1日だけのクリスマス@五十嵐サンタ
クリスマス企画
登場人物紹介
主人公伊藤 悠斗 (いとうゆうと)
・高校一年生 非リア童貞微ロリ......フェミニスト。
野村 和久 (のむら かずひさ)
・ドSなんせドS あと天才メガネキャラ
小林 久美子 (こばやし くみこ)
・初対面でも普通に接してくる奴。よくいるだろ?空気読めない奴(笑)だけど可愛い。ずるいよ
胡桃 先生 (くるみ せんせい)
・ロリだけど29歳身長は150cm
以外と人気者(一部)
竹中 煇 (たけなか ひかる)
・バスケ大好き。今回はそんなに登場しないぞ(笑)ダジャレがヤバイ。
――これはクリスマスイブのたった短い一日の僕らの他愛ない普通の日常の話――
今日もやっぱり寒いか、昨日も寒かった..やっぱり冬が近づいているんだなと思った。
「だけど、やっぱり昨日のヒカルのギャグが一番寒かったよな....」
あのギャグはいまの季節だと殺人級だ。思い出すだけで心の芯まで凍りそうだ....。
「そういや、今日はクリスマスだっけ? ふっ、俺には無縁の日だな」
一人学校に向かって独り言を呟いている姿を小学生は見て笑ってるのは気にしないでおこう。
「まぁ今回もカズくんと夜まで遊ぶか......」
俺はまだリア充ではないのでクリスマスの日は一番の親友カズヒサと夜まで遊んでいた。
「また今回もあいつと罰ゲーム入れて、ゲームするのか......色々と怖いな」
前はタバスコ入りのシャンパン飲まされたっけあれは死ぬわ........と考えていたら自分の通ってる学校に着いた。
「さてと、今日も一日頑張るか!」
そういいながら、俺は校門を抜け玄関に入って行った。
玄関を抜け自分の教室へ入るとそこにはいつも通りカズくんが「おっす、朝から眠たそうだないつも」と言うはずが今日は来てなかった、.......というより俺が一番だった。
「珍しいな、俺が一番なんて! これはもしやいい事あるかーー(ガラリ)「あ、伊藤くんじゃないですか、どうしたんです?」と急に現れたのは胡桃先生だった。
「いや、久しぶりに一番に来たから超嬉しくって!」と言うと先生は苦笑いで「あのーー....冬休みですよ? 今(笑)」と言った。
「..........................嘘ォォォ!! 嘘ですよね!? しかも先生! あんたさっき(笑)つけただろ!?」
と俺もすかさず反論したが日にちを見れば明らかだった。と急に胡桃先生が、
「うーん、あ! そういやー伊藤くん前の補習受けてませんよね? なんなら今、先生がーー「さぁーて! 体育館空いてるしシューティングでもして来るか!じゃあね! 先生!」(ガラッ! バン!)
「............」危なかったな。もうすぐで補習受けさせられるとこだった.......。
廊下で出会う先生達の冷たい目を受けながら体育館へと急いだ。
ーーシュ! ーーーーガタン!
中々入らないな........やはりまだまだ練習が足りてないか、ちなみに今日はどこも部活休みだ。
しかし、野球部とバレー部だけは試合と練習らしい。こんな寒い中お疲れだな。
まだまだシューティングできるな........もう少し打ってから帰るか......。
もう一度構えをとり、ゴールに入るように集中した......。
ーーシュ! ーーーーガコン!
