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生贄ゲーム  作者: 奏良
45/47

#44:理不尽

2年3組 1人  死亡 29人


  

 

 

 


 


              

   

NO/15 曽根浩太そねこうた 男

 

 

   

 

 

 

 

 

「は?」

それ以外、言葉が出てこなかった。

大吾が嫌いな奴を消す・・・つまり、あいつ専属の殺し屋をしろといっているのだ。

信じられなかった。

俺は目を見開き、大吾を凝視する。

「だーかーらー、俺が嫌いな奴、殺ってよ。別に、そういうことするためによくわかんない施設にいたんだろう?いいじゃん、ちょっとくらい」

にやにやと笑い、大吾が言った。

反射的に、俺は、目の前の大吾を殴っていた。

ばしっという、鋭い音とともに、あいつは地面に倒れこむ。

「ふざっけんな!お前に、俺らの何がわかるんだよ!」

俺は、そう言って大吾を睨みつける。

しばらく唖然としていた大吾だが、直にもとのニヤニヤ笑いに戻り、腫れた頬に手を添えたまま言った。

「まぁ、そうも言ってられなくなるよ?」

正直、あきれていた。

俺は踵を返すと、歩き始める。

信じられなかった―――――――目の前の男が。


俺らが、本当に好きで殺しをやっているとでも思っていたのだろうか。

そんなワケ無いじゃないか。

ちゃんとした両親の間に生まれ、俺たちのような深刻な悩みも抱えず、不自由なく暮らしてきた奴が、気に入らない奴を殺せと?

バカじゃないのか?

桜のように、あの施設しか住む場所がなかった奴だっているんだよ!

本当は、殺しなんてしたくない、でも、でも生きていくためには、それをするしかない、そんな人間の気持ちが、あんな奴にわかるか?!

俺だって・・・俺だって、本当なら、普通に暮らしたい。

まだ、桜たちの立場の方がましだ。

誰にも心を開くことができない。

仲間だと思ってくれている奴だって、俺の本当の顔を知らない。

あんなへらへら笑って、自分の正体を隠して、偽善者ぶって、自分が一番偉いと思い込んでる奴に、桜や俺を人殺しなどと批難されたくはない。

だから―――――――許せなかった。

あいつだけは、どうしても、許せなかった。


だから、仁と桜が復讐を決意していることを知り、俺は同時に別の計画を立てた。

大吾を怪しまれないように殺す。

それから・・・水橋の始末。

水橋を殺したのは、俺だ。絵馬嘉人、という、俺の当時の偽名を口に出すことで、より、苦しんで死んでいっただろう。

これは、飯神の命令だ。

俺や、仁や桜の人生を狂わせた、張本人の命令。

こんなことなら、施設に行き着く前に死んでしまえばよかった。

何度そう思ったことだろう。

人殺し―――――――ばれていなくても、周りからそう見られているような気がして、施設にいるみんなが、精神的に可笑しくなっていく。

施設の大人は、それに気付かない。

理不尽さは、徐々に広がっていった。


その理不尽さが、俺に決意を決めさせた。

俺の本当の復讐の相手――――――――――施設に。

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