは、哀歌君を〈付喪神化〉して、携帯武器に封印する方法だよ。これなら本体の能力を損なわず、携帯しての移動も楽だねぇ。ただ問題点は、それなりに高位の器が必要って事だね。勿論、既に付喪神化して〈自我〉を持っている器はダメだよ。》
「付喪神化ねえ?…んじゃ、乙女座之刃は使えんのか?」
元より、今は重剣の「乙女座之刃」は手元にない。
後の手持ちはっと…ゴソゴソ…携帯用小刀しかない(笑)。
年代物の雷鉱石製とは言っても、これはどうなんだろう?
《……。》
ベネからも良い反応が返って来ない。ダメって事だ。
「ほっほっほっ。ならば、某の小太刀をお使い下され。闘種先祖伝来の隕石鋼製ですじゃ。」
「いいのか、爺さん?」
《探知…名称〈隕鉄の小太刀〉属性:闘種覇動LV200〈秘蹟武具級〉耐久値:300+α…ふむふむ。申し分無いねぇ。》
しかし、クラトゥ爺さんには悪い事をしたな。もっとも、鋼のような大胸筋と力瘤を持った歴戦の強者顔。素手でも哀歌を捻り潰せそうだが?
「ほっほっほっ。さすがの某も格闘戦には不慣れですじゃぞ?それに、最近はメナカのやつが、希少金属でせっせと試作の太刀を生産しておりますからな。某はそちらで見繕いますじゃ。」
「すまんな。」
しかし、これで目星がついたぞ。
受け取った「隕鉄の小太刀」だが、ズシリと重く、年代物特有の威圧感がある。これで付喪神が付いてないってのが不思議なぐらいだ。
恐らくは使い手の管理が良かったのだろう。血糊の跡なく、刃の波紋に錆一つ浮かんでいない。
《じゃあ、始めるよ?》
了解とばかりに、俺は壁に立て掛けてあった「揺光」を掴み取る。
と、同時に哀歌を蹴り起こす。
ニャっ!?
それにつられて彗星、天使ちゃん、お花ちゃんが飛び起きる。
メェ!?
コンっ!?
『まだ眠いのぉ。』
寝てる場合じゃない。さっさと起きろ。
「3人(匹)…?とも、哀歌から離れてろ。今からソイツを付喪神にするぞ。」
『付喪神って何ですのぉ?』
……?まあ、見てれば分かる?そして哀歌に拒否権は無い。
ニャっっっ(怯)。
《動かないでねぇ。対象〈哀歌〉…混合生物〈守護獣〉を確定。器〈隕鉄の小太刀〉を指定。
…警告。余地が足りません。
む。命名者〈ステリアス・シーヴァ〉保有の能力〈感応〉〈共鳴〉〈同調〉を使用し〈擬似 竜杯降臨〉を強制執行。
失敗。余地が足りません。》
おいおい。雲行きが怪しくなって来たぞ。
俺の目の前で「隕鉄の小太刀」がバチバチと火花を散らす。
「大丈夫なのか?コレでどうだ?」
俺はまたまた、携帯用小刀を取り出してみる(笑)。
《むう〜。無いよりはマシかなぁ?〈携帯用小刀(雷鉱石)〉を余地に使用し再執行開始。
〈同調〉により相生相剋〈金気〉属性(NEW)を獲得。》
《哀歌は雷属性〈妖怪神「鵺」 〉に進化し固有能力〈妖刀化〉(NEW)を獲得しました。固有名は〈妖刀「鵺」〉です。》
《哀歌の戦闘力が+10強化されました。》
《哀歌の防御力が+10強化されました。》
《哀歌の生命力が+10強化されました。》
《哀歌の回避値が+10強化されました。》
《哀歌の知能値が+10強化されました。》
《哀歌の器用値が+10強化されました。》
《哀歌の魔力値が+10強化されました。》
《哀歌は固有戦技雷身〈雷属性帯電(200%)〉(NEW)を獲得しました。》
《哀歌は称号〈相生相剋の十下衆〈雷〉〉(NEW)を獲得しました。》
…妖怪神…だと?そして、相生相剋の十下衆?
色々、腑に落ちん(笑)。
とは言え、刃に怪しい光沢を湛えた小太刀が、勝手に俺の手に収まっていた。
クラトゥ爺さんから受け取った鞘に刃を収めると、黒塗りの鞘には「蛇腹模様」が浮かび上がる。不思議なもんだ。
これは哀歌の尻尾の毒蛇の影響か?
「ほっほっほっ。見事な妖刀になりましたなぁ。ステリアス様によく似合いますぞ。」
「そっ、そうか?」
『ニャっ?』
妖刀「鵺」が俺の手の中でカタカタと震える。
とりあえず、中(?)の哀歌も変化無いようだ。いや、色々、レベルアップしている臭いがな(笑)。
人目の無いとこで元の姿に戻してやってもいいが、今は駄目だ。そこはちゃんと躾けなければならない。コイツは甘やかすのは危険だ。
『ニャ〜っ(悲)。』
ひと段落ついたところで、クラトゥ爺さんは「亜人の森」に帰る事になった。
今回はクラトゥ爺さんに世話になった。出来れば土産を持たせたいところだが、着の身着のままの俺である(笑)。
「お気遣いなさるな。某らは「闘種の王 」様の僕。その恩恵は大いに味わっておりますぞ。これ以上は勿体無いぐらいですじゃ。」
「すまんな。すまんついでに、帰ったらプンジェに神毒の解毒丹の大量生産を頼んでおいてくれ。」
しかし、宝塚姐さんのプンジェが使う「煉丹術」は、闘種伝来の「薬種の壷」から産み出す希少な薬丹だ。
大量生産には不向きなことは言うまでも無い。
「資金投入に限度は無い。俺の命令で勝利者から金を引き出して構わん。1つ「煌皇金貨10枚」で売り出す。アムに協力を要請しろ。」
「わかりました。しかと伝えておきましょうぞ。」
破格の1粒「煌皇金貨10枚」!
しかし、貴族どものあの反応なら、それでも安いって予感だな(笑)。大儲けの予感である。
それと大聖母から回収した「光の魂」?
