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転校生  作者: 藤堂あき
15/17

14話目

ピピピピピ


『う~~~ん』


布団が気持ちよくてなかなか出れない。


ピピピピピピ


起きなきゃいけないのは分かってるけど、昨日遅くまで作戦を練っていたんだもん。



ピピピピピピピッ


「あーーーもう!!!うるさーーい!!!!」


バン!!


けたたましい音と一緒に目覚まし時計のアラームがやんだ。

意識がもうろうとする中でふわふわとまた夢の世界へ入ろうとしていたとき

ばっと布団をはがされ踏みつけられた。


『ぎゃ!なにすんの!』


「凛!!いい加減に起きなさい!起きないならセットすんな!!バカ!!!」


母は私の学費を稼ぐために居酒屋で働いている。

一応父から養育費を貰ってると思うけど、詳しいことは母が言わないので

私も聞かないことにした。


母はものすごく疲れて帰ってゆっくり寝ていた時に

私の目覚ましで睡眠を妨害されて、ものすごく機嫌が悪い様子。


目覚まし時計なんかより母の怒鳴り声の方がよっぽど迫力あるよ。


『はいはいはい。すいませんね。』


あまりずっと一緒に居ると母の怒りがヒートアップするのでさっさと退散した。


おばあちゃんが作ってくれた朝食を食べて玄関を出ると

アキちゃんからメールが着た。


「ごめん今起きた。すぐ準備するから病院の前で待ってて。」



女の子一人じゃ危ないからと気を利かせてくれたアキちゃんは、

一緒に登下校しようと申し出てくれた。

さすがに家までは遠いので病院で待ち合わせすることになったのだ。


自転車に乗ってちょっとゆっくり道を走った。

風が冷たくてじんじんする。

マフラーと手袋がないとカチカチになっちゃいそうだ。


病院について少し待っていると、「ごめんごめん」と

アキちゃんが出てきた。


私はアキちゃんに昨日考えた作戦の話をした。


『作戦の話なんだけど、いきなり「彼女」になれるわけないし

色々考えた結果、「私のことを好きにさせちゃおう作戦」を

決行することに決めました。』


「えーなにそれ?無謀なんじゃない?」


『でもあの上田くんは普通のやり方じゃ絶対に好きにはなってくれないと思う。』


そう一番の問題は心のケアなのだ。


私の勝手な思い込みかもしれないけど、愛情が足りないせいで

不良に走ってしまったんだと思う。


アキちゃんもすごくいい人だって言ってた。


せめてあの頃の上田直樹まで戻さないとこの作戦は成功できないのだ。



とはいっても・・・。

まず私なんかを好きになってもらえるかどうかが不安だ。


そういえば岡野先輩は私のどこを好きになったんだろう・・・。

あとでメールを送ろうかと迷ったがさすがに無神経なのでやめておこう。


ぐるぐる考えていたらあっという間に学校へ着いてしまった。



靴箱へ行くと、まさかと思ったが新品だった私の上履きが

落書きや、汚れでぼろぼろになっていた。



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