第4話「春祭り(死祭)の霊都」〈5〉名ばかりの水仙
(^ー^)ノRPG要素の追加です。あの姫君とはっ!?
第4話「春祭り(死祭)の霊都」〈如才のなさとは敵を作らずに自分を主張することである〉Tact is the knack of making a point without making an enemy
草創歴0444年5月3日〈5〉
翌日、無論アムの帰りを待っているほど暇でもなかったので、俺と犬耳少年は仲良く毛布にくるまり、スヤスヤと熟睡していたわけである。
そんな最中に叩き起こされ、不機嫌この上ないわけだ。
寝台を使わないのかって?
犬耳少年と話し込んでいたら、そのまま寝込んじまったのさ(笑)。
仲良く重なってグ〜グ〜だ。
首が重いな〜って思ったら、クロちゃんが乗っかって寝ていたオチ。
「まったく、いい気なもんだよっ。僕はもうクタクタだから、ちょっと寝かせてもらうからねっ。」
朝帰りの癖に偉そうで、騒々しい奴だ。
大体の経緯をアムからは聴いたものの、犬耳少年の目の前でボフンッ!!って竜刀になって転がる始末だ。
そんなんでいいのか、ショー・ストーク君よ?
「けっ、けっ、けっ、剣になってしまったでござるっ!?」
あれ?まだお前には言ってなかったんだっけ?
「こいつはな、この剣の方が本当の姿だからなぁ。俺の相棒で、名前はアムって言うんだ。よろしくな?」
「は…はぁ…。」
釈然としない返事だ。
見るからに毒々しい色合いの竜刀だものな。もっともだ。
「まあ、いいさ。そんな事より、朝飯を喰いに行くぞ。お前も来い。」
案の定、犬耳少年の侍従の応接着は大好評で、特に女中さん番号2などは構いまくっている。何だか弟を構っているみたいな感じだ。
犬耳少年も割と嫌ではないみたいな様子。
こうやって見ると、トーパチオ士爵家で働いていても違和感がないな。
ここで就職させてみても面白いかもな(笑)。
「…ステリアス殿、何か企みごとをしている顔をしていますが?」
おや?男装の煌王女さんよ、俺の顔(仮面付きだがな?)を見ただけで分かるようになるとは、お前も成長したものだな。
にしても、朝からお前も忙しそうだな?ご苦労な事だ。
「お忘れなんですかっ!?本日はステリアス殿も音無しの塔院へ同行して頂きますよ?兄上に面会をして頂きます。」
…あっ、正直忘れてた。興味が無い事は忘れる癖があるんだよね(笑)。
それで朝から社交衣裳でめかし込んでいるのか。
元とは言え煌王女だけあって、なかなかに艶やかな彩りだ。
緑銀色の髪もそれなりに長くなり、金糸雀色の社交衣裳によく映える。
「聞いてますのっ!?」
いちいち怒るなよ。褒めてたのにさぁ。
「はいはい、分かってますよ。」と俺は食堂へ逃げ出す。
ピイッ(逃)♪
逃げるが勝ちって言うもんな。
さて、食卓でアムのことを追求されるも、のらりくらりと話を躱しつつ、俺は犬耳少年と共に朝飯をたいらげた。
朝から北欧山羊の鉄板肉焼を頬張り、モグモグと飲み下す。
ブレッド(パン)の籠は俺の目には入らない。一欠片だけクロちゃん用に取っただけだ。
「ステリアス様、ちゃんと噛まないと消化に悪いですよ?」って女中さん番号1は言うが、俺は生まれてこのかた、腹を壊したことは無いのだよ。多分(笑)。
「んな事より、お前はもっとガッツリ喰わないとデカくならないぞ?」
この犬耳少年、狼人の中でも小柄っぽい。
だが体格的にはランオウ爺さんと似てるんだよな。
「拙者、朝は米と汁だけで十分なのでござる…。」
質素っていうか、謙虚っていうのか。
「だが、確かに米が旨いよな。今度、地下蔵の米を使って何か作るかっ?」
犬耳少年の顔がパッと明るくなった。
なんだかんだ、まだまだ子供である。故郷が恋しいんだろうな。
「さて…もう宜しいでしょうか、ステリアス殿?よろしければ出発させて頂きたいのですが?」
おいおい、食後の一息ぐらいつかせろよ。
手ぐすねを引いて、男装の煌王女さんが俺を追い立てようとする。
ピイッ(悲)。
俺の味方はクロちゃんだけだ(笑)。
「ったく。準備をするから待っててくれ。それと、こいつも連れてって大丈夫か?」
「「「えっ!?」」」
一斉に驚く事はないだろうが。
こいつってのは、勿論、犬耳少年の事だ。
見た目も街並みに合う服装になったことだし、ずっと屋敷に閉じ込めておくのも可哀想だろう?
