表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ある観覧車の独り言

作者: 麻の葉りり

なろうラジオ大賞6の応募作品です。



わたしはとある遊園地の観覧車。

古くなった先代が取り壊され、新しく建て替えられた若輩者。観覧車にしては珍しく、ペットも乗る事もできる。犬さんばかりだけど。

この遊園地は公園もあり、緑豊かなのでわたしに乗れば春は桜、秋は紅葉の絨毯を見ることができる。

夏は暑いので乗りたがる人はあまり居ない。

客層は老若男女様々な人が来るが、

小さい頃から来ているお客さんが大人になり子供を連れて来て、その子供が成長して自分の子供を連れて来て、というのが多い。


そんなわたしが好きな事は乗客の観察。

皆色々な話をしていて見ていると楽しい。

わたしの事を褒めてくれる人もいる。

でもお客さんが多い時期は誰を観察しようか悩む。


この時期は卒業シーズンで、就職前の思い出にと乗る人も多い。感慨深そうにしてる。

新生活頑張れ!


デートで乗る若いカップルはいない。残念。

ラブラブな姿が見たいのに。

老夫婦が2人乗った。思い出話に花を咲かせている。先代の話も出て来て人気だなぁと思う。あ、今わたし褒められた!わーい♪


こっちは男子同士で乗っている。

あら好きな子に告白して振られたのね。

泣いている子を慰めているルームメイト。

人生はまだ長い、いい出会いも待ってるよ!!


今度はおばあちゃんとお母さん、女の子の3人組。

通っているスイミングスクールで泳げるようになったんだ、っておばあちゃんに嬉しそうに話す女の子。

まだそんなに長くは泳げないし、少し怖いけど頑張るって言っている。

おばあちゃんも嬉しそう。

この間乗った時にはまだ泳げなかった女の子。

泳げるようになったんだね、やったねおめでとう!

次に乗る時には長く泳げるようになっているのかな?わくわく。


あ、男の人が猫さん連れて乗ってきた!!

猫さんは初めてだよ!可愛い!!

びっくりしてるみたい。お目目まんまる。でも

大人しく抱っこされている。

飼い主の顔を見て、外を見てを繰り返し、

落ち着いたのか外の景色をガン見しだした。

それを見て優しく撫でる男の人。微笑ましい。


あ、いつもお散歩後に乗ってくる人だ。

この景色が好きでいつも来るんだ。先代からずっと。

こんばんは!元気?うん、わたしは今日も元気!

いつもありがとう。


そして営業は終わり。人がいなくなる。

楽しかった!皆乗ってくれてありがとう。

明日はどんな人が乗るかな?

お読み頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