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生贄ゲーム  作者: 奏良
23/47

#22:生命の値段

2年3組 9人  死亡 21人


  

  

NO/5 卯木多凌うぎたりょう 男  NO/6 表真夕おもてまゆ 女



              NO/12 小林陸こばやしりく 男

 

  


NO/19 千田泰葉ちだやすは 女

NO/21 寧都留香ねいとるか 女  

                NO/24 藤原飛鳥ふじはらあすか 男

NO/25 松井悟まついさとる 男  

NO/27 三浦慶みうらけい 男  

NO/29 安田沙織やすださおり 女

さすがに、みていられないな・・・。

陸は、そう思って目を伏せた。

美穂の死に、心が動かされるわけでもなく、心は残虐な魂が宿っている。

俺の目的は、復讐だ。

哲也を殺すという、復讐だ。

美術室にきたとき、哲也の姿が無いのに、正直あせった。

でも、よく考えれば、自分が人殺しとせがまれるのは目に見えていることだ。

自分から出てくるはずが無い。

いいだろう・・・俺が見つけてやるよ。

見つけて、コロス。

だから、それまで死ぬんじゃねェぞ。

俺は、自分の顔がにやけていないか気になったが、誰もこっちを向いてはいない。大丈夫だろう。

「次」

合成音は冷たく言い放つ。

そうだ、俺が生き残らなければ、あいつを殺すことなんて不可能なんだ。

絶対、当てられるものか。


「松井悟」


よっし、セーフ。

不謹慎とわかりながら、そう思ってしまった。

もちろん、そんな気持ちを行動に示すようなへまはしない。

「畜生・・・」

悟は、そう言いながら、俺らを恨めしげに見つめ、美術室を後にした。

同じようにして、悟るも殺されていく。

そしてすぐさま、

「次」

という声が聞こえてきた。


「寧都留香」


「な・・・」

安田が思わずといったように声を上げる。

「何で、留香が!」

そういえば、安田と寧都はいつも一緒にいたな。すごく仲が良かった。

仲がいい奴が死ねば、ここまで戸惑うものしょうがないだろう。

俺が、哲也に復讐を誓ったように。

「いいの、沙織」

寧都は安田よりもかなり落ち着いた口調で、言った。

「私、生命保険がかけてあるの、知ってた?」

「え?」

その言葉には、俺も驚いた。

生命保険がかかっている奴がクラスメイトにいたとは。

それも、本人は他殺のチャンスを狙っていたとは。

「これで、私が自殺以外で死ねば、保健が降りる。そうすれば、希沙(きさ)は助かるの・・・。

私は、死ぬから。もし、沙織が生き残ったら、絶対私が自殺じゃないって、証言してね」

希沙。

確か、寧都の妹だったか。心臓に病気を患っているといっていたのを聞いたことがある。

そうか、だから、自分が死ねば、と。

「沙織、本当に、今までありがとうね。沙織は、生き残って・・・」

寧都はそう言い残して、出て行った。

「いや・・・いや・・・嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

安田が叫んで座り込む。

「あんたのせいよ!」

そして、あいつは俺を指差した。

「は?」

「シャドーはあんたなんでしょう?!」

「はぁ?」

俺は、大きく溜息をついた。

「ちょっとまってよ、沙織」

「そうだ、何でそんな事言い切れるんだよ」

千田と飛鳥が反論する。

「だって、そうなの!絶対、こいつなの!」

「言いがかりもいい加減にしろよ」

俺はついに声を出した。

「何よ!私、知ってるんだからね!」

それを、凌が制す。

「今は仲間割れしているときじゃないだろう!」

「あのさ・・・私、気になることがあるんだけど・・・」

不意に、そう言ったのは表だった。

「何?」

「さっき、綱を持ってた手があったじゃない?」

「あぁ」

「あの手に、指輪がついてたの・・・水橋先生がつけてるのと同じのが」

「え・・・?」

沈黙が流れる。

安田ですら黙り込んだ。

「つまり・・・シャドーは」

「水橋」

表の言葉を飛鳥がつなぐ。

「ほら、みろ」

「・・・!」

俺は安田を睨みつけた。


亀裂なんて、どんどん広がっちまえ。

俺の頭の中には、もう、復讐のことしか残っていない。

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