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第4話「春祭り(死祭)の霊都」〈2〉お前の胃袋

(^ー^)ノRPG要素の追加でアムの化け物胃袋の話?

第4話「春祭り(死祭)の霊都」〈如才のなさとは敵を作らずに自分を主張することである〉Tact is the knack of making a point without making an enemy


草創歴0444年5月2日〈2〉


思い直して俺の象徴トレードマークである朱鎧ハーフクロスアーマーと黒衣の外衣マントを身に付けて、俺は寝室を飛び出す事にした。

無論、肩にはクロちゃんだ。


ピイッ〜(嬉)♪


あっ、クロちゃんがいるせいかな?

飛べる気がしてきた( 笑)。


割れたままのガラス窓から身を乗り出し、飛び出してみたらそこは丁度、中庭の真ん中だ。

俺は一気にビューン!と飛び出す。


それをシーツにくるまったままの犬耳少年が恨めしげに見送る。


「ちゃんとお前の服も買ってくるからなあーーー。」と言葉を残し、あっ、案外飛んでいる(滑空)ことに気付く俺。

これ、気のせいかな?


《報告。クロちゃん〈亜成体〉の〈讃歌アンブロシウスの翼〉が発動しています。現在、〈木気〉が増幅効果ブーストエフェクトにより上昇中。任意で操作コントロールが可能です。》


おお、さすがはクロちゃん!


こういうのも解説付きだと、すこぶる分かりやすいな。至れり尽くせりだ。

しかし飛んで一回転したいところだが、ここはまあ、クロちゃんの黒い翼と共に着地してみせる。


「君ねえ。何気に目立つ行為は止めなさいよぉ〜?」


既に厩舎前で待っていた少年姿のアムと合流し、なんやかんやとケチを付けるのを無視スルーする。


「無視すんじゃないよぉ。まったくさ〜。」


「いや、これはあくまでクロちゃんの力だから、しょうがないだろ?」


俺も人前でそうそう、ポンポン使わないぞ。


「全く、こうやって離れちゃうと監視も出来ないのが痛いなあ。」


「監視とか言うな!って言うか、ちゃんと竜絶壁オーバーマインドは働いてるんだろうな?お前の方こそ、第2位階になって何か変化してんじゃないか?」


ん〜?って、アムが首を捻る。


《報告。第2位階への進化に伴い、竜顕現テンペラメントニックが〈竜界繋アサグリスタ〉に進化しています。第2位階・竜界繋アサグリスタ効果エフェクトにより〈情報の実在化〉から人体化が選択されています。》


「「それかっ!!」」


思わず互いに顔を見合せて、同時にツッコんでしまったが、それが原因だな。


「人体化の発動元が分かれば、僕が剣に戻るのも簡単だと思うよ。」


「なら、一安心だな。」


とは言え、こいつ剣に戻る気があるのか疑問だがな?

なんか生き生きしてるし(笑)。


って考えると、手持ちぶたさで形だけでも扱える武器が必要かもしれん。

懐の雷鉱石ブロンティア製の携帯刀フォールディングナイフだけじゃ心許ない。


それはまあ後々考えるにして、今は扉を開け放ち、木造作りの厩舎に踏み込んだ。


ヒヒヒィィィーーーィィィンンン


逞しい体躯、脈動する筋肉と漆黒の体皮。それを彩る百雷の文様。

タテガミは黄金色に輝き、紫電を帯びている。

ちょとと言うか、一目で尋常じゃない印象を与える黒馬がお出迎えだ。


「おう!大嵐テンペスト、迷惑を掛けちまったな。元気だったか?」


ブフンッッッン!


鼻息も激しい(笑)。


そう、大嵐テンペストは「雷霆馬グングニル」とかいう、世にも珍妙な存在に転生してしまったのだ。

ちなみに、俺の眷属である相生相剋の五人衆の一画である、らしい。


《報告。大嵐テンペストは相生相剋の五人衆〈金気〉属性です。種族は〈雷霆馬グングニル神種+〉です。》


神種ってのが、またなんか良い響きだな。

とても神々しい(笑)。


再会に鼻先をナデてやると、大嵐テンペストは嬉しそうに擦り寄ってくる。

可愛いやつだ。


「急ぎで悪いが、今から勝利者ヴィクトリを引っ張ってくれるか?」


ブフンッ!ブフンッ!


承った、みたいな感じで大嵐テンペストは頷く。

そして傍らには見慣れた馬車がある。

それは黒塗りの大型馬車であり、繊細な帯刀たちはきつる模様が印象的で、まるで祭典馬車かと見紛うほどに立派だ。


だがこの馬車、その名を勝利者ヴィクトリと言う。

そしてこの馬車もまた、人じゃないけど俺の相生相剋の五人衆であるらしい(笑)。


《報告。勝利者ヴィクトリは相生相剋の五人衆〈木気〉属性です。種族は妖怪神〈樹蛇種ネハッスキム〉です。》


そう、巨大な蛇に変身しちまうのだ。ああ、恐ろしい。


「この子は闘種アスラの郷の御神木を取り込んじゃったからねぇ。僕から見ても未知数だよ。」


「お前が未知数って言うんじゃ、相当だよな。」


「むっ。」


頬を膨らませたところで、全然だな。可愛さが足りない。

もうちょっとクロちゃんを見習えよ。


ピッ♪


って言うか、こんなところで時間を食ってるわけにはいかないのだ。

俺は大嵐テンペスト勝利者ヴィクトリ牽引具ハーネスを繋ぎ、そそくさと準備をする。

厩舎の奥の方で、怯えた雌馬メアーがこちらを見つめてる(笑)。


「そうそう。荷物(米と泡盛あわもり)は屋敷レジダンスの地下蔵に入れてありますわあ。」と女中メイドさん番号1が笑顔でお見送り。


まあ、保存が比較的、長く効くものだからいいか。ちゃんと確保できただけでも儲けものだ。


「とりあえず、夕方までには戻ってくるから、よろしくな!」


そう告げて、俺は手綱を握る。

勿論、場所は御者席である。

ヨイショって扉を開けて、後部座席にアムがちょこんと乗り込む。


「うぉ〜。広いね〜。この座り心地は一級品ファーストクラスじゃないの?さすがの僕も営業級ビジネスクラスにしか乗ったことないからねぇ。安らぐねぇ〜。」


なんか1人で騒いでいるが、もはや勝利者ヴィクトリはそこらの馬車とは別物だからな(笑)。


《報告。勝利者ヴィクトリに搭乗する事で、搭乗者は永続的に〈癒しの花籠(治癒能力80%上昇)〉〈御阿礼木みあれぎの召霊(木気の祝福)〉効果エフェクトが発生しています。》


