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モブ令嬢にそんな『魔力』はいりません!  作者: 黒い猫
第二章 お茶会にて
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第五話


 無意識とは言え、基本的に「魔法は戦闘など以外で人に使ってはいけない」となっている。


 いや、そもそもこの世界での『魔法』というのは「呪文」が本来必要不可欠で、呪文を使わなければ魔法は発動しないはずなのだ。


 ──普通なら。


 しかし、実は大昔は呪文がなくてもほとんどの人が魔法を使えていたらしい。


 それがどうして呪文が必須になったのかは……実は原作でも明らかになっていない不思議の一つだった。


 そもそもゲーム自体「魔法学校での日々」にフォーカスを当てている。


 実はゲームをプレイした人の中にはゲームの舞台設定の為に『魔法』を使ったとすら言う人もいた。


 それくらいこのゲームではあまり『魔法』が重要視されていない。


「……」


 どちらにしても、そんな世界の中で「呪文を使わず……それどころか自分の意志に関係なく魔法が使えてしまう」アリアはどう考えても「イレギュラー」な存在でしかないのは事実だろう。


 ただ、アリアは『モブ』である。


 立ち回り次第では主人公も悪役令嬢も目じゃない無双状態が出来るくらいの立ち位置ではあるのだが……。


 残念ながらアリアはそこまで目立ちたがり屋ではない。


 ついでに言うと、攻略対象のキャラクターたちは全員アリアとは比べモノにならないほど高貴