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紅蓮の姫は覇道を紅く染める【凍結】  作者: ネコ中佐
第1章: 目覚めし力
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宿 その1

遅れて誠にすいませんでした。m(__)m

現在ーー


エストレアはジッドらに宿を案内してもらって、彼らが世話になっているという宿【恰幅亭】にいた。


【恰幅亭】は小さい旅館のような感じで、歴史の重みが感じられた。なんとなく前世の記憶にあった東北のセーフティハウスを思い出していた。


「?エストさん、どうしました?」


アンナに声をかけられて我にかえる。目の前にアンナの顔があり、非常に近い。


「なんでもない。少し思い出したことがあっただけだ。それよりも、顔が近い。少し離れてくれ。」


「あぁっと、すいません。それじゃ入りましょー。」


アンナにひきずられて中に入っていった。だが当然、置き去りにされていた人たちもいたわけで。


「なあ、俺らさぁ蚊帳の外みてぇなんだが、どう思う?」


隣にいるドランに話しかけるジッド。


「みてぇじゃなくて実際そうだろ?何言ってんだ?」


そのジッドに投げ返すドラン。


「あらあら、うふふ。」


面白いものが見えたといった顔をしたガペット。

男三人はあとに続くように入っていった。






ーー



「おやまあ、見ない顔だねぇ新人さんかい?」


宿【恰幅亭】の中に入ると恰幅のいいおばちゃんが出てきた。

近所に住むおばちゃんって感じで宿を経営しているからか一種の貫禄のようなものを感じていた。


「女将さん、この人エストさんって言ってね、今日登録してきたんだよ。」


アンナはエストレアを女将に紹介する。


「おやそうかい?なら安心しな。あたしゃギルド長とは長い付き合いでね、大概のことなら掛け合うことも出来る。それに秘密もしっかり守るさね。」


「はは、頼もしい人じゃないか。よろしく頼む。」


聞けばこの宿は先代ギルド長が就任していた頃からあるらしく新人冒険者が一度はお世話になる所でもあるようだ。


「ふうん、ま、こいつらが認めてるんならいいか。それよりアンナ、あんたまだあのヘタレと進展してないのかい?」


ヘタレというのは多分ジッドのことだろうな。なんとなくだがわかる気がしたのだ。女の勘というやつなのだろう。

一方アンナは顔を真っ赤にしてあたふたしていた。


「いや、だって、その‥‥‥、アイツから言ってほしいというか、その‥。」


「あー、はいはい、ごちそうさま。それよりとっとと中に入りな。風邪ひくよ。それと今日はシチューが入ってるからね、楽しみにしてな。」


アンナの惚気をあっさりと、というかうんざりした様子で回避して、ジッドらとエストレアに夕食なのだろうか献立を伝えて、奥に引っ込んだ。


「いよっしゃあッ!!」


「ジッド坊、うるさいよ!他のお客さんもいるんだから静かにしな!」


直後にたしなめられる。なぜかそれが懐かしく感じた。


ガッツポーズしてまで喜ぶのだから美味いのだろう。なんというのだろう、一瞬だが前世で親友であった幼馴染のアイツがジッドと重なった気がした。だがそれは気のせいだろうと結論付けた。


「ほほう、それほどなのか。それは楽しみだな。他には何があるんだ?」


他の人間が見れば傲慢不遜な物言いだがエストレアが言うとなぜかその口調の方が似合っているのだ。

覇気というか人の上に立つ者の貫禄というべきか、周囲の冒険者や一般の人はそう感じ取った。

実際の所、エストレア自身は先日まで貴族の、公爵家の人間?でありまた前世では紅流を稽古していたため覇気あるいはオーラと呼べるものは備わっていた。


「そうさねぇ、今夜はシチューと‥‥‥、一角(ホーン)(ラビット)のサイコロステーキにサラダ、パンを考えてるさね。」


一角(ホーン)(ラビット)とはいわゆる兎の魔獣である。角がついているのが特徴だがそれだけで根本的には兎と変わらない。

ただまあ味は焼き加減によっては牛肉に近くなるが牛肉と違ってドッシリとしたボリュームはないものの食べやすいのが利点である。


「なるほど、夕食は何時頃なのだ?」


時間合わせは重要である。エストレアの前世 紅 諸葉であったときから時間には徹底していた。正確には実家の門限という意味でだが。それが今でも影響している。


「ん〜、そこはいつも曖昧でねぇ、出来た頃に呼ぶから問題ないね。何かあるのかい?」


女将は顎に手を添えて質問してくる。


「いや、風呂に入りたくなってな‥‥。かなりの長風呂なものでな。聞いておこうかと。」


実際、エストレアは風呂に入るとかなり長くなる。何故か?風呂に堪能しているうちに()てしまうからである。直そうとしているのだが直らないので密かな悩みの種だった。


「ん〜、実際曖昧だからねぇ〜、作り上げる分には時間は掛からないからねぇ、一時間半くらいかね。風呂はそこの通路を左に曲がれば浴場だよ。一応立札があるからね。」


「感謝する。そこの通路を左にだな。では早速‥‥(ガシッ) おお?」


浴場に進もうとすると後ろから肩を女将に掴まれる。


「風呂に行きたいのはわかるけど、まずは料金払ってもらおうかね。それと荷物は部屋に置いてきな。これからも贔屓にしてほしいからね。」


エストレアは財布から銀貨2枚を払って鍵を受け取り部屋を目指したのだった。


続く


エストレア:理由は?


作者: 遅れた理由は‥‥‥MHFGって面白いよね。ついついハマっちゃって‥‥


エストレア:‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(ニコニコ


作者: あれ?エストレアさん?なんでそんなに笑顔で?え、どこを掴んでるの?そしてなんで掴んだまま投擲体勢に入ってるの?え、やめ、てぇぇぇぇぇ!!


デデーン


エストレア: 天誅だ、馬鹿者め


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