勿体無いから、アムに届けるのは中止(笑)。
何か他の役に立ちそうだしな。顕現石については、別の伝手に期待だ。
◆ ◆ ◆
「ステリアス様!探しましたよ。」
おやおや?こちらも探していた所にちょうど良い。
リムルブルグ支店の「黒山羊の宿亭」の門を出た所で、人目をひく若武者姿のナユタ少年が駆け寄って来た。
晴れやかな姿形の美少年である(笑)。主に視線は婦女子が独占する類いのものだ。
しかし周辺は呆然としたもの。
それもその筈、一夜明けてみれば、城塞都市「リムルブルグ」は傭兵大隊によって占拠されており、サイ伯爵家を含めて商業ギルドも煽りを受け、市場は活動停止状態。
統治者である「アマノリッチ・レグ侯爵」も原因不明の昏睡状態であるとの噂が流れ、「五脚」の貴族も概ね、拘束されていると言う始末だ。
市内は商いどころでなく騒然としていた。
しかしながら「黒山羊の宿亭」リムルブルグ支店の女将さん、帳簿と睨み合いしながら、額の汗を拭き拭き。
宿泊拒否した筈の「赤き竜人」が堂々と最上階の客間から降りて来たのだから仕方ない(笑)。女将さんには悪い事をしてしまったな。
「ナユタ少年。状況はどうなっている?」
「はい。ラシャ隊長は国境警備隊の「二角砦」に詰め込んで「五脚」の主要貴族から事情聴取を行なっています。同時にワガセさんの隊員を使用して家宅捜索を執行中ですね。」
ややこしい事になってんな。
しかし、上位の貴族達から「秘密結社」との繋がりの証拠を見つけるのは難しいだろう。
現行犯の、あの蛸親父だけはどう言い逃れしても無駄だがな(笑)。
精々、巨乳さんならぬワガセ嬢には頑張ってもらいたい。
「ご苦労なこった。それよりも、俺の重剣諸々、確認したい事があるのだが。」
「その件で、是非、このリムルブルグのギルド支部へお越しいただきたいのです。」
厄介ごとの匂いがプンプンするぞ。公道を歩きながら覗き見ると、ナユタ少年が目を逸らす。遠い目だな(笑)。
「おいおい。ここまで実力行使して占拠してんだ。何を今更?」
「いや、それがですね。商業ギルドの職員が立て籠もっていまして…ギルド支部長の「シシリー・ソラチネ」は職員と一致団結し、自らの自由と権利を声高に叫んでいます。」
《断固反対ってやつだね〜?》
まったく面倒だな。
本部の商業ギルドの主人さんから忠告入れさせるにしても、ちょっと遠いか?時間が掛かりそうだな。
しかし、今まで「レグ侯爵家」と癒着していたと公表するかのような行動。自ら墓穴を掘るとはこの事だ。
しかし、それは俺には何の関係も無いぞ?
相手が民間人で躊躇するのも分かるが、証拠隠滅をする暇を与えるのは下策だ。
「それが…そのシシリーと言う女性が、ステリアス様の重剣の返却を拒否していまして…。」
「……?」
何故に、俺の「乙女座之刃」の名前がそこに出てくる?
「どうやら、昨夜のうちにホズミン・フト伯爵によって売り払われていたようです。」
…あの蛸親父(怒)。やってくれやがった。
俺は怒りに震える肩を抑えつつ、視線を遠く支部ギルドの建物に狙い定める。
両肩には天使ちゃんとお花ちゃんを乗せ、頭には彗星だ。背には「竜刀」のベネ。腰に妖刀「鵺」…の中の哀歌だ。
何が言いたいかと言うと、「お前ら、落ちるなよ。」だ。
『ニャっ!?』
生憎、大嵐はクラトゥ爺さんに貸した今、頼りになるのは我が足よ(笑)。
《固有能力・轟炎の気、発動って…無理しないでね〜。》
それは相手に聞け。
炎の気を纏い、俺は一気に駆け出した。
赤い残像が公道を猛然と突破し、踏み込んだ路面にべコン!と穴が開く。
『きゃ〜ですのぉ。』
おや?お花ちゃん、余裕だな?
ならば、もう一段階、速度を上げるか。
呆気にとられるナユタ少年を置き去りに、壁面を蹴り上げて急上昇するや、宙空で1回転、赤き竜人は屋根から屋根へとひとっ飛びに加速する。
『ニャぁぁぁーーー!?』
哀歌の悲鳴が頭に響く。
天使ちゃんとお花ちゃんは必死にしがみ付き、慣れたもので彗星ばかりが「メェ♪メェ♪」と喜ぶ。
この気持ち、やっぱり男にしか分からんか(笑)。
《僕にも分からないけどね〜?》
それはさて置き、目的地が眼前に迫る。
最後の屋根を蹴り破り、砂煙と共に飛翔する。すれば眼下には商業ギルド「エノシクトン」リムルブルグ支部。諸悪の根源。
それなりに大きな石造城塔で目立つ灰褐色だ。
利益を貪り肥え太った豚共め!
《それは君の主観が入り過ぎなんじゃないの?あくまで彼等は一般市民だって事を忘れないように…。》
「うるさいっ!!俺の物を盗んでおいて、ただで済むと思うなよっ(怒)!!」
響き渡る怒声。それは天から轟く。
ちょうどその頃、膠着状態となっていたギルド前広場の断固反対職員と睨み合う傭兵大隊の隊員だったが、その怒声にピタリと動きを止める。
彼等はサイカ・リュインが率いる「黒線」の隊員であり、一様に悪い予感を覚えて退避行動に移る。ソワソワするも顔色には出さない。
それでも陣形を崩していないあたりは、まあ、合格点だな(笑)。
これを見て、阿呆なギルド職員達は攻勢に転じようとするが、次の瞬間、背後で粉砕されるギルドの正面門の破片と暴風に吹き飛ばされ、全員が激しく地面を転がった。
ズドドドーーーーン!!!
地面に打ち付けられ、そこには老いも若きも、男も女も差別なく、皆が平等に苦鳴を漏らす地獄の様相。
多数の受付嬢も気絶中だ。
数なくとも、骨の1本や肋骨ぐらいは折れてるだろう。そこは諦めてくれ。
そう。上空から垂直下、俺はその勢いのままにギルド正面に突撃。
蹴り破って壁を打ち砕いていたのだ(笑)。
「アンタなあ、笑い事じゃないだろ?事を大きくしやがって…ふぅ(溜息)。」
「うるせえ。溜息やめろ。」
壁を失い、ぽっかり空いたギルド内部から、今まさに交渉中と思しき中途半端イケメンが振り返る。そして相変わらずの溜息か?
