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私の彼氏はチートらしいです

開いていただき感謝します。


このお話は天然な彼女さんとヤンデレな彼氏くんを思いついて書き始めた作品です。

特に山があったり落ちがあったりするわけではないですが、いろいろな視点を交えて一つのカップルの日常などを書いていけたらと思ってます。


少しでもお気に召していただけますように……。

鳴神なるかみ 弥生やよいとして生を受け、人生山あり谷有りと言われている中、未だに山も谷も感じたことなく生きている私のこれまでの十五年の人生、こんなに悩んだことが何度あっただろうか。


私のこれまでの人生、小説にあるように両親が離婚することもなく、これといって仲が良すぎることも悪いこともない家庭で育てられた。兄弟と仲が悪くてとか、兄弟が実は不良で、なんて事も一切なく、日々自分なりに一生懸命淡々と生きてきたと自負している。


地元の幼稚園へ行った後は、一番近い公立の小・中学校へと通ったし、高校も近場で一番自分にあった偏差値の学校へと進学をした。高校の受験では少しは緊張したけど、自分の成績よりも少し下の偏差値の高校を受けたから、よっぽど運が悪いか勉強しないかしなければ確実だと担任の先生たちにも太鼓判を押してもらえていたこともあって、山とも谷とも感じることはなかった。


性格も自分では明るくもなければ暗くもないと思っているし、そこそこ中の良い友達にも普通だと言われたことがある。

言ってしまえば特質する個性がないといえるんだと思う。

見た目も染めたことのない肩にかかるくらいに伸びた髪が綺麗だと褒められたことがあるくらいで、十人中十人が普通だねというような見た目の女の子です。

いえ、ちょっとだけ訂正です。十人中きっと一人くらいはお情けで可愛いと言ってくれる女の子であると信じてます。

あえて他の人との違いをあげるなら、視力が悪くないのに黒縁のメガネをかけていることでしょうか。


「それで? そんな鳴神さんがなんで初めてあった俺なんかに悩み事を相談しようなんて思ったの」


私の軽い自己紹介が終わると、山田さんは不思議そうに尋ねきたばかりで湯気が立っているコーヒーに口を付けた。


山田さんが言ったように初めてあった山田さんと向かい合っているのには訳が有り、話は少しだけ時間を遡る。


私にはここ最近、人生でこれでもかというほど悩んだことがあったかと言うくらい、あることでずっと悩んでいる。

小・中・高と一緒の学校に通っている友達に相談をしても笑顔で流してしまうし、高校から仲良くなった友達とかに相談しようとしたらその話題が出ると引きつった顔をしてどこかに行ってしまう。

そうすると誰にも相談することができなくて、私はずっとどうしたらいいのか一人悶々と悩み続けていた。

そんな時友達が悩みを聞くだけでいいなら押しに弱い従兄弟に、暇してるのがいるからと紹介してもらったのが山田さんだった。

こんなに悩むのは初めてで、自分の事を全く知らない人なら第三者の立場での意見を教えてくれるかとも思い紹介してえもらった。


待ち合わせは学校の近くにあるお店で、学生も多く利用するのに騒がしくない雰囲気を漂わせている人気の喫茶店。友達は山田さんを紹介すると用事があるからとさっさと帰ってしまった。話ている間は傍にいてくれると思っていた私も驚いたけど、それ以上に電話ですぐに来いと呼びつけられたと言っていた山田さんは私以上に目を見張って驚いていた。


そんな山田さんの様子に少しだけ申し訳ない気持ちが沸き起こったけど、これ以上一人で悩みたくなかった私は喫茶店の前だったこともあって昔から使い古された言葉だとは思ったけどあの言葉を口にしていた。

『お茶しませんか?』と。


山田さんも一瞬キョトンとした顔をしたけど、笑って頷いてくれた。

そして喫茶店の中に入り案内されたのは窓際一番奥の席。山田さんが壁側で私は入口に背を向ける形で向かい合って座ると軽い自己紹介の後、山田さんを相手にお悩み教室が開かれることになった。


「自分だけで考えてても何もいい考えが浮かんでこないし、友達は全く話を聞いてくれないのでどうしたらいいのか分からなくて……。お時間を頂いて申し訳ないとは思うんですが、何も知らない人なら何かいいアドバイスいただけるかとも思って話だけでも聞いて欲しかったんです」

