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転校生  作者: 藤堂あき
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プロローグ

まだ恋なんて語れなかった斉藤凛さいとうりん十六歳の冬。


生まれて初めて一生懸命勉強して受かった高校だったのに

父の浮気が原因で離婚。

急遽、母の実家へ行くことになった。


親の勝手な都合のせいで私は巻き込まれ、友達とも離れちゃうし、

付き合ってた岡野先輩とも別れることになってしまった。


学校の帰り道、転校の話になった。

公園のベンチに座ってしばらく沈黙が続く。


何の話なのか分かっていたけど、私は黙っていた。


長いため息をついた後、先輩から

「ごめん。」

と言われたとき、内心ほっとした自分がいた。

本音を言えば、私は別れたかったのかもしれない。


テニス部の部活の後、先輩から告白されて、なんとなく周りに流されて

付き合うことになった私達。

相手を傷つけないようにしようとして頑張って

先輩の好きな彼女を演じていて疲れていたとこだった。

嫌いじゃないけど先輩と同じように好きになれなかった。



引越しの日に岡野先輩が大きな花束を持って走って駅のホームまでお見送りに来てくれてた。

先輩は息をきらして、鼻の頭を赤くしながら、手紙を渡してくれた。


「これ、落ち着いたら読んで欲しい。」


その手はかすかに震えていて、先輩の緊張が伝わってきた。

私は手紙をそっと受け取り微笑んだ。


「ありがとう。元気でね。」


そう言って新幹線に乗ると発車の音が聞こえた。

扉が閉まると先輩は必死で涙をこらえながら私が見えなくなるまでずっと手を振ってくれた。

その姿を見てこんな私を愛してくれた先輩に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。



私は甘えていた。



自分の寂しさを紛らわすために先輩を利用していた。

先輩の優しさが心地よかった。

きっと先輩も私の気持ちを分かっていて私を守ってくれた。


傷つけないようにしていたつもりが余計に先輩を傷つけてしまった。



私は花束と手紙をぎゅっとにぎりしめた。


先輩の思いを無駄にしないために、自分の選んだ道を後悔しないために。


私はゆっくり前に向かって歩き出した。












はじめまして。藤堂あきと申します。まだまだ未熟者で、ものすごく読みにくいかと思いますが、頑張って書きますのでよろしくおねがいします。

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