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生贄ゲーム  作者: 奏良
11/47

#10:本番はこれから

2年3組 28人  死亡 2人


NO/1 阿木将太あぎしょうた 男  NO/2 伊上美加いがみみか 女

NO/3 石見紀子いわみのりこ 女  

NO/5 卯木多凌うぎたりょう 男  NO/6 表真夕おもてまゆ 女

NO/7 薫由梨絵かおるゆりえ 女  NO/8 陰山幸かげやまさち 女

NO/9 川丘琥珀かわおかこはく 男 NO/10 川角緒美かわすみおみ 女

              NO/12 小林陸こばやしりく 男

NO/13 佐野之治さのゆきじ 男  NO/14 柴田啓二しばたけいじ 男

NO/15 曽根浩太そねこうた 男  NO/16 田中伊代たなかいよ 女 

NO/17 田部大吾たなべだいご 男  NO/18 宝麗佳たかられいか 女

NO/19 千田泰葉ちだやすは 女  NO/20 樋乙矢といおとや 男

NO/21 寧都留香ねいとるか 女  NO/22 春哉将はるやしょう 男

NO/23 長谷川美穂はせがわみほ 女  NO/24 藤原飛鳥ふじはらあすか 男

NO/25 松井悟まついさとる 男  NO/26 松原成美まつばらなるみ 女

NO/27 三浦慶みうらけい 男  NO/28 森安哲也もりやすてつや 男

NO/29 安田沙織やすださおり 女  NO/30 和久利洋介わくりようすけ 男

「・・・」

卯木多凌は、複雑な思いで陸を見つめていた。

哲也に復讐すると宣言した陸。

本当に、そのためならば、何でもやるつもりなんだ、あいつは。

「・・・しょうがないんだよ。犠牲は、伴わないと、誰も生き残ることは出来ないんだ」

慶が、おびえたような一声で、言った。

その一言に、陸がにやりと笑っているのを、俺は見逃さない。

哲也を殺すためなら、いくらの犠牲を伴っても、俺は絶対に、あいつを殺す。

そう言ったわけでもないのに、凌には陸の声が聞こえた気がした。

「あったよ」

誰かが、ポツリとそうつぶやいた。

「あった」

飛鳥だった。あの封筒を抱えてたっている。

「そこに、おいてあったんだ」

調理台を指差し、全員の視線を浴びた。

「読んで」

薫が促す。

「・・・とうとう二人の級友を殺した諸君、空腹は満たされたでしょうか?

その食べ物は、友の血を抜き取って得たものだということをお忘れなく。

さて、本題に移りましょうか。次のゲームです。

次のゲームは、“殺し合いゲーム”です。

7人の人間に死んでいただきます。

尚、ゲームスタートから6時間後までに7人の人間が死んでいなかった場合、この建物を爆破します。

誰か一人が死んだところで、ゲームスタートです。

武器などは、建物の何処でも隠されていますので、ご自由にお取りください。

では、健闘を祈ります」

「こ・・・ろしあい・・・ゲーム・・・?」

陰山が悲鳴をあげる。

「全員が死ぬか・・・7人が死ぬか・・・」

「でも、今回は人数が人数だ・・・」

「裕樹がいたら、何て言うだろう?」

長谷川がぼそっとつぶやいた。

長谷川美穂は、裕樹の追っかけで、俺たちとよくつるんでいる。

でも・・・今の一言は、タブーだ。

「わからない、俺らは裕樹じゃないからな」

そう言ったのは、琥珀だった。

「でも、今はあいつに頼ったってどうにもならないんだ。自分たちでどうにかするしか・・・」

その台詞に、陸はどんな反応をしたんだろう?

俺には影で見えなかった。

そう、裕樹は死んだのに。なぜ、まだ復讐をしようとするんだよ、陸。

俺は、その言葉を飲み込むのに必死だった。

「じゃあ・・・」

千田が何か言い出そうとしたとき、


ゴフッ


そういう、うめき声が聞こえた。


「嫌ぁぁぁぁぁぁ!」

松原が絶叫する。


啓二が、血を吐いていた。

そして、しばらく痙攣した後、動かなくなった。


みんな、沈黙している。

PM・2:48

本格的な生贄ゲームが幕を開けた。

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