「あ~、まぁ俺も暇だしそれは気にしなくていいけど、具体的に悩みって何?」


確信を聞いてくる山田さんの質問にいざ言葉にのせようと思うのだが、やっぱり緊張してしまい頼んだ紅茶を口に運んで口を湿らせた。


「えっと、私にはもったいないような彼氏がいるんですが」

「……ケッ、リア充かよ。(爆発してしまえ)」

「え? りあじゅう……って何ですか? 私ネットもテレビも余り見ないから最近の言葉はよく分からなくて……」

「いやいやっ!! 何でもない、何でもないから気にしないでっ!!」


慌てて手をふる山田さんは、何故か焦ったように続きを促してくる。

友達と話をしていてもよく同じ行動をされるので、言われた通り気にしないでおくことにして、頭の中で言いたいことを纏めながら話を続けた。


「実は相談というのはその彼の事なんです。彼、恋人の私が言うのもアレなんですが、何で私なんかと付き合ってくれてるんだろうって思うくらい凄い人で、できた人なんです」

「あ~、付き合いだしたばっかの時はだいたい皆そう言うから……」


真面目に相談に入ったというのに、カップの中に落としていた視線をチラリと山田さんに向けたら、何故か山田さんは呆れたような、何か苦いものでも口にしたような顔でこっちを見ていた。

その表情からまったく信じてもらえていないことは明白で、慌てて言葉を紡ぐ。


「本当なんです!! そこを信じてもらえないと私の悩み相談も話が進まなくなっちゃいます!」

「そうは言っても俺はその彼氏のことは知らないし、鳴神さんはその人の恋人なわけだからどうしても贔屓目ってのが出てくると思うんだよ俺は……」


山田さんの言い分は最もだと思わず納得してしまう。でもそれではわざわざ山田さんに相談を持ちかけたこと自体が無駄になってしまうので『はいそうですよね』なんて言えるわけもない。なので何とか分かってもらうために恋人さんの良さを聞いてもらおうと思います。


「そうですね、では私の欲目抜きで私以外の友達の評価をお話します、だから少しでいいので私の話し信じてください」

「ん~、まぁそこまで言うなら話くらいは……」

「ありがとうございます!!」


山田さんからイヤイヤオーラを出されながらも、何とかこの複雑な心境を理解してもらうためにここ最近に聞いた恋人さんの噂と実績をお話しようと思います。


「そうですね、まず恋人さんは凄く顔がいいんです。……って何でまたそんな苦いものを噛み潰したような顔をされてるんですか?! 私嘘言ってませんよ?!」

「いや、だって、なぁ……? カッコいいとかは個人個人の主観が入るもんだし」

「うぅ。そうなんですが、でも私は最近まで知らなかったんですが、私が通ってる学校や他の学校にもファンクラブができてるだけじゃなく、追っかけなる人も沢山いるらしいので主観だけじゃないと思うんです。あと、恋人さんと街中歩いてると芸能プロだという方々にスカウトされてるのが何回もあってお断りしても名刺を手に握らせて、気が向いたら電話をして欲しいと何度も言ってさっていくので八割がたの人たちから見ても格好良いと人だと思うんです。私が隣に立ってるのが恥ずかしくなるくらい格好良いんです」


恋人さんの事を分かってもらいたくて、思わず力説してしまった。

だけど恋人さんの良さを全然伝えられた気がしなくて、少し落ち込んでしまう。


「あ~、格好良いって言いたいのはわかったけど、ちょとその彼氏さんの全体像が見えないから、もう少し分かりやすく言ってもらえると想像しやすいと思う」

「んん、そうですね……。髪の色は綺麗な焦げ茶色で一度も染めたことがないと言ってました。あと、男性としては長くも短くもなく耳にかからない長さで切り揃えられてて、とても清潔感のある髪型ですね。純日本人だと言ってたんですが、とても綺麗な薄い茶色なんですよ。あと友達が恋人さんにこの前の全国模試の順位を聞いたらしいんですが、何でも上位だって言ってたと驚いていたので頭もとてもいい人なんです。多分名前を聞いたら分かるとは思います!」