「えっ…いえ、それは止めて頂けませんか?いくらステリアス殿でも、亜人種を家人として引き連れては、音無しの塔院に入ることも許可されないでしょうし…。」
あれ?お前って亜人種擁護派の旗頭じゃなかったっけ?
ある意味、広告塔的な?
そんな男装の煌王女さんにそこまで言わせるとは、貴族の体裁、恐るべし。
「ちっ…しょうがねぇな。」
「拙者、大丈夫でござる。日中は剣の修行に励むでござる。」
あぁ、そういえば女中さん番号2が言ってたな。
毎日、一緒に木刀で素振りの練習をしてるって。
もっとも、木刀振ってて強くなるなら世話無いけどな?
持参していた剣は入国の時に取り上げられちまったらしいし。
手っ取り早く強くするには、赤道の時みたいに名前を付け直した方が早そうだな?
《報告。ランマル〈狼人〉を眷属として組み込む為には、因果律と本人の忠誠心を獲得する必要があります。現在の因果律は50%です。忠誠心は60%です。》
「う〜む。数値が足りん(笑)。じゃあ、土産を買って来るから待ってろよ。」
「分かったでござる!」
うむ、良い返事だ(笑)。数値は低いけどなっ。
気を取り直して、俺は2階の寝室に駆け戻り、いつもの姿になる。
煌太子に会うからといって、正装に着替えるわけもない。
そもそも俺は一傭兵であって、爵位を持つ貴族では無いのだからな。
この朱鎧と黒衣の外衣が俺の正装なのだ。
あっ、忘れてた。
眠りこけてる竜刀「アムドゥシアス」を俺は拾い上げる。
しかしこの竜刀、全長が以前の1.2倍ほど大きくなってしまったため、背中に接続する為の固定具に収まらなくなってしまったのだ。成長期かよ?
持って歩かねばならなくなり、やれやれだな。
「おぅ!待たせたな。」
玄関口で俺は男装の煌王女さん達と合流した。
そこには既に、大嵐と勝利者が繋ぎ止められていた。
手綱を犬耳少年が引いてくれている。
俺が来る前に準備をしてくれたようだ。
「すまんな。ほらっ、小遣いだ。」
俺は懐からピ〜ンっと弾いて出し、煌白銀貨を一枚、犬耳少年に投げて渡した。
「えっ!?拙者に?」
何を驚く?働いた奴には給金だろ。
ピイッ(笑)♪
そんな様子を微笑ましく見詰める女中さん達と男装の煌王女さん、並びにクロちゃん。
なんだかんだ、この犬耳少年は皆んなに愛されているよな(笑)。
「では、アーシア様。参りましょう。」
「…そうね。」
ん?どうやら女中さん番号2が、男装の煌王女さんの馬車の御者をやるつもりらしい。
勝利者に比べればみずぼらしいものの、それなりの装飾馬車だ。
色は灰褐色で、それを引くのは並の雌馬である。
「おいっ。一緒に俺のに乗って行けばいいだろ?」
「えっ!?」
えっ?じゃないよ。
行き場所は一緒だろうが?
「あのな…どうせ、お前はそこで夜まで詰めっきりなんだろ?帰りだけ送ってもらえばいいじゃないか?」
おっ、どうした?顔色が目まぐるしく変わる男装の煌王女さん。
ホントにコイツ、何を考えているのかさっぱり分からん(笑)。
「あ……あの?」
「あん?」
「お迎えには…?」
俺の顔色を伺いながら、挙句に…なんだと?聞き間違いか?
俺に睨まれて、すごすごと勝利者に逃げ込む男装の煌王女さん。
初めから大人しく乗ればいいものを。
「ステリアス様っ!アーシア様をよろしくお願いしますねー。ウフフフ。」
その、なにかを期待しげな笑顔は何だ、女中さん番号2よ?
「うるさいっ。ともかく行くぞ、大嵐よ!」
犬耳少年から手綱を受け取り、俺は一気に御者席に飛び乗る。
左手には竜刀のアムドゥシアス…こいつ、まだ寝てるのか?
ピイッ(笑)♪
え?寝かせておいてやれって?
