表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生贄ゲーム  作者: 奏良
33/47

#32:過去の恨み

2年3組 4人  死亡 26人


  

              NO/4 影松仁かげまつじん植田裕樹うえだゆうき) 男『SYADO=』

              NO/6 高松桜たかまつさくら (表真夕おもてまゆ) 女『SYADO=』



 

              NO/12 小林陸こばやしりく 男

 

  


 

NO/19 千田泰葉ちだやすは 女


                

 

 

 

「し・・・んだ・・・?」

かすれた声を必死に出して、泰葉は仁に問い掛ける。

「あぁ、死んだよ」

憎しみにあふれた声が、彼の口から溢れ出す。

「そうか、君は、転校したって安田沙織たちから聞いていたわけだね?

違う。嘉人は・・・嘉人は、彼らに、殺されたんだ!」

殺された・・・?

目を見開く。

何故?それが、このゲームの裏にあった、理由だというの?

「あの頃のいじめのボスは、哲也や乙矢、あそこ当たりの連中さ。

嘉人が死んだ日、あいつらは、嘉人が一人で下校しているところを、無理矢理車道に突き飛ばした。

そして――――――――」

運悪く、そこに、車がきた。

それは、聞かなくても、十分推測のできることだった。

「しかも、嘉人を轢いた車は、その頃の担任の息子・・・水橋忠行。

あいつは、まだ大学生で、人を轢いてしまったとわかれば、退学になる。

恐らくそう思ったんだろう。そして、あいつは・・・あいつは・・・」

唇をきゅっと結んで、仁は目をするどくした。


   ――――――


「証拠を消した。嘉人はまだ息をしていたのに・・・!」

陸は黙ってうつむく。

表の目に、うっすらと涙の膜が張った。

そこから先は、俺でも知っている話だった。

水橋は、嘉人を崖の下に落とした。

父親である、当時の担任の水橋定富は、自分の地位を守るため、そのことを黙認し、嘉人は転校したと偽って、事故のことをもみ消した・・・――――――――。

「自分が嘉人を殺してしまったと思い込んだ哲也たちは、教室でこのことを一切口にするなと言った・・・実際、彼らが嘉人を殺した、といってもいいわね」

俺はそのときの哲也の表情を思い出す。

いつも強気なあいつに似合わない、酷くおびえた表情をしていたっけ。

「これが、私たちSYADO=が動いた理由。全部、嘉人の為にやったのよ。わかった?」

表はそう言って、ナイフを構えた。

「最後に教えて、どうして、SYADO=のボスが水橋じゃないって気付いたの?」

「水橋が・・・俺たちに謝ったのを思い出したから」

俺らをここに連れてくるまでの過程で、水橋は朝礼で一番始めに、俺たちに謝った。

これから、こんな殺戮の世界を作り上げ、俺たちに復讐を遂げようとしている人物が、そんな風にするのは、不自然だ。

それに、気付いたから。

「ありがとう。じゃあ、お礼に、苦しまずに一瞬で殺してあげるわ」

表はそう言ってナイフをきつく握り締めた。


   ――――――


「僕らは、復讐を遂げた。嘉人の敵を討った。哲也も、乙矢も、その周りの連中も、桜と、僕とで、殺した。

君も、もう、口も利けないだろう。意識を手放せば、楽になれる」

仁はそう言って、すでに動かない泰葉を見下ろす。

そろそろ、桜もけりがついた頃だろう。

「バイバイ、千田。うらむんなら、このクラスに入ってしまった事をうらめ」

脈は、確認する必要はないだろう。もう、ピクリとも動かない。

僕はゆっくりと窓に向き直る。

ここから出る鍵は、今もポケットの中だ。

川角緒美に拾われたときは、どうなることかと思ったが、無事、取り返すことができた。

取り返したのは飛鳥だが、やっぱり、あいつは捨て駒で十分だったな。

みーんな、駒。

それを配置した僕自身も、駒なのかもしれない。

さて、桜のところに行こうか。

そう思ったときだった。

「待ちなよ」

その声は、今まで何度も聞いたことがある声だった。

その声のはずなのに、いつもよりも、はっきりとして、よく通る声に聞こえた。

「なっ?!」


そこには、さっき死んだはずの千田が立っていた――――――――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