#1:いつもどおりの朝
2年3組 30人
NO/1 阿木将太 男 NO/2 伊上美加 女
NO/3 石見紀子 女 NO/4 植田裕樹 男
NO/5 卯木多凌 男 NO/6 表真夕 女
NO/7 薫由梨絵 女 NO/8 陰山幸 女
NO/9 川丘琥珀 男 NO/10 川角緒美 女
NO/11 神谷りい 女 NO/12 小林陸 男
NO/13 佐野之治 男 NO/14 柴田啓二 男
NO/15 曽根浩太 男 NO/16 田中伊代 女
NO/17 田部大吾 男 NO/18 宝麗佳 女
NO/19 千田泰葉 女 NO/20 樋乙矢 男
NO/21 寧都留香 女 NO/22 春哉将 男
NO/23 長谷川美穂 女 NO/24 藤原飛鳥 男
NO/25 松井悟 男 NO/26 松原成美 女
NO/27 三浦慶 男 NO/28 森安哲也 男
NO/29 安田沙織 女 NO/30 和久利洋介 男
その日も、いつもどおり朝がきていた。
何一つ変わらない、変わるはずもない朝だった。
「泰葉おはよう!」
「あ、真夕!」
私と真夕は、毎朝と同じように八百屋の前の交差点で待ち合わせ、一緒に学校に向かっていた。
「今日の時間割何だっけ?」
「えっと・・・一時間目が国語だったことしか覚えてないや」
「国語かぁ」
そんな、たわいもない会話を平然と済ませ、私たちは学校へと歩を進める。
「おはよう」
「おはよう」
その単調なあいさつをたくさんの友達と交わし、私たちは教室へと向かった。
2−3と書かれた教室の前で、足を止める。
私は、この教室に入るのが、恐ろしくてならなかった。
真夕が恐る恐るといった様子で扉を開ける。
「おら、てめぇ、自分が悪いんだからな」
今日も、たくさんのクラスメイトに囲まれ、大吾君が蹴られ、殴られを繰り返されている。
私と真夕は目を伏せ、自席についた。
このクラスにいることが、苦でならない。
こんな教室、なくなっちゃえばいいのに。
そんな風に、願ったからかな?
あんな非現実的な事件が起こったのは・・・。
チャイムが鳴り、大吾君を囲んでいた男子も女子も、何事もなかったかのように席につく。
ホームルームの時間だ。
今日も、きっと担任の水橋先生は、大きな声で笑いながら入ってくるだろう。
私たちのクラスの現状も知らず。
「・・・みんな、おはよう」
ところが、先生の態度は今日は違った。
若干の釣り目である先生の目は、今日は垂れ下がっていた。
全体的に、表情も暗い。まるで、目に見えない重たい荷物を背負っているようだ。
まさか、先生、いじめの事を知ったんじゃ・・・。
私の背中に、その恐怖が走る。
きっと、そんなことになれば先生のことだ、クラス委員の私のせいにするに決まっている。
私がこの教室を恐れる一番の理由はそれだった。
クラス委員がしっかりしないからだろう。
先生のその声が聞こえてくるようで、恐ろしかった。
ところが、先生の口から出た言葉は、私さえ、予想もしないものだった。
「みんな、ゴメンな」
先生は、それだけつぶやいて、何か、消火器のようなもので、白っぽい気体を教室中に撒き散らした。
みんな、突然のことにきょとんとしていたが、その光景が、徐々にゆがんで見え始める。
あれ?おか・・・しいな・・・
まぶたが重い。
私はその重みに耐えられず、深い眠りについた。