まあ、確かに静かだし、起きたら起きたで山ほど喰うからな(笑)。
それに、これから向かうのは貴族達の総本山だ。
煌王家の居城たる「心座」は首都「ジュライ」の中心に位置している。
それを囲むように建てられた第1内壁。
更にその外側にあるのが第2内壁である。
正面門より「商業市場広間通り」を直上し、その第2内壁の南区画を占有するのが「音無しの塔院」だ。
俺がここを訪れるのは今回で2回目だ。
もっとも、前回は傭兵大隊の大隊隊長の1人である巨乳ちゃんと共に、南側正面門から石造城塔に挑んだっけ。
今思うと懐かしい(笑)。
ん?鼻唄が聴こえるな。
ゆっくりと進む勝利者の内部で、男装の煌王女さん、上機嫌で開き窓から景色を眺めやっている。
何度も言うが、勝利者の乗り心地は王室専用馬車をも凌駕するからな(笑)。そりゃ、鼻唄も出るだろ。
ピイッ♪ピイッ♪ピイッ〜♪
クロちゃんも上機嫌で唄い出す。
《クロちゃんは能力〈歌唱〉(NEW)を獲得しました。》
しかし生憎、空は相変わらずの曇り空っていうか、霧っぽいけどな。
こればっかりは、ジュライを覆う結界種のせいなので、しょうがない。
「おい、もうすぐ着くぞ?」
今回は二等貴族区画から入るわけで、俺としても不慣れなわけである。
何しろ「音無しの塔院」と一括りにしても、本拠地である石造城塔だけではなく、魔道師団の小城塞や、魔道院の首都学園棟も併設された独立管理区画なのだ。
案内なしでは迷うことは必然である。
「はいっ!よいしょっ、と。」
ドタバタ…ドタバタ……ガタガタ……ガタガタ
「…お前、何やってんだ?」
男装の煌王女さん、正面の覗き窓から下半身を乗り出し、そこから這い出て、御者席の俺の隣に腰を降ろそうとする。
だが、それはジタバタしているようにしか見えないぞ?
あっ、スカートが挟まって大変なことになってんぞ。
本日のチャスズ(パンツ)は紺色のようだ(笑)。
ピイッ(怒)。
これは不可抗力だからしょうがないじゃないの、クロちゃん。
止む無く、俺は助太刀をして降ろしてやる。
「おいおい、危ねぇだろ。貴族ともあろう者が、そんなんでいいのかよ?」
「あら?私は半分、闘種ですからね。へっちゃらです。」
自分で言うなよ、だ。
にしても、人目が無くて良かったな。
そんなこんなで俺達の勝利者は、厳重極まる警備の「音無しの塔院」の外門で一時停止。
これは落し扉門ってやつだ。
あからさまに不審者を見る目付きで守衛共が群がるものの、そこは凛とした態度の男装の煌王女さんがいるわけで、とっとと門を開けろよ!この雑魚どもがっ、って感じで押し通る。
雑魚共の視線なんざ気にもならないし、興味もない。
あの顔付きじゃ、ちょっかい出してくる馬鹿もいるだろうが、大嵐の周りで感電した雑魚共の山が出来上がってるんだろうな…なんて予想が出来る(笑)。
「あのですね、ステリアス殿。私はもう慣れていますけど、こうして敵ばかり作るのは良くないと思うのです。」
「まあ、ご忠告はありがたいけどな…その程度の奴等と仲良しこよしをしてもしょうがないだろ?」
ピンからキリまであるけどな、門番と言えども所詮は守衛。有象無象だ(笑)。
こいつらも俺が特措法だって分かってて引き止めたからには、それなりに思うところがあるってわけだ。
そんなのに笑顔を振りまいてどうする?
「あっ、その大通りを南に曲がって下さい。」
おうっ。見覚えのある輪郭が前方に見えてきた。
徐々に近付く巨大な石造城塔。
「大通り(メインストリート)」を行き交うのは飾内服姿の官僚とか、腹の締まりのない貴族服の中年男性と言った、戦場では使い物にならなさそうな奴がほとんどだ。
学生らしき魔道士服の若者もちらほらと見える。
魔道士を育成する「魔道院」って学園の生徒なのだろう。
とは言え、どいつもこいつもヒョロヒョロしたのばかりだ。
「こいつら、魔道だけで生きていけると思ってんのか?」
「あら、首都の魔道院は上級者を育成する為の機関ですよ。ほとんどの貴族の子弟は必ず卒業するのです。」
そう言いながら、ちょっと小馬鹿にした言い方でいいのか?元煌王女さんよ。
ともあれ、俺達は音無しの塔院に到着した。
何度見ても重厚で巨大な石造城塔である。
そして藍白輝石の白さで目が痛い(笑)。クラクラする。
「…では、参りましょう。」
「了解だっ(笑)。」
「なっ、何を笑ってるんですかっ!?」
いや、思わず噴き出しちまったが、凛々しいなあって思ったわけだ。
◆ ◆ ◆
慰霊金の金額を減らせませんか?だと。
馬鹿を言うな。
「亜人の森」に於ける先の災害(笑わせる)の戦傷者に対する慰霊金は、即ち煌王家の権威でもある。
派閥が違えども、まさか叔父上からそのような言葉が出るとは驚きである。
「叔父上、サイレント公爵家から、もう少し融通していただけませんか?」
困惑顔でカーズ・サイレント公爵が顔を逸らす。
細面で神経質そうな、魔道士と言った趣きの人物だ。
彼こそが、この「音無しの塔院」を支配する22歳の当主である。
思わずイラっときて執務机を打ち叩く。
それでも書類の山はビクとも動かないのだが。
ともかく投資額が圧倒的に足りない…このままでは手も足も出ないではないか?
