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生贄ゲーム  作者: 奏良
13/47

#12:冷たい笑

2年3組 26人  死亡 4人


NO/1 阿木将太あぎしょうた 男  

NO/3 石見紀子いわみのりこ 女  

NO/5 卯木多凌うぎたりょう 男  NO/6 表真夕おもてまゆ 女

NO/7 薫由梨絵かおるゆりえ 女  NO/8 陰山幸かげやまさち 女

NO/9 川丘琥珀かわおかこはく 男 NO/10 川角緒美かわすみおみ 女

              NO/12 小林陸こばやしりく 男

NO/13 佐野之治さのゆきじ 男  

NO/15 曽根浩太そねこうた 男  NO/16 田中伊代たなかいよ 女 

NO/17 田部大吾たなべだいご 男  NO/18 宝麗佳たかられいか 女

NO/19 千田泰葉ちだやすは 女  NO/20 樋乙矢といおとや 男

NO/21 寧都留香ねいとるか 女  NO/22 春哉将はるやしょう 男

NO/23 長谷川美穂はせがわみほ 女  NO/24 藤原飛鳥ふじはらあすか 男

NO/25 松井悟まついさとる 男  NO/26 松原成美まつばらなるみ 女

NO/27 三浦慶みうらけい 男  NO/28 森安哲也もりやすてつや 男

NO/29 安田沙織やすださおり 女  NO/30 和久利洋介わくりようすけ 男

こいつは面白い。

陸は、直感でそう思った。


まさか、自分のやったこと(・・・・・・・)がこんなことを引き起こすなんて、思っても見なかったけれど、案外思惑通りに言ったかもしれない。

復讐だ、といって去っていった大吾。

おそらく、乙矢や松原たち、哲也派連中を殺しにかかるだろう。

もしかしたら、7人以上殺してしまうかもしれない―――――――――。

でも、それはどうでもいいことだった。

哲也さえ殺されなければ、大吾が一体何人の級友を殺そうとも、関係ない。

「みんな、単独行動は危ないのに・・・」

千田がそう言っているが、そんなものは後の祭りだ。

俺は、誰が何人死のうが、絶対死なない。そして、哲也だけは自分の手で殺してみせる。

「とにかく、俺たちだけでも団体行動しよう」

凌がそう言った。

裏切り者め。

今、凌にはそういう感情しか浮かばない。

あんだけ裕樹に助けてもらっておいて、お前は恐ろしさに復讐すら出来ないのか。

正直、あきれた。見損なった。

でも、そんな感情を表に出せば、俺の思いをみんなにさらけ出すことになってしまう。

俺が復讐することは、凌だけが知っていた方が好都合だ。

そして、哲也を殺した後、「こいつは俺が哲也を殺そうとしていたことを知っていた。知っていて、何もしなかった」・・・―――――――。

そう言ってやる。

裏切り者に、制裁を下す。裏切り者は、排除のみだ。

「あぁ、そうだな」

俺は、出来る限り平静を装って、凌の言葉に同意した。

「今、大吾は、自分をいじめていた奴を対象に殺しにかかっていると思う。でも、何時俺たちが狙われるかなんて、わからない」

そう、このままじゃ、皆殺しだ。

それに、大吾が哲也を見つけ出して先に殺してもらっても困る。

「逃げ回るのはよした方がいいんじゃない?」

表がそう言って、安田に同意を求める。

「そうだね」

びくついた表情で、安田も賛成の意を示した。

そうだ。俺もそう思う。

そう言うと、凌がまとめるように言った。

「じゃあ、しばらくはここで様子を見て、何か変わったことがあれば・・・」

けれども、その声は途中で途切れることとなる。


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


廊下を反響して、女子の大絶叫が聞こえた。

「・・・成美・・・だよ」

表が声で判断したのだろう、そう言った。

「大吾君が・・・本当に・・・」

空気が徐々に重たくなっていく。

でも、俺は全く平気だった。

別に、人の死に興奮するような、変体的な考えはない。

もっと殺せ。殺してしまえ。

けれども、心のそこで、大吾を応援していた。

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