「こっちは穏便に交渉しつつ、サイ伯爵家の切り崩しをしてたんだぞ?」
「無駄な交渉してんな。職員は半死半生だから、こいつらにもう余力は無いだろが?んな事より、そのギルド支部長とやらをさっさと牢にブチ込め。アレグザンダーやドクターミラビリスからは事後承諾は貰ってやるからよ。俺の責任にしておけ。」
こうなれば後の祭りだった。
ギルド本部の最高幹部である2人の名前を出されては、シシリー・ソラチネは一気に顔面蒼白になる。
おやおや、美人さんなのに勿体無いねえ(笑)。
普段は若きながらも冷酷非情よと、その性格に反してふくよかな美貌を武器に、この城塞都市の商業流通を牛耳って来た才女である。
彼女にしてみれば、サイ伯爵家さえも良いカモであった。
深緑色の髪を肩でまとめ、特徴的なエクボで人を惹きつけて離さない「シシリー・ソラチネ」は、この突然の事態に肝を冷やしつつも、交渉の主導権を握ろうと笑顔は絶やさない。
ともあれ、交渉と言う時間を作る事で、その隙に、部下に命じて下水道路を通って、改竄書類や不良債権、サイ伯爵家との裏取引の証拠、不法不動産、隠し資産は移動済みである。
既にギルド内部に証拠は何も無い。
それにしても、この突然の乱入者は何者なのか?随分、尊大な態度の男である。
そして何より、この被害規模。気に喰わない。
「この被害請求は傭兵大隊に請求しますわ。よろしくて?」
「…はあ(溜息)。」
御しやすい大隊隊長である。
こちらは既に私の虜…いかに化け物じみた力を持っていようとも、男を手玉にとる事にかけて、この「シシリー・ソラチネ」の右に出る者などはいないのだ。
それにしても、その乱入者だが…奇異な人物である。
あの頭に乗せた黄金色のモコモコの毛玉は何かしら?そして肩には銀色の体毛の獣。
獣使い?特に目立つのは、相貌を隠す異質な仮面だ。
更に「職員は半死半生だ」と言っていたが、人的損害?そんなものは幾らでも補充できるわ…何故なら。
「ほう。お花ちゃんが言うには、あんた花霊族の血を引いてるのか?だが、俺には「花精の接吻」は効かんぞ。」
はあ?何を言い出すのやら?
私の自慢の魅了術を、この異様な風体の男は、まるで何かの術を使っているかのように言う。全くの侮辱である。
確かに、幼少期から皆が皆、私の言葉をすんなりと受け入れた。だがそれは、私の魅力と甘い音葉の成せる技。
その技を磨きに磨き、今の地位にまで上り詰めたのだ。故にこそ、私は「甘い蜜の舌のシシリー」。ここで終わるつもりはないのだから。
「何を仰っているのかしら?ところで、あなたはどなた?大隊隊長さん?初めましてですわね。」
「は?…んな事より、お前、俺の「乙女座之刃」を何、枕がわりにしてんだ?死にたいのか?」
え?男から漏れ出る怒り。そして違和感。
これは昨夜、長らくの蜜月関係にあったヒール伯爵家から、急な買い取りを要求され、事もあろうに「煌皇金貨100枚」と言う大枚をはたいて買い取った重剣である。
それというのも、私ともあろうものが、一瞬で一目惚れしたと言っても良い為だ。
無論、鑑定の結果、これが「秘跡武具級」だと判明している。
めったに市場に出回らない稀少品であることは間違いない。
だが何よりも、剣の柄から刀身まで、全身が漆黒で染め上げられており、重厚かつ繊細な刃の紋様とまた、その朽ちぬ輝きが素晴らしい。
まるで生きているかのようで、例えるならば、折れぬ気高き乙女のようで…え?俺の…「乙女座之刃」とこの男は言っているが?
「…あら?この重剣は正当な売買契約が成立しておりますわよ?言ってる意味が分かりかねますわ。侮辱罪に当たりましてよ。」
「ほう?盗品をギルドが買い取るのか?それはギルドの最高幹部に知らせても良いんだな?」
ギクっと内心穏やかでは無いものの、そこに証拠は無い。
ましてや、あのホズミン・フトが直々に持ち込んだ逸品。むざむざ明け渡してなるものか。私は黒き重剣を背中に隠す。
「な、何の証拠がありまして?フト伯爵家から買い取った証の書類をお見せしましょうか?」
「その蛸親父は極刑は免れんだろうな?もしくはお家取り潰しだろ?どうすんだ?」
なっ!?事態はそこまで?…いえ、ここはリグ侯爵家のお膝元。いくらでも挽回するチャンスはあるわ。この男の言葉を鵜呑みにするのは危険だ。
それに、次はヒール伯爵家にでも取り入れば…。
「…なになに?地下の下水道で移動中の生体反応を捉えただと?」
目まぐるしく思案の渦中にあった私を、現実に引き戻すその言葉。
またしても、この男、目に見えぬ何かと話しているかのように、我が策を言い当てる。
「ほほほっ。あなた、何を仰っていらっしゃるの?正気なのかしら?ねえ、大隊隊長さん?」
頼りになるのは、あなただけだと言わんばかりに、私は隣に立つ「 サイカ・リュイン大隊隊長」に同意を求める。
前髪がウザいちょっと根暗な男だが、それなりに顔立ちの整った素顔が仄かに赤くなる。
「そ、そうだなあ。この男はちょっと変わり者だから…。」
「うるせえ。黙れ。」
一瞬で黙殺。ダメだ。この男では役に立たない。
「ともかくですわ。我々はギルドとしての、独立を訴えていますの。部外者が余計な詮索は止めて頂きたいですわ。正当な手続きで訴えますわよ!」
「は?よく喋る女だな…やってしまいなさい、お花ちゃん!」
えっ!?な、何かしら?まるで体力を奪われるような…脱力感が私を襲う。
前後不覚。まさに目の前が真っ暗になり、膝がガクガクと震える。
いっ、一体、私に何をしたの??必ず、訴えてやるわ!
◆ ◆ ◆
『ご馳走様ですのぉ。げっぷ〜。』
お花ちゃんが燦然と輝き始めた。
さっきから調子に乗った、この目の前の女…ギルド支部長から花霊族としての証である「香気」を吸い終わったばかりである。
吸われた方の女だが、まるで貧血のように顔色を青くしてフラフラと倒れ伏す。
大丈夫か?目は朦朧としているが、死んではいないようだ(笑)。
《無意識に花霊族の力を使っていたんだろうけど、因子からほぼ全ての〈香気〉を吸収しちゃったみたいだねぇ。可哀想だけど、もう二度と力は使えないと思うよ?》
そいつは酷い。お花ちゃん、容赦がないな(笑)。
『人として生きるには必要のない力ですのぉ。』
そう言いつつも、お花ちゃんの輝きは収まらない。
これって、あの女の「香気」が相当なもんだって事じゃないか?