思わず眉間に皺が寄る。
「…最低でも、1人あたり煌皇金貨10枚は遺族に出さねば、銀色の鷹騎士団の反発を招くことになりますよ。」
「しかしながら太子よ、資金が足りないのも事実…当方としてもヘンド辺境伯の更迭と千腕兵団への補償で、バディ家とレグ家も無い袖は振れないと…。」
頭が痛い。厄介な案件がこうも積み重なり、どうにも上手く進まないときた。
ああ、全くもって黄金色の前髪がうざったい。少し長くなり過ぎたか…。
「ともかく、このままでは死祭はずれ込むことになる。それだけでも国民の不満が高まる要因となりますぞ、叔父上!」
そう。そもそも他人事のように言ってはいるが、これは国家存亡の窮地であるのだ。
それだけで頭が痛いものを、更にはアレである。
「…ならば、国益の元である妖銀鉱の出荷量を増やす事を確約し、自由都市連合あたりならば国債を購入して頂けるのでは?」
それは考えなかったわけではない。
しかしそれは、中央大陸に於ける妖銀鉱の価格を暴騰させる危険性を否定出来ぬし、様々な弊害を生む事にも繋がるだろう。
ましてや国内の商業ギルド「エノシクトン」が納得するとも思えない。
「それは悪手であろう、叔父上?」
「…ですな。さてはて、どうしたものか?多額の資金を提供してくれる名も無い貴族が現れるのを期待して待ちますか?」
「何を馬鹿な…。」
その時、来訪者を告げる鐘が打ち鳴らされた。
叔父上が取次ぎ役から詳細を聴き取り、報告をすべく、とって返す。
時計を見れば、おや、もうそんな時刻だったか?
また徹夜で政務を行なってしまったようだ。香炉の伽羅(沈香)も切れていた。
気付け用の経口薬を口に含む事で眠気が多少、緩和される。
ふぅ。おそらくは妹のアスラシアであろうな。
アスラシアにも連日、貴族達への資金提供依頼(調達)で無理をさせている。
「太子、アスラシア様がお見えになられたと…並びに、例の者も同席されたいと。」
ほう。来たか。
この案件も早く済まさねばならない。例のアレだ。
「通して下さい。」
「はっ。では太子、私は隣の間にて控えておりますので…。」
「いえ、叔父上にも同席していただいて全く構いませんが?」
ところが、手でキッパリ固辞される始末。
この歳近き叔父上は、こういう所は計算高いのである。
国益云々の責任だけは、こちらに背負わせる気なのだ。まったく狐である。
近代風な執務室に、いつも見慣れたアスラシアが踏み入ってきた…おや?何か足元が軽やかだな。
いつにもなく上機嫌じゃないか?
これは兄である自分だけが分かる、ちょっとした仕草のようなものだ。
おいおい、何があったんだ?
「兄上、ステリアス殿をお連れしましたわ。」
よもや…アスラシアに続き入って来た人物(?)に、ではなかろうな?
まあ、そんなことを言ってみたところで、栓なき事ではあるのだが。
何より、その満面の笑顔は何だと言うのだ?
「…ふぅ。ようこそ、お待ちしていたよ。」
気を取り直して私は、その訪問者と向き合うべく眠気を振り払う。
こうして直接会うのは2回目だ。
報告書では何度も名前が挙がってくる要注意人物である。
その名は「ステリアス・シーヴァ」。
「おう、どうも。」
何とも、ぶっきらぼうな言い草である。
自分で言うのも何だが、煌太子であるこの私を前にして、この尊大な態度は畏れ入るな。
「掛けたまへ。」
応接用の座椅子に移動し、勧めるよりも先に、噂の赤き竜人はドサリと無遠慮に腰を降ろす。
その紫紺色の座椅子は西方辺境から輸入した翼獣の毛皮で作られた特注品で、1脚で煌皇金貨50枚はする代物だ。
今回は鎧姿のままの赤き竜人殿は、その価値が分かっていない。
もはや傷モノである。
だが、それよりもだ。
妹よ…なぜ、お前はその男の横にチョコンと座っているのだ?
