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3/7

COSMONAUT

レビュー執筆日:2019/3/23

●優しい世界観でつづるBUMP OF CHICKENの到達点。


【収録曲】


1.三ツ星カルテット

2.R.I.P.

3.ウェザーリポート

4.分別奮闘記

5.モーターサイクル

6.透明飛行船

7.魔法の料理 ~君から君へ~

8.HAPPY

9.66号線

10.セントエルモの火

11.angel fall

12.宇宙飛行士への手紙

13.イノセント

14.beautiful glider


 前作から約3年ぶりと彼らにとってはいつものリリースペースのもとに出されたBUMP OF CHICKENのメジャー4thアルバム。今作は従来と比べて優しい雰囲気の楽曲が多く、特に『ユグドラシル』の頃に顕著だった暗い要素はほとんどありません。具体的に言えば、『R.I.P.』や『魔法の料理~君から君へ~』のように子供の頃の記憶や情景を描いた曲が多く、そうでなくとも童謡調の『分別奮闘記』やゴスペルの要素を導入した『angel fall』といった円熟味や叙情性を感じられる曲がこれまで以上に多く、一種のコンセプトアルバムのようになっていると言えるでしょう。そのため、前作と同様にシングル曲を多く収録しておりながらも全体的なバランスはしっかりと取れており、一枚のアルバムとしての完成度が増しているように感じました。


 楽曲ごとのインパクトに関して言えば前作ほどではありませんが、その代わりにメロディの美しさに関してはさらに磨きがかかっているように思いました。特に、『angel fall』においては、巧みなコーラスワークや死者を弔っているとも取れる歌詞もあって、穏やかでありながら強く心に迫るものがあります。また、歌詞に関しても『魔法の料理~君から君へ~』の「期待以上のものに出会うよ でも覚悟しておくといい」や『HAPPY』の「どうせいつか終わる旅を 僕と一緒に歌おう」のように現実をしっかりと見据えながらの希望を描いたものがこれまで以上に印象に残り、その点から充分に「円熟味」を感じられるようになっています。


 また、変拍子を取り入れた『三ツ星カルテット』や手数の多い演奏で立体的に響かせる『セントエルモの火』といったテクニカルな演奏を見せる楽曲が多いというのも今作の聴き所の一つと言えるでしょう。このような点からも、勢いに任せずに確かな演奏を聴かせる「円熟味」が表現されていると言えるかもしれません。


 初期の彼らの荒々しい雰囲気が好きな方にとっては物足りなく感じられるところがあるかもしれませんが、個人的には、このような作風の方がボーカル・藤原基ふじわらもとの作曲・作詞家としての才能が充分に発揮されていると感じられ、BUMP OF CHICKENの一つの到達点のように思えました。欲を言えば、最後から2曲目くらいに『Merry Christmas』を収録してほしかったのですが、それを差し引いても素晴らしい出来であることには変わりないので、この評価とさせていただきます。


評価:★★★★★

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