《報告。不滅の〈香気の統合核〉が40%に達したことで〈覇王花・貴族種(薔薇科)〉に進化し、〈薔薇の正式上衣〉は〈薔薇の社交衣裳〉に進化しました。
《不滅の戦闘力が+10強化されました。》
《不滅の防御力が+10強化されました。》
《不滅の生命力が+10強化されました。》
《不滅の回避値が+10強化されました。》
《不滅の知能値が+10強化されました。》
《不滅の器用値が+10強化されました。》
《不滅の魔力値が+10強化されました。》
《不滅は精霊系術式〈花精の運命操作〉(NEW)を獲得しました。》
こいつは驚いた。って言っても、僅かに10%だけだって言うのに、この有り様。
『おっきくなったですのぉ。』
確かにデカくなったな(笑)。以前に比べれば、だが。
約2倍の大きさになった「お花ちゃん」。それでも俺の股にも届かんぐらいの大きさだ。
《その表現の仕方はどうなのさあ?》
気にするな。そして、そんな俺たちを恨めしげに見上げる女ギルド支部長。
…何と言うか、一気に魅力が減退したという感じ。
「うっ、訴えてやりますわっ!!」
「……。」
どうぞ、御勝手に…と言う気分。
何のことはない、そこら辺の何処にでもいる、ちょっと厚化粧の年増女にしか見えんぞ。
「何とか言いなさいよっ!女性蔑視ですわねっ!!」
苦虫を噛み潰した顔で中途半端イケメンが引き揚げて行く。
お前、切り替え早いなあ(笑)。
まあ、気持ちは分からんでもない。魅力(?)が無くなった途端、ただの厚かましいだけの女に成り下がり、喚き散らすばかり。
「待ちなさいよ、そこの大隊隊長!この私を何だと思っているのっ!?」
「はあ(溜息)…うるせえな。触んじゃねえよ。強制調査すっぞ!!」
おや?中途半端イケメンと女ギルド支部長が揉め始めたぞ(笑)。
さっきまで言いくるめられていたのが嘘のように、中途半端イケメンが攻撃的な口調になってきた。
やれやれ、やっと仕事をする気になったか。
そんな訳で、彼らが揉めてる隙に俺は「乙女座之刃」を密かに回収しておく。
「あっ!?泥棒っ!!待ちなさい!」
メェッ!!
ゴフっ!と、追い縋ろうとした女ギルド支部長の脇腹に彗星が追突し、見事に吹っ飛ばされる。七転八倒。酷いものだ(笑)。
ヨシヨシ。俺は戻って来た彗星を受け止め、何事も無かったかのようにギルドを後にするのだった…いや、まだ終わらん。まだやる事は残っている。
俺は噴水広場で足を止めると、そこで「金魚ちゃん」を呼び出す。
「おい、金魚ちゃん?」
噴水から流れ落ちる水面がポチャンと弾け、ヌッと金魚ちゃんが顔を覗かせる…ん?金魚…ちゃん?
『はいっ。私ですっ。「水精の溶液」を吸収したら、進化してしまいましたわっ。』
間違いない。これは金魚ちゃんだ。俺達の唯一のツッコミ役だ(笑)。
しかし、これはどうなってんだ?水面から顔を出すのは「巨大魚」と言っても差し支えない大きさ。顔だけでも1mはある。
まあ、金魚ちゃんがそのまま巨大化した感はあるが、より輝きを増した黄金色の鱗が紋様のようだ。キラキラ眩しいぞ。
《報告。叙事詩は〈水界の統合核〉が30%に達したことで〈聖魚種〉に進化し、固有能力〈聖流操作〉を獲得しました。》
《叙事詩の戦闘力が+10強化されました。》
《叙事詩の防御力が+10強化されました。》
《叙事詩の生命力が+10強化されました。》
《叙事詩の回避値が+10強化されました。》
《叙事詩の知能値が+10強化されました。》
《叙事詩の器用値が+10強化されました。》
《叙事詩の魔力値が+10強化されました。》
《…とまあ、他にも色々、レベルアップしちゃってるねぇ。今日はレベルアップ日和だねぇ。おめでとうっ!》
気軽に言うんじゃない。
『大きさは自由に変えられますわっ。』
それなら良いんだけどねっ。
《それで良いんだ?》
さすがの彗星もビックリまなこで、天使ちゃんと同じ様に鼻を突き出し、クンクンと匂いを嗅いでいる。
2人(匹)とも仕草が可愛いなあ(笑)。
メェ?
コンっ?
お花ちゃんは我関せず(笑)。
まあ、お互いに進化してるから、感ずるものはあるんだろうがな。俺の眷属同士、仲良くして欲しい。
『ニャっー?』
お前は静かにしてろ。
不満げに妖刀「鵺」がカタカタと震える。
「そんな事より、お花ちゃん。地下を移動するギルド職員を拘束して、持ち出そうとしている書類を確保出来るか?」
『そんな事は簡単ですわっ。私の「聖流操作」で捕まえますっ。』
何とも頼もしい奴(笑)。ついでに、持ち出そうとする隠し資産は俺が頂こう。
あの女ギルド支部長の泣きっ面が目に浮かぶぞ。
そんな訳で、しっかり頼むぞ。
『分かりましたわっ。』
ピュっと顔を引っ込める金魚ちゃん。便利だな。
しかし、大金過ぎても持ち運びがな…。
『ニャっ!!』
カタカタと腰の妖刀が五月蝿い。やめろ。
《あ〜。哀歌君、妖怪化したから、アレがあるみたいだよ?》
「あ?アレ?」
…アレ…妖怪化と言って思い浮かべるのはアレだ。俺の黒檀の大型馬車…勝利者か?
勝利者は妖怪神「 樹蛇種」である。
その勝利者の唯一の利点…それは?
「満善車王の神庫」である。
『ニャ〜♪』
まさかの「隠り世空間」持ちだと?しかしアレは、言っては何だが「生贄」が必要だった筈?
《考察するに、哀歌君の元になったのは魔物の〈瘴気〉だからねぇ。総合すると、相当な数の人間を食べてるんじゃないの?》
そんな御都合主義、許されるのか?まあ、俺にとっては好都合だが(笑)。
それでも相当な金額が見込めるなら、ギルドの所有の物件を買い叩こう。
そうそう、あの何とか言う少年達の傭兵組織の借金も肩代わりしてやろう。今回は世話になったからなあ。
面倒なのは売買契約だが、そこは…ナユタ少年あたりに代行して貰おう。
ところでナユタ少年、どこ行った?