そう言えば、勝利者ヴィクトリに乗ってた時に、そんなような事をランオウ爺さんも言ってたもんな。

へ〜、だよ。


ともかく出発だ。

目指すは「商業市場広間通り」である。


◆ ◆ ◆


大嵐テンペストは低速で牽引中。

もっとも、それでも並みの労働馬フォール3頭分に匹敵する馬力である。

雷霆馬グングニル大嵐テンペストが本気で走ったら大変な事になるので、そこは良識のある大嵐テンペストに任せておけば間違いはない。


それでもすれ違う人、すれ違う人、寄ってたかって遠巻きに、驚きの表情で道を開ける。

まあ、邪魔されないだけ有難いが。


そんなこんなで、相変わらず二等貴族区画の第2内壁パラペットの通行門は素通り状態だ。

ほぼ顔パスに近い。


「…おい、門衛の兄さん。ちゃんと確認しなくていいのか?」


野暮とは思いつつも、真面目そうな兄さんに俺は問いただす。

いや、そんなにビクつく事はないだろうが?


「…あ、あのですね。ステリアス様御一行に関しましては、特措法スペシャルケースが適応、配布されておりまして、ですね…。」


特措法スペシャルケース…だと?


「へ〜。それは僕も気になるねぇ。その内容は教えてもらえるの?」


アムの提案を受けて、渋々、俺は代弁を行う。

すると門衛のお兄さん、配下の女性衛士さんに伝え、その書類を丁重に取って来させる。

何の抵抗も、問題もないのか( 笑)。


「ス、ス、ステリアス様!こちらになりますっ!!」


おお、ありがとうお嬢さん。

新人さんって感じで初々しいね。

やれやれと、俺は書類を勝利者ヴィクトリ内部で寛ぐアムに手渡す。


「もう、ほんとに君って奴は…。」


何故なら、俺には中央大陸の言語である「マテシス文語」が読めない。

それに比べて、竜種ドラゴンであるアムは感覚の全てが竜言バドクォル術式として感応リンクしており、見聞きするものが自動翻訳されるっていう自由設定ズルい体質なのだ。


「まあ、それは否定しないけどさ…どれどれ?え〜と。」


『ステリアス・シーヴァ氏に関する特措法 案件(仮)


明らかに国益を損ねる行為と確証が取れぬ限り、ステリアス・シーヴァ氏と、氏に関わる同行者に対する無用の拘束、あるいは監視行為を一切認めぬものとする。

上記に反した者は煌王家ブライッネスより厳罰があるものと心得るように。


尚、首都「ジュライ」外部への無許可の外出、および一等貴族区画への無断侵入に際しては、この限りでは無い。

これを確認した者は速やかに「心座ルアック」に報告するように。


引き続き、氏の身元引け受け人は傭兵大隊 隊長コマンダーラシャ・コウヤショウ預かりとする。


以上。


特措法施行者 煌太子ライオネック・ジ・ハドXⅣ世

並びにアスラシア・トーパチオ士爵』


「…つまるところ、僕等は鼻つまみ者ってとこかな?」


「そういう意味なのか?」


当たらずも遠からずってところらしい。

門衛さん、顔が引きつっているし(笑)。


もっとも、引き止められないのは有難いがな。


第2内壁パラペットを通り過ぎ、再び大嵐テンペストは軽やかに走り出す。

さて、本日の目的は色々と身の回りの整理をする事だ。

そして、今後の活動方針を決める必要がある。


だがその前に、俺は手綱を取りながら、アムに勝利者ヴィクトリの金庫に保管されている所持金の確認を頼む事にした。

資金は少ない…いかに増やすかが問題だ(笑)。


「え〜と、さすが貴族さんだけあって、お金には手を出してないみたいだねぇ。アムルブルグで蓄えた金額に合わせて、煌皇金貨が13枚に…煌白銀貨が805枚…それと煌赤銅貨が20枚くらいかな…あれっ?」


「おい、どうした?」


なんか、金庫前でガサゴソと、アムが何かを漁る音が聞こえる。


「…これは大変な事になっちゃったよ〜。」


その割にはあっけらかんと言うけどな。ちょっと見たら、その手の中には大量の煌皇金貨と煌白銀貨が山ほど積み重なっている。

ヤバいほどの量だ(笑)。


ピイッ(汗)。


頭に浮かんだのは闘種アスラの奴等だが、あいつ等がそんなに気が効くとも思えないんだが…。


《報告。煌皇金貨の総額は700,000枚になります。これは勝利者ヴィクトリ同期コンタクトして取り込んだ御神木〈聖遺物レリクス級・高御産巣日アニアドゥス〉に闘種アスラ達が永年にわたり捧げて来た戦利品です。勝利者ヴィクトリの同意により使用が可能となりました。利用時には〈神宝かむだからの洞庫〉と念じて下さい。》


