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モブ令嬢にそんな『魔力』はいりません!  作者: 黒い猫
第二章 お茶会にて
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第四話


 前世の記憶を思い出したのとほぼ同時に思い出した事がある。


 それは「アリアがどうやってこの世界に送られたのか」と言ういわゆる『方法』の話だ。


 生前のアリアは乙女ゲームに始まり、漫画やアニメ。ライトノベルなどに没頭した「オタク」だった。


 その中には「転生モノ」つまり今のアリアと状況が似ているモノも色々と読んだのは読んだのだが……。


 残念ながらアリアが読んでいたライトノベルや漫画では『悪役令嬢に転生してしまった子』が主人公で、乙女ゲームでは主人公をイジメている立場の子たちがほとんどだった。


 もちろん、その当時の流行りがあるとは思うけど……。


「……」


 実は前世を思い出した時は「あ、私。転生したんだ……」って意外と冷静だった。


 でもそうだったのは多分。ごくごく普通の……乙女ゲームすら知らない子では知りもしない情報を持っていたからだろう。


 しかし、残念ながら前世でオタクだったアリアはそれを知っている。


 それは「転生すると主人公だろうが、悪役令嬢だろうがどちらも大変な苦労をする!」という事を。


 だからこそ、転生する直前にアリアは自称「神」と言う何とも胡散臭い人物に「とにかく平穏な暮らしがしたい」と切実に訴えたのだ――。


◆  ◆   ◆   ◆   ◆


 それがどうだろう。


 蓋を開けてみたら転生前にプレイしていた乙女ゲーム世界のモブ令嬢だ。


 しかも──。


『お前は欲がないなぁ。つまらん』


 とかなんとか言って「神」と名乗るそいつは「平穏」を訴えるアリアに『魔法の才能』を授けたのだ。


「……」


 あの時、アリアは散々「いらない」と言った。


 そんな『才能』なんて手にしたら平穏なんて夢のまた夢になるのは目に見えていたからだ。


 しかし……。


『何、遠慮はいらん』


 そいつは自分が直接関係ないからなのかやたら爽やかな笑顔で言っていたのをよく覚えている。


「……」


 そしてその結果が……コレだ。


 ただ、どうやらアリアはまだ幼いせいもあってか自分の才能を使いこなせていないらしく、感情が高ぶるとこの様に自分の意志とは関係なく魔法を使ってしまう事がある。


 だからこそ、常日頃から「感情のコントロール」と時には諦めるという「諦めの良さ」も身につけて細心の注意を払っていたはず……だったのだが。


「はぁ」


 どうやらそれでもまだまだらしい。


「……」


 目の前にいる貴族たちは気を失っているのと同じ状態だ。


 しかし、アリアは知らない。


 それは「アリア以上に魔法の才能を持っている人はこの世界にいない」という事だ。


 そう、実はアリアは『モブ』でありながら主人公よりも魔力が強いのだ。


 しかし、これらの事を含めて「自分の身に起きた事などを誰かに言ったところで信じてもらえるとは思えない」とアリアは思っている。


「……」


 ちなみに、これはアリアが立ち去ればすぐに解ける様になっている。


 ただ、魔法にかかる前後の記憶が飛んでしまう。


 しかし、今のアリアにとってそれはむしろ好都合な話だった。


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