第四話 スキル
「は、、はぁ!?」
イチがとても驚いた。
「な、なんで?なんで俺を殺すんだ?まだ何もしていないだろ」
「そうだ。お前は何もしていない。ただ、俺にはやらなければならないことがあるんだ」
キリゴが少し悲しそうな顔をしながらイチに言った。
「なんだ?なんか裏にあるんだろ」
「お前に関係ない。お前を殺せば楽になるんだ」
「なるほど。なんでお前は勇者なのに殺しをする」
イチがキリゴに聞いた。
「勇者、、、確かにその時代もあったな。まぁそれは過去。今は勇者を辞めてここの国王だ。もういいだろ早くここで殺されてくれ」
キリゴが刀を構えた。
「見るからにお前はここに降り着いたばかりのようだな。でも、俺にあったのが運の尽きだ。じゃあな」
キリゴが瞬時にイチの懐に現れ、剣を抜いた。
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
ありえない声量でキリゴに向かって叫んだ。その叫びを聞いたキリゴはイチの元を瞬時に離れ、目に覇気がなくなり無意識に剣をしまった。
「ん、、何が起きた。いつ俺は刀をしまった」
目の覇気が戻り、キリゴは驚いた。一方イチも自分のスキルに驚いた。
「え、、え!?」
閻魔がイチの脳に話しかけた。
『吹っ飛べって叫んでみろ』
「え、んん、、吹っ飛べーーーー!」
咳払いをし、叫んだ。するとキリゴが吹っ飛んでいった。
「こ、、これは」
いちが動揺している。
「強すぎるだろこれ」
『どうやら叫んだことを実現させるスキルらしいな』
「なるほど」
イチが自分のスキルに感動しているとキリゴが立ち上がった。
「ごほ、ごほ、ただの雑魚勇者ではないみたいだな。珍しい」
「もうやめよう。なんでこんなことをするのか説明してくれ」
イチがキリゴに聞く。
「俺の父親を助けるためだ」
「え、、?」
「俺の父親は街の中で一番偉い立場であり、まぁ国王みたいな立場だった。だが、街に一回大勢の魔物が攻めてきたことがあった。緊急要請があったため、俺も旅を中断してこの街に帰ってきた。するともう、街は襲われ、魔物の目的は街を支配することだった。その中に14魔族の1人ゴラムがいたんだ」
「あの閻魔様、14魔族ってなんすか」
心の中で閻魔に聞く
『14魔族とは、この世界を牛耳る14人の魔王だ。君が生き返るためにも彼ら全員はもちろんもっと上の階級の奴らと戦わなければならない』
「え、14魔族全員倒さないとダメなんすか」
『はい』
「まじかよ」
『今の時点で14魔族のうち4人の魔王が殺されているため、残り10人だ』
「あ、そうなの!じゃあ俺もすぐに」
『バカ言うな。4人の魔王も100年ぶりに殺されたんだ。今までしっかり魔王どもを殺してちゃんと人間に生まれ変われたやつは1人しかいない』
「そんな、、まじか」
イチが落ち込んでいるがそのままキリゴが話を進めた。
「ゴラムは父を牢獄に入れ、自分が父になりすましている。ゴラムは街の仕事はしっかりと行なっているが、俺に新たな勇者や旅人を気絶させて、俺にその人間を城まで運ばせる。そしてあいつは人を食うんだ」
「なぜそんなことを」
「知らない。まぁ魔族なんて人を好むから当たり前のことなのかもな。でも、、でもさあいつは街の仕事をしっかりと行なっているから、いい王様だと街のみんなは思っている。でも国民は本当は魔族だということを知らない。だから俺だけあんなに嫌われるんだ。本当は父親を人質に取られて、やりたくもない仕事をしているだけなのに」
「もし逆らったら?」
「父親が魔族の餌になる」
「くそ野郎だな」
「だから、、殺すしかないんだお前を、、」
刀を抜いた。
「脱刀氷天」
キリゴが刀を振り下ろした瞬間氷の弾丸のようなものが勢いよく飛んできた
「い、、ぐは、、」
イチの方に刺さった。
「くっそ、、ちゃんといてぇじゃねぇか」
「終わりだ。すまない」
キリゴがトドメを刺そうとする
「止まれ!」
イチが叫んだ
「ん、、」
キリゴが止まった
「お前俺にそいつを会わせろ」
「は?何を言ってるんだ」
「お前に殺されるくらいなら真剣に魔王と戦って死にてぇ」
「わかった。じゃあ」
「吹っ飛べ!」
急に叫び、キリゴを吹っ飛ばした。
「肩に刺さってんだよ。その分の仕返しさせろ」
「く、、悪かった、、でも死んでもしらねぇぞ」
「おう」
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キーーーガタン
白の大きな門が開きキリゴが城の中に入った。
「あの旅人は殺したか?」
ゴラムがキリゴに聞いた
「いえ、殺してないです」
「じゃあ代わりの人間を持ってきたか?」
「いえ、持ってきていない」
「ふーんじゃあ何しに来た?殺されに来たのか?」
「ふん、殺しに来たんだよ。お前を」
ゴラムが笑った。
「は?頭おかしくなったのか?俺は魔王だぞ?なぁ」
「吹っ飛べ!」
城の裏口からこっそりゴラムの背後にいたイチが叫んだ。
「(強風に受けた)あ?何お前」
イチのスキルが全く効かなかった。
魔王強すぎ、、