案の定、亜人の森で使わないとは言え、ずっ〜と金貨と銀貨を捧げて来た闘種アスラ達が御多分に洩れず笑える(笑)。

あいつら、先祖代々、ずっとそうしてきてたんだろうな(笑)。


「笑い事じゃないよ。これ、総額700億円は超えるってことだよ?金庫の奥、暗黒穴ブラックホールみたいになってるし〜。」


「…とにかく、それを元に戻せ。」


にしても、これはかなりの額だな。一気にひと財産築いたぞ。

ここは素直に闘種アスラの先祖代々の皆さんと、そして勝利者ヴィクトリに感謝しておこう。


「ありがとう(笑)。」


とは言え、金が溢れんばかりに手に入ったとは言え、浪費はしたくないし、出所不明の金は疑念を持たれる。

ここはあくまで元手で儲かる手段を構築したいものだ。

地下倉に保存中の米と泡盛あわもりも何とかせねばなるまい。


「じゃあ、僕も機会チャンスがあれば一口乗らせてもらうよぉ〜。」


アムのやつめ、なんか企んでいるくさい。

実体を持って活動出来る事が嬉しいっぽい(笑)。

まあ、分からなくもないが。


しかし、そこはいいか。

何か問題が発生したら他所の国に行けばいいし…と、この頃はまだまだ気楽な気持ちでいた俺達(俺とアムの2人)。

後の祭りだが、な。


さて、ようやく俺達は首都の正面門通り、正式名「商業市場広間通り」に車輪ホイールを踏み入れた。

相変わらずの人混みと、活気だけはある通りだ。

この先に「商業市場広間」があり、大抵の生活必需品はそこで揃うと言っても過言では無い。


人混みに溢れた街並みを見るのが初めてのようで、俺の肩の上でクロちゃんがキョロキョロと、興味ありげに見回している。可愛いなあ。


「人が多い事は良い事だし、いつかは亜人の森の真ん中にも、このぐらいの規模の都市が出来ると賑やかになるよなあ〜。勿論、住民は亜人種デミヒューマンでさ。」


ピイッ〜(嬉)♪


うんうん。そうだろそうだろ。


「また君は…そんな適当な発案アイディアで実行しようとしないでよ?土地代はロハかも知れないけど、建材や物資にどれだけの投資が必要だと思ってんだい?」


はいはい。後部の座席ソファに踏ん反り返って、金勘定とは恐ろしい少年だ。

夢も希望もないよ、クロちゃん。


ピイッ(悲)。


「…そんな事よりも、そろそろ目的地でしょ?通り過ぎちゃダメだよ。」


「はいはい。大嵐テンペスト、そこで止まってくれ。」


ヒヒヒィィィーーーィィィンンン


大嵐テンペストが止まったのは、雑多な売り物の山で溢れた店先の、何でも屋って風情の「運河屋」である。

基本は衣類中心だが、小物アクセサリーや家具類も販売しているのだが、どこに何があるのか店主が理解しているのか?は疑問だ。

つまり汚い(笑)。


「おい、婆さん!居るのか?」


俺は暖簾のれんを潜り、奥に向かって声を投げ掛ける。


…返事はない。


「あの豆婆さん、死んでんじゃないのか?」


そう言えば、商売汚いごうつくばりの顔をしてたもんな(笑)。

どっかで倒れてても、豆つぶみたいに小ちゃいし、誰も気付かないか?ふははは。


「勝手に殺すんじゃないよ。この、うすらでっかちがっ!」


あ痛っ。

すねを思いっきり強く杖で叩かれた…ような気がした。


ピイッ(驚)!?


見下ろしてみれば、なんか小さい豆つぶのような老婆が倒れ伏したまま、ギャンギャンとわめいている。

何回見ても豆つぶだ(笑)。


「ああ、お婆さん。お立ち下さい。僕の連れが御迷惑をお掛けして申し訳ありません。どうか僕の顔に免じて、お許しを…。」


ほんとに、よくそう言う言葉がスラスラと出てくるよな?

ある意味、尊敬しちまうが。


《アムドゥシアス・ゲニトル・ルミナスは能力スキル〈礼節〉(NEW)を獲得しました。》


アム少年、老婆に丁重にお辞儀をしつつ、丁寧に助け起こす。


ポッと恥じらう老婆。


って言うか、豆婆さんが倒れたのは、俺を杖で叩いて跳ね返されただけで、俺は何もやってないけどね?


《報告。ステリアス・シーヴァが装着中の聖痕武器スティグマ級・黒衣の固有能力パーソナルスキルは〈結界種セフィラー〉です。結界特性は〈守護遮断〉です。〈守護遮断〉の効力発動中。通過ダメージは0です。反射率リフレクトは150%です。》


…え、聖痕武器スティグマ級なんだ、これ?


そうそう。この黒衣の外衣マントで思い出したよ。

俺は豆婆さんに見せ付けるように、半馬半山羊イッペラボスの毛皮の外衣マントを大袈裟に翻す。

それだけで店内の空気がザワザワと揺らぐ。


「うおいっ、何事じゃいっ!?」


ピイッ(驚)!


豆婆さんの顔が真っ青になる。

あっ、空気って言うか、空間が軋み始めているな。


《報告。聖痕武器スティグマ級・黒衣の固有能力パーソナルスキル結界種セフィラー〉が店内の相位空間に過剰反応している恐れがあります。出力を抑える事を推奨します。》


…抑えて…抑えてっと…ふう。何とか落ち着いたみたいだ(笑)。


「…お主、その外衣マントは一体??」


「先に言っておく。売らんぞっ!」


絶句する豆婆さん。

ああ、満足。満足。


「こらこら、お年寄りに嫌がらせをするんじゃないよ。君も大人気ないなあ。」


「大人気なくて結構だ!そんな事よりだ、婆さん…あの外衣マントはまだあるのか?」


あの外衣マントとは?

それは俺が購入を断念した、亜人の森に向けて出発する際に試着した外衣マント外套ローブの案件だ。

衣裳棚コンテナひとつ分、20着はあったか?


「そ…そりゃまあ、あれは特別品じゃからのう?まだ買い手はついておらんのじゃ。」


ふふーん、と俺は豆婆さんを見下ろす。


「じゃ、ひとまとめで買うぞ。幾らまけてくれるんだ?」


「な、な、なんじゃとっ!?」


豆婆さん、算盤ソロバンを片手にカチャカチャやり始めた。

さすがは商売人だ(笑)。


「ちょっと…君、本当に全部買う気?」


「買うぞ。まあ、そのままは使わないだろうが、向こうの生産工房で研究させたり出来るだろ?」


向こうとは勿論、闘種アスラの郷の生産工房だ。


そんなこんなで俺は、曰く付き(?)のそれらを、ひとまとめで23着、計煌皇金貨162枚で購入。

値引きで煌皇金貨150枚になった。

豆婆さん、かなり頑張ってくれたな。


内訳は、お気に入りの炎獣パイローブ茶褐色ジルコン外衣マントで煌皇金貨7枚だ。

他には鋼鉄スチール製の装甲でガチガチに固められた外套ローブとか、チェーンでグルグル巻きになった外衣マントとか、明らかに怪しい妖気を纏っている濃緑色ペリドットのフード付き外衣マント群。

