15話目
「凛ちゃん職員室に行ってスリッパ借りてこよう。」と言ってくれたが
私は何もいわずそれを履いて教室へ向かった。
教室に入るとみんなが一斉に私の顔を見た。
黒板には何やら大きな文字で
<ヤリ○ン女 宮下凛 >と書かれている。
なんて幼稚ないじめだろう。
不審に思いながら辺りを見渡すと上田直樹が
机に足をあげてだらしなく座っていた。
「やれ。」
との一言で数人の男子が私に襲い掛かってきた。
『なっなにすんの!!?やめて!!』
昨日とはみんなの目がまるで違う。
アキちゃんが必死に止めてくようとしたが、直樹に
昨日のケガを攻撃されて倒れてしまった。
『アキちゃん!!お願い!やめて!やめてったら!』
男数人に押し倒され、腕や足を固定されて動けなくなる。
女の力じゃどうにもならない。
こいつらは私の上着を脱がして楽しんでる様子だ。
それになんか鼻息荒いし!!気持ち悪い!!
ブラウスのボタンがブチブチと激しく飛んでいった。
『いやぁあああ!』
下着があらわになっていく。
ますます男どものテンションがあがった。
直樹は満足そうに私を見下ろす。
私は涙をためて訴えた。
『間違ってる。』
「あ?」
『あんたのやってることは間違ってる!!!』
「黙れ!!!!」
教室がしーーーんと静まり返った。
私はこいつのことを甘くみていた。
どうにかなる存在じゃなかった。
何が「私のことを好きにさせちゃおう計画」だ?
私はなんてバカなことを考えていたんだろう。
直樹がゆっくり私の元へ来た。
そして私の顔を見るなり首を絞めてきた。
本気で絞め殺す気かというくらいすごい力だ。
『うっ ぁああ・・・』
「女なんてこの世のクズだ!!!お前みたいな女は
みんな居なくなってしまえばいんだ!!!」
直樹の声は震えていた。
それは本当に彼の本心なんだろう。
ああ意識が遠のいていく。
アキちゃんが私の名前を呼んでいる。
私死ぬのかな・・・?
本気でそう思いかけた時ふっと空気が入ってきた。
思いっきり咳き込んでぼんやりと眺めているとそこには笠原先生がいた。
あんなに強かった直樹を片手で身動きを封じている。
「ちょいと度が過ぎるぜ。」
あれだけ頼りなさそうだった先生が助けてくれたことに
私は驚いてしまった。
「だから気をつけろって言ったじゃねぇか!」
と笠原先生に怒鳴られたが、私は安堵でいっぱいで
涙が溢れて止まらなかった・・・・。