Butterflies
レビュー執筆日:2019/4/10
●EDM等を取り入れつつも、そこにあるのはいつものBUMP OF CHICKEN。
【収録曲】
1.GO
2.Hello, world!
3.Butterfly
4.流星群
5.宝石になった日
6.コロニー
7.パレード
8.大我慢大会
9.孤独の合唱
10.You were here
11.ファイター
前作から約2年ぶりと、彼らにしては少々早めのリリースとなったBUMP OF CHICKENのメジャー6thアルバム。今作は大胆にEDMを導入した『Butterfly』や、ダークな音像に打ち込みの音が絡み合う『パレード』等のように曲によっては新しい顔を覗かせるような部分もあるのですが、全体的に見れば、従来と比べてそこまで作風は変わっていません。歌詞に関して言えば、『Hello, world!』の「選べない傷の意味はどこだろう」や、『Butterfly』の「涙は君に羽をもらって」のように心の奥底にそっと触れるような独特なフレーズは相変わらずで、安定したクオリティの高さを今作でも披露しています。
ただし、メロディに関して言えば、「安定」を取り越して「マンネリ」に片足を突っ込んでいるような印象を受けました。いくつかの楽曲において過去作と雰囲気がかぶってしまっている点が見られ、今作の曲同士でも、『GO』と『Butterfly』はメロディの運び方やアレンジが似通っているように感じられ、収録するならどちらか一方にした方が良かったのでないかと思いました。彼らの作風はそこまで派手なものではなく、メロディをじっくり聴かせるところが大きいので、他のバンドよりもその点が如実に現れやすいように思えます。寡作とはいえ結成から20年以上、デビューから15年以上が経過しており、そういったバンドが「マンネリ」に向かうのは特段珍しいことではないのかもしれませんが、個人的にはもう少しメロディを練って欲しかったと感じました。
まとめると、新しいチャレンジをしている曲もいくつか見られるものの、全体的には良くも悪くも安定した「いつものBUMP OF CHICKEN」が聴ける作品だと言えるでしょう。傑作と呼ぶには少し物足りないものの、従来のリスナーからしたらまずまずの出来になっているアルバムになっているのではないでしょうか。
評価:★★★★