「やっと入ったか......さて帰るか」と帰る準備をしている時に声が聞こえた。
「君は一体何をしてるの?」と、玄関を見ると小さい女子がこっちを見ていた。
「君は誰だい? 顔を覚えない俺でもわかる。転校生か?」と答えた。
「うん、まぁ正解! 父親の転勤でここに来たんだ。私、小林久美子って言うの。よろしくね」とうれしそうに言った。
久美子? 何処かで聞いた事ある名前だな。と思った瞬間、何かが引っかかった感じがした。
「それでなんで、こんなところに居るんだ? ここは体育館だぞ。職員室はあっちだぞ」と職員室の方を指さした。
「あ、うん知ってるよっ。いまさっきいって来た所」
「そうか、それじゃあそろそろ俺は帰るわ、じゃあまた始業式に」
そう言いって面倒な事に巻き込まれる予感がしたので立ち去ろうとしたが、久美子は 「えぇ! 待ってよ~」と俺のカバンを掴んだ。
「ちょっ、何やってんだよ! 離せよ! もう....何だよ」
とりあえず答えたが正直早く帰りたい気持ちが強かった。
「お願いします。私、この近くを全く知ら無いんだ。教えてください」
とさっきまで凄くフレンドリーな感じで話して来たのに急に真面目になった。
「この辺知らないのか?」
「うん、覚えて無いよ」
「覚えて無い? と言う事は一度ここに来た事あるという事か?」
「ま、まぁねあんまり覚えて無いけどね......。その頃は私、苛められてて良い思い出無しで転校しちゃったからね」
と久美子は俺の質問に全部答えてくれた。転校.....か。そういや俺の小学の時も誰か転校したと聞いたような......。
「いっっ!」
駄目だ、思い出せない。小学の時を思い出そうとすると頭痛が走る。そらそうだ。俺も小学の時は良い思い出無かったしな。あの学校は先生もちゃんと対処しないから、イジメがあって被害を受けた子がたくさんいた。その中の一人は俺も入ってる....。
この辺でやめよう思い出そうとすると何か大切な物を思い出そうとして頭が痛い。
「大丈夫ですか? やっぱり今日はやめとこっか......?」
と心配そうに久美子は俺に近づきながら聞いた。
「ちょ! 近いぞ!」
これを言っちゃ変態と思われるかもしれないが俺の好みは自分の身長より低い事と童顔の女子が好みなので上目遣いされながら見られるとドキドキして仕方がない。まだ16歳の童貞だそれくらいでドキドキするさ。
「まぁ大丈夫だ。それでどこを案内すれば良いんだ? 今日一日暇だから別にどこでも良いぞ」
と答えた。
「そうなの!? じゃあ色々な所を教えて!「あー、やっぱ帰ろう」教えてください!」
と彼女は頭を下げた。
「おーけー、いいよ」と俺は承諾した。
この子からかうと面白いなーと俺の微々たるSが笑った。
「ありがとう! じゃあいこう!」
俺は久美子と体育館を出た。
体育館を抜け校門を出た辺りでふと思った。これってデートという奴じゃないのか!? しかし、俺は彼女がいない歴=年齢なので何処に行こうなんて考えていなかった......どうしよう。とりあえず歩くか商店街の辺りで時間を潰せば何とかなるだろと思っていた。
ーだが、俺の考えは甘かったー
「ねぇねぇ、悠斗! ここから先立ち入り禁止ってあるけど、何が置いてあるのー?」
「ふぁぁぁー! 美味しそうなシュークリームだぁぁ! おじさん一個下さい! お金? あー、悠斗からもらって下さい!」
「商店街って広ーい! すごいなー! でもなんか人が多いなー............うん? あの辺からたい焼きの匂いが!」
「落ち着けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
と俺は久美子を止めた! 何この子! 本当に高校生!? 小学生の間違いじゃないのか!? と頭の中でツッコミを入れて自分を落ち着かせた。
「なんでそんなにはしゃぐんだよ。久美子前何処にいたんだ? もしかして海外とかか? 」
と聞いたら久美子は
「いやー、秋田だよ」
「ふーんって結構普通だな」
と俺は返した。
ここは兵庫県だ。遠いな....。
ならこんなにはしゃいでも仕方が無いのかな? とそれを疑問に思っていたのが顔に出てたのか久美子は
「いやー商店街久しぶりに見たからね~。それもあるんだけどやっぱり悠斗と居るとなんだか楽しくなるんだっ!」
ともうこれ以上にないくらいの笑顔で言った。
「そ、そうか。それは良かったよ」
と久美子の目をそらす感じで後ろを向きながら言った。
ヤバイ..........可愛いです。
いや、まじでこれ。どうしよう。
さっきから顏が熱いんだが熱でも出たかな? 胸の鼓動も早いこれはヤバイな..........重症だ!
「と、とと、とりあえず商店街を出るかまだ4時半くらいだから案内できるぞ...........あれ?」
振り向きながら言うと俺の後ろには久美子の姿はなかった。
「あいつどこいった? おーい! 久美子ぉー! どこだぁー!」
いない! あのショートカットの茶色の髪の毛の小さい女の子がいない!
