意志
前回の投稿からかなりの時間が経ってしまいました。
遅くなってしまってすいません。
でもって時間かけた割に短いです。
言い訳は後ほどさせて下さい。
まずはドゾ↓
“何で・・・・・・こんな所に女のガキがいやがるんだ”
鳥籠の中に入っていたのはバルドルと同じくらい・・・・・・いや、もう少し若いかもしれない。何であれ自由を奪われ、鳥籠の中にいる姿はまるで人形だ。
“バルドル、出してやれ”
呆気に取られて見ているバルドルにドルヴァが命じる。
最初は狼狽えて見ていたバルドルも慌てて檻の鍵を開けにかかる。
“他は宝をあさっていろ”
さっきまでのバルドルと同じようにどうしようか迷っていた野郎共も我に返って動き始める。
ここでドルヴァは考える。
(さてと、このガキはどうせ貴族の玩具だろうから、少し遠い所に逃がしてやればどうにかなるだろう。……しかし胸くそ悪ぃ趣味だな、貴族野郎。こんなガキの自由を奪って楽しいのか?)
抑えられない怒りがドルヴァの中に沸々と沸き上がってくる。
“大丈夫か?ちょっと待っててな。すぐに出してやるから”
バルドルは彼女の手や足、首にまで付けられていた枷を外しにかかっている。
パサッ
最後に残っていた彼女の自由を奪うもの。目を覆っていた布を解いた。
ドルヴァはいつの間にか檻の近くまで行ってその光景を眺めていた。
“安心して、もう大丈夫だから”
バルドルの声が聞こえる。さっきから彼女を安心させようとしているのか、しきりに声をかけている。
しかし、どこか妙だ。
彼女は、反応を表さない。
自分を縛っていた鎖が消えても、視界が開けても、檻の中から救い出されても、言葉も発さず、自ら動こうとさえしない。
普通、こういう場合は、ドルヴァ達海賊を恐れるか、助けて貰ったことを感謝するかどちらかではないだろうか。
しかし彼女は何も行動を起こさない。
ただ、鳥籠の中で椅子に座っているだけ。
背筋を伸ばし、動かず、ただ凜としていた。
“外れたよ。もう大丈夫だから、出ておいで”
一向に鳥籠の外に出てこようとしない彼女にバルドルが声をかける。
しかし彼女はバルドルの方さえ見ず、反応も示さない。
バルドルも諦めたのか、鳥籠の扉を開けたままもう何も言わなくなってしまった。
“バルドル、お前も他の宝をあさっていろ”
この女、助けて貰ったバルドルのことを無視しやがって・・・・・・生意気な。
身動き一つしないとかどうなってんだよ。
助けて欲しくなかったとか?
鳥籠の中が気に入ってるとか?
あー、もうなんか全部むかつく。
鳥籠を見ながら、無表情でドルヴァが考えていたことを知る由はない。
“おいガキ、何でてめぇみてぇな奴がこんな所にいんだ?”
・・・・・・・・・・・・・・・・無視とは良い度胸じゃねぇか
「あなた達は海賊」
・・・・・喋った?
「見つかる事を恐れている。」
宝をあさっていた野郎どもも鳥籠の周りに集まってきた。
さっきまで一切喋ろうとも、動こうともしなかったのだ、当然皆驚きを露わにしている。
“ガキ、何が言いたい?”
「だから、そんなに小声で会話をしている」
“だから何だ?”
「早く逃げろ。」
“・・・・・・は?”
「この邸の主に、お前達が侵入したことが伝えられた。」
“なっ・・・・・・どういう事だ?何でお前がそんなことを知っている。”
「耳が良いのだろう?バルドルとやら。聞こえぬか?邸の中の狂った風の音が、足の音が。」
つまりこのガキは耳から得た情報で俺等に危険を教えているというのか?
「……聞こえぬか、まぁよい。ともかく早く逃げろ。」
バルドルでも拾えなかった音を意図も容易く拾っていたこのガキには驚いた。
しかし
“おまえはどうするんだ?今の言い方だと、この鳥籠≪おり≫に残ると行っているように聞こえるんだが”
「左様。元々助けを乞うた覚えはない。……私はこの邸に売られたのだ。他に行く宛もなければ、生きてゆく自信もない。はよう行け。」
淡々と吐き出される言葉は、目の前の幼い少女から発せられたにしてはあまりにも残酷すぎる。
“俺等が暫く面倒を見てやると言ってもか?”
“兄貴?!どういうつもりですか?”
基本俺等海賊の船に女は禁物。バルドルが小声ながらも声を荒げた。
“じゃぁバルドル、お前はここにこのガキを置いて行けって言うのか?”
静かな口調だ。けれど、有無を言わせない、少なからず怒気を含んだ声だった。
“・・・・・・そんなつもりじゃ、”
“じゃぁどうしろって言うんだ?”
沈黙。
しかしそれはすぐに破られる。
「少し待て、私の意志を無視するでない。私はここにおる。この場を離れるつもりはない。・・・・・・もう一度言う、早く行け。捕まりたくなければ、逃げろ。もう時間がないぞ」
渦中の少女の手によって。
“悪いが聞けねーな。・・・・・・野郎ども、船長命令だ。あのガキを盗め。”
最高の獲物を見つけたのか如く、ドルヴァの唇の端は吊り上がっていた。
けど、ドルヴァはこの時少女が呟いた言葉を聞き取れていなかった。最後に言った、最も重要な言葉。
少女は言った。もう時間がない・・・・・・と。
「そこまでだ!!よくも我が邸に乗り込んで好き勝手にしてくれたな賊共!!」
は~い、言い訳をしまっす
私は今受験生なんですが、テストが三連続であるんです。
トホホ~
また更新遅くなることあるカモですけど、見捨てないでください
よろしくお願いします