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真夜中と十七音

作者: 冬野一
掲載日:2026/02/14






100. 真夜中や梅の匂いと十七音








1. 溢れ出す心の血潮天の川




2. 店頭の皇帝ダリア大特価




4. 虫籠の蓋を失くした遠い昼




5. 結露するコップと眠気夜学かな




7. 労りをパンで挟んだ夜食かな




8. 赤々と染まる頭上や秋の夕




9. ベランダで秋刀魚一本焼きにけり




10. 紺青の夜長人肌恋しかり




11. 茜空鴉も叫ぶ秋の暮




12. アスファルト踏みつけ帰る星月夜




13. イヤホンを分け合う恋と紅葉狩




15. 秋寒や今日も絡まるネックレス




16. 虫食いのどんぐり今日のたからもの




17. 月明かり君の瞳に吸い込まれ




18. 霧雨に濡れるスカート帰り道




19. 秋澄むやじゃんけんぽんと子らの声




20. 目を見張る窓一杯の星月夜




21. 白猫や月に照らされ夢のごと




22. 美しく羽を広げよ秋の蝶




23. 夜会草道端に咲き雨に濡れ




24. 川べりを二人で歩く秋日和




25. 雲の端が金に染まりて秋高し




26. あの人に話しかけたい秋日和




27. 不器用な姉の手が剥く林檎かな




28. 金木犀触れた指から香り立ち




29. 紅葉の散りゆくばかり青い空




30. 行く秋や惜しむ声など聞きもせず




31. 恒例の傷心旅行秋の宿




32. 秋麗あなたの声を聞きたくて




33. 爛々と光る猫の目月の雲




34. 媒鳥の鳴く清らかな声を知る




35. 鈴虫の声に包まれ夢うつつ




36. 君の声波に混じりて水灯会




37. 人力車呼び止め閉じる秋日傘




38. 秋澄むやローファーの音響かせて




39. 紅葉狩りあまたの赤が降り注ぎ




40. 吹き荒ぶ風や芒の腰を曲げ



41. 金曜日帰路の足取り弾む秋




42. 飛んでゆくひとりぼっちの秋蛍




43. 道ばたのくちなし往来を見つめ




44. 故郷の風に焦がれる秋の暮




45. 赤とんぼ畔の向こうへ消え去って




46. 紅葉を拓いて進めロープウェイ




47. お日様の光溜め込む秋の土




48. 秋風の吹く窓際や猫の伸び




49. 瑠璃色の朝顔庭の隅に咲き




50. 草を食む牡鹿の若さ見惚れたり




51. 友も逝き霞むいつかの秋のこと




52. 朝寒や靴紐踊る歩道橋




53. 竜胆の花の真横を踏んでゆく




54. コスモスの花壇で眠る野良猫や




55. 吾子の見る墨色の空月の雲




56. ルビーの指輪を探して紅葉狩




57. 日々に飽き一人焼き芋買う夜に




58. 柊の花雨粒が滴りて




59. 白雪を溶かす指先赤くなり




60. せせらぎもか細くなりて冬の川




61. 家猫や窓枠の冷たさに怯え




62. 白あんの今川焼を素手で割り




63. 土凍る庭やいのちの音がして




64. 教科書を広げて眠る置き炬燵




66. 納豆を切らした朝や米白し




68. 狐火が瞬く深夜山の影




69. 蕩々と山眠るかな空の青




70. 一葉忌積読本を手に取りて




71. 指先に息吹きかける冬の朝




72. ストーブの前陣取るはぶちの猫




73. 牡蠣飯を口いっぱいに頬張りぬ




74. シャーペンの新しきかな漱石忌




75. 愛犬に引かれて歩く冬の朝




76. 独り身の女子会ディナークリスマス




77. 祖母の手が木の盆に蜜柑を積んで




78. 足音の響く廊下や年の暮




79. 年賀状旧友の名に驚きて




80. ベランダのポインセチアに水をやり




81. 雪兎玄関先で溶けにけり




82. 白雪の輝くばかり朝七時




84. 冬の夜やスマートフォンを取り落とし




85. 庭先に干された布団冬日差し




86. 初恋が悴む指を包み込み




87. 焼魚おろし大根添えにけり




88. 並木道ただそこに立ち春を待つ




89. 寂しげに地上見下ろす冬銀河




90. 日は流れ竹馬の友の綿帽子




91. 生垣にぽつり咲きける冬椿




92. 雪降るやギターケースを肩に背負い




93. 雪女黒髪のなほ艶やかに




94. 歩道橋階段に咲く冬菫




95. ふるさとの庭やいつかの雪遊




96. 凩に舞う髪日差しを絡め取り




97. しゃぼん玉遠い星まで飛んで割れ




98. キッチンを裸足で歩く春の宵




99. ドアノブにカバーをつけて春寒し






3. 地球儀をぐるぐる回す当てもなく 海の向こうの街を夢見て




6. あの人と砂浜駆けた思い出を 焼き焦がすから夏は嫌いだ




14. かっこつけ傘をあなたに貸したから 私は一人濡れて帰るの




65. 放課後の蛍光灯は眩しくて 朝日にも似た白さをしてる




67. もう君にマフラーは編めないけれど ただ暖かく健やかでいて




83. 私なら「理想の彼の条件」に 当てはまる上君が好きだよ





54.5. 丁度この前萎んだ紫陽花のような、淡い色の夏空だった。

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