それに卯の花羊ウノハナシープのモコモコの上衣着オーバーコートや、北欧山羊ノースゴウト羊毛ウール製のお洒落な外衣マント系。

その他、諸々だ。


「ホッホッホ。兄ちゃん、なかなかの上客じゃなあ。また、頼むぞいっ。」


「いや、婆さんもなっ!」


お互いにホクホク顔である。

ある意味、戦友ともである。

お支払いは無論、勝利者ヴィクトリの「神宝かむだからの洞庫」からのお支払いである。

比較的、近い年代の煌皇金貨を取り出そう。


「ちょっと待ちなさいよぉ。最初から使いまくってるし、本題は僕の服でしょうが〜!?」


…あっ、そうそう。すっかり忘れてたよ。

身分偽装の為にも、速やかに対応しなきゃならない事案だった(笑)。


「すまん、婆さん。こいつに見合う服とか下着チャスズ一式、え〜と、犬耳少年の分もあるんだっけな。」


少年用の侍従アコライト服とか、使用人サーヴァント用とか、色んな種類の服があった方がいいよな?

見本があれば、闘種アスラの郷でも生産出来るだろうし。


「ま…アム、頼んだぞ?」


ふう〜やれやれと、豆婆さんを引き連れてアムは店内の奥へと消えて行った。

面倒な事は丸投げし、俺はクロちゃんの頭を撫でる。

ああ、落ち着く(笑)。


ピイッ(嬉)♪


それから30分後、それ乗っかるの?ってぐらいの大梱包を引き摺ってアムが出て来た。

こいつの人体化の概念ってどうなってんだ?その細腕で持てる重量じゃないだろ。

まあ、元が竜種ドラゴンだけあって、見た目とか関係ないんだろうがな。


「君にだけは言われたくないよ〜。」


そんな事はどうでも良いのだが、何だと?値引きして煌皇金貨8枚だと?

豆婆さん、朗らかな顔で手を差し出す。


「お前、どんだけ買ったんだ?」


「必要経費でしょ?まあ、80万円なら安いもんだよ。」


ケロっとした顔で笑やがる。そもそも「円」って何だよ、この野郎。


「そんな事より、見てよ!どう?貴族のお坊ちゃんぽいでしょ?」


子供用の白色セレナイト正式上衣フロックコート貴族服スマートで固めている。蝶結びのネクタイがワンポイントだ。

要人(?)って設定だったっけ?


こういう貴族っぽいのも必要って言えば必要なんだろうが…ちょっと派手過ぎやしないか?


「こういうのはね、見た目が重要なんだよ。ちょっと派手目の方が、交渉やら何やらやりやすいし、安物は見抜かれちゃうからね?」


「…そんなもんか?」


まあ、いいけどね。

俺はとりあえず、全額を豆婆さんに手渡す。

こちらも「神宝かむだからの洞庫」からのお支払いだ。


にしても、すっかり大荷物になっちまった。

とにかく見た目は子供…なアムの馬鹿力を衆目にさらす訳にはいかない。

俺はそれをムンずと掴むと、ドッコイショと勝利者ヴィクトリの荷台に載せる。


ついでにもう1つ、ムンずとアムを掴み上げると、ドッコイショと勝利者ヴィクトリの内部に叩き込む。


「ちょっとぉ〜!もっと大事に扱いなさいよお〜。僕は君の相棒でしょ〜?」


「俺の相棒は剣のお前だ。子供の面倒はこりごりだ。」


不満げなアムを閉じ込めて、俺は御者席に飛び移る。


「じゃあな、婆さん!!」


報復完了。これで豆婆さんも俺に頭が上がらん事だろう。

所詮は商売人、金の亡者よ。


ああ、心地よい(笑)。


◆ ◆ ◆


「次はどこへ行くつもりだい?」


そうだな。

間もなく、時刻は正午を迎えんとしている。


「気になる所は幾つかあるが、情報収集がてら、腹を膨らませに行くとするか。」


何しろ俺は覚醒後、コケモモのアップルジュースだけで腹を湿らせたに過ぎないのだ。


「もっとも、お前は大麦粥オートミールで腹一杯だろうがな?」


「え?そんな事ないよ?僕、消化機能が早いみたい。」


…どんな胃袋だよ?

ケロっとした顔で、このお坊ちゃん(格好だけ)は。


「自分の体であれなんだけど…僕の体って、ちゃんと排泄機能が付いてるのかな?これ、どう思う?尿意はまだないのよねぇ。」


「俺に聞くな(怒)。」


ともあれ大嵐テンペストは「商業市場広間通り」を抜け出し、「食料品店グローサリー通り」に右折する。

脚は軽やかだ。


そんな大柄な体躯の大嵐テンペストであるから、まあ、人目を惹くこと(笑)。

周囲は騒つく。

見せもんじゃねえぞ。


ヒヒヒィィィーーーィィィンンン


おっ、着いたか。


俺は2度目の訪問となる、その店の様子を窺った。

まあ、変わった様子は無い。

とても庶民的な佇まいの木造建築風、酒場ビストロである。

暖かい暖色の灯りが破風窓から漏れていた。


「…正直、あの赤い魔物は面倒だが、どうしてももう一度、あの肉団子ミートボールは喰いたいのだ。」


「君は食欲に負けたって事かな?」


どうとでも言うがいいさ(笑)。


って言ったそばから、入り口の店舗門エルスがバタン!と開き、凄い形相で「赤い魔物」が飛び出して来やがった。

なんちゅう出迎え方だ。


えっと…名前は何て言ったかな?

ハムポ?なんか、肉々しい名前だったよな?