「くそっ! 人が多い!」
なんせ今日はクリスマスだ。家族がいれば、熱々なカップルもいた。3:7くらいの割合だな、リア充多いなぁ....とそんな場合じゃなかった!
悠斗は商店街内を聞き込みしながら走り回った。
――その頃、久美子は――
「あーあ....、迷っちゃったよぉぉ........」
久美子は不安そうに呟いた。
なぜこうなったかと言うと時は少し遡る............
「悠斗? なんで後ろむくのー? おーい....聞こえてないのかな? はぁ.......(ニャア)うん? なんか声が下から聞こえるなぁ」
と下をみたら一匹赤ちゃん猫がいた親とはぐれたのかな?
「 可哀想に大丈夫か? しかしお前可愛いなぁ~! ほら、ちっちー」
と手をだした瞬間びっくりしたのか一目散に駆けて行った。
「あー! そっちは危ないよ! 待てー! 待ってー!」
と先ほどの立ち入り禁止の横あたりの隙間道に入って行った。
――そして、今に至る――
「あー......猫もどっか行っちゃったし商店街でて来ちゃってよくわからない所に居るしあと暗いよ........」
久美子は溜息混じりにそう言った。
たしか悠斗と別れた時が4時半くらいだったから今はもう5時くらいにはなってるだろう辺りは薄暗くなって来ている。
不安だ。怖い怖い怖い....。
そうだ。秋田にいた時もそうだった....。一度、お父さんと散歩に出かけて余りにもはしゃぎ過ぎたから私だけ迷子になったんだっけ......。まさに今だよね.....。私のバカ。
悠斗に迷惑かけちゃったなぁ。嫌いになったかな........。
とりあえず道端に座った。まだここは河川敷見たいな所だから大丈夫かな。電灯付いてるし。
と座って前を見たとき、さっきまで追いかけていた猫がいた!
しかし......どうやって行ったのか木の上に乗っていた
「嘘!? あんな所までどうやって!? あわわ....危ない!」
猫は寒いのか身体をブルブル震わせながら縮こまっていた。
「待ってて! 今助けるから!」
私はでかい木を揺らさず、そぉっと登って行った。そぉっとそぉっと..........。
「一......二......一......二ひぃぃ怖いよぉ」
私太ったかな? いや! 今はそんな事どうでもいい! 今は登る事と赤ちゃん猫を助ける事だけ考えよう!
「一.......二.......三! よいしょっ..........ふー、なんとか登れた......」
とりあえずは木に登れたあとは赤ちゃん猫まで2.3m弱だろうか? あぁ! なんか木もミシミシ言ってるし! 急がないと!
そっと木を気にしながら猫に近づいた。
「..........!! うっ、痛い....」
木片が太ももに刺さった感じがしてちくちくして痛い。
「くっ......泣いてなんかいられるかぁ! もう! 泣かないって決めたんだ!」
涙を堪えて一歩一歩前進する。
あと1mあと0.8m........。
........よし! ようやく猫の所まで到着し、猫を無事捕まえる事が出来た。
「よし! やったよ! やった。おおっと危ないよ猫さん、可愛いなぁ」と言うと猫も「ニャア」と身体をさすって来た。
この子無事に降りれたら飼おう。きっと仲良くしてくれるはずだ。あと可愛い!
この猫はとても冷たかった。
でも暖かそうに私にすり寄ってくる姿をみてホッとした。
さて......ここからどうやって降りようかな......忘れてたけど今私迷ってる立場なんだよね。
辺りはどんどん暗くなっていった............。
―――その頃悠斗は―――
「ハァ......ハァ......くそっ! どこに行ったんだ久美子!」
とまだ商店街を探し回っていた。
人に聞いてもあっちにいたよ、こっちにいたよと言うばかり。そろそろ商店街の明かりが本格的に着いてきた。
「まずい! 暗くなってきた!」
悠斗は焦りながら言った。この辺は商店街は明るいがその代わりその周辺がとても暗くなる。だからよく事件とかが起きたりする。
「ハァ....ハァ........ちくしょー。どこに行ったんだよ............」
さっきから久美子の事を考えてると頭が痛い。これを恋? なんてどこぞの人は言うかもしれないが俺のは違う。何か忘れてるような......それを早く思い出せと言わんばかりに頭がズキズキする。
「くっ....いってぇ........。とりあえずさっき寄ったおばちゃんの店に聞いてみるか!」
とりあえず聞いてみるか。あそこのおばちゃん、観察力だけは最高だからな。
「おばちゃん! さっき身長が俺の腹くらいの茶髪の女の子見なかった!?」と聞いた。そしたら
「うん? さっきは見なかったけど茶髪の子供が猫を追いかけてそこの立ち入り禁止の所入っていったのを見たよ」と教えてくれた。
「おっけー! ありがとうおばちゃん、じゃぁね!」
「はいはい、早く見つけてやんな」
なんて優しいんだおばちゃん。
さて、久美子が向かった場所は大体わかった。立ち入り禁止の道は狭い一本道。ただそれがものすごく長くて迷ってる感覚に陥る道だ。だが、そこを抜けたら河川敷があるだけだ!
