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紅蓮の姫は覇道を紅く染める【凍結】  作者: ネコ中佐
第1章: 目覚めし力
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初依頼!?

お久しぶりです。やっとひと段落ついたので投稿しますね

ーー


チュンチュン‥‥


「朝食出来たよ!とっとと起きてきな!冷めた硬いパンを食いたいなら起きてこなくていいさね!!」


突然の大音量。


発生源はここの女将からだった。今エストレアがいる部屋は女将がいる一階から離れているところに割り当てられた。だというのにここまではっきり聞き取れるほどの大声が聞こえてくる。


かつての、前世の東京などの都会なら苦情が来てもおかしくない。


身支度を整え、部屋を出、階下に降りていく。途中、ジッド達と合うことがあった。


「おはよ~、う~頭が痛いよ~・・・・。」


「そらぁ、あんなに酒をガバガバ飲めばそうなるな。ちゃっかり火龍(アンクル)吟醸酒(・ソエム)なんて頼みやがって。金欠にさせる気か!」


頭を押さえながらウンウン唸る少女、アンナに珍しくきつく言うジッド。確かにアンナに非があるだろう、自業自得である。


なおどうでもいいことだが火龍(アンクル)吟醸酒(・ソエム)というのは火を操ることに特化した龍種の鱗を寝かせる前の酒に一枚入れて寝かせたもので、ウォッカと言わないがかなり度数は高い上に値段も相当高い。例を挙げるとすれば、ぐい呑み一杯で銀貨50枚である。つまり半金貨と言っても差し支えない。

ぐい呑み一杯で半金貨とは‥‥これいかに。






ーー







あのあとアンナがトイレに駆け込んだので放置することにし、一階の食堂につく。すでにテーブルには料理が置かれており、出来立てなのだろう、美味しそうな香りが漂う。香ばしく程よく焦げ目がついたベーコンと目玉焼き、サラダとコンソメスープ。パンは自家製らしくほのかに甘い香りがする。

どこかのホテルの朝食のようだと思った。


「ちゃんと残さず食べるんだよ、じゃないと力も出ないしね。」


これほど美味しそうな朝食を残す輩がいるだろうか?

それはないだろうと思考を切り替える。


今日は昨日登録した際に作ったギルドカードを受け取ることと最初の依頼を受けることだ。

ジッドたちに聞いてみると最初に受ける依頼のほとんどはゴブリンの討伐らしい。

‥‥‥親友であったあいつから聞いたことある流れだな‥‥。

なんだっけか‥‥‥。あぁ、あいつの趣味だった異世界転生なんだか召喚なんだかの小説にある流れそのままじゃないか。


と言ってもこの世界自体、今では当たり前のように感じているがここも異世界なのだ。


「エストさーん?どうしたんです?ボケーとしちゃって。」



アンナに呼びかけられ、ハッと我に帰る。過去を思い出していたはずなのだがどうやら思い出しすぎて放心していたようだ。


放心するぐらい昔を思い出すなどやはり過去の、(くれない) 諸葉(もろは)であったことを捨て切れてないということを自覚してしまった。



今の自分はエストレアであるが魂の本質は過去の自分が影響しているのだろう。

割り切れていたはずが心の片隅で割り切れてなかった、それだけのこと。

心を切り替えて朝食を食べた。




ーー




太陽が真上に来る昼頃。


城塞都市ウルマトは一段と活気に溢れていた。その中にここの冒険者ギルドも入っている。


この街は昼頃から活動する人たちが多い。朝早くから仕事するのは役所の官僚と衛兵、そして一部の冒険者ぐらいだ。一般の人たちは昼頃近くになってから仕事を始め子供たちが遊びまわる。


なぜかといえばこの街の領主が低血圧らしく朝が弱い、なら昼からでいいじゃないかといったからだと噂がある。



売り込みや勧誘、買い物したりする街の中、エストレアはギルドへと進んでいく。もちろんジッドたちも一緒である。


「よし、今日から新米の冒険者だな。なんかあったら俺らに言えよ?尊敬する先輩が教えてやるぜ。」


「はいはい、馬鹿言ってないで依頼確認してきなさいよ、使えないわね。」


「あー、今日はどうせ二手に分かれて依頼こなすんだからいいんじゃねぇの?」


「ねえ、エストさん?私たちは後から行くからギルドカード貰ってきたら?そこの三人は私に任せて、ね。」


ガペットに諭され若干不安を感じたが気にしないことにしギルドに入っていく。そのまままっすぐ受付に進み受付嬢エリザに話しかけた。



「あら、エストさん。ギルドカードを受け取りですか?」


「ああ、それで出来てるのか?」


「はい、少々お待ちくださいね。」


一呼吸おいて立ち上がったエリザは奥に引っ込みそして戻ってきた。


「こちらがギルドカードになります。なお本日よりこの時間からこのカードが有効になります。どうします?依頼でも受けますか?」


「ああ、頼む。何かあるか?」


「それでしたら、これはいかがでしょう?」

エリザは引き出しから一枚の羊皮紙を取り出しエストレアに手渡す。

それはゴブリンの討伐。依頼者は近くの村の村長でゴブリンによる被害が出始めたことだった。被害が大きくなる前に叩いてほしいという依頼である。

報酬は銀貨3枚と銅貨10枚。まあ、平均である。


「そうだな、これなら日帰りで帰れるし悪くない。よし、これを受ける。」


「わかりました。受注するのでカードを提出してください。それと‥‥‥アシストコースを使いますか?」


アシストコースというのは、要は低ランクの冒険者が依頼を受けた時二ランクまでの上のランク帯冒険者が同行するシステムだ。冒険者なりたての新人が不慮の事故で死ぬこともあるため新人を守る意味合いも持つ。それに彼らから現場からのノウハウも学べるのである。ただし同行できるのは2名以下となっているが。


「使わせてもらおう、頼めるか?」


「はい、でしたら‥‥ジッドさんたちのチームに協力を仰いでは?それとカード返却しますね。お気をつけて。」



ーー


エリザからカードを受け取り、酒場の席で待っていたジッドたちと合流する。


「カードもらえたみたいだね。早速依頼かい?何受けたの?」


アンナが乗り出さんばかりにエストレアに迫るがドランの手で阻止された。


「バーカ、エリザが直接渡したんだぞ。七割の確率でゴブリンの依頼に決まってら。そうだろ?」


「流石だな。その通りだよ。年季を感じるな。」


「伊達に冒険者やってねぇさ。で?誰が同行すんの?」


「ん〜エストさんに選んでもらったらどうだ?もともと今日は二手に分かれるつもりだったからね。彼女の希望を聞こうよ。」


リーダーであるジッドが提案する。エストレアがとったのは‥‥‥


「ふむ、ドラン殿にお願いしようか。」



「‥‥‥‥‥え、俺かよ!!!?」


「よろしく頼むぞ、先輩♬」


驚愕するドランに向けエストレアはとびきりの悪い笑みを浮かべた。



続く





作品うまくいくといいなぁ‥‥‥

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