「いや、俺全国模試の結果見てないから分かんないと思う」


私は全国模試は受けなかったから知らないけど、全国というくらいだからきっと有名だろうと思い話したが、山田さんも結果に興味がない人のようでこれ以上どう伝えればいいのかと落ち込んでしまう。


「……そうですよね、ん~恋人さんの事をまとめると、街中で見かけたら絶対埋没しないような人です。十人中最低でも九人は格好良いと言うくらいには顔が整ってて、頭も良くて、私の知る限り運動も一通り何でもこなしてしまうすごい人というのが私の感想です」

「うわぁ。リアルチートかよ……」

「チート……? って何ですか?」

「え? チートも知らないの?! えっと、簡単に言うと何でも出来る人の事かな……?」

「世の中には不思議な言葉があるんですね、勉強になります。……と、それで本題なのですが、何で何でも出来る彼が私なんかに告白してくれたのかが分からなくて不安なんです。これも聞いた話で申し訳ないんですが、恋人さんは何人もの方に告白されてるくらいカッコイイんですよ? なのにその隣には何の特徴も才能もない普通の私が並んでるなんてどう考えても不釣合じゃないですか。恋人さんはそんなことないって言ってくれますけど、どうしても気にしてしまって……。恋人さんは私なんかには本当に勿体無いくらい私のことを気遣ってくれて、優しくしてくれるんです。いつも見てると目がチカチカするんじゃないかってくらい眩しい笑顔で、私が困ったりするとなんにも言わなくても手助けしてくれるし……。」


思わず力説してしまい山田さんが驚いている。だけど、どうしても恋人さんの事を知ってもらうにはこれだけでは足りないと思ってしまうくらいベタ惚れなのでそこは許して欲しいです。


「彼の欠点って何だろうって考えても一つも出てこないですもん。私からしたら完璧すぎる彼に何にも返してあげられないのが心苦しくて……」

「まぁ、そんなに出来た奴だってなら、まぁ仕方な……ぃ」

「ですよね!! 分かってくれますか?! 気にしなくても良いって言われても気にしてしまう気持ち!!」


若干山田さんの言葉を遮ってくい気味に行ってしまい山田さんが引いていることがわかるが、どんどん自分の感情が話していくうちに高ぶっていく。だけど、一度熱が入ってしまうとそれを止めるのは難しくて口から次から次に言葉が出てきて止められそうもないので思いの丈を吐ききってしまおうと思います。


「だから私、彼に少しで良いから何かしてあげたくて、だけど誰も私の話ちゃんと聞いてくれないんですよ? それにそう彼に直接話しても、笑って側にいてくれるのが一番嬉しいって答えるだけで取り合ってくれないんです。そんなに私何にも出来ないって思われてるんですかね……? そう考えたらちょっとショックです……。あぁ、すみません。少し愚痴になっちゃいましたが話を戻しますね。えっと、どこまで話しましたっけ……。そうそう、恋人さんなんですけどすっごく優しいんです。さっきも言ったと思うんですが、恋人さん前は違う学校に通ってたんですが、私のことが心配だっていって同じ学校に転入してきてくれるくらい私のこと気にしてくれるし、登下校も何かあるといけないからって家まで送ってくれて、お休みの日も私が寂しくないようにって一緒にいてくれる気遣いまでしてくれるんです。お世辞にも綺麗だなんて言えない私なんか誰も歯牙にもかけないって分かってるはずなのに本当笑っちゃいますよね」


