Iris
●良い曲が集まれば、それは良いアルバムと言えるのか?
【収録曲】
1.Sleep Walking Orchestra
2.なないろ
3.Gravity
4.SOUVENIR
5.Small world
6.クロノスタシス
7.Flare
8.邂逅
9.青の朔日
10.strawberry
11.窓の中から
12.木漏れ日と一緒に
13.アカシア
ここ近年、タイアップが途切れないBUMP OF CHICKENですが、約5年振りのアルバムとなる本作も、前作『aurora arc』と同様にほとんどがそういった曲で構成されています。かといって、タイアップに振り回されている印象は無く、相変わらず安定した出来といったところでしょうか。「おはよう 僕は昨日からやってきたよ」(なないろ)や「その涙はあなただけのものだから」(strawberry)等といった、彼ららしいフレーズを随所に感じ取ることができます。
そのため、散漫な雰囲気は全くといっていいほど無いのですが、今作はスロー・ミドルテンポのものがほとんどで、似たような曲が多くメリハリに欠けるようにも思えます。特に『Gravity』『Small world』『Flare』は曲調がかなり似通っており、前半に偏って配置されていることもあって、聴いていて少々ダレてしまうところも。
一曲一曲の出来の良さは従来通りで、中でも『窓の中から』はかなりの名曲に仕上がっていると思うのですが、そういったものが集まっても傑作になるとは限らない……ということを実感できたアルバムでした。前作においては、その辺りは上手くできていたと思うのですが。
評価:★★★★