プロローグ
初投稿となります、いろいろと拙いですが暖かい目で応援してください。
ーー激しい轟音とともに瓦礫が飛び散る。
瓦礫の中を二つの人影が閃きとともに衝突した。
「せりゃああああああああっ」
「シッ、シャアッッッッッ」
剣を交差すると同時に互いに魔法をぶつけ合う。
「聖光天戟ッッッッ!」
「撃・闇黒震天衝ッッッ!」
光と闇の奔流は互いに相殺し二人を吹き飛ばしてしまう。そして二人は互いを見据える。
一方は金髪の青年、もう一方は燃えるような赤髪の壮齢の男であった。両者ともすでにボロボロの状態であり、戦いの激しさを物語る。二人は互いに睨み合い再び動こうとする、否動かなかった。
なぜなら・・・
「ガハァ、クソが・・剣聖アーサーとは思えんな・・・。このような法で余がやぶれるとはな・・。」
「お前のような化け物を葬るにはやはりこれが一番いいんだよ、魔王。」
さっきまで十分あった自らの力が突如失われたのだから。戦いの中でアーサーは魔王と呼んだ男に魔力を注ぎ込み魔力暴走を誘発させることに成功した。結果暴走した魔力は体内から破壊しはじめ肉体はすでに瀕死であった。
「やはりあんたは化け物だよ、流石は吸血鬼だ。普通ならもう死んでるんだがな、魔王というだけある。」
感心するように言葉を紡ぎわかりやすい挑発の言葉をかける。何気にいい性格をしているようだ。
だからこそ帰ってくる言葉もわかりやすいものであった。
「余を、このアレクサンドルを舐めるなよ、例え肉体が死すとも魂は消えぬわッ!」
案の定、声に怒気を含ませ声を荒げる。しかし何処吹く風のように耳に入らない。
アーサーは剣を上段に構えて魔王アレクサンドルを見下ろす。
「だから、これで終わりにしてやる。」
ーー ーー
崩れ落ちたかつての白亜の城。アーサーとの戦いの中で完全に崩れ瓦礫の山となっている。
その廃墟の中で動くものがあった。魔王アレクサンドルである。吸血鬼としての生命力でかろうじて生きていた。だがそれはもう短い。
彼は近くの瓦礫にもたれかかりふと外をみる。外は雨が降っており彼の傷ついた身体に容赦なく打ち付けていた。薄れゆく意識の中で彼は事前にこの地を離れたひとりの女性のことを思っていた。
「ナーシャ、君はここを離れることができたのか・・・?だが・・俺はダメみたいだ。せめて生まれてくる子の顔は見たかっ・・たな・・。ナー,シャ・・・愛し・・て・・いる」
ーー ーー
「奥様、この先を越えればひとまず大丈夫です。急ぎましょう。」
「ええ、わかっているわ、でもすこしきついわ。ペースを落としましょう。」
従者を引き連れた女性。銀色の髪をストレートにした美女で頭にティアラをつけている。
名をナターシャ・アルベインといい親しい者にはナーシャと呼ばれている。アレクサンドルの妻でもある。剣聖アーサー襲撃の三日前に夫から避難するよう指示され今にいたる。
「でも無事に出られたとしてもどこで暮らすかが問題ね・・」
ナターシャは考えを走らせる。
「そうですね、身重の身ですし・・とりあえずは・・・!?敵襲、追っ手です!」
突如として無数の矢が雨あられと降り注いでくる。
「バカな、もう追ってきただとッ!早すぎるッ!」
「私たちが足止めしますッ!アステル、奥様をッ」
(もう追ってきたということは、アレクは・・・・)
魔王がどうなったのかがわかってしまう。
しかし悲観することは今この場において許されない。
アステルと呼ばれた従者に促され彼女と従者はこの地”パンドラ”をあとにした。
少しでも見てくれたらうれしいな (#^^)>
つぎは主人公プロローグとなります。国語力が欲しい