「よし! 待ってろよ久美子ぉ! 見つけたら....お前に言いたい..............事が....................」
立ち入り禁止を抜け一本道走りだした時ふと、出した言葉に俺は疑問を浮かべた。待てお前に言いたい事が..............何なんだ....待てよ.....俺は今日初めて久美子と会ったんだぜ? 何でだよ。なぁ......どう言う事だよ。
と目の前には誰も居ないのにそこにいるナニカに聞いた。ナニカは何もイワナイ。いやイワナイんじゃない。喋らないんだ。だって......そこには....「イナイ」んだから。
その時、「ナカナイデ...!」と声が聞こえた。その言葉を聞いた瞬間頭がズキズキズキ
「うううっ! ぁぁぁ!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いどうしてなんだ! 俺が........一体何をしたっていうんだ......ハァァ..............。
くそっ、とりあえず走る、走るんだ。この一本道のせいで狂ってるんだ。きっとそうだ! なら早く抜けないと......だが頭が痛いから走れない......くそっあと....3mほどかな?
早く抜けないと......久美子......久美子......だがあと1mほどになると急に頭痛が引いた俺はそれをチャンスだと思い走った。なにせ走った。
突然聞こえた「あの声」は誰だったんだろう。自分の声によく似ていた気がするんだが....今はそんな事、気にしてられなかった。
1mだったので走ったらすぐに抜けれたその時には頭痛は無くなっていた。よし! 久美子を探すぞ! そして河川敷に着いた。そこには............久美子の姿が。
久美子は木に登っていた。何かとじゃれているように見える。
俺は「久美子ぉぉぉ!おーい! 大丈夫かー!」とそのデカイ木に近づいた。久美子からも 「おーいー! 悠斗ーー」と泣きそうな声で反応した......。
よし、とりあえずこのまま久美子に......
―――想いは繋がった―――
「ーーー!?」その時俺の頭に何かが響いた。
――そして「見えた」
これは....誰だろう小さな女の子かな? 小学生位の二人いるな......女子と男子か........」
そう、今いる場所で何かわからない幻想を見ているようだった。
二人が何かを言い合ってる。女の子が木にいた猫を抱えているようだ。男の子は何かを伝えている感じだ。
「おい! 危ないよ! この木はボロボロだ.. 早く飛び降りて!」
「む、無理だよっ! 怖いよ! 助けて!「悠斗」!」
...................え....................
「駄目だよ! 動かないで! 落ちる、落ちるよ!」
「わ、わかった..動かない。だから助けーあ!」猫が女の子の腕から抜けた。
「あ、猫が えい! .............良かったー猫さん助かった(バキャ!)........え」
その時、無慈悲に木は折れた。
女の子は3m弱ある木から落ちた。
男の子いや、俺は走った。走った走った走った走った走った走った。女の子をキャッチ出来た....がその時はどちらも子供当然支えられる訳がない。女の子をキャッチした俺は、そのまま坂を転がり......大きな石に頭をぶつけた。
そのまま投げ出された女の子は気が動転してるのか泣いていた。自分の身体がボロボロになったから? それとも......あの頭から......たくさんの血が出ている事にビビって泣いているのかよく分からなかった。
男の子はいや、俺は必死に何かを言っている。
「......ハァ......泣かないでお願い......泣かないで......」
女の子は泣き止んだしかしまだ泣きそうな顔をしている
「ねぇ......久美子ちゃん......死にたくないよ......やっと自分の気持ちに素直に.......なれたのに、僕は....久美子ちゃんの事が.......」
久美子の事が................?
