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見知らぬ女の子から手紙を渡して欲しいとたくされましたが私の彼氏宛てだったのでその子の目の前で破り捨てました

作者: 蒲公英陽

「あの!スイマセン !」


いきなり他校の女の子に声を掛けられました。


「えっと、私ですか?」


「はい!あの遠山学園の方ですよね?」


「そうですが…」

何だこの子は。私はこのあと彼氏とデートなんだよ。何の用なんだ。まあ、こんな嫌悪感は一切ださず素晴らしい笑顔で返す。


「この手紙を渡して欲しいんです!」


え、何この子図々しい。ずいっと手紙を差し出され、受け取らないわけにはいかず取りあえず宛名を見ると…

「さ、佐藤亮太…?」


「あの、お知り合いですよね?この間、一緒に居るところを見かけて…」


知り合いも何も私の彼氏なんですけど。なんだこの女は。普通男女が二人でいるところ見れば恋人同士だと思うんじゃないの?!え、違うの!?


「あの、大丈夫ですか?」


無言な私に対して彼女はオロオロしだした。


「わたし、亮太くんに一目惚れしたんです!毎週この公園で見かけるんですけど、笑顔で噴水を眺めている姿が神秘的で…」


聞いていないことをベラベラ喋り出した。確かにこの公園で毎週デートしてるよ。本当はいつも一緒に来てるけど、今日は亮太に用があったから先に一人できた。そんでもって亮太が噴水を笑顔で眺めてるのは、私が噴水で小学生たちと騒いでいるのを苦笑いで見ているからだ。ってかこの女亮太のこと名前で呼んでるのか…。


なんか段々イライラしてきた。


「彼女がいるかもしれないとかは…」

思い切って聞いてみたが、


「彼女ですか?考えても見なかったです。いても気にしませんよー略奪愛とか燃えるじゃないですか!」


本格的にイライラしてきたぞ。コイツ彼女相手に何言ってんだよ。そんな時に、


「ゆきちゃーん!!遅くなってごめん!!」


なんと素晴らしいタイミングで彼氏サマが登場しました。ちなみに私がゆきちゃんだ。目の前の女の子は、私の手から手紙を奪い、もう亮太しか見えていない様子だ。恋って盲目。


「あの、亮太くん…これ…」



だから、私がゆきちゃんなのだ。ゆきちゃん堪忍袋の緒が切れました。亮太に渡そうとした手紙を私が奪いそして…




ビリッ!!



無惨にもその手紙を破り捨てた。



「え!!」


女の子は驚愕の表情で固まっている。

亮太はニコニコしている。



「ごめんね、私がゆきちゃんで君の好きな亮太くんの彼女なの。略奪愛カッコイイと言っていたのは私に対しての当て付けかな?」

私がニッコリ微笑めば、女の子は泣きそうな顔をして逃げて行った。



「で、なんでアンタはニコニコしてるの」


笑顔の亮太に訪ねた。私がこんなにムカついてるっていうのに。


「俺ゆきちゃんに愛されてるなって再確認したから嬉しくて」


何だその眩しい笑顔。ムカつく。


「そんなの当たり前じゃない!じゃないと付き合ってるわけないじゃない」



「ふふっかーわいー俺も大好きだよ」


「うるさいわねバカ!」



今日も平和です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 2人とも、自分の感情に素直な似た者カップルですね。 普段の軽妙な遣り取りが想像できて楽しかったです。 「リア充爆発しろ!」と叫ぶのは、読者だけではなく、件の女の子や周辺人物もでしょうね(笑…
[一言] ごめんなさい。 読んでいたら、 「リア充爆発しろ!」 って叫んでいました。 それくらいに2人は、ラブラブバカップルだと思います。 正直、羨ましい・・・・・・。
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