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悪役令嬢に転生したけどヒロイン育成が楽しくてやめられない!

作者: ぐり缶
掲載日:2026/05/01

よくある悪役令嬢転生の話

書きたいところだけ

暇つぶしにどうぞ


突然ですが悪役令嬢に転生しました。

気がついたら金髪碧眼のとんでもねぇ美少女になっていてしかも乙女ゲーの世界だった!みたいな導入はもうみんなもあちこちで百万回読んでるだろうし割愛。

私の名前はイゾルデ・クレールモンド。公爵家の長女である。

現在7歳で、11歳の頃に王立学園に入学予定。

まあ悪役令嬢の末路なんて似たり寄ったりで、学園卒業のタイミングで断罪予定である。

いや、断罪なんてこの際どうでも良い。

私は前世の記憶を取り戻したその瞬間から、どうしてもやりたいことができてしまったのだ。


「お父様ーー!!」

バァン!と扉を開けて父の書斎に飛び込む。

両親はイゾルデにそれはそれは甘いので、この願い事もきっと叶えてくれるだろう。

「私、専属侍女を一から自分で育てたいですわ!!」


その乙女ゲーは、いわゆるバトルパートがあるタイプのゲームであった。

学園での生活はキャラクターの好感度を稼ぐための日常パートと、ステータスを上げるための育成パートに分かれており、その結果が発揮されるのはラストでの対魔王軍戦である。

日常パートでキャラクター(男女問わず)の好感度が上がり一定ラインを超えると編成が可能になっていく、的なやつだった。

ヒロインは魔力量が多いのと珍しい(とはいえちらほらいる)光属性の魔法が使えるため魔王軍戦に備えるために平民ながら入学するという流れだ。


私は常々思っていた。ヒロインは強い。

育成の仕方によっては超強くなる。

しかしそれはどう頑張っても学園に入学してからの成長幅なのである。

もし幼少期から訓練を行ったら、そりゃもうとんでもない強さを手に入れるんじゃないかって。


実際にゲーム内でも似たようなことはできるが、キャラクターとの交流を最低限にしてひたすら丹念に打ち込むみたいなことをして、それでも単騎出撃は叶わなかった。

どうやっても時間が足りないのだ。


でも、今ならいけるのではないか?

私の前世の知識と、ゲーム本編までの時間的猶予と、現在の実家の太さをもってすれば良いところまで行けるんちゃうん?!


「というわけで、貴女は今日から私の元で訓練をするのです!」

「は、はぁ…わかりました…」


目の前にいるのはピンクの髪に蜂蜜色の瞳のとびきり可愛い幼女である。

名前はロッテ・ローゼハイン。

お父様にお願いしてからすぐに街に降りて、腰を抜かす彼女の両親に頭を下げ、衣食住美味しいおやつ娯楽富名声力を約束して学園卒業の年齢までの約束で我が家にきていただいた。

嫌われないギリギリのラインを見極めながら、ヒロインを強く賢く美しくこの世界の地上にいる魔物を含むすべての生き物より強くしてみせる。

私はそう硬く誓った。



結論から言うと、ロッテは強くなった。そりゃもうべらぼうに。

強くなりすぎた、とも言う。

あの日から私特製の訓練メニューを共にこなし、前世の記憶と今世の現実を擦り合わせてより高みを目指して訓練場のみならず国中を駆け回った。


ロッテは主人公の特性なのか飲み込みが早く、反復練習や過酷な試練にも折れず、面白い程に吸収していく。

やればやるほど強くなるという事実に私もロッテ本人も楽しくなり、ストッパーが誰もいないため外では口に出せないようなことも平気でした。


結果、ロッテは私の知る限りゲーム内でのカンスト時の力を遥かに上回るステータスを手にしたのだった。

いや別にステータスボードとか見たわけじゃないんだけど、なんかもうゲーム内では使えなかった魔法とか使えるようになっちゃってるしね。

騎士と模擬戦しようとした時に相手の剣を素手で掴んでそのままへし折って以来、誰も戦ってくれなくなった。


強さを測る指標がひとつふたつ消えたところで私達の好奇心は最早止められない。

訓練するためのエリアがだんだんと魔王軍のいる地方へとずれていっているのにもそっと気付かないふりをしている。


そんなこんなで、学園入学である。

シナリオが変わってしまったかと言うと、正直わからない。

すでにヒロインは地上最強の顔のいい化け物に成り果てているし、悪役令嬢として王子の婚約者になるはずだった私は妃教育なんて受けてる暇ねぇ!と庭園のベンチを振り回しながら抵抗したためその話はお流れになった。

ロッテは平民から突然学園に直送されるわけではなく、我が家が後見人となり入学する我が家の人間みたいな立ち位置になっている。

しかし魔王軍との戦いは回避できていないし、私とロッテ以外の攻略対象やキャラクター達にはマジでノータッチなので大きな変化はないはずだ。

ギリ耐えていると信じたい。耐えてて欲しい。


「イゾルデ様、今日から同級生ですわね!」

「ええ、そうね。なんだか不思議な気分だわ」


今日まで二人三脚で過ごして私達はとんでもなく仲が良い。

血筋としては貴族と平民だが、魂はほぼ双子だと思っている。

ロッテの蕩けるような可愛らしいヒロインスマイルに思わず笑みが溢れる。

はー可愛い。周りの生徒達も見惚れているようだ。

我が家で戦闘能力と同時進行で礼儀作法や教養も身につけたロッテに最早死角はない。

見てー!うちのロッテがこの世で最高最強なんだからー!

私が育てました!これからも私が育てますー!!

心の中で叫びながら入学式の会場へと向う。

これから起こるいろんなイベントや、出会える強敵に想いを馳せながら私たちのゲーム本編は幕を開けたのだった。

登場人物

▽イゾルデ・クレールモンド

公爵家長女。ゲームでは第一王子の婚約者だったが断固拒否したので婚約ならず。前世では育成ゲームで極端な育成をしてよく友達に引かれていた。ヒロイン素手単騎でボス撃破が目標


▽ロッテ・ローゼハイン

平民。ゲームヒロイン。めちゃくちゃ可愛い。

最初はイゾルデの言っていることが意味不明だったが言う通りにしていたら面白いくらいに強くなれて楽しくなってしまった。今では立派な美少女の皮を被ったバーサーカー。地上で最強の生き物になってイゾルデと楽しく暮らしたい。



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