「君ねえ。女の子に対して、その覚え方は失礼でしょ!その子はハムコちゃんだよ。」


「おー。ハムコちゃん、元気だったか?」


そう、ここは「赤い魔物ハムコちゃん」の「好奇なる知己」亭である。


「あらまあ?あたいの事、覚えていてくれたのー?嬉しいっ❤︎」


ワザとらしい愛嬌攻撃ハニートラップだ。

これに引っかかる奴は大概だな。


にしても、忘れようにも忘れられない赤い巻き毛ちゃんもとい、赤い魔物ハムコちゃんである。

入国当初から俺を尾行し続け、多分、どこかの諜報機関かなんかなのだろう?怪しさ全開の女である。


「…本人がバレてないと思っているんだから、そこはいいんじゃない?」


それもそうだが。


「まあいいや。ところでハムコちゃん、席は空いてるか?2人なんだが。」


「勿論よー。」


獲物を逃さんとばかりに俺の腕に腕を絡め、勝利者ヴィクトリから降りたばかりのアムの手首を掴み取り、グングンと引っ張っていくハムコちゃん。

無闇に力があるし、ある意味、怖いもの知らずだな(笑)。


大嵐テンペスト!ちょっと道の端で待っていてくれよ〜。」


ヒヒヒィィィーーーンンン


相変わらずの賢そうな瞳で大嵐テンペストが弱めの返事を返す。

何かあっても大嵐テンペストがいれば大丈夫だろうな。

まさか、御者がいないのを良い事に、盗みを働こうなんて馬鹿もいないだろう。

それはそれで面白そうだがね。


あっ、でも俺の肩にとまったクロちゃんはそのままで入店OKなんだ?


ピイッ(嬉)♪


「さあさあ〜。こっちの厨房横の席を使ってね〜。人も少ないから落ち着くでしょ?」


なるほど、壁を1つ挟んで聴き耳を立てやすい配置と見た。


しかし、1つ気になったのは、俺達(俺とアムの2人)が入って来た途端、ハッとなって凝視する、白髪の壮年男性の客人である。

ん〜。こちらもまたどっかで見た覚えのある紳士ジェントルマン

…思い出せん。


「あれ?あの人って、喫茶店の主人マスターさんじゃない?」


「お前って、よく覚えてるなあ。」


そう言われれば、そうか。

あれは何て名前の喫茶店だったかな?第一、喫茶店自体が珍しいのだ。

それで巨乳さんに連れられて行ったんだっけな。


にしても、あの表情は何だ?

なんか、見てはいけないものを見てしまった?ような顔だ。

紳士ジェントルマンにあるまじき態度だ(笑)。


「俺達、なんかしたか?」


「…やだなぁ。あの反応は僕の顔を見てだよ。なんか引っかかるねぇ。」


…あっ、本当だ。

って思ったら、サッと目線を逸らした。


「まあ、お前って闘種アスラっぽい顔付きだからな。いくらお坊ちゃんぽい格好をしてもなー。」


「失礼だぞ、君はぁ。でも、あの目はちょっと放っておけない感じだねぇ?」


グフフフって、こいつ悪い笑い方をするなあ。

なんか悪知恵を働かせている顔だ。


「お姉さーーーん!注文オーダーをお願いしまーす。僕もう腹ペコでーす。」


お前、人間になれるようになったからって、はしゃいでドジを踏むなよ?


「ふふふ…僕はそんな凡ミスは犯さないよぉ。」


「どうだかな?」


ヒソヒソ話に、途中途中で心話ダイアローグも絡めているわけで、壁向こうで聴き耳を立てているハムコちゃんには意味も分かるまい(笑)。

にしても、注文オーダー取りが遅い(怒)。


バーーーーン!!


思わず壁を叩いてしまった。


「は、は、はひーーーい!注文オーダーをお伺いするわ〜。」


大慌てのハムコちゃん、厨房の奥からスッ飛んで来た。


「んで?今日のオススメは?勿論、肉が主体で。」


オススメを聞いておいて、肉を要求する俺(笑)。


「今日の肉団子ミートボールは、北欧山羊ノースゴウトからトルマリン鳥、雪ウサギまで全種類を取り揃えてあるわよ〜。お飲み物は大麦酒ビールでいいかしら?」


え?なに、その豊富な品揃え?前回と違いすぎる。


「銀色の鷹騎士団アルカノストの遠征が災害に巻き込まれて中止になったでしょ?それで食料品の流通が順当に流れ出したらしいわよ。」


…災害、だと?


「まあ、確かに、ある意味では災害だろうな、あれは。」


って言うか、この国の情報統制って結構、凄いな。

これはうかつに「闘種アルカェウス」の名前も出せそうにない。


「そう言えば、ねえ、赤い人!亜人の森方面に行ってたんでしょ?その災害ってのを見たの?」


何気なくカマを掛けてくるハムコちゃん。

ここで「はい。」「いいえ。」と答えても、どっちにしてもツッコまれそうだ。


「…俺は亜人の森で迷ってグルグル回ってただけだからなあ。よく分からんな。」


ジト目で俺を見つめる赤毛のハムコちゃん。

よせやい、そんなに見るな。照れるじゃないか(笑)。


「お姉さん!僕は甘いものが飲みたいな。なんかカクテル的なものある?」


なんか良く分からんが、酒を飲もうとしているな、こいつ?


「あらー。可愛い男の子ね。息子さんかしら?」


どこからどう見たら親子に見える?


「僕の名前はアム・ロン。よろしくねぇ。」


白い歯茎をキラーンと輝かせるアム。

男前だねえ。


その様を、やはり離れた席の喫茶店の主人マスターさんが意識を傾けて、聴いているのが分かる。


「へえ。アム君って言うんだ?何歳なの?」


「え〜っと、たぶん12歳ぐらいじゃないかな?僕、この人に亜人の森で保護してもらったんだ。」


よくもまあ、平然と嘘をつける。


そこでガタッと、喫茶店の主人マスターさんが椅子から立ち上がった。

おっと危ない、椅子の足に脚を取られ、転びかける。

おいおい、そんなに慌ててどうした?だ。


俺達の視線を感じて、いや、なんでもないんです、と仕草でアピール。

気を落ち着けて席に戻るも、どこかソワソワしているな?