「.....好きなんだ。最初から....久美子ちゃんを見た時から......だからまだ死にたく無いよ............」
その時、女の子いや久美子は
「私も大好きだよ! 昔から!他の子は私の事変って言って避けてたのに! 悠斗君だけは....私に優しくしてくれた! だから........だからまだ死なないで!」
と久美子はまた泣きじゃくりながら言った..............。
おいおい......これは本当に小学生なのか?
6年生くらいだろうか? 中々生々しいな....。その時急に周りが暗くなった。そして元の世界に帰ってきた。
周りをみたら真っ暗な電灯しか立ってない河川敷だった。まさか..........暗示じゃないよな?
暗くてよく見えなかったが久美子も俺と同じのを見たのかよくわからない反応をしていた。
久美子はわからないが俺は小学生6年生くらいの時の記憶が無い。親が言うには、元気で色々な所で遊んでいたよ。と聞いたが違った。今のが...............
―――真実なんだな。
そう思うと何故久美子が初めて会った時他の子は居たのに俺に話しかけてきた。そして元住んでいた町だから商店街の人とも仲が良かったのか......。全てのピースがはまったと思った。
俺は久美子の所へ走った。
―あの言葉をもう一度伝えたい―
俺は走った。そして久美子の所に辿り着いた。
「大丈夫か? 久美子」と言った。久美子は
「う、うん大丈夫だけどさっきの悠斗も見た?」 「おう、見たぞ。」と答えた。
「何で今まで思い出せなかったのかな?」久美子は聞いたが俺は
「さぁな....多分何かのピースがはまらなかったんだと思うぜ。」
「そっか。ふふふ」久美子は嬉しそうだ。
「とりあえず飛び降りてこい。今度はちゃんと支えてやる」
「ええー怖いよ! 無理無理無理無理!」と久美子は答えた。
「ちょー! 暴れんな! また落ちるぞ!」
これは....さっきと同じシチュエーション! まずい! また同じ繰り返しなのか!?
「久美子! 早くしろ! 俺の所へ飛び降りてこい! なんか木がギシギシ言ってる! 危険だ!」
と言うが久美子は......
「わ、私足に力が入らないよ........待ってそぅっと降りたらだいじょーーあ! 猫が! えい!
.........良かったーギリギリ捕まえれーー(バキャ!)たひゃ!!!」
久美子は落ちた。
「危ない!?」
俺は走った。
走った。久美子をキャッチした。けどまたあの幻想と同じの場所だった.....まずい! 俺はそこで止まらずスライディングで久美子と一緒に滑った。あの時見たいにそんなに滑らなかった。
「「助かったー!!!」」
二人は叫んだ。助かったんだ.....助かったよ.....。
その時不意に「アリガトウ....」と聞こえた。
「あの声」の正体は俺だったのか。ありがとよ。 さて久美子....は、
「イテテテ....あはは助かっ........たね。」久美子の顔がどんどん赤らんでいった。
何故かって? 教えて欲しいか? 童貞達よ。
今の状態は俺の上に久美子が乗ってて久美子がその....M字開脚している状態で俺の方を見ていたので....パンツさんこんにちは。今日は水色ですか。
久美子の顔はどんどん赤らんでいった。
「あわわわ.......わわ、ここここののの............変態ィィィィ!
(バキバキドコドコ)
「ちょ、やめ、ガフッ! 痛い痛い痛い!」
あれ? おかしいよね? さっき来れなかったから久美子が「助けてくれてありがとう!」って言って抱きついて来ると思ったのにやはりこの世に神様なんて居ないのか。
と否定したかったが俺的にはラブコメでありそうなパンツこんにちは現象が見れたのでそれはそれで良しとしよう神様ありがとよ。
「お、落ち着いたか...............。ほらとりあえず立てよ」
「う、うん、ねぇねぇパンツみた?みたよね?「いや見てない」本音は?「水色」いやぁぁあ! 」
(バチン!)
