クリスマスプレゼント@望月 紫穏サンタ
ここに来て何日目ぐらいなんだろう?
寒くも暑くもない。夜も昼もない。どのくらい経ったかも分からない。
けれど、空から聞こえてくる美しい歌声、目の前を跳ぶ美しい光。素敵なんだ。この世界は!
今日も美しい街を見下ろし、流れていく雪景色を眺めてた。雪を近くで見たくて、私は下へ降り立った。
すると、いつとなくおじいさんが目の前に立っていた。髭が長く、白い服を着て笑っていた。
「君はどしてここにいるんだね?」
(あなたも同じ理由では?)
おじいさんは声を出して笑った。
「君の手を握って待ってる人がいるのでは?」
(いませんよ。親もきょうだいも。私を邪魔者扱いしてた大人ぐらいですよ。)
おじいさんは戸惑った様子で、
「……少し……歩こうか?」
言葉を交わしたのは久しぶりだった、今も、昔も‥。嬉しかった。
どこへ行くとはなく、雪道をおじいさんと歩いた。
おじいさんは遠くを見つめながら言った。
「戻りたくないのには訳があるのかな?」
おじいさんは、優しく問いかけた。優しかったんだ。
少し戸惑いながら再び、
「君はまだこの世界にるべきではないのでは? ……いるよ、君の帰りを待つ人が。」
(いない。いないよ。……でも……。)
私は立ち止まり下を向いた。
「少し行ってみるか!」
おじいさんが、そう言った瞬間目の前に黒い穴があいた。そしていつの間にか、その穴の中に吸い込まれていた。
なぜな視界が効かない暗闇。後ろから美しい光が射していた。体が重い。上から何かに押しつぶされそうだった。気持ち悪い……。怖い……。
ふと、おじいさんを見ると、変わらない表情に同じ姿勢で歩いていった。私も折れそうな心をを押さえ込み、勇気を出しておじいさんに付いていった。
何度かおじいさんは怖い顔で振り返り、私の顔を伺っていた。
私がだいぶこの闇に慣れると、おじいさんは笑顔で一度振り返る、すると、後ろの綺麗な光は消え、前から光が差し込んできた。すると何時とはなくソリにつながれた動物がいて、それらと一緒におじいさんは、光の中へ入っていった。私はおじいさんに続いてその光の中へ入っていった。やはり……、予想どうりの場所に来ていた。
おじいさんは赤い服をはおり、ソリに乗って私に手を差し伸べてきた。しかし、私は戸惑った。
「少なからず気づいていて、あの闇を歩いてきたんだろう?」
(無理だよ私、ここで生きる強さも勇気もきっとない。)
「君は本当は誰よりも強い。気づいていないだけだよ。」
(どうして……そんっっうわぁ!)
言い終わらないうちに、おじいさんに引っ張られてソリに乗せられ、動物に引っ張られ大空へ舞い上がった。
私が下を向いていると、
「道端で怪我をして倒れている鳥を君は連れ帰り、少ない自分のご飯をあげてたね、あの子今でも元気だよ。
野良猫達に君は沢山話しかけてあげてたね、あの子本当に楽しかったみたいだよ?」
(私?そんな事してたんだ……ね。)
顔を上げると、雪の降る月の夜だった。
「君には強さが無いんじゃない。勇気だってある。ただ、自分を見失ってただけだよ。しっかりと信念を持って゛いきなさい゛。明日は必ずくるから。」
綺麗な音の鈴が鳴り響いていた。体が軽くなった気がした。目の前の物が綺麗に見えた。最近まで見てきた物よりも私には綺麗に見えた。
「笑って゛いきなさい゛。」
おじいさんがそう言った瞬間、私は下に吸い込まれるように落ちていった。
重たいまぶたを開けたとき、私は初めて気付いた。本当にいたんだって。本当に誰にでも必ずいるんだって。前が見えないくらい涙が溢れた。初めてだった。
周りがザワザワしていた、どうしたの! ?って聞こえた気がした
「嬉しくて……。」
そして、この時初めて気付いた、涙を拭いて前が見えると確信した。
「クリスマス、だったんだね。」
私は笑顔で言った。
すると、誰かが泣き声混じりで言った。
「サンタって本当にいるんだね。」
裏?設定としては、
意識が無く眠ったままの主人公がいて、主人公の意識を戻したくて、周りの人がサンタにプレゼントとして頼んだ。
サンタは、主人公が少しでも戻りたいと思ってると感じとって、この世で生きる強さと勇気があるか闇を歩いて試した。だから完全な闇でなく、後ろに美しい光が射し込んだまま!
主人公にしたら、形にならないプレゼントと貰ったってわけ♪だから前が見える前に気づいた!
実際の体が無いので「」じゃなく()です。
そりゃ、天の光と月の光だと、天の光の方が綺麗から、『美しい光』と『光』
お化けとか天国とか使おう!と、最初に決めましたw
多分今までで一番まとまって仕上がったと思う☆