「…ゴホンッ。」
あっ!って顔で立ち上がり、そそくさと私の横に回り込むアスラシア。
お前という奴は…。
「さて…ステリアス殿、本日来てもらったのは他でもない……君は妹の屋敷に居候をしているようだが、そこに邪まな気持ちが…」
「あっ、兄上っ!?」
あっ、間違えた。
つい、イラっとしてしまった…兄としてな。
「いや…そうではなくだな、君は東方辺境の…いや、東方大陸のアステリト王国…まあ、今は古都グローリー王国と名乗ってはいるが、そこと縁があると聞いているのだが?」
仮面のせいか、全く表情が読めないのも問題ものだな。
「あ〜、グローリー王国ねぇ。自分の名前を国名に付けるってな、あいつも大概だな(笑)。」
それを笑えるのも大概ではあるがな。
「んでっ?もしかして、俺が指名手配でもされてるとか?」
ほほぅ。そう言う自覚はあるようだ。
「…そういう報告も聞いているがな?しかし、君は既に亡命者として我が国が保護しているわけで、国家法に基づき侵害要求として逆に賠償を求める事が可能なわけさ。」
それがどういう意味か、君は理解しているのかな?赤き竜人殿よ。
…と、真面目な話をしているのだが、なんだか馬鹿馬鹿しくなってきたので、ドサリッと腰を投げ出した。
真面目な話で威圧感を与えようと思ったのだが、今更ながらに無駄だと分かったよ。
「お兄ちゃんさぁ、本題に入れば?」
「君に、お兄ちゃんと呼ばれる筋合いは無いよっ!!」
おのれ、私の眠気を返せ。
「…いいとも。ならば、本題に入らせてもらおう。」
それは先日、魔道師団の「藍色の賢者」より領海侵犯の報告がもたらされた事に始まった。
「領海侵犯の報告があり調査に乗り出したものの、領海内にその痕跡は見当たらず…捜索の維持は時期的に困難だった為に、私は打ち切りを指示したのだが…。」
それが先月の4月26日のことだ。
「ところがだ…あの古都グローリー王国とやらから、我が国に逃げ込んだとされる旧王国の姫君を返還せよとの通告が届けられた訳だよ…返還しなければ開戦も辞さないときたものだ。」
呆れ果てたものだ。
旧王国の姫君の存在自体を関知していない我々にとっては、まさに青天の霹靂である。
…ん?何やら、赤き竜人殿の視線が定まらないように見える。
先ほどまでとは、明らかに様子がおかしいぞ?
それを見て、アスラシアもキョトンとした顔をしている。
「…あ…あの女が…あの女が来てる…のか??」
まるで悪夢の再来?のごとき口振りだ。
この赤き竜人ともあろう男が、一体どうした?
「兄上、噂では水仙のごとき、お淑やかな姫君だとか?」
「ばっ、馬鹿を言うなっ!あの女は悪名高き国潰しのお姫様だぞっ!2度と顔も見たくないぜっ!!」
突然に激昂し始めた赤き竜人殿…待て、この男がこうまで狼狽えるとはただ事じゃない。
そんな人物が我が国に潜伏したとか、冗談だろう?
はてさて、どうしたものか?
「では、ステリアス殿?かの姫君が我が国に逃げ延び、存命している可能性はあると思えるか?」
「…あの女はしぶといからな。俺の知る限り、殺しても死なねえと思うぞ?」
それはどういう評価なんだ?不死者なのか?
しかし、そうとなれば捜索を再開せねばなるまい。
その費用でまた頭が重くなる。
「…兄上?」
アスラシアが心配気に覗き込む。
「うむ。捜索には傭兵大隊を使うしかあるまいな…煌王家も破産しかねんが、致し方あるまい。」
先行きは真っ暗だ。
だが、ここで古都グローリー王国とやらに喧嘩を吹っかけられては元も子もない。
さて、問題はどうやって、この赤き竜人殿を引き込むか…だな。
◆ ◆ ◆
あの黄金色の兄ちゃんの魂胆はこうだ。
謝礼金は払うから、隊長のラシャが率いる傭兵大隊の姫君捜索に同行して、見つけたら殴り倒してでも送り返してくれって寸法だ。
不本意にも、あの国から逃げ出して来たこの俺が、個人的な因縁であの女を追い出した…という体裁にしたいらしい。
優しそうな顔をして、なかなか考える事がエゲツない兄ちゃんである。
『まあねぇ。考えうるに、それがもっとも無難な方法なんだろうね〜。』
だが、御免こうむる、だっ!!