どうした紳士ジェントルマン


「それより、早く肉団子ミートボールを持って来い!あっ、肉は雪ウサギのでヨロシク!」


「はーーーいっ。」


「こいつには適当に果物のジュースをヨロシクなっ!」


雪ウサギの螺旋スパイラル…今思うと懐かしい(笑)。

いつか雪ウサギの生息する「北の雪原迷宮ダンジョン」に行ってみたいものだ。


「まあ、しょうがないねぇ。見た目は未成年だし、昼からお酒は体に悪いもんね。だけど馬車って飲酒禁止とか無いのも、どうなんだろ?」


「また、お前は小難しいことを…大体、馬ってのは賢い生き物なんだぞ?」


ほら、外では昼間っからピカピカって、紫電の雷が物盗りっぽい男を軽々と吹き飛ばした。


馬鹿な奴もいたもんだ。

俺の大嵐テンペスト勝利者ヴィクトリに手を出そうなんざ、100年早い。


「…いや、普通の馬は雷とか出さないし、いばらの自衛手段を持つ馬車も存在しないからねぇ?」


一般論は聞き飽きた。

それはアムの言う通りだが、案外、首都市内にも関わらず野盗っぽいのが多いようで、ピカピカ、ピカピカって外が眩しい(笑)。

まあ、感電するだけで死なせてはいないらしいから平気だろ。さすが大嵐テンペスト


大嵐テンペスト能力スキル〈紫電〉(NEW)を獲得しました。》


「もっとも、こいつらが俺の馬車だって分かってて盗もうってんなら、大した度胸だがな?なあ、クロちゃん。」


ピイッ(同)♪


相変わらず俺とクロちゃんは相思相愛だ(笑)。


「お待たせー。雪ウサギの肉団子ミートボールのアニティモノス(サーモン)ソース和えよー。」


ハムコちゃん、かなりの大きめの皿に山盛りの肉団子ミートボールが湯気を上げる逸品を持って来た。

この香り、極上だ。


「熱いから気をつけてねー!それと大麦酒ビールと、こっちはアム君のナツメヤシのジュースよ。」


ハムコちゃん、気が利いてるね。

付け合わせは新芽野菜の漬物ザウアークラフトを置いていった。


「こ、こ、こ、これはぁ……ジュル。」


おいおい、よだれを拭け。

要人のお坊ちゃん設定だろうが?


こうなれば、あとは肉団子ミートボールの取り合いである。


乱れ飛ぶフォーク。そして口に放り込まれる肉団子ミートボールと肉汁。

絡み合うアニティモノス(サーモン)ソースの、予想外の共鳴ハーモニー

苦味の中に生まれる甘みの応酬だ。


「フォークが止まらないよぉ〜。」


瞬く間に消費されていく肉団子ミートボール

俺もアムに負けじと攻勢に出る。


おっと、その前に1つ、クロちゃんにお裾分けしつつ、大麦酒ビールで喉を潤す。


「ぷはぁ〜。生きてるなあ。」


生きてる事を実感する瞬間だ。


「あらまあ、すごい食べっぷりねぇー。北欧山羊ノースゴウトの木の実ソース和えもオススメよ?」


「お姉さん!それ注文オーダーぁぁぁ!!」


おいっ、まだ喰うつもりか?お前の胃袋の容量はどうなってんだ?

恐るべし、竜種ドラゴンの胃袋よ。


《アムドゥシアス・ゲニトル・ルミナスは能力スキル〈胃袋〉(NEW)を獲得しました。》


「胃袋だとっ!?いや、止めておけ…そんなに普通は喰えんからな?」


「ぷうっ〜。」


そんな時だけ子供らしい素振りをしてもダメだぞ。

お前はその漬物ザウアークラフトでも喰ってろ。


と、その時、扉が開け放たれ、ツカツカと俺達の席に乗り込んでくる足音。

許可もしてないのに、俺の横に相席でドサリと座り込む。

近い、近すぎる。暑苦しいぞ?


「お前さん、まず会いに来る場所が違うんじゃないかい??」


「あー?俺がどこに行こうが俺の自由だ。とにかく肉が喰いたかったんだよ。」


にじり寄るのは、傭兵大隊の隊長コマンダー、ラシャ・コウヤショウだ。

俺が苦手とするタイプである。


目の前では、シャリシャリとアムが漬物ザウアークラフトむさぼっている(笑)。


「お前さんね、何度言ったら分かるのかなぁ?まだお前さんは俺の預かりの身なのよ。そこんところ、分かってるの?」


「はいはい。一応は分かってるけどね。」


「…で?その子供は何?どこで作って来た?」


やれやれ、これだから説明が面倒くさい。

ここで、よし!アム、あれ(改竄)をやっちゃってしまいなさいっ!ってわけにもいかないよな?


「シャリシャリ…人目がある中でやるのはリスクがあるし…シャリシャリ…結構疲れるのよ、あれ。」


お前、ずいぶん漬物ザウアークラフトが好きだな?


「シャリシャリ…僕の実家は京都だったからね…シャリシャリ。」


また訳の分からないことを…。


「ともかく、こいつは亜人の森で拾ったガキだ。それ以上でもなく以下でもない。」


「ぬう…そんな報告は受けていないが…まあいいさ。」


いいなら聞くなよ、だ。


「それより、お前さんにはライオネック・ジ・ハドXⅣ世、即ち煌太子殿下から召喚状が出ているんだよ。聞いてないのか?」


聞いてないし、俺の食欲よりも重要とは思えん。

いまだにアムはシャリシャリやっているし、もう十分だろ?お前は(笑)。

さて、おいとまするか。


しかし、どうやって退散するかだな。


ピイッ(頑)♪


え?クロちゃんが頑張ってくれるって?ほほう。

そうと決まれば話は早い。

何だかよく分からないけど、頼んだぞ、クロちゃん!


ピイッ〜(喜)♪


固有能力パーソナルスキル刹那アブソリュート光輝タキサイキア、発動》


おっ!?その瞬間、全てが止まった感覚に襲われる。

見れば、アムでさえシャリシャリと頬張ったまま固まっているではないか?


ぷっ。こう見ると阿呆だな(笑)。


ピイッ(笑)♪


あっ、でもゆっくりとアムの目が俺を睨む。

完全に停止しているってわけじゃないんだな、これ?

