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つくづく世間知らずな私であります。

作者: ただのじんぶつ

つくづく世間知らずな私であります。

色々とつもる話もありますが、それは機会を待つことにしましょう。

気恥ずかしいこともありますし、私自身形容しがたい、つまり、私の未熟さが妨げとなることも大いにあり得ることですし、それで今日まで私は、薄汚れた殴り書きのメモ帳を清書することなく、持ち続けているのです。

 私は、私自身と対話がしとうございます。混沌としたその脳内を解き明かしたい。

はたからみれば、私のことなど一目瞭然でしょう。特に、嫉妬の顔をはっきりしめしてしまいます。他にも、いろいろ症状はあるでしょう。「解き明かす」とはそればかりではないでしょうが、面白いなあ。

人の機微、生き物も機微、建物等々の機微、すべてに意志がある。生きてゆかんとする凄みがある。その一つ一つを悉に理解すれば、楽しいことでしょう。


今日は、放課後が早めに来てくれたおかげで、川縁をこっそり歩いてみたのです。濃緑の水面にうつろうつろ微睡む日の光、太陽は南南西の空に燦燦と掛かっていますが、その仰々しい一方で、愛嬌を、誰に向かうのでもなく、愛おしい姿を白昼にさらしている。でも、どこか儚げで、自己犠牲の顔をする。私は、あなたを愛そうと決めました。

その後、川に鯉が泳いでいた。だからえさを買いました。川沿いの石のゴツゴツした危うい道を進んで、階段に出た。もちろん、道中でえさをあげながら。そこに、腰掛けて、パンの耳を与えていると小鳥がやってきた。いや、大きな小鳥、中鳥と呼ぶ。みたことのない容貌でした。少しばかりささくれた灰色の羽が印象的、目の回りの模様も、左右で不対称。乾燥したパンの耳をくちばしにはさんで、何とか飲み込もうとする。堅いかな。その愛くるしさ。後からきたスズメと餌を巡ってけんかしていたけれど、それもまた思わず頬笑んでしまうような。食べやすいように、パンの耳は砕いておきます。

君たちは、私を愛してくれているような気がしますから、また、しばらくしたら会いましょう。


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