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R2  作者: Mislgi
9/10

09


結菜がQの元に戻ると見知らぬ老爺と話していた。そして、結菜は木の陰からその様子を覗った。


「今更、何をしにきたゲシュタルト博士」


「研究対象の経過を観に来ただけじゃよ」


ゲシュタルトは不気味に笑った。


「じゃが、強いて言うならば不逞の助手、いや、もう助手ではないがあやつの動向を探る為かの…しかし、些かあやつの力を過大評価しておったな」


ゲシュタルトは地面に横たわる枯れ木のようになったルーロロイドに手の平を当てた。すると次々に枯れ木のようになったルーロロイドは形状が崩れ、粒子と化して消えた。


「こんな出来損ないの人形に現を抜かしているとは詰まらぬことよ」


そう言うとその場から去って行った。


「何者ですか?今のは」


ゲシュタルトを去るのを確認すると結菜は木の陰から出てきた。


「…俺達、コーデュラムを造った男だ」


Qは口重に言うと廃棄された研究所の方へ戻って行った。


「あれだけ忠告したはずだ」


凰璃は十字架に杭で張り付けられた瑠那に言ったが返答はなかった。凰璃の後ろには小夜が立っていた。


「私の作品ながら脆弱だな」


瑠那に刺さった杭が砕け、地面に鈍い音を立てて落ちた。


「片付けておけ」


小夜にそう言うと凰璃は出て行った。そして、小夜は地面に倒れている瑠那に近付き、手首に刻まれた数字を見た。


「ナンバードールでも見限られればこんな末路なのね」


そう言った小夜の首筋にも数字が刻まれていた。


「いいのか?あれはシングルナンバーだが」


部屋から出てきた凰璃に悟が声を掛けた。


「ナンバーズの変わりなど幾らでもいる」


「変わりなど幾らでもいるか…」


悟は心の中で思った。


「それよりお前が此処にいるということは始末は着いたのか」


「でなければ此処にいないさ」


「だったらいつまでその姿でいるつもりです?」


「仕方がないだろうが、三年も陽備の息子をしていれば親しみくらいは…」


「ないな」


「…いやぁ、そうだな…」


凰璃がきっぱり否定すると悟は苦笑いしながら自らの衣服を引っ張り姿を目と口が三日月状に開いた仮面を着け、黒と赤の特徴的な服でその身を着飾った性別不明の者に変わった。


「う…何ですか?その姿は」


凰璃は余りの奇抜な服装に一瞬、言葉を失った。


「まあ、いいじゃないですか」


喋ると声色まで変わっていた。


「良くない、その姿で施設内を歩き回られては迷惑だ」


「全くこのセンスが分からないとは…」


残念がりながらも目立った特徴のない男の研究員の姿に変わった。


「これで問題はないでしょうか?博士」


「それで今度はなんて呼べばいいんだ?」


凰璃は面倒臭そうに聞いた。


「そうですね、フリークとでも呼んで下さい」


変人(フリーク)とはお似合いな名前だな」


「褒めないで下さい」


凰璃は変に疲れ、溜め息をついた。


「…指示があるまで余計なことはしないでくれ」


そう言い残すと去って行った。


「余計なことねぇ」


フリークは意味深に呟くと凰璃が出てきた部屋に入った。


「壊れた人形の片付けとは、君はいつも彼の尻拭いですね」


「それが私の役割、私達ナンバーズは駒に過ぎませんから」


「それは本気で言っているのですか?」


「はい」


小夜は裏表のないような瞳で見詰め答えると瑠那の襟元を掴み、引きずりながら部屋の中央に近付いた。


「やはり人形は人形に過ぎないということか…」


フリークは残念そうに言うと部屋から出て行った。


部屋中央の地面が開き、業火に渦巻く炉が現れた。小夜はその炉に瑠那をほうり込むと燃え逝く様が艶のある瑠璃色の瞳に映っていた。


「通して貰えるかな?」


0は巨壁のような身体のAと対峙していた。


「どきなさい、アクロス」


声高な女性の声にAは通路を開けた。


「久し振りね、ゼロ」


Aの陰から麗しい姿の女性、Kが現れた。


「キール」


「記憶が戻って良かったわね」


「ありがとう、君は変わらないね」


0は小さく付け加えた。


「…アクロスもだけど」


「そりゃそうよ、私は唯一無二の存在よ」


Kは誇らしげに言った。


「…そうゆうところも変わらないね」


0は苦笑いをした。


「それはそうとジュエルがエントランスで探してたわよ」


「分かったよ」


0はKが来た方へと向かって走って行った。


「本当に貴方も変わらず…愚鈍ね」


見送った0の後ろ姿を見て言った。


「行くわよ、アクロス」


KはAを引き連れて何処かへ去って行った。


「ゼロ、こんな所で何してるの?」


0がエントランスに着くとJが話し掛けてきた。


「君が此処で探してるってキールから聞いて来たんだけど」


「僕、知らないよ」


そこへQと結菜がやってきた。


「あれ、君は」


結菜は0の姿を見て言った。


「何処かで会ったことがありましたっけ?」


「いや、気のせいだったみたい」


結菜は0の返答を聞くなり、すぐに訂正し思った。


「今の彼は前と違うんだった」


「二人ともこんなところで何をしてる」


「僕は見慣れない二人、いや三人を見たから」


Aは結菜を見て訂正する。


「あ、私たちはプログレス。輝桜のゲノムを打ち込まれた試験体よ」


「?」


Aの頭の上に疑問符が浮かぶ。


「まあ、貴方達の後輩って感じかな」


結菜はAに笑顔を見せる。


「強ち間違った表現ではないんですが…正確にいうとコーデュラムの転写と輝桜のゲノムによる改変なんですがね」


エントランスの入口の方から声が聞こえ、一同が視線を向けると扉の前には目立った特徴のない男の研究員が立っていた。


「どうも、コーデュラムとプログレスの方々、私はフリーク」


「その服、機関の研究員」


結菜やA達は身構える。


「そう警戒しないで下さい」


目立った特徴のない男の研究員は両手を挙げて、無害である意思を示す。


「私はあなた方に招待状を」


目立った特徴のない男の研究員は挙げている右手をくるりと捻る、すると人差し指と中指の間に蝋印で封をされた封筒が現れた。


「招待状?」


Qがそう言うと目立った特徴のない男の研究員は蝋印が見えるように封筒を少し動かず。


「ルークスアカデミーか、機関の研究員が何故、東都の奴等と」


「それは…今はどうでもいいでしょう」


目立った特徴のない男の研究員はQに招待状を投げ渡すと出ていった。


「何者、何でしょうか」


結菜は呟くとQは招待状の封を切る。


封筒の中には二つ折りにされた一枚の便箋と黒い石が入っていた。


Qは二つ折りにされた便箋を開き、文面に目を通す。


┏━━━━━━━━━━━━━━━━┓

┃西方の偽り都に住む、偽りの者よ ┃

┃                ┃

┃今宵、オルフェイリスの導きにて ┃

┃                ┃

┃天上の光を持つ者達を喰らい、  ┃

┃                ┃

┃輝桜は咲き誇る。 ┃

┃                ┃

┃トリアイナの深き場所に来られたし┃

┃                ┃

┃       オプスクーリタース┃

┗━━━━━━━━━━━━━━━━┛


「面白いことになってるみたいね」


KがAを引き連れて現れた。


「で、クィールどうする気」


「折角の招待だ、それに…」


Qは0を一瞬、目の端で見た。


「決着を着けるにはいい機会だ」


黒い石を強く握る。


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