って言っても、ハムコちゃんやラシャの野郎は微動たりしないけどな。カチンコチンだ。


《報告。〈刹那アブソリュート光輝タキサイキア〉の効果エフェクトは〈加速増幅アクセルブースト効果エフェクト〉です。持続時間は最長300秒です。現在、20秒が経過。》


おっと、これはヤバい。

この加速、5分間しか持続効果が無いらしい。

俺はスタコラサッサと、アムを引き摺って店から出る事にする。


あっ、いかんいかん。無銭飲食するところだった(笑)。

俺はちょっと多めに煌白銀貨を10枚、ハムコちゃんの手に握らせる。

騒動代も含めてだ。


《現在、100秒が経過。》


よっこいしょ!って店舗門エルスを開けると、何ともまあ、紫電に撃たれて倒れ伏した野郎共の山。

見るからに浅ましい風体の男共だ。


構わず踏みつけて進む。

折れても脇腹ぐらいだろ?


《現在、150秒が経過。》


あっ、まだ半分もあるんだ?

これは結構、使い勝手がいい戦技バトルアーツだね?

これってクロちゃんの種族が全員持ってる戦技バトルアーツなのかな?


《報告。この固有戦技パーソナルアーツ鳥天種エフェメラでも限られた個体のみが受け継ぐものです。所有者は〈漆黒の剣姫〉と〈囁きの唄姫〉のみです。》


うおぅ。まず間違いなく、クロちゃんって漆黒の剣姫の方でしょ?

すごいカッコいい名前だね。でもクロちゃんっぽい(笑)。


ピイッ〜(照)。


照れるクロちゃんを尻目に《現在、200秒が経過。》の報告アナウンス


大嵐テンペストの瞳も、ゆっくりとだが俺の姿を捉えているな。さすが大物。

じゃあ、俺はひとっ飛びに御者席に飛び移る。


そしてアムを後部座席に叩き込む(笑)。


よし、もういいだろ。クロちゃん、解除よろしく!


ピイッ〜(疲)。


《報告。加速増幅アクセルブースト効果エフェクトが解除されました。》


突如に動き始める世界。


「突っ走れ!大嵐テンペストよ!!」


脇目も振らずに大嵐テンペストは走り出す。

退け退け退けっ〜て感じだ。

文句は聞かん。


…やめろ、首を絞めるな、アム。


「なんで僕だけ効果範囲に入ってないし、ズルズル引きずられていかなきゃいけないのよぉ?」


…指を離せ…この馬鹿力め…クロちゃんの戦技バトルアーツだから俺のせいじゃないだろうが?


「クーローちゃーん?」


ピイッ(汗)!?


…あっ、クラクラしてきた。


そんなこんなでも大嵐テンペストは走り続けてくれるのであった。

ほんと、賢い子だ(笑)。


◇ ◇ ◇


ステリアス・シーヴァ【竜絶壁オーバーマインド発動中】

種族〈シーヴァ族〉

階級〈傭兵〉

所属国〈傭兵大隊預かり(特措法スペシャルケース(NEW))〉


カテゴリー〈8.6+〉

戦闘力 63

防御力 57

生命力 89

回避値 56

知能値 47

器用値 46

魔力値 62


相生相剋〈火気〉属性 54

相生相剋〈木気〉属性 35

相生相剋〈金気〉属性 25

相生相剋〈土気〉属性 44

相生相剋〈水気〉属性 40


竜技ドラゴニックアーツ

九十九式(下位)見えざる(ブリトマルティス)赫炎かくえん〈火気〉

九十九式(下位)束縛 (カリュプソ)の静謐せいひつ〈水気〉

九十九式(下位)復讐 (エイレイテュア)の逆鱗〈土気〉

九十九式(下位)開闢 (アイオロス)の威風〈木気〉

九十九式(上位)森羅カリオペの皇緋〈火気〉

九十九式(上位)喜劇タレイアの蓋世〈土気〉

九十九式(上位)叙事詩テルプシコラの泡沫〈水気〉


戦技バトルアーツ

一刀両断

十文字斬り


固有能力パーソナルスキル

竜の血眼(竜眼第1位階)

轟炎ピュラリスフィールド

水精リクィッド女王クィーンの加護〈35%〉付与ギフト


能力スキル

大剣 剣 手斧 槍 棍棒 小盾 軽装 隠蔽 偽装 物理抵抗 精神抵抗 魅了

毒耐性 寒耐性 虚言耐性 邪眼耐性 敵意耐性 幻視耐性 暑耐性 睡眠耐性

酩酊耐性 拘束耐性 脚力 看破 打撃 軽業 殺気 嗅覚 聴覚 追跡 鑑定

察知 聴き流し 威圧 命名 馭者 疾走 解体 連携 釣り 加工 応援 大工

恫喝 腕力 投擲 調理 予感 警告 二刀流 洞察 策謀 警告 演技 統治

潜伏


魔力系マグス術式

下位(基本三原理)火属性イグニス付加ギフト

下位(基本三原理)火属性イグニス魔道弾ブリッド

下位(基本三原理)火属性イグニス誘導波動ソリュード

下位(基本三原理)水属性アクア付加ギフト

下位(基本三原理)光属性ルーメン付加ギフト


眷属ファミリア

大嵐テンペスト〈相生相剋の五人衆〈金気〉〉

喜劇コメディア〈相生相剋の五人衆〈土気〉〉

勝利者ヴィクトリ〈相生相剋の五人衆〈木気〉〉

クロちゃん

赤道イクェイタ〈相生相剋の五人衆〈火気〉〉

流星ミーティア〈相生相剋の五人衆〈水気〉〉

ラムバ〈闘種アスラ四天王〉

ティロ〈闘種アスラ四天王〉

クラトゥ〈闘種アスラ四天王〉

プンジェ〈闘種アスラ四天王〉


称号

赤き竜人

傾国の貴公子

闘種アルカェウス

調和者シジコス


装備

竜面マルティコラス〈仮面〉

属性:竜面の者LV250〈聖痕武器スティグマ級〉

付与効果:竜因子アデック封印

自己再生

耐久値:200/∞


朱鎧ハーフクロスアーマー〈皮鎧〉

属性:朱虎の皮LV15〈通常ノーマル級〉

付与効果:物理抵抗〈皮〉

耐久値:85


携帯用小刀フォールディングナイフ〈小剣〉

属性:雷鉱石ブロンティアLV30〈特殊兵装ユニーク級〉

付与効果:物理特化

雷属性トニトルス付加ギフト

耐久値:150


黒衣(黒色ジェット)〈外衣マント

属性:結界種セフィラーLV300〈聖痕武器スティグマ級〉

付与効果:結界生成〈守護遮断(反射率リフレクト)〉

物理特性〈闇・土〉30%増幅ブースト

防寒〈永続化〉

耐久値:350


所持金

煌皇金貨13枚

煌白銀貨795枚

煌赤銅貨20枚

【〈神宝の洞庫〉煌皇金貨総額699,842枚】(NEW)


