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R2  作者: Mislgi
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森の奥深くにある廃棄された研究施設リテルラボから程近い森の中。


「きちんと招待状は渡したようだね」


木の陰から何者かがフリークに声を掛ける。


「もちろんです。ルークスアカデミー学議長、奏紙睦月(カナガミムツキ)それともオプスクーリタースのアイリス・フェノールと言った方が」


「残念、どちらも違うよ。今は…」


声の主は言葉を切る。


「…聡いことです」


フリークは感心したように言葉を漏らすと周囲を複数の気配が囲む。


「名も無き者は有るべき者へ」


ドサッと複数のルーロロイドが倒れた。


「名を聞く前に行ってしまったようですね」


さっきまで話していた声の主の気配は消えていた。


フリークは森の外へと歩みを進める。




西都の地下深く。妖しい光を放つ薄紅色の花が咲き誇る巨木。輝桜があり、花弁がヒラヒラと黒い地面に舞い落ちて薄紅色の絨毯を織り込んでいく。


「…力が満ちているな」


和服を着た盲目の高年男性(陽備影虎)は地下深くにある輝桜の幹に触れながら言葉を漏らす。


「誰だ」


影虎は気配を感じ取り、険しい表情で振り返る。


「久し振りじゃな」


そこにはゲシュタルトが居た。


「この気配…何故、生きていたのか、獅浦」


「生きていた?いや、死んでおるよ。肉体は夜神によって消されたからな」


「夜神がお前を?」


「あぁ、お陰で私の研究は世界を超越したよ」


ゲシュタルト、元い獅浦の姿が歪む。そして、ローブのフードを頭から被った者を成した。


「さて、お前には糧となってもらおう」


輝桜の幹に触れていた影虎の片手が幹の中へと沈み混む。


「なんだこれは」


影虎は引き抜こうと藻掻くがびくともしない。


「大人しく竜源のように輝桜の糧となれ」


「竜源が?どういうことだ」


「どうもこうもそのままの意味だ。良いではないか、これでお前達機関が望みは成就する」


「わしはそんなことなど…」


影虎は無事なもう片方の手で自らの懐を弄り、短刀を引き抜く。そして、肘まで輝桜に飲まれた腕に突き立てると一思いに切り落とした。


「…見事なものだな、自らの腕を犠牲にしてまで私慾を取るか」


輝桜の幹と花弁が血に染まる。


影虎は短刀の柄を口で啣え、懐から白い布を取り出して振り広げると腕に巻き付けて止血した。


「…私慾ではない、全ては輝桜の為…」


影虎は啣えていた短刀を手に取り、逆手で構える。


「…十分私慾ね」


二人の間に風が渦巻き、花弁が舞い踊る。


風が止むと灰色の髪の少女が立っていた。


「なっ…」


影虎は少女の姿に驚愕する。


「貴方達は此処で何を」


少女は首を左右に向けて交互に二人を睨み、糾明する。


「これは姫様、このような下賤な私共の前に姿を御見せくださるとは」


「徒口いい、何をしていると聞いている」


少女はローブのフードを頭から被った者を更に鋭く睨む。


「やれやれ…」


ローブのフードを頭から被った者は厄介だと思い、呟くと地面を蹴って後方に跳ぶ。


「私の問いに答えず、排斥するか」


地面の花弁がローブのフードを頭から被った者の背後に舞い上がり、退路を塞ぐ。


「そのようなことは、ただ今はその問いに答えるべきではないと思い、沈黙以て失礼を」

ローブのフードを頭から被った者は空中でそう述べて、丁寧に頭を下げる。


そして、花弁に埋もれた。


舞い上がった花弁は地面に落ちて波打ち。広がった。


「逃げ失せたか」


そこにはローブのフードを頭から被った者の影も形も見られなかった。


「何があったか聞かせてくれおうな」


少女は影虎の沈黙をしたまま頷いた。


「全て獅浦に踊らされていたようです、それ故に私は…」


「そうか、どうやら私も同じようだな」


少女は影虎の僅かな言葉で理解すると突然、少女の足元から黒い石が沸き上がる。


影虎は咄嗟に少女へ手を伸ばすが自らの手が黒い石と化していく。


「なんだこれは…」


「オルフェイリスの意思に近付けばそうなるのですか」


ルークスアカデミーの校章を背中に印されたマントで身を包み、白い仮面で顔を隠した男(奏紙睦月)が輝桜の木陰から様子を窺う。


少女は足元から沸き上がった黒い石に呑み込まれ、影虎は黒い石と化して砕けた。


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