「ゴフッ!」
「うわぁぁ........恥ずかしいよぉ」
と小さい声で言った。
「ふー.......もう終わったよね?」
てかこれ以上殴られたら流石の俺も行っては行けない線を超えてしまいそうだ。
「う、うんごめんね」
「おう、まぁ大丈夫だ」
「そっか良かった良かった......」
「「..........................」」
しまった変な空気が出来てしまった。とりあえずなんか話題を!
と思ったが久美子が、
「ねぇ.....私も見たんだけどさ悠斗まだ私の事が...............」
久美子は、言葉に詰まってしまった。俺は思っていた。あれを思い出す前から.......記憶は無かった。けど心は覚えていたみたいだ。そうだ何故か他の子に告られても好きな人がいるからって言っては断わっていた。けど好きな人が誰なのかもわからなかったのに、好きな人がいるって自分で言っていた。
そうだ。俺はまだ久美子の事が好きなんだ。自分が命を掛けてまで守った...............大切な人だから。
「あぁ、久美子お前の事が大好きだよ。あの時から変わらない。大好きだ。」
自分でもびっくりだ。まさか今日一日だけしか一緒に過ごしてないのに....何故今まで一緒にいた感じがあるんだ? わからない。
久美子は、
「そっか.......良かった。ありがとう。私も悠斗の事が好きだよ。けど.........ごめんね」
あの時とは違う答えが帰ってきた。久美子はまだ続けた。
「全部思い出したんだ。何故覚えて無いのかも、私はあの時悠斗が死ぬんじゃないかなって思って急に怖くなった。でも悠斗がそれを落ち着かせてくれた。そのあと救急車で私と悠斗は運ばれていった。悠斗は手術室、私は精神集中室かな? そんな所に連れていかれた。私の方が早く治った。けど悠斗は長かった。そして私は悠斗の怪我が治る前に転勤して行ったの。そして治ったとは言ったけどその時の記憶を封印って言い方がいいのかな? まぁ忘れさせられた感じかな。そうこれが真実です。」
久美子は全部を思い出してそれを丁寧に俺に教えてくれた。
そうか、これが真実なんだな。
「今日は本当にありがとう。とても楽しかったよ! でも......今日で最後なんだね。」と泣きそうな顔で言った。
「え? 嘘だろ? 急に転勤とかできないだろ? まだ日はー」あるよと言いかけた時気づいた。
「まさか..........あの時体育館で出会ったのは転校届けをだしに行ってたの........か?」
久美子は「うん....正解、ごめんね。本当は言いたかったんだ。ううっ....けど....ごめん」
久美子は下を向いて泣きながらそういった。
俺は「泣くなよ。泣いちゃ駄目だよ。」そう言って久美子の頭を撫でた。
久美子は「あ.....うんっ」と涙を拭きながら笑顔でそういった。
「ありがとう。悠斗がとても優しくて良かったよ」
「はは、ありがとうよ」と答えた。
「さて......振られちゃったしなー 辺りも暗いしそろそろ帰るか?」と久美子に聞いた。久美子は
「いやっ、まだ帰りたくないっ」と手を掴み――腕を握り――関節を決められた――ってあれ?
「久美子さん??? あの....腕の関節決まってるんですけど」
とミシミシ言ってる腕を気にしながら言うと、久美子は
「じゃあ、あとちょっと! ちょっとだけ喋ろう。」
久美子もわかってるのだろう。
もう辺りはとても暗い。多分夜の10時くらいだろう。時間が立つのは早い。しかも、明日久美子は転勤の準備をしないといけない。久美子自身もわかっているようだ。よし、今しかないな。伝えられる時は。
「久美子、俺はお前に振られたけどお前の事が好きだ。大好きだ。お前が転勤や仕事の用事とかで何処へ行こうが俺はずっとお前を思い続けよう。だから今日は帰ろう。また出会えるだろ」
と言った。これが俺の本当の気持ちだ。久美子は、
「けど、けど! .....じゃあ最後にギュッてして!」
と久美子は答えた。
子供見たいな返し方だな、と思ってしまったが久美子らしい。
「いいよ、ほらおいで」
「うん!」――ギュッ――
久美子はとても冷たかった、そして何よりも小さかった。けどとても暖かかった。と思っていたら久美子の顔が目の前に、来て、
「私の事、忘れないでね!」
と言って背伸びした。何か柔らかい物が頬に.......ええ!まさか!