…って言うか、お前起きてたのか?
『話は聞いてたよ?あの子を保護するにせよ、追放するにせよ、多額の損害賠償を請求される可能性があるわけだから、苦肉の策で君を使いたいって事でしょ?』
あの黄金色の兄ちゃん、俺を過大評価し過ぎだな(笑)。
それに、それをやったら俺の待遇も一変しそうで嫌だな。
俺は今の状況が結構、気に入っているのだ…ところで、俺の勝利者は何処だ?
「ただいま、クロちゃん。大丈夫だったか?」
ピイッ(嬉)♪
馬車置き場の内中庭に於いても、一際目立つ俺達の勝利者。そして並び立つ大嵐の威圧感。
残念ながら、お留守番となったクロちゃんが、ピョン♪と再び俺の肩に飛び移る。
ヨシヨシ(笑)。
さてと…相変わらず山積みとなった男共の肋骨を踏み砕き、俺は御者席に飛び乗る。
グエッ…とか、グギャっとか、ちゃんと生きてて良かったな、お前ら?
『大嵐君は手加減が上手いよねぇ。君もちゃんと見習いなさいよ?』
はいはい、その通りですねぇ〜って言いつつ、俺は竜刀を後部の座席に叩き込む。
『あ痛っ!?手加減してないじゃないのさっ!!』
「とっとと、人体化しとけよ。」
何にせよ、今日も今日とて予定は詰まってんだからな。
しかし、剣からムニュ〜って人体化した時点で、あの白色の正式上衣と貴族服が着用済みって、どう言う御都合主義なんだ?
《報告。竜刀に戻る時点で取り込んだ装飾品等は情報として霊子化されます。霊子化された情報は任意で変更が可能です。〈情報の実在化〉から霊子結晶を選択してください。》
「これねぇ、常に新品状態で僕にとっては有り難いね。でもさ、これで聖痕武器級とか取り込んじゃったら、また面倒な事になりそうだねぇ〜。」
同意。とりあえず、門を出るまでは隠れていろよ?
「それより僕、お腹が空いたぁ。」
その、あどけない顔で思い出したが…あの「明珠の仙姫」、どんな顔してアステリト王国から逃げ出して来たんだろうな(笑)。
落ちぶれた姿を見るのも一興か?
「また君はぁ、そんな心にもないことを。」
「馬鹿めっ!!いや、そう考えると、うちの男装の煌王女さんって、大分まともな女だな〜って思えてきたぞっ。」
そんな感慨に耽る俺が手綱を握ると、大嵐が静かに走り出した。
取り敢えず、向かう先は「商業市場広間通り」でよろしく。
ヒヒヒィィィーーーンンン
何度も言うが、今日は忙しいのだ(笑)。
◇ ◇ ◇
ステリアス・シーヴァ【竜絶壁発動中】
種族〈シーヴァ族〉
階級〈傭兵〉
所属国〈傭兵大隊預かり(特措法)〉
カテゴリー〈8.6+〉
戦闘力 63
防御力 57
生命力 90
回避値 56
知能値 47
器用値 46
魔力値 62
相生相剋〈火気〉属性 54
相生相剋〈木気〉属性 35
相生相剋〈金気〉属性 25
相生相剋〈土気〉属性 44
相生相剋〈水気〉属性 40
竜技
九十九式(下位)見えざる(ブリトマルティス)赫炎〈火気〉
九十九式(下位)束縛 (カリュプソ)の静謐〈水気〉
九十九式(下位)復讐 (エイレイテュア)の逆鱗〈土気〉
九十九式(下位)開闢 (アイオロス)の威風〈木気〉
九十九式(上位)森羅の皇緋〈火気〉
九十九式(上位)喜劇の蓋世〈土気〉
九十九式(上位)叙事詩の泡沫〈水気〉
戦技
一刀両断
十文字斬り
固有能力
竜の血眼(竜眼第1位階)
轟炎の気
水精の女王の加護〈35%〉付与
能力
大剣 剣 手斧 槍 棍棒 小盾 軽装 隠蔽 偽装 物理抵抗 精神抵抗 魅了
毒耐性 寒耐性 虚言耐性 邪眼耐性 敵意耐性 幻視耐性 暑耐性 睡眠耐性
酩酊耐性 拘束耐性 脚力 看破 打撃 軽業 殺気 嗅覚 聴覚 追跡 鑑定
察知 聴き流し 威圧 命名 馭者 疾走 解体 連携 釣り 加工 応援 大工
恫喝 腕力 投擲 調理 予感 警告 二刀流 洞察 策謀 警告 演技 統治
潜伏
魔力系術式
下位(基本三原理)火属性付加
下位(基本三原理)火属性魔道弾
下位(基本三原理)火属性誘導波動
下位(基本三原理)水属性付加
下位(基本三原理)光属性付加
眷属
大嵐〈相生相剋の五人衆〈金気〉〉