所持品

賢者の核石タリスマン〈「火気」術式ニダーナ刻印〉

賢者の核石タリスマン×2

岩塩

獣油オイル

下着チャスズ〈服〉×5

外衣マント外套ローブ23種(NEW)

子供用衣類一式〈服〉35種(NEW)


◇ ◇ ◇


アムドゥシアス・ゲニトル・ルミナス【竜絶壁オーバーマインド発動中】

種族〈竜種ドラゴン・第2位階〉

階級〈暴君〉

所属国〈無し〉


カテゴリー〈16.6+〉

戦闘力 82

防御力 43

生命力 98

回避値 43

知能値 52

器用値 34

魔力値 120


相生相剋〈火気〉属性 87

相生相剋〈木気〉属性 56

相生相剋〈金気〉属性 43

相生相剋〈土気〉属性 58

相生相剋〈水気〉属性 67


固有戦技パーソナルアーツ

獅子レオン破光グリダーレ


固有能力パーソナルスキル

暴君パルティアの加護

所持者固定契約〈魂〉

因果律限界値ルミナリエス突破

情報の実在化(人体化・竜刀化)〈竜界繋アサグリスタ


能力スキル

爪 隠蔽 偽装 咆哮 蒸留 調合 精製 計算 機械操作 精密操作

知者 自己回復 即死耐性 毒耐性 闇耐性 睡眠耐性 幻視耐性

石化耐性 結界耐性 魔眼耐性 寒耐性 炎耐性 障壁 竜眼 竜刀

覇気 転生者 霊子 幽体 改竄 礼節(NEW)胃袋(NEW)


竜言バドクォル術式

〈第1位階〉 竜顕現テンペラメントニック

〈第1位階〉 竜絶壁オーバーマインド

〈第2位階〉 竜界繋アサグリスタ

〈第2位階〉 竜阿摩羅エクストラ


称号

暴君

調和者シジコス


装備

正式上衣フロックコート白色セレナイト)〈服〉(NEW)

属性:羊毛ウールLV20〈通常ノーマル級〉

付与効果:物理抵抗

保温

耐久値:30


貴族服スマート白色セレナイト)〈服〉(NEW)

属性:羊毛ウールLV15〈通常ノーマル級〉

付与効果:物理抵抗

保温

蝶結びネクタイ

耐久値:25


◇ ◇ ◇


大嵐テンペスト

種族〈雷霆馬グングニル

階級〈雷霆馬グングニル神種+〉

所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉


カテゴリー〈4.5+〉

戦闘力 44

防御力 49

生命力 46

回避値 47

知能値 38

器用値 22

魔力値 33


相生相剋〈金気〉属性 44

相生相剋〈土気〉属性 1


固有戦技パーソナルアーツ

神撃ゴットヴレス星霜雷鼓エクスーシアイ雷霆槍グングニル


戦技バトルアーツ

百雷


固有能力パーソナルスキル

運命補正効果(眷属ファミリア

疾雷の蹄

雷霆槍グングニル化〈神級〉

因果律限界値突破ルミナリエス〈限定解除〉】


能力スキル

脚力 聴覚 嗅覚 積載 牽引 疾駆 咆哮 雷君

圧殺 炎耐性 魔眼耐性 察知 冷静沈着 仲裁

原子分解 障壁 飛翔 神気 怒号 紫電(NEW)


称号

相生相剋の五人衆〈金気〉


装備

馬鞍〈軽装〉

属性:獣皮LV8〈通常ノーマル級〉

付与効果:物理抵抗

耐久値:60


◇ ◇ ◇


勝利者ヴィクトリ

種族〈妖怪神ようかいしん 樹蛇種ネハッスキム

階級〈馬車(黒檀)〉

所属国〈ジ・ハド煌王國 (ジ・ハド・トゥインコル・キングダム)〉


カテゴリー〈3.8−〉

戦闘力 10

防御力 70

生命力 65

回避値 40

知能値 31

器用値 26

魔力値 25


水属性アクア2

風属性エア5

木属性アルボル15


相生相剋〈木気〉属性 30


戦技バトルアーツ

大祓おおはらえ帯刀たちはき


固有能力パーソナルスキル

運命補正効果(眷属ファミリア

自我

癒しの花籠〈搭乗者治癒能力80%上昇〉(↑20%)

閻浮樹の無窮〈自己再生〉

天華の曙光〈光合成〉

神宝の洞庫〈隠り世空間〉

御阿礼木みあれぎの召霊〈木気の祝福〉(NEW)

因果律限界値突破ルミナリエス〈限定解除〉】


能力スキル

盾 物理抵抗 自己再生 即死耐性 睡眠耐性 幻覚耐性 石化耐性

狂気耐性 熱耐性 魔眼耐性 積載 格納 管理 偏食 捕食吸収

自己増殖 硬化 障壁 踏付け


称号

相生相剋の五人衆〈木気〉


◇ ◇ ◇


クロちゃん

種族〈鳥天種エフェメラ

階級〈亜成体〉

所属国〈オーウム世界コミュニティ


カテゴリー〈1.5+〉

戦闘力 19

防御力 15

生命力 24

回避値 15

知能値 34

器用値 15

魔力値 11


風属性エア15

光属性ルーメン15


固有戦技パーソナルアーツ

刹那アブソリュート光輝タキサイキア〈補正値200%向上〉


固有能力パーソナルスキル

アイビスヴォイス〈術式3.5倍 増幅ブースト

運命補正効果(眷属ファミリア

結界種セフィラー回帰オブト


能力スキル

結界耐性 魅了 聴覚 直感 覚者 脅迫 応援 偏食 嫉妬

抗議 慈愛 怒気 結界 飛翔 癒し


精霊系スピリトイド術式

讃歌アンブロシウスの翼〈補正値200%向上〉


称号

漆黒の剣姫

ステリアス・シーヴァの眷属ファミリア

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