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ECLIPCE BLADE  作者: 月海 ほたる


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第11話「それは救いか、戒めか」

クリスの叫びが上空から聞こえる。


早く行け


と。


彼が叫んだのを聞いたのは、二回目だったような気がする。

あれは…いつだっけか…


そんなことをぼんやり考えながら、今は彼の言う通り

走るしかなかった。


ありえない、考えられない光景が目の前に広がっていたけど、

もう驚かない。


下からあり得ないジャンプでズーを貫いて、

その後上からも貫いて…


墜ちてくるなんて。


別に、墜ちてくる必要なんてなかったんじゃないですか?

下から貫いただけでよかったんじゃ…


ああ、そうか、

これが王女と戦士の違いか。



「早く行け!!」

その言葉を聞いた瞬間、ディーネの意識が一瞬飛んでしまう。

「ディーネ!!」

皆の呼ぶ声で現実に戻される。


橋の強度や、

「渡っているうちに壊れるかもしれない」

という概念はとっくの昔になくなっていた。


クリスが、

ズーを突き刺したまま急降下してくるクリスが

橋に到達すれば

「確実に」橋は真っ二つになる。

走った。

とにかく走った。


何とか走り切った、渡り切った。

その刹那、橋が大きな音を立てて崩れ始める。


--最初から見ていた…

いや、待てよ?

最初というのはどこからだ?

物語でいうところの、ホークとレオンが飲んでいるところからか?

いや、帝国軍が嵐を待ってキングダムに侵攻しようとしているところからかな?


想いもよらなかった。

まさか、王女が誰よりも早く気づき、

そのまま嵐の森を抜けていくからな。


そして、本当に助っ人を連れて解放作戦に出るなんて

思ってもなかったなー。


口では色々言ってるけど、

こいつの中じゃ熱い気持ちを抑えることができなかったんだろうね。


「…うるさい…」


--ホントは、うずうずしてただろ?

あの軍曹…名前忘れちゃったけど、

アイツの前にいつ飛び出していくか。


「うるさいと言っている…!!」


--憎まれ口叩いてても、

どんだけ憎まれても、みんなの為に、自分が必要って確信…

いや、違うかな?

自分が必要って思いたかった。


だからこそ、みんなに反発してみせた。


ただ、ティナとのことを露呈されたのは計算違いだったみたいだけどね?


「…」


--みんなの成長を見届けたい、

「守らない」と言いながらも支えてきてたよね?

でも、君は意固地だからな~。

突っぱねたままでいたいから、

こうやって谷底まで堕ちていってる。

食べても美味しくない鳥と一緒に。



「クリスーーーーーっ!!!」


ディーネが叫ぶ。

真っ二つになった吊り橋。

その先の奈落へとクリスは消えていった。


--分かってると思うけど、

君はここで死ぬべきじゃない。

いや、死ねないか…


この行動が、まだまだ自分を死に追いやるための行動なのか、

そうでないのか僕は分かっている。

だけど、その“意味”は自分で見つけるべきだ、

今回に関してはね。


クリス。君は、変わり始めているよ。


「うるさいと言ってるだろうが…」


気が付けば、

鬱蒼と木々の茂る谷底に横たわっていた。

見上げると、ズーが木々の間に挟まって絶命していた。


「ふぅ…」


ホーク達は無事に向こう岸まで辿り着けたか、

そしてここはどこなんだ?

整理しなければいけないことは沢山あった。


「誰!?」

声をかけられた。

明らかに自分を訝しがる言葉。


振り返ると一人の女性がいた。


「…!?」


「貴方、誰?

どうしてこんなところにいるの?」


その声は、何処までも透き通っていた。


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