喜劇〈相生相剋の五人衆〈土気〉〉
勝利者〈相生相剋の五人衆〈木気〉〉
クロちゃん
赤道〈相生相剋の五人衆〈火気〉〉
流星〈相生相剋の五人衆〈水気〉〉
ラムバ〈闘種四天王〉
ティロ〈闘種四天王〉
クラトゥ〈闘種四天王〉
プンジェ〈闘種四天王〉
称号
赤き竜人
傾国の貴公子
闘種の王
調和者
装備
竜面〈仮面〉
属性:竜面の者LV250〈聖痕武器級〉
付与効果:竜因子封印
自己再生
耐久値:200/∞
朱鎧〈皮鎧〉
属性:朱虎の皮LV15〈通常級〉
付与効果:物理抵抗〈皮〉
耐久値:85
携帯用小刀〈小剣〉
属性:雷鉱石LV30〈特殊兵装級〉
付与効果:物理特化
雷属性付加
耐久値:150
黒衣(黒色)〈外衣〉
属性:結界種LV300〈聖痕武器級〉
付与効果:結界生成〈守護遮断(反射率)〉
物理特性〈闇・土〉30%増幅
防寒〈永続化〉
耐久値:350
所持金
煌皇金貨13枚
煌白銀貨519枚
煌赤銅貨20枚
【〈神宝の洞庫〉煌皇金貨総額699,842枚】
所持品
賢者の核石〈「火気」術式刻印〉
賢者の核石×2
岩塩
獣油
下着〈服〉×5
◇ ◇ ◇
アムドゥシアス・ゲニトル・ルミナス【竜絶壁発動中】
種族〈竜種・第2位階〉
階級〈暴君〉
所属国〈無し〉
カテゴリー〈16.6+〉
戦闘力 82
防御力 43
生命力 98
回避値 43
知能値 52
器用値 34
魔力値 120
相生相剋〈火気〉属性 87
相生相剋〈木気〉属性 56
相生相剋〈金気〉属性 43
相生相剋〈土気〉属性 58
相生相剋〈水気〉属性 67
固有戦技
獅子の破光
固有能力
暴君の加護
所持者固定契約〈魂〉
因果律限界値突破
情報の実在化(人体化・竜刀化・霊子結晶(NEW))〈竜界繋〉
分体作成
竜刀〈第2位階〉人面獅子
能力
爪 隠蔽 偽装 咆哮 蒸留 調合 精製 計算 機械操作 精密操作
知者 自己回復 即死耐性 毒耐性 闇耐性 睡眠耐性 幻視耐性
石化耐性 結界耐性 魔眼耐性 寒耐性 炎耐性 障壁 竜眼 竜刀
覇気 転生者 霊子 幽体 改竄 礼節 胃袋 演技
竜言術式
〈第1位階〉 竜顕現
〈第1位階〉 竜絶壁
〈第2位階〉 竜界繋
〈第2位階〉 竜阿摩羅
称号
暴君
調和者
ショー・ストーク
装備
正式上衣(白色)〈服〉
属性:羊毛LV20〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
保温
耐久値:30
貴族服(白色)〈服〉
属性:羊毛LV15〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
保温
蝶結びネクタイ
耐久値:25
◇ ◇ ◇
大嵐
種族〈雷霆馬〉
階級〈雷霆馬神種+〉
所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉
カテゴリー〈4.5+〉
戦闘力 44
防御力 49
生命力 46
回避値 47
知能値 38
器用値 22
魔力値 33
相生相剋〈金気〉属性 44
相生相剋〈土気〉属性 1
固有戦技
神撃・星霜雷鼓〈雷霆槍〉
戦技
百雷
固有能力
運命補正効果(眷属)
疾雷の蹄
雷霆槍化〈神級〉
【因果律限界値突破〈限定解除〉】
能力
脚力 聴覚 嗅覚 積載 牽引 疾駆 咆哮 雷君
圧殺 炎耐性 魔眼耐性 察知 冷静沈着 仲裁
原子分解 障壁 飛翔 神気 怒号 紫電
称号
相生相剋の五人衆〈金気〉
装備
馬鞍〈軽装〉
属性:獣皮LV8〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
耐久値:60
◇ ◇ ◇
勝利者
種族〈妖怪神 樹蛇種〉
階級〈馬車(黒檀)〉
所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉
カテゴリー〈3.8−〉
戦闘力 10
防御力 70
生命力 65
回避値 40
知能値 31
器用値 26
魔力値 25
