#10:本番はこれから
2年3組 28人 死亡 2人
NO/1 阿木将太 男 NO/2 伊上美加 女
NO/3 石見紀子 女
NO/5 卯木多凌 男 NO/6 表真夕 女
NO/7 薫由梨絵 女 NO/8 陰山幸 女
NO/9 川丘琥珀 男 NO/10 川角緒美 女
NO/12 小林陸 男
NO/13 佐野之治 男 NO/14 柴田啓二 男
NO/15 曽根浩太 男 NO/16 田中伊代 女
NO/17 田部大吾 男 NO/18 宝麗佳 女
NO/19 千田泰葉 女 NO/20 樋乙矢 男
NO/21 寧都留香 女 NO/22 春哉将 男
NO/23 長谷川美穂 女 NO/24 藤原飛鳥 男
NO/25 松井悟 男 NO/26 松原成美 女
NO/27 三浦慶 男 NO/28 森安哲也 男
NO/29 安田沙織 女 NO/30 和久利洋介 男
「・・・」
卯木多凌は、複雑な思いで陸を見つめていた。
哲也に復讐すると宣言した陸。
本当に、そのためならば、何でもやるつもりなんだ、あいつは。
「・・・しょうがないんだよ。犠牲は、伴わないと、誰も生き残ることは出来ないんだ」
慶が、おびえたような一声で、言った。
その一言に、陸がにやりと笑っているのを、俺は見逃さない。
哲也を殺すためなら、いくらの犠牲を伴っても、俺は絶対に、あいつを殺す。
そう言ったわけでもないのに、凌には陸の声が聞こえた気がした。
「あったよ」
誰かが、ポツリとそうつぶやいた。
「あった」
飛鳥だった。あの封筒を抱えてたっている。
「そこに、おいてあったんだ」
調理台を指差し、全員の視線を浴びた。
「読んで」
薫が促す。
「・・・とうとう二人の級友を殺した諸君、空腹は満たされたでしょうか?
その食べ物は、友の血を抜き取って得たものだということをお忘れなく。
さて、本題に移りましょうか。次のゲームです。
次のゲームは、“殺し合いゲーム”です。
7人の人間に死んでいただきます。
尚、ゲームスタートから6時間後までに7人の人間が死んでいなかった場合、この建物を爆破します。
誰か一人が死んだところで、ゲームスタートです。
武器などは、建物の何処でも隠されていますので、ご自由にお取りください。
では、健闘を祈ります」
「こ・・・ろしあい・・・ゲーム・・・?」
陰山が悲鳴をあげる。
「全員が死ぬか・・・7人が死ぬか・・・」
「でも、今回は人数が人数だ・・・」
「裕樹がいたら、何て言うだろう?」
長谷川がぼそっとつぶやいた。
長谷川美穂は、裕樹の追っかけで、俺たちとよくつるんでいる。
でも・・・今の一言は、タブーだ。
「わからない、俺らは裕樹じゃないからな」
そう言ったのは、琥珀だった。
「でも、今はあいつに頼ったってどうにもならないんだ。自分たちでどうにかするしか・・・」
その台詞に、陸はどんな反応をしたんだろう?
俺には影で見えなかった。
そう、裕樹は死んだのに。なぜ、まだ復讐をしようとするんだよ、陸。
俺は、その言葉を飲み込むのに必死だった。
「じゃあ・・・」
千田が何か言い出そうとしたとき、
ゴフッ
そういう、うめき声が聞こえた。
「嫌ぁぁぁぁぁぁ!」
松原が絶叫する。
啓二が、血を吐いていた。
そして、しばらく痙攣した後、動かなくなった。
みんな、沈黙している。
PM・2:48
本格的な生贄ゲームが幕を開けた。




