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生贄ゲーム  作者: 奏良
15/47

#14:闇の中の現実

2年3組 24人  死亡 6人


NO/1 阿木将太あぎしょうた 男  

NO/3 石見紀子いわみのりこ 女  

NO/5 卯木多凌うぎたりょう 男  NO/6 表真夕おもてまゆ 女

NO/7 薫由梨絵かおるゆりえ 女  NO/8 陰山幸かげやまさち 女

NO/9 川丘琥珀かわおかこはく 男 

              NO/12 小林陸こばやしりく 男

NO/13 佐野之治さのゆきじ 男  

NO/15 曽根浩太そねこうた 男  NO/16 田中伊代たなかいよ 女 

NO/17 田部大吾たなべだいご 男  NO/18 宝麗佳たかられいか 女

NO/19 千田泰葉ちだやすは 女  NO/20 樋乙矢といおとや 男

NO/21 寧都留香ねいとるか 女  NO/22 春哉将はるやしょう 男

NO/23 長谷川美穂はせがわみほ 女  NO/24 藤原飛鳥ふじはらあすか 男

NO/25 松井悟まついさとる 男  

NO/27 三浦慶みうらけい 男  NO/28 森安哲也もりやすてつや 男

NO/29 安田沙織やすださおり 女  NO/30 和久利洋介わくりようすけ 男

一体、あれからどのくらいの時間がたったのだろう。

泰葉はうつむいて思った。

調理室の6人は、無言でその場にとどまっていた。

調理室を出たのは、全員が一回ずつのみ。そんな状態のまま、時間は過ぎていく。

何度も聞こえた級友の悲鳴は、そのたびに胸を貫いた。

そして、不意に慶君が口を開いた。

「外に・・・出てみるか?」

みんな、顔を上げる。

「ここにいても、埒あかねぇだろう」

「でも、大吾君が・・・」

沙織が小さくつぶやいた。

どれだけおびえているのかが、見て取れるほどの窶れぶりだ。

「それでも、ここにいたって変わらないんじゃないか?」

今まで黙っていた真夕が口を開く。

「そうだね。外の状況も知っておかないといけないし・・・」

その言葉と共に、凌君が立ち上がった。

「行こう」

発した言葉はそれだけだった。

でも、それだけで十分だったのかもしれない。

沙織も立ち上がり、私と陸君も後に続いた。

なんだか、凌君が裕樹君みたいだな、何て、のんきに思っていた。

今の現状から逃げるかのように。


「何・・・これ・・・」

真夕が言ったとおり、一番初めの悲鳴は成美だったようで、床にはすでに乾いた血が広がっていた。

そして、その横にうつぶせになって倒れている緒美。

彼女も絶命していた。

背中にナイフが刺さったまま、涙が伝った後が頬に残っている。

「これさ、全部大吾がやったのかな・・・」

慶君が震えながらつぶやいた。

「わかんないよ」

沙織の頬を涙が滝のように伝っていく。

私の目にも涙が浮かぶ。

必死でこすって流れ落ちるのを止めた。

「下に下りてみよう」

慶君がそう言った。

凌君もうなずく。

私たちはショックにおびえながら、血がこびりついている階段を下りていった。


それから、降りて直のところで、洋介君の死体があった。

白目をむいた姿は、クラスの盛り上げ役の死を物語っている。

吐き気をこらえて、私たちは進みつづける。

それから、琥珀君と伊代が折り重なるようにして倒れていた。彼らは、確か、裕樹君派に回ったと真夕が言っていたはずなのに。いじめとは、かかわっていなかったのに。

手をつないだ死体は幸せそうに微笑んでいる。

私はまた涙があふれそうになった。

こんなゲームがなければ、二人は一緒の高校に行くといっていた。

破局していたのかも仕入れない。でも、結婚していた可能性だってあった。

みんな、もう歩き始めていて、私は慌てて後を追う。

ここまでで、もう規程の7人。

殺し合いゲームは終わりのはず。

でも、クラスメイトの死体は、まだ、数を増やしていった。

将太君、幸、そして、乙矢君。

「う・・・」

思わず、目をつぶる。

乙矢君の死体は、切り刻まれ、血まみれだった。

「大吾・・・」

凌君がつぶやいて、うつむく。

陸君は、無表情で乙矢君の死体を見つめていた。

慶君が顔をゆがめている。真夕は目を閉じていた。

沙織は、吐き気をこらえきれないようで、トイレに駆け込む。

私は、零れ落ちる涙を押さえきれずにいた。

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