水属性2
風属性5
木属性15
相生相剋〈木気〉属性 30
戦技
大祓の帯刀
固有能力
運命補正効果(眷属)
自我
癒しの花籠〈搭乗者治癒能力80%上昇〉
閻浮樹の無窮〈自己再生〉
天華の曙光〈光合成〉
神宝の洞庫〈隠り世空間〉
御阿礼木の召霊〈木気の祝福〉
【因果律限界値突破〈限定解除〉】
能力
盾 物理抵抗 自己再生 即死耐性 睡眠耐性 幻覚耐性 石化耐性
狂気耐性 熱耐性 魔眼耐性 積載 格納 管理 偏食 捕食吸収
自己増殖 硬化 障壁 踏付け
称号
相生相剋の五人衆〈木気〉
◇ ◇ ◇
クロちゃん
種族〈鳥天種〉
階級〈亜成体〉
所属国〈卵の世界〉
カテゴリー〈1.5+〉
戦闘力 19
防御力 15
生命力 24
回避値 15
知能値 34
器用値 15
魔力値 11
風属性15
光属性15
固有戦技
刹那の光輝〈補正値200%向上〉
固有能力
鬨の声〈術式3.5倍 増幅〉
運命補正効果(眷属)
結界種回帰
能力
結界耐性 魅了 聴覚 直感 覚者 脅迫 応援 偏食 嫉妬
抗議 慈愛 怒気 結界 飛翔 癒し 歌唱(NEW)
精霊系術式
讃歌の翼〈補正値200%向上〉
称号
漆黒の剣姫
ステリアス・シーヴァの眷属
◇ ◇ ◇
アスラシア・トーパチオ(アスラシア・ジ・ハド・プージャ)
種族〈人間種・煌王家〉
階級〈士爵〉
所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉
カテゴリー〈1.7+〉
戦闘力 15
防御力 13
生命力 27
回避値 18
知能値 20
器用値 21
魔力値 12
火属性2
水属性6
風属性10
土属性5
光属性5
戦技
重撃波
固有能力
能力
剣 槍 投槍 投擲 騎士槍 小盾 軽装 甲冑 隠蔽 偽装 男装 礼節 乗馬
釣り 不器用
魔力系術式
下位(基本三原理)風属性付加
下位(基本三原理)風属性魔道弾
下位(基本三原理)風属性誘導波動
下位(基本三原理)水属性付加
下位(基本三原理)水属性魔道弾
下位(基本三原理)水属性誘導波動
下位(基本三原理)光属性付加
下位(基本三原理)水属性魔道弾
下位(基本三原理)水属性誘導波動
称号
元煌王女
亜人種擁護派
士爵
装備
社交衣装(金糸雀色)〈服〉(NEW)
属性:羊毛LV22〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
保温
耐久値:20
頭髪飾(髪飾り)
属性:妖銀鉱LV80〈特殊兵装級〉
付与効果:霊力構築〈妖銀鉱〉
守護膜
耐久値:48
◇ ◇ ◇
ライオネック・ジ・ハドXⅣ(NEW)
種族〈人間種・煌王家〉
階級〈煌太子〉
所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉
カテゴリー〈2.6−〉
戦闘力 34
防御力 25
生命力 26
回避値 22
知能値 35
器用値 33
魔力値 18
火属性14
水属性5
風属性8
土属性5
光属性10
固有戦技
三昧耶形の剣
戦技
二重斬撃
一撃必殺
固有能力
煌王家の加護〈死を与える鷹〉
金剛気
能力
剣 小剣 細剣 盾 甲冑 礼節 騎乗 天才 統治 洞察
反抗期 策謀 忍耐 冷静沈着 結界耐性 魅了 看破
波動 覇気
魔力系術式
下位(基本三原理)火属性付加
下位(基本三原理)火属性魔道弾
下位(基本三原理)火属性誘導波動
下位(基本三原理)光属性付加
下位(基本三原理)光属性魔道弾
下位(基本三原理)光属性誘導波動
称号
煌太子
黄金色の兄ちゃん(NEW)
装備
宝剣ノブレスオブリュージュ〈剣〉
属性:結界種LV260〈王権威級〉
付与効果:結界生成〈守護遮断〉
耐久値強化(金剛石〈硬度調率〉)
戦技20%強化増幅
耐久値:300+α
太子服(黄金色)〈服〉
属性:羊毛LV20〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
保温
耐久値:26




