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生贄ゲーム  作者: 奏良
43/47

#42:秘密を知る者

2年3組 1人  死亡 29人


  

 

 

 


 


              

   

NO/15 曽根浩太そねこうた 男

 

 

   

 

 

 

 

 

それから俺は、仁と桜の計画を全て知るため、彼らのパソコンや携帯を気付かれないようにハッキングしたり、会話を盗み聞きするための盗聴器を仕組んだり、様々な面で動いた。

そんな中で、大吾をいじめさせるように、仁に・・・裕樹に仕組んだのだ。

あいつは、絶対に許せなかったから。


あいつは、桜と俺があの特別な施設に入っていたことを、知ってしまっていたのだ。

そして、それをばらすと俺を脅していた。


それは、桜が施設に電話をかけているところから始まった。


   ―――――


施設から出て数年たつと、施設と絶縁し、殺し屋などになるか、そういう専門の団体に入るか、普通の人間として過ごすかという選択を迫られる。

ごくありきたりな人間なら、普通の人間として過ごすということを選ぶだろう。

だが、あの施設で育ってしまった以上、大抵の人間は、殺し屋や団体という選択肢を選ばざるを得ないのだ。

もちろん、俺のような特別待遇は、施設を出ても、直にまた施設に戻り、影の仕事を行う。

それが、この施設の決まりだった。


そして、その迫られた桜は、殺し屋としてすごすことを決めた。

それが、大吾が俺たちの秘密を知ってしまったきっかけだった。


俺が学校に入って直、彼女は殺し屋を選択し、施設に報告の電話をかけていた。

俺は、その場を影から見て、施設に直接報告する。

だが、大吾は、そんな桜の姿を見、声を聞いてしまったのだ。

そして、影から見る俺の姿も――――――――。

そして、それから彼の詮索が始まった。


べたべたと桜にくっついては、何か話を聞き出そうとする。

俺が少しでも桜を視線を交わせば、「表とどういう関係だ?」と尋ねてくる。

正直、鬱陶しい以外に何でもなかった。

そして、俺たちから情報を引き出せないことに腹を立てた奴は、俺をいじめるように、哲也にけしかけた。

それから、学校という、ろくでもない生活が、余計面倒になってしまった。

いちいちびくびくしている演技を続けるのも、正直面倒だったし、本当なら一瞬で殺せる奴らをびびっているふりをするのは、精神的にも疲れた。

そして、その一瞬の気の緩みが、大吾に秘密がばれるきっかけになってしまった。

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