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紅蓮の姫は覇道を紅く染める【凍結】  作者: ネコ中佐
第1章: 目覚めし力
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流血の目覚め:中編

更新できました。でわどんぞw

 

 美しい装飾が壁に施された宮殿の大ホール。置かれたテーブル群には色とりどりの料理があり、天井に吊り下げられたシャンデリアがそれらを美しく照らす。


 各貴族たちあるいはその子息たちはそれぞれ親しいものと立食する。料理をのせた皿を持ち昨晩奥さんと喧嘩したというものや新しい子供が可愛いと自慢する親バカもいたりする。


なかには賄賂をこっそり渡したり、怪しげな密談をするものも少なからずいたりした。


 そんな中、壁に背中を預けるシンプルなドレスを着た少女。血のように鮮やかなポニーテールの髪とエメラルドを思わせる瞳が特徴的な彼女は”エストレア・クレイ・アルシャイン・クワイエット”である。


四大公爵、クワイエットの養女であり次期跡取り。公爵家というブランドの影響で先程まで縁談の申し込みが半端ではなく疲れたためここに避難していた。なまじ美少女なだけに数が多かった。


「つ、疲れた・・・、誕生パーティーなだけに日頃の比じゃない・・・。あ、これ美味しい・・。//」


疲れたとか言いながら皿にのせたケーキを頬張る。納得できるが釈然としないのは気のせいか・・・。


ーー ーー



 「よぉう、アーノルド!元気かぁ?」


ワインを片手にいろんな肴に舌鼓をうっていたアーノルドは声がかかった方に向き直り、そして戦慄した。


これでもかと乗せられた”肉”料理の数々。見ただけで胃もたれを起こしそうになるのを堪え目の前の人物に声をかける。


「将軍アイアノス殿、もう少し自重されてはいかがですか?今日の主役は彼らですよ、あなたはこの国の将軍なんですから・・。」


「ガハハ、細けえことは気にすんな、老けるぞお主。」


さらっと失礼なことを抜かしたこの男は”リーレイド・オヒュカス・アイアノス”といい、シェートリンド王国の軍事統括を任されている男である。軍事に貢献したアーノルドとは昔からの腐れ縁だったりする。


 「しかしまあ俺たちが15年前に保護した赤ん坊があんなに綺麗になるとはなあ・・、時間はあっという間だ。なあ?」


「そうだな、だが俺にとってあの子は我が娘同然だ。半端な奴原に嫁にあるいは婿を取る気にするつもりはないな。」


自分の子ではないとはいえ子に恵まれなかったアーノルドにとってエストレアは大切な存在だった。あの日、15年前に見ず知らずの瀕死の深手を負った女性とその従者から託された赤んエストレアを育てたのだ。「娘を頼みます。」と。


当初は素性がどうのこうのと騒ぎがあったが当主権限を使い認めさせたのだ。

(素性とか関係ないからな、大切な家族だから・・。)


これがアーノルドのいまも変わらぬ決意であった。




 アーノルドとアイアノスが話しているところに近づく2つの人物がいた。絢爛な服を着た王冠を抱いた初老をむかえた男と見た目はそれほどではないものの上品に仕立てられた服を着たくすんだ茶髪の美青年。


即座に臣下の礼をとるふたりに制止をかける。


「よい、今日はめでたい日なのだ。そんなに畏まることはないぞ?」


「いえ、そういうわけにはなりません。アウグスト陛下、ジェノム殿下。」


「それで・・、陛下と殿下は何用に?」


畏まることはないと早速質問するアイアノス。いろいろとすごいと思うアーノルドがいた。


「ねぎらいをかけようと思ってな。それと息子がクワイエット嬢と話がしたいと、ようやく色を覚えたらしくてな。」


「ち、父上ッ!僕はそんなんじゃ・・///」


こっ恥ずかしいのだろう、顔を赤くしている少年”ジェノム・カフーレ・バン・シェートリンド”は顔を手で隠そうとする。それをみたアイアノスは爆笑していた。


 「ゴホン。殿下、義娘むすめなら・・・ああ向こうでケーキを食べてますね。」


娘を探しあたりを見渡してすぐみつけることができた。なんであんなところにいるのかは知らないが・・・。


「あ、ありがとうございます。」若干嬉しそうに破顔してその場を離れるジェノム。

それをみた三人は微笑ましそうにみていた。


ーー ーー


 エストレアはいろいろなケーキやスイーツに舌鼓をうっていた。前世での”紅 諸葉”でも甘いものは好きだった。


 「む、これもなかなか・・・。あ、あれも美味そうだな。」


少し心配になってきた。


 エストレアはこちらに近づいてくる気配を感じ取った。どうせ縁談がなんだのということに違いないと振り返ると意外にも意外な人物であった。


「これはこれは殿下ではありませんか。私になにか?」


「ええ、貴方とは以前からお話したいと思ってまして。」


(ふうん、まあ話し相手くらいならいいかな・・?)


「いいですよ、殿下。私も話相手が欲しかったところですしね・・・。」


 他愛もない話をしている中ジェノムは話題を切り替えてきた。


「実は聞いておきたいことが・・、エストレアはす・・・。」


何か言おうとしていたが突如として宮殿内すべての照明が消えた。


「なにが起きた!予備の魔力源に切り替えろッ!」


切り替わる瞬間エストレアはそれを捉えた。ジェノムに近づく白刃の存在を。


(暗殺者・・・っ!)


「危ないッ!!!」


ジェノムを突き飛ばし、そして白刃がエストレアの胸元に吸い込まれた。



ーー ーー



 「エ、エストレア?う、ウワアアアッ」

動かない、血溜まりに倒れた彼女は動いていなかった。

「うわあああ、賊だ助けてくれええ」

「衛兵はなにをしていたッ!」

「息子を再優先に、参加していたものを避難させろ!」


アウグストが指示を出すが逃げようとする者達に追い打ちかけるように暗殺者たちの凶刃が彼らを切り裂いていく。会場は阿鼻叫喚に包まれ、混乱を極めた。





 「さて、再優先目標ターゲットを始末する。」


ジェノムを取り囲む暗殺者たち。その時異変が起こった。身代わりになり、血溜まりに倒れた彼女が・・、エストレアが彼らの背後に幽鬼のように立っていたのだから。


「何?」(コイツをかばって死んだはずだ。しかし・・これは・・。)


危機感を覚える暗殺者たち。

そして俯いていた顔を上げた彼女の瞳はエメラルドではなく紅蓮の真紅の色が妖しく輝いていた。


                                      つづく・・・。 




 





ナゲエΣ(゜∀゜ノ)ノキャー  

次回主人公初バトル&覚醒!主人公のチートぷりをごらんあれ


しっかり書けてるかな・・・・・・?

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