だんだん話しながら思い出してくたびにネガティブな思考に侵されていってしまうので、一度紅茶を口にして気持ちを落ち着かせる。

話している時よりは落ち着きを取り戻し少しだけ落ち着いて話を出来ると思い、山田さんに視線を見たら何故かすごく顔色を悪くしていた。


「あれ? どうしたんですか? 顔が真っ青ですが……。え? 気にしなくて大丈夫? そう、ですか? 具合悪くなったなら遠慮しないですぐ言ってくださいね?」


話している内容がどんどんネガティブになってしまうため、聞いていてきっと気分が悪くなってしまったんですね。悪いことをしてしまいました……。

どうにかネガティブな発言から離れないと、何かいい話題、いい話題……。

あ! この前恋人さんに教えてもらった事ならいい話題逸らしになりますよね。


「そういえば知ってますか? お付き合いを始めたらご飯を食べさせてもらうのがお互いの思いを確かめ合う大事なコミュニケーションなんですって。それをしないと相手に対して思いがありませんっていう意味になるからお断りしちゃいけないって教えてもらったんです。私今までお付き合いしたことなかったから知らなかったので、最初すっごく恥ずかしくて断ってしまったんです。でもそんな私の無知な行動も、恋人さんすっごく悲しい顔してるのに私のこと気遣って優しく教えてくれただけで怒りもしなかったんですよ? なんか私その時に恋人さんの大人な対応にキュンとしちゃって……ってすみません!! また話がそれてしまいましたっ」

「……あ、ぁ、そう、だな? つか、もしかして今もしてもらってんの?」

「え? 今も食事の時は食べさせてもらってますよ? 告白されてお付き合いすることになりましたが、私も恋人さんのことその、好きですから。あと、これは恋人さんにはいったことないんですが、恋人さんの膝の上に乗せてご飯を食べさせてもらうの恥ずかしいけど何か大事にしてもらってるのが伝わってきて、私好きなんです……ってあれ?」


山田さんの顔が真っ青からどんどん真っ白に変わっていく。それに加え顔が引きつって言っているのは気のせいでしょうか?


「どうかされたんですか? どんどん顔が青くなって……、と、後ろ? 後ろに何かあるんですか? ……何にも見えませんがどうしたんですか?」


山田さんの視線が私の後ろ、ある一点からそらされる事がないから後ろを振り向いて確認するが六時を過ぎている時間のため、喫茶店であるこのお店は人の出入りは落ち着いていて数えるくらいしか人影はない。

山田さんの視線の先は喫茶スペースと、ケーキなどの売り場スペースの堺に置いてあるクリスマスツリーにも使えそうな観葉植物に注がれているみたいだけど、何か気になるものでもあったのでしょうか?


「いや、気にしなくていいから。それより今日の相談したい内容が、今一掴めなかったからもうちょっとだけ簡潔に行ってもらってもいいか……?」

「あぁ、ごめんなさいっ!! 私要点まとめるの苦手で……っ。あの、どうしたら恋人さんの隣に立つにふさわしい大人な女性になれるのか知りたくて、何かアドバイスをいただけませんか?」


恋人さんに告白されて付き合い始めてから八ヶ月。

恋人さんに比べて子供な自分を日を追うごとに感じてしまうから、どうしたら少しでも恋人さんの隣にいても恥ずかしくない女性になれるのか。それがここ最近の私の悩みだから何度も友達に相談したのに誰も答えてくれない。だから私の事を知らない人なら先入感なんて入れずに一般的な意見を言ってくれると思いお願いしたけど、さっきから山田さんの顔色がどんどん悪くなって言ってのはそんなに私では大人の女性になるのは難しいことなんですかね?!


「……ゃま……っっ?!」

「そんなの愚問だよ、弥生さん。貴方は今のままでとても魅力あふれる人なんですから。俺こそいつも弥生さんの隣にいていいのかって悩んでるくらいだし、これ以上魅力的になって僕以外の奴が弥生さんの魅力に気がついて万が一にでも言い寄ったりしたらと思ったら嫉妬で何するか分からないんだからね? ……例えばこの害虫おとこみたいに、ね?」


何も言ってくれない山田さんに一人おろおろしていたら後ろから背中に被さる暖かい感触がした。最近やっと聞きなれてきた声に驚いて後ろを向くと、何時の間に来たのか恋人さんが私を腕に閉じ込めるように抱きしめていた。

……やっぱり下から見上げても恋人さんは格好良いですね。


「ふふ。恋人さんは面白いこと言いますね。山田さんには相談にのってもらってただけですよ? それより恋人さんはどうしてここに?」


恋人さんは優しいからいつも私を気遣ってお世辞を言ってくれる。だけど今日は冗談まで言うなんて意外とオチャメなんですね。思わず笑ってしまったけど、何でここに居るのか気になったので一緒に聞いてみたら何故かにっこり笑われてしまった。