「うえっ!?」俺は驚いた。そ、そりゃー初めてだからな。
久美子を見ると手を振りながら
「ばいばーい! また会おうね!」と走って行ってしまった。
「ははは、あいつはやっぱ変わらないなぁ..........」と呟き、
「じゃあなぁ!! また会おうなぁぁ!!!」と返した。
久美子の姿が見えなくなった。同時に急に雪は降り出した。あーそういやさっきまで降ってなかったな。珍しい事もあるもんだ。この辺は降る時はずっと降ってるのに.........。
まるで時間が止まっていたのを教えてくれるように急に降り出した雪はとても冷たかった――
―――次の日―――
「 行って来まーす」と親に声をかけ、いつも通り学校に向かった。はぁ.....寒い寒い寒い。なんで日本はこんなに寒いんだ。昨日急に降り出した雪はたった半日で周りを銀世界に変えてしまうくらい降り積もった。嬉しくない。さっさと溶けて無くなれ。
昨日あった出来事はとても一日で済んだとは思えなかった。
振られたとはいえ何故かとても軽くなった気がする。まぁ後で思い返して見るととても恥ずかしい言葉を言っていた気がする。
ああー! 恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいぃぃぃ。
「なんだーあいつ雪に自分から埋れてあほかー?」
「あはははは!」
と朝からちゃんと神社の掃除に来ている子供達に笑われた....恥ずかしい。
「まぁ....こんな日があってもよかったんだろうな。いつもみたいにだらだら過ごしていたクリスマスは今回は今までとは違うクリスマスになったしカズくんには悪いけど楽しかったな」
と思わず笑ってしまった。
久美子は今、何をしてるのだろう。もう行っちゃったかな? 見送りしたかったけど今日は補習があるからな....逃げたい。けど決めたんだよな。あいつと次に会う時は変わっていないといけないしな。ははは。
そう独り言を言ってる内に見慣れた学校が見えて校門が目の前に迫って来た。俺は昨日の事を思い返しながら一歩一歩進んでいく
――。
「これはクリスマスイブのたった短い一日の僕らの他愛ない普通の日常の話」と最初言っていたが今思い返すとは違った――。
言い直そう。
――これはクリスマスイブの短くて長く実に突飛な出来事の話 ――これでいいかな?
そう考えてると校門がもう目の前に見えるのが分かった。そろそろか............。
――俺はまだ思い返す。
人は――大切な物がどれだけ大切かを忘れる事がある――それは僕ら高校生や大学生、おじいちゃんおばあちゃんにもある。けど、以外と簡単な事で思い出せたりする。それは、とても幸せな事なんだ。という事を、僕は久美子のお陰で思い出せた。最初出会った時はわからなかった。けどあの時の不思議な現象のお陰で気づけた。
昨日みたいな面白くて儚くて楽しかった日もたまにあっても良いだろう。それが今回たまたまクリスマスと重なったそれだけだ。
もう校門を過ぎて玄関前に到着した。
この事を気づかせてくれてありがとう久美子。君が僕の事を忘れない限り、俺も君の事を忘れずに思い続けよう。君が笑うなら僕も笑おう。君が喜ぶなら僕は君に贈り続けよう。君が嬉しいなら僕はそれを保ち続けよう。そして、また一日が過ぎて新しい一日へと変わる。
今日も新しい一日が始まる。
「さぁて! 今日も一日張り切って行くかぁぁ!」
そうして、悠斗は見慣れた玄関に向かって歩き始めた。
終
後書き
「 どうも、今回のクリスマス企画に参加させて頂きました」
五十嵐です。その辺にいる普通の高校生です。
突然なんですけど、今回初めて短編小説書かせて頂きました。
どんな話にしようか迷いました。 まぁクリスマスなので、クリスマスの日くらい一日だけの恋も悪くないなと、考えつきました。
ここまで読んでくださった皆様に感謝を伝えたいです。
クリスマス、短い一日しか彼女や仲の良い友達と過ごせなくても、自分の考え方次第でその日の楽しさは、いくらでもかわります。「恋」する楽しさか、「絆」を大切にするか、それは貴方次第です。貴方の選択で変わっていきます。頑張ってください!
....そろそろ時間が、では 「メリークリスマス、良い夜を」
貴方にも、素敵なクリスマスがくる事を祈ります。
五十嵐