閑話 : 受付嬢エリザの独白
遅れて申し訳ない;^_^A
どうも、はじめまして私、ギルドの受付嬢をしていますエリザと言います。
私たちギルドの受付嬢などの職員の仕事は冒険者さんたちが貼り出している依頼を持ってきてそれを受理し、その達成報告を確認することです。国や私は見たことはないのですがギルド長が発する緊急依頼、または指名依頼なども携わっております。その他には新しく冒険者になるためにギルドに訪れる方へ登録手続きも私たちの仕事です。
まあ、それ以外何もないので冒険者さんたちに笑顔を振りまくことぐらいしかないのです。サボっているわけではないです、間違えないでください。
こほん、話が逸れましたね。今日も依頼を受けてきた冒険者さんたちに依頼の受理をしていました。
天気もいいし、ピクニックにでも行きたいですね。
おっとっと、また話が逸れました。
ここ、冒険者ギルドがあるウルマトは城塞に囲まれています。これは近くにある大森林から発生する魔獣の暴走から防衛するためのものです。東西南北には二門のバリスタが搭載されていてさらには威力殲滅特化の超大口径の大砲が街の中心部にあります。何故かと言いますと射程距離が長いのが主な理由です。
さて今ギルドの入り口に見たことない人がいます。ギルドに来たということは冒険者登録でしょう。
それにしても‥‥なんて羨ましい。なんですかあのプロポーションは!?私なんてもうすぐ20歳ですけど、未だ絶壁なことに絶望を感じているのに!!
それだけではなく美人であることのおまけ付き。深紅のような髪をポニーテールにして翡翠のようなエメラルドのような目をしている美少女。
間違いなくモテるでしょう、私なんて未だ彼氏いないんですよ。持てるもの、死すべし。慈悲はないのです。
ああ、また話が逸れましたね。登録したいと申していたので、簡単な質疑応答の紙を手渡しました。質疑応答と言っても簡単なものです。どんな武器が使えるのか?どんな魔法が使えるのか?犯罪歴はないか?とかぐらいです。
彼女から書き終えたものを受け取ります。え〜と名前はエストと。技量は‥‥‥え、空欄?武器ものを魔法も書いてない。うん?徒手空拳?つまり‥‥‥、素手で戦うというの?ううん、余計な詮索はご法度。このぐらいにしましょう。
次に彼女のギルドカードを発行するために必要な【心写の水晶】を卓上に出し、彼女に魔力を込めてもらいました。人は人それぞれの魔力波長を持ちます。それをこの水晶に魔力を注ぐとその魔力を基準にして情報にまとめるのです。それを一つにまとめたのがギルドカードになります。ギルドカードに記されている情報は以下の通り。
【体力】:○○○○/○○○○
【魔力】:○○○○/○○○○
《種族》:○○○○○○
《所持武器》:○○○○○○○〔レア度○○〕
《取得魔法》:○○○lv○○ etc‥‥‥
《装備》: ○○○
{称号}
ギルド貢献ポイント
○○○○○○/○○○○○○
こんな感じでギルドカードになるのです。先ほど水晶に触れていましたがあれだけではギルドカードにはならないのです。ただギルド長だけが知っているようで‥‥‥。それだけではなく水晶に記録された情報はギルドカードに具現化されるまで見ることができません。みること自体無理なんですけど。
すべての下準備が終わることを確認した後、彼女には明日出来上がることを伝えた。
最後に聞きたいことがあるかと尋ねてみると彼女は麻袋を掲げて賞金首を仕留めたと言ってきたのです。流石の私も驚きました。顔には出しません。え?何故かって?秘密です。
彼女から麻袋を受け取り、中を確認します。
一瞬頭が真っ白になりました。
中にあったのは首です。人の頭です。叫びたい気持ち持ちますありましたがすぐさま我に帰り、賞金首リストと照らし合わせます。
なるほど、堕落の梟の頭でしたか、数年前まで国内第3位の盗賊団。今の国王陛下のおかげで動きはなかったのですが‥‥この近辺に潜んでいたんですね。危ない、危ない。賞金首としてのかけられていたのは金貨5枚。一般の人なら余程のことをしない限り、5年は暮らせるでしょう。ですが彼女には本来なら5枚耳を揃えて渡すのですが冒険者としてまだ税を納めていません。なので税分を抜いて金貨3枚を渡しました。これでも2年はくらせるのではないでしょうか?ま、それでも装備整えるのに消えそうですが。
さて、そろそろですかね。冒険者登録をしてきた私には何度か見かけたギルドの名物?みたいなものが。
ギルドを去ろうとする彼女の前に立ちはだかる男たち。ああ、ゴレスか。最近、犯罪犯しているんじゃないかと疑惑が多いのよね。しかも私に対してニヤニヤと粘つくような表情向けてくるし。周りの冒険者さんたちによれば新人を恐喝しているらしいとのこと。てか今まさにその現場よね。さっきの金貨よこせとか言ってるし。はい、犯罪確定ね。ギルド長に報告と。
不意にドスンという音が聞こえたので見てみると彼女エストさんがゴレスを足払いをかけたらしく、ゴレスは頭からモロに床に打ち付けていました。受け身すらとれないなんて本当に冒険者なのかしら?あ、ゴレスの奴、ギルドの中で剣を抜くなんて!エストさんに注意をかけようとしたら足を振り上げその靴底が‥‥‥、ゴレスの顔面に突き刺さり奥へと吹っ飛んでいきます。
エストさんからギルドがこういう輩を放置していいのかと言われてしまいました。確かにこれは我々ギルドの責任でもあります。特に受付嬢である私にも責任の追及があるはずです。
エストさんには迷惑をかけてしまったことを伝えると気にしてないと言われました。逆にエストさんから風呂付きの宿はないかと聞かれ私は償いの意味も込めて【風見鶏の大樹】と伝えておきます。あそこは私の実家ですから。父に伝えておかないとね。
さて、仕事を終わらせますか。
「まずはギルド長にさっきのことを報告しないと‥‥。」
次は宿パート。もしかしたらお風呂シーンがあるかもしれない。かもですよ?