「ん? 丁度この近くを通ったら弥生さんがここにいるの見えたから来ちゃったんだけど、迷惑だった?」

「ん~ん? そんなことないよ」

「良かった。もし弥生さんに迷惑だだなんて言われたら、僕きっと悲しくなっちゃうから……」


逆ならあるだろうけど私が恋人さんを迷惑だなんて思うはずない。そんな事あるはずないのに悲しそうに言う恋人さんが可愛くて、思わず前に回った恋人さんの腕をギュッと抱きしめてしまう。


「弥生さん。相談事はもう終わった? 終わったならこの前弥生さんが食べたがってた今日箸店のママママンゴウゼリーが家にあるんだけど、テスト勉強も兼ねて家にきませんか?」

「うわぁ!! 本当ですか? ママママンゴーゼリーはいつ行っても限定品だから売り切れててどうしても食べてみたかったんです」

「じゃあ、この後僕の家に来ますか?」

「はい、もちろん!」


今日箸店のママママンゴーゼリーは個数限定ということもあり、どんなに朝早く言っても買えないことがほとんど。なのに恋人さんは相変わらず凄いですね~。どうやって手に入れてるんでしょう?

あぁ、いけない。恋人さんが来たからって相談にのってくれていた山田さんを忘れてしまうところでした。


「山田さん今日はお話聞いて下さりありがとうございました。お顔の色が先ほどより悪くなっているみたいですが大丈夫ですか? 良ければ帰りお家までお送りしますが……」

「だ、大丈夫。ちょっと空気が悪いみたいなだけだから気にしないで」

「そうですか? じゃあ早く帰ってゆっくり休んでくださいね?」

「わかったから早く彼氏の方に行ってくれ」


これでもかってくらい顔色が悪くなっていく山田さんが心配で声をかけたら、よく分からないことを言われてしまう。

恋人さんはこんなに近くにいるのにどういう意味なんでしょう?


「じゃあ弥生さん、山田さんもこの後何か用事があるみたいで忙しそうだし僕の家に行きましょう?」

「はい、では山田さん今日は本当にありがとうございました。お体気をつけてくださいね?」


何故かどんどん顔色が悪くなっていく山田さんが気になった。だけど、山田さんは早く行けと言わんばかりに手を振っているので早くこの場を離れたほうがいいと思い、恋人さんに促されるままその場を離れる。


「弥生さん、今日は楽しかったですか……?」


喫茶店をあとにして、恋人さんの家に向かう途中、何時にもまして素敵な笑顔で聞いてくる恋人さんに私は笑顔で頷く。そして聞かれるままに今日あったことを話していった。

いくら人から天然だとか、危なっかしいとか言われていても私ももう高校生、そうそう何かあるはずないのに子供にするような注意をしてくるなんて恋人さんは本当に心配性ですね。


「そっか……。じゃあ今度何かお礼でもしないといけないね」


親身にお話を聞いてくれた山田さんがどれだけ良い人だったかと、恋人さんにも伝わるように一生懸命話す。その話を聞いた恋人さんはいつもより楽しそうな顔で笑っていて私もわかってもらえたようでとても嬉しかった。


「そうですね。今度は山田さんが好きそうなお菓子でもお土産にしようかと思います」

「その時は僕も一緒に行くから、ちゃんと教えてね……?」

「はい」


ふふ。今日は悩み事も聞いてもらえたし、こうして恋人さんに迎えにも来てもらえていい一日ですね。

あれ? でもお話は聞いてもらったけど、アドバイスって聞けたっけ……?

まぁ、モヤモヤが少し解消したからやっぱり良い一日ですね。

それにそれに、何と言ってもこれから今日箸店のお菓子を食べれるんですから幸せです。

あぁ、私のママママンゴーゼリーが待ってると考えたら嬉しくて口元がにやけてしまいそうで困るな。



……早く恋人さんの家につかないかな~♪




お読みいただきありがとうございます。

彼女さん視点いかがでしたでしょうか?


少しでも笑っていただけたり、ツッコミを入れてもらえれば嬉しいです。


『目指せ、いつかは正当なヤンデレ!』

をコンセプトに気ままに更新していこうと思います。

更新されてた時には『また懲りずに更新してるぜこいつ』的な心境で生暖かく見守ってくださると嬉しいです。


ありがとうございました♪


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