《君って、そう言うところ、丸投げだよねぇ。第一、彼を置き去りにして来たのは君でしょ?》
そうだったっけ?気のせいじゃないか?
しかし、そうなると…若き技術士官君に頼むのは面倒臭いよな。
アイツの口癖は「規則正しい生活を!」だ。
余分な出資を認めるとも思えんな(笑)。そのくせ、甲斐甲斐しく世話をしてくれるのだが…。
これぞ、途方に暮れると言う奴だ。
ともあれ、奴隷契約の書類を取り戻したら、奴隷商館に再び殴り込みに行く予定ではあるが。今度、拒否したら手加減せずにブッ潰してやるぞ。
にしても、このリムルブルグだが、奴隷の流通が首都にも増して多い。
道ゆくそばから、使役する「低頭種」を酷使する商業者達に行き当たる。
物資運搬に従事する重労働や、店舗の掃除や売り子役はまだ良い方なのだろう。
軒並み、奴隷に対する扱いは良いようには感じん。敢えて言うなら「悪い」だろう。
しかし、やはり狼人種は見当たらないな。
それでも現在は混乱時。こんな時でも稼ごうとするあたりは、商売人としては見習うべきか?
そんな俺を見つけたようで、遠目からも彼等が和気藹々(あいあい)と駆け寄って来る姿が分かる。若いと言う事は良い事だ(笑)。
《君もまだ十分、若いでしょ?》
若さが違う(笑)。彼等は「月桂樹の剣」の少年達だ。素朴な顔が田舎臭い。
「「「兄さん!!」」」
もはや、兄さん呼ばわりも赦そう(笑)。俺達はもはや義兄弟?
「おう。お前ら、怪我はないか?」
「凄いっす!」「一夜にして、状況がひっくり返りましたね〜。」「天使ちゃん、可愛いなあ❤︎」
そこで俺は閃いた。こいつらは「リムルブルグ」に慣れてるし、唯一、信頼しても良い相手だ。一部、疑念(?)もあるがな。
ともあれ、こいつらにやらせよう!と。
「兄さん、悪い笑顔ですね。何か企んでます?」
「コラっ。隊長君、人聞きの悪い事を言うんじゃない。ちょっと頼みたい事があるだけだ。」
そう。ちょっとだけ頼みたい事が…ね。
「えー?悪い事は手伝えませんよ。俺達、清廉潔白がモットーですから。」
清廉潔白ねー?そこで既に、俺の天使ちゃんの取り合いをしているのにか?
「俺の天使ちゃんっす。」「僕は認めんぞっ。」「俺は彗星君でっ。」
コンっ〜(悲)。
「…そこでだ。俺から信頼の証として、この重剣「乙女座之刃」を貸し与える。それと、投資してやるから、組織を拡大強化させろ。ギルドの傭兵組織の筆頭になれ。」
「えっ!?どうして、兄さんが?」
勿論、今の内に唾を付けておいて、「竜面屋リムルブルグ支店」を作る際、協力させる為だ(笑)。その為の先行投資と土地の買収だ。安いもんである。
「それは…勿論、お前達の…将来性を買ってだよっ。」
「にっ、兄さん(涙)。」
《白々しいねぇ。》
それが大人ってもんだ。
取り返したばっかで悪いが「乙女座之刃」よ…この隊長君を守ってやってくれよ。
不承不承ながらも、我が黒き重剣が静かに震える。
少年を守護する乙女さながらに、以後、この「乙女座之刃」は人知れず「レクレス・ティミド」を護り、また獲物を狩り続け、いつしか人は彼等を「乙女に護られし蛇狩りの剣王」と呼ばれるまでになる。
しかし、それはまた別の話…。
◆ ◆ ◆
違法に売り払われ、リムルブルグ市内の貴族共の屋敷に確保されていた「狼人種」の奴隷逹。その数25名。
内訳は狼頭20名。狼形1匹。半狼人4名である。
計、21件の貴族共の屋敷を回った訳だが、面倒なことこの上なし。
混乱の最中ではあったが、高位の貴族共…即ち「五脚」配下の貴族はギルドから押収した不正書類を提示したところ、すごすごと奴隷の引き渡しを無償で了承した。
無論、それは俺が「例の混乱の張本人」であるのみならず、神毒の解毒丹が喉から手が出るほど欲しい彼等にしてみれば、逆らう事での損失を理解している為と言える。
逆に引き渡しを拒否してきたのは、その情報を露ほども知らぬ馬鹿な下級貴族だ。準男爵や士爵あたりである。
例に上げれば、この「ガンコナー士爵家」はその一つだ。
例のごとく、割安で手に入れた珍しい「狼頭」の奴隷である。
手放したくないと言うのも、わかる話だ。
だが、相手が悪い。既に、半壊している屋敷の数は片手で収まらない。
次は…ココ、か?
「にっ、兄さん!?問答無用過ぎますよっ!」
有無を言わさず、柱を叩き切った間際の、隊長君の悲鳴だ。
ここは軒先き。ガンコナー家の玄関前だが、門前払いされた為、門を壊そうとしていたところだ(笑)。
「いや、この妖刀の試し切りに丁度いい門構えだろう?」
『ニャっ♪』
この妖刀「鵺」だが、とても切れ味は良い(笑)。一刀のもとに柱は寸断。残るは反対側の1本だ。既にミシミシと傾いている。
「いや、それにしてもですね…。」
既に、ガンコナー家の執事はあまりの事態に気絶中。
ならしょうがない。勝手に入らせてもらうしか無いだろう?
なんだかんだ言いつつも、隊長君は俺に従い、最後までついて来る。
案内役として丁度、良かった事もあり、少年逹を使って狼人種達の確保と保護を任せてあるのだ。
そして同時に、「月桂樹の剣」に手を出したらタダじゃ済まんぞ!と言う宣伝にもなる。これはベネの提案だ。
「お邪魔するぞ。」
こんな事をあと何回すれば良いものか?
土足で上がれば、ワラワラと俺達を取り囲む使用人達。敵意が甚だしいが、それさえも俺に敵対する行為が、即ち違法行為をしていると認める事にもなる。
正直、どっちもどっちだがな(笑)。
「お前達が不正に購入した奴隷…狼頭の身柄の即時、返還を求める。待ってやるのは5秒だ。急げ。」
それにしても、見渡してみるに、このガンコナー家は士爵の癖に、随分と奴隷が多いな?
勿論、ほぼ低頭種だが…おや?犬ぽい顔の…服装から見るに、これは少女だろうか?
そんな風体の狼頭が、他の奴隷と一緒に食卓の拭き掃除に従事している。
目標、発見である。
「この奴隷愛好家のスケルツォ・ガンコナー様の屋敷はにズカズカと入り込んで来た阿呆と言うのは…お前かっ!?この無礼者めえ!!」
《愛好家とかっ。》
ズングリムックリした不恰好な甲冑姿で出て来たのは、見るも耐えられぬ脂ぎった顔の中年紳士であった。
言うまでも無い…。
メェッ!!
ゴフっ!と、中年紳士の脇腹に彗星が追突し、その甲冑はベッコリと胸部が陥没。
《彗星の器用値が+1強化されました。上手になったもんねぇ。》
その勢いのまま、中年紳士は二転三転し、床を横転する。白眼を剥いて、ピクピクと痙攣していた。士爵にあるまじき弱体さ。
「また、やっちゃった…。」
そう。全て彗星の直撃に反抗者は沈んできた。
そして隊長君、これは天罰なのだよ。そして俺は何もやってない。
やったのは…彗星ですが?
メェ♪
俺がやるのは…この屋敷の解体作業だ(笑)。
「また壊すんですかっ!?もう良いじゃないですかっ?」
「馬鹿者!屋敷の再建に金を放出させて、奴隷を買う資金を無くさせる為の苦肉の策だ。決して、妖刀の試し切りをもっとしたいとかっ、ストレス発散の為とかっ、そんな理由じゃ無いぞ!!ホントだぞ!!」
ん?心の声?気にするな。
「兄さん…そんな深い考えがあったなんて!感動ですっ!!」
「…そ、そうか?」
隊長君が納得してくれたようで、一安心だ(笑)。
決して騙してはいないぞ。
そんな俺達は、不安げな表情(?)の狼頭ちゃんを無事に確保。その後、きっちりガンコナー邸は解体しておきました。
「お前、名前は?」
「あの…わたし…ミコト…と言うの。」
「ミコトちゃん」か。
「地底都市の守護者」のフミと同じくらいの年齢かな?
あんな奴隷愛好家(?)の中年紳士の元に居たんじゃ、心休まらなかっただろう。
「心配するな。悪いようにはしない。お前が望むなら、亜人の森に帰してもやる。」
「…えっ!?」
驚くのも仕方ない。全員、そんな表情だったがな。
「とりあえずは、首都「ジュライ」に行ってもらうが、そこには狼人種の若長の「ランマル」も居る。安心しろ。」
何だかんだ、そこで「犬耳少年」の名前は役に立つわけである。
ともあれ、奴隷である彼等は既に諦めた表情が大多数であった訳だが、これから先、選ぶのは彼等自身だ。
備考として、行き場のあぶれたガンコナー士爵家の低頭種の奴隷が15名、やむなく俺が購入する事になってしまった件については…それは触れないでおこう。アムにも内緒だ。
無論、彼等は「月桂樹の剣」で面倒を見させる事にする。家事全般、賄えるしな(笑)。
賃金?それはギルドの隠し資産から捻出だ(笑)。
結果、良好である。
◇ ◇ ◇
ステリアス・シーヴァ【竜絶壁発動中】
種族〈シーヴァ族〉
階級〈傭兵〉
所属国〈傭兵大隊預かり(特措法)〉
カテゴリー〈8.7+〉
戦闘力 66
防御力 58
生命力 91
回避値 58
知能値 47
器用値 50
魔力値 62
相生相剋〈火気〉属性 55
相生相剋〈木気〉属性 35
相生相剋〈金気〉属性 25
相生相剋〈土気〉属性 44
相生相剋〈水気〉属性 46
竜技
九十九式(下位)見えざる(ブリトマルティス)赫炎〈火気〉
九十九式(下位)束縛 (カリュプソ)の静謐〈水気〉
九十九式(下位)復讐 (エイレイテュア)の逆鱗〈土気〉
九十九式(下位)開闢 (アイオロス)の威風〈木気〉
九十九式(上位)森羅 (カリオペ)の皇緋〈火気〉
九十九式(上位)喜劇 (タレイア)の蓋世〈土気〉
九十九式(上位)叙事詩 (テルプシコラ)の泡沫〈水気〉
戦技
一刀両断
十文字斬り
固有能力
竜の血眼(竜眼第1位階)
轟炎の気
水精の女王の加護〈50%〉付与
能力編纂技能−〈全知全能霊〉
能力
大剣 剣 手斧 槍 投槍 棍棒 小盾 軽装 隠蔽 偽装 物理抵抗 精神抵抗
魅了 脚力 嗅覚 命名 馭者 連携 大工 腕力 投擲 二刀流 統治 潜伏
鑑定 願い 破壊 暗躍 異常耐性 咆哮 感応 精製 共鳴 打撃 同調(NEW)
魔力系術式
下位(基本三原理)火属性付加
下位(基本三原理)火属性魔道弾
下位(基本三原理)火属性誘導波動
下位(基本三原理)水属性付加
下位(基本三原理)光属性付加
眷属
相生相剋の五人衆
クロちゃん
闘種四天王
クエビコ〈地底都市の守護者〉
ハナコ〈地底都市の守護者〉
イワメ〈地底都市の守護者〉
ナヨタケ〈地底都市の守護者〉
フミ〈地底都市の守護者〉
ナオヒ〈地底都市の守護者〉
スオウ〈地底都市の守護者〉
セイラン〈地底都市の守護者〉
彗星
販売上手〈擬似生命体(金気)〉
刀鬼王の甲冑(弐式)〈擬似生命体(土気)〉
黒字
竃神〈擬似生命体(火気)〉
電撃
叙事詩
不滅
定理
哀歌
称号
赤き竜人
傾国の貴公子
闘種の王
調和者
装備
揺光ベネトナーシュ〈第1位階〉分体〈大剣〉【竜絶壁発動中】
属性:暴君LV410〈聖遺物級〉
付与効果:ガーネット碑(七大元素)〈ゲニトル・ルミナス〉〈第1位階〉
剣撃物理破壊力増幅
竜技増幅
竜顕現
竜絶壁
意識の転移
擬似人格〈補助機能〉
耐久値:490
隕鉄の小太刀→妖刀「鵺」(NEW)〈小太刀〉
属性:闘種覇動→妖怪神LV350(+150)〈秘蹟武具級→聖遺物級〉
付与効果:耐久値強化(隕石鋼)
闘種補正〈戦技20%強化〉→竜技補正〈50%強化〉(NEW)
哀歌の魂〈妖刀制御+〉(NEW)
喰われし者〈自己再生・防衛本能・殺傷過剰〉(NEW)
雷身〈雷属性帯電(120%)〉(NEW)
耐久値:400(+100)+α
竜面〈仮面〉
属性:竜面の者LV250〈聖痕武器級〉
付与効果:竜因子封印
自己再生
耐久値:200/∞
ジャガノート(畏怖なる護り手)〈重鎧〉
属性:付喪神(低位)LV150〈秘跡武具級〉
付与効果:有卦の鬼棘〈攻撃判定+〉
無卦の反魂〈防御判定−〉
代赭の竜堅〈障壁〉
耐久値:220
黒衣(黒色)〈外衣〉
属性:結界種LV300〈聖痕武器級〉
付与効果:結界生成〈守護遮断(反射率)〉
物理特性〈闇・土〉30%増幅
防寒〈永続化〉
耐久値:350
所持金
煌皇金貨11枚
煌白銀貨282枚
煌赤銅貨70枚
【〈神宝の洞庫〉煌皇金貨総額693,681枚】
【〈猫に小判〉煌皇金貨総額350枚】(NEW)
所持品
賢者の核石〈「火気」術式刻印〉
賢者の核石×1
岩塩
獣油
下着〈服〉×4
魔鉱石×4
ギルドカード〈階級「F」〉
携帯水筒
再誕の書
炎霊の生体核×9
原始回帰の書
神毒解毒丹×5
光の魂(ロザリオ)
◇ ◇ ◇
彗星
種族〈北欧山羊〉
階級〈星座の生物種〉
所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉
カテゴリー〈2.4+〉
戦闘力 19
防御力 24
生命力 31
回避値 20
知能値 15
器用値 15(↑1)
魔力値 25
土属性20
光属性15
戦技
大地の嘆き(突撃効果倍(+100%)〈土属性〉)
光の体毛(守護幕〈光属性〉)
固有能力
星気の美徳
運命補正効果(眷属)
能力
角 霊子 自己再生 自己回復 幻覚耐性 癒し 忠義 大器晩成
健脚 突撃 咆哮 応援 巨大化 大胆不敵 視覚 魅了 穴掘り
眷属
北欧山羊・星気体
卯花羊・星気体
トルマリン鳥・星気体
称号
ステリアス・シーヴァの眷属
竜面屋牧場の守り主
星気体の王子
◇ ◇ ◇
叙事詩
種族〈水生獣〉
階級〈高位水霊族・黄金魚→聖魚種(NEW)〉
所属国〈流星の巣〉
カテゴリー〈3.5-〉
戦闘力 30(↑10)
防御力 36(↑10)
生命力 33(↑10)
回避値 30(↑10)
知能値 30(↑10)
器用値 25(↑10)
魔力値 31(↑10)
水属性30(↑10)
光属性10(NEW)
戦技
水鉄砲→聖なる水流(NEW)
固有能力
水界の統合核〈30%〉(↑10%)
運命補正効果(眷属)
聖流操作(NEW)
能力
投擲 慈愛 精霊体 自己再生 暑耐性 魅了 癒し 感応
盗聴 巨大化(NEW)即死耐性(NEW)硬化(NEW)
浮遊(NEW)呪詛返し(NEW)聖者(NEW)
魔力系術式
下位(基本三原理)水属性付加
下位(基本三原理)水属性魔道弾
下位(基本三原理)水属性誘導波動
下位(基本三原理)光属性付加(NEW)
下位(基本三原理)光属性魔道弾(NEW)
下位(基本三原理)光属性誘導波動(NEW)
中位(戦略級)水属性波動(NEW)
中位(戦略級)水属性障壁(NEW)
精霊系術式
水精の黄金色(守護膜)→水精の鎧鱗(障壁)(NEW)
水精の息吹(治癒・浄化)(NEW)
称号
金魚ちゃん
流星の巣の主候補
◇ ◇ ◇
不滅
種族〈高位花霊族〉
階級〈曼陀羅華・希少種(薔薇科)+→覇王花・貴族種(薔薇科)(NEW)〉
所属国〈花霊族の園〉
カテゴリー〈3.3+〉
戦闘力 29(↑10)
防御力 33(↑10)
生命力 33(↑10)
回避値 30(↑10)
知能値 35(↑10)
器用値 31(↑10)
魔力値 33(↑10)
木属性35(↑10)
光属性20(↑10)
戦技
悲鳴
荊の鞭
薔薇の香気
大輪の花〈念動力〉(NEW)
固有能力
香気の統合核〈40%〉(↑10%)
運命補正効果(眷属)
能力
投擲 鞭 偽装 歌唱 家族愛 自己再生 睡眠耐性
毒耐性 魅了→洗脳(NEW)予感 樹生 精霊体
浮遊 窃盗 不動→覇気(NEW)自己回復(NEW)
麻痺耐性(NEW)幻覚耐性(NEW)癒し(NEW)
精霊系術式
花精の接吻(魂縛・隷属化)
花精の運命操作(幸運・不運)(NEW)
称号
ステリアス・シーヴァの眷属
お花ちゃん
装備
薔薇の正式上衣→薔薇の社交衣裳(NEW)〈服〉
属性:木属性LV300(↑50)〈秘跡武具級→聖遺物級〉
付属効果:物理特性〈木属性〉100%(↑50%)障壁
魔道特性〈風属性〉100%障壁(NEW)
香気の幻惑〈魅了〉
自己再生・自己修復・自己進化(NEW)
耐久値:550/∞(+∞)
◇ ◇ ◇
定理
種族〈高位土霊族〉
階級〈仙狐種〉
所属国〈銀の霊峰〉
カテゴリー〈2.4+〉
戦闘力 20
防御力 18
生命力 25
回避値 20
知能値 20
器用値 20
魔力値 26
火属性20
土属性25
戦技
天火
妖銀鉱の霊槍
仙気〈土属性〉
固有能力
鎮守の統合核〈2本尾〉
銀霊翼〈妖銀鉱〉
運命補正効果(眷属)
能力
投擲 爪 家族愛 寒耐性 炎耐性 予感 天耳 嗅覚
心眼 疾駆 礼節 浮遊地殻操作 精霊体 自己再生
火焔 癒し
称号
ステリアス・シーヴァの眷属
天使ちゃん
銀の霊峰の主代理
◇ ◇ ◇
哀歌
種族〈瘴気の集合体→妖怪神 〉(NEW)
階級〈混合生物「守護獣」→合成獣「鵺」(NEW)〉
所属国〈不明〉
カテゴリー〈5.0+〉
戦闘力 58(↑10)
防御力 48(↑10)
生命力 55(↑10)
回避値 46(↑10)
知能値 30(↑10)
器用値 20(↑10)
魔力値 53(↑10)
闇属性60(↑10)
相生相剋〈金気〉属性50(NEW)
戦技
隠者の爪
瘴気の咆哮
固有戦技
侵食解放
雷身〈雷属性帯電(200%)〉(NEW)
固有能力
喰われし者〈狂気〉
不老の書
原始回帰の書
再誕の書
巫女の真像
運命補正効果(眷属)
妖刀化(NEW)
猫に小判〈隠り世空間〉(NEW)
能力
爪 奇襲 咆哮 疾走 精神抵抗 捕食吸収 混沌→雷君(NEW)
人工生命 自己再生 自己増殖 毒耐性 闇耐性 麻痺耐性
睡眠耐性 石化耐性 狂気耐性 邪眼耐性 炎耐性 吸収
踏付け 飛翔→天駆(NEW)巨大化 妖刀(NEW)神気(NEW)
称号
ステリアス・シーヴァの眷属
相生相剋の十下衆〈雷〉(NEW)
◇ ◇ ◇
クラトゥ
種族〈戦術鬼(比比羅木の霊位)〉
階級〈指南役・闘種四天王〉
所属国〈闘種の郷〉
カテゴリー〈4.6+〉
戦闘力 63
防御力 55
生命力 47
回避値 63
知能値 45
器用値 32
魔力値 35
火属性10
闇属性8
雷属性15
木属性10
相生相剋〈金気〉属性 20
奥義
無拍子
戦技
洞紋印流「雷鳥の舞」
洞紋印流「火鳥の舞」
洞紋印流 撫で斬り
固有能力
闘種覇動
印
大自在の法〈偽装・変装・隠蔽・隠密・隠形〉
運命補正効果(眷属)
能力
大刀 刀 小太刀 槍 軽装 脚力 偽装 隠形 暗殺 戦術
両手武器 二刀流 軽業 解体 鑑定 博識 礼節 知者 忠義
毒耐性 闇耐性 睡眠耐性 幻覚耐性 邪眼耐性 寒耐性
酩酊耐性 看破 直感 波動 覇気 威圧 俊足 暗視 降魔
降魔法
比比羅木の装束
称号
指南役爺さん?
闘種十二天〈四天王〉
装備
十徳羽織り(琥珀色)〈和装服〉
属性:絹LV70〈特殊兵装級〉
付与効果:耐熱耐寒〈月蛾〉
呪詛返し〈反射〉
麻痺耐性(無効)
耐久値:80
◇ ◇ ◇
ナユタ・ゴブジョウ
種族〈人間種・羅刹〉
階級〈傭兵大隊・大隊隊長〉
所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉
カテゴリー〈4.1+〉
戦闘力 43
防御力 30
生命力 40
回避値 55
知能値 28
器用値 38
魔力値 35
水属性8
風属性9
光属性22
戦技
反射呪言
切り払えの太刀
固有能力
羅刹因子
呪詛耐性〈因果応報〉
能力
剣 大刀 刀 軽装 連携 俊足 礼節 乗馬 天才 冷静沈着
幻覚耐性 邪眼耐性 魅了 直感 障壁 反射 聴覚 呪い
呪詛返し 妖刀 覇気
称号
羅刹
士爵
装備
羅刹刀〈刀〉
属性:妖銀鉱LV100〈特殊兵装級〉
付与効果:霊力構築〈妖銀鉱〉
耐久値:55
白光の釵〈道具〉
属性:魔鉱石LV75〈特殊兵装級〉
魔力伝達〈戦技増幅〉
耐久値:40
着流し(赤紫色模様)〈着物〉
属性:絹LV90〈特殊兵装級〉
付与効果:守護膜〈火属性〉
豪華絢爛(幻惑・魅了)
耐久値:100
白衣の小袖〈着物〉
属性:絹LV50〈特殊兵装級〉
付与効果:状態異常耐性( 毒耐性・闇耐性・睡眠耐性・幻覚耐性・石化耐性 )
耐久値:50
◇ ◇ ◇
サイカ・リュイン
種族〈人間種〉
階級〈傭兵大隊・大隊隊長〉
所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉
カテゴリー〈3.2+〉
戦闘力 30
防御力 28
生命力 35
回避値 34
知能値 28
器用値 30
魔力値 18
土属性15
闇属性12
戦技
一撃必殺
高揚の帯気
死の黒線
固有戦技
フランフォーファの黒線
固有能力
能力
剣 小剣 細剣 騎士楯 盾 甲冑 連携 嫉妬 洞察
不器用 忍耐 演技 虚言耐性 聴き流し
魔力系術式
下位(基本三原理)土属性付加
下位(基本三原理)土属性魔道弾
下位(基本三原理)土属性誘導波動
下位(基本三原理)闇属性魔道弾
称号
物理法則特化級騎士 「銀の天杯」
黒線のサイカ
大隊隊長「黒線」
装備
細剣メル・カトル〈細剣〉
属性:魔鉱石LV150〈特殊兵装級〉
付与効果:魔力伝達〈戦技増幅〉
同期〈フランフォーファの黒線〉
耐久値:180
翠甲冑(濃緑色)〈甲冑〉
属性:妖銀鉱LV120〈特殊兵装級〉
付与効果:霊力構築〈妖銀鉱〉
物理抵抗
耐久値:180
◇ ◇ ◇
レクレス・ティミド
種族〈人間種〉
階級〈傭兵(月桂樹の剣)〉
所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉
カテゴリー〈1.3+〉
戦闘力 15
防御力 13
生命力 15
回避値 13
知能値 18
器用値 15
魔力値 5
土属性3
戦技
自己流斬撃(重撃波)
猪突猛進(蛮勇)
固有能力
獣相〈未覚醒〉
能力
剣 小剣 盾 軽装 不器用 忍耐 友情 努力 直感
毒耐性
称号
「月桂樹の剣」隊長
「赤き竜人」の代行者(NEW)
装備
乙女座之刃〈重剣〉(NEW)
属性:付喪神(低位)LV200〈秘跡武具級〉
付与効果:乙女の邁進
折れぬ心
耐久値強化〈合金〉
耐久値:360+α
鋼鉄の剣(月桂樹)〈剣〉
属性:鋼LV12〈通常級〉
付与効果:物理特化
耐久値:55
革鎧〈軽装〉
属性:獣皮LV12〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
耐久値:52
(つД`)ノみんな、一気にレベルアップ(笑)。
天使ちゃんと彗星はそのうちにw
次回はリムルブルグを出て北上です…姫探索←本来の任務w
そして、遂にあの黒い卵が…!?