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4/7

RAY

レビュー執筆日:2019/4/4

●前作の延長線上にありながら随所に新しさも。


【収録曲】


1.WILL

2.虹を待つ人

3.ray

4.サザンクロス

5.ラストワン

6.morning glow

7.ゼロ

8.トーチ

9.Smile

10.firefly

11.white note

12.友達の唄

13.(please) forgive

14.グッドラック


 ベストアルバムを挟んでリリースされたBUMP OF CHICKENのメジャー5thアルバム。前作の『COSMONAUT』では円熟味のある優しい楽曲を聴かせましたが、今作はその延長線上にあると言えるでしょう。メロディの美しさは相変わらずですし、前向きでありながらしっかりと現実感のある歌詞も健在です。特に、『firefly』は「諦める覚悟」について歌っており、凡百の応援歌よりも心に響く内容になっているのではないでしょうか。


 また、延長線上にあると言っても、決して前作の焼き直しというわけではありません。メロディに関して言えば、これまで通りシャープやフラットの多い調を中心としながらも過去作とのかぶりはほとんど無く、ボーカル・藤原基ふじわらもとのメロディメイカーとしての実力の高さがうかがい知れます。それ以外にも、『ray』では打ち込みとストリングスが同居した独特な音像を見せたり、『ゼロ』では厳かなイントロから明るいサビへと展開させたり、『Smile』では8分以上の長い演奏時間の中で特定のコード進行を繰り返しながらもボーカルや演奏のメリハリで展開させたりと以前までは見られなかったような手法を用いており、楽曲単位で見れば、これまでとは少し違った顔が見られると言えるかもしれません。


 ただし、優しい世界観とは言え、前作のように子供の頃の情景を具体的に描いた曲が多く収録されているわけではなく、それゆえにそこまでコンセプトアルバム然としていないため、シングル曲の多さがアルバムのバランスの悪さに少しつながっているようなところがあるのですが、やはり基本的にシンプルなギターロックを主軸としており、打ち込みやストリングス等といった要素も彼らの魅力を損なわない「味付け」程度に導入しているので、一つの作品としての統一性は保たれていると言えるでしょう。


 相変わらずクオリティの高い楽曲を時には従来の手法で、時には新しい手法でもって聴かせる本作。アルバム自体の完成度の高さで言えば前作に譲るところがあるのですが、今作も充分に満足のいく内容になっていると思います。


評価:★★★★★

一部曲名の表記が間違っていたので、修正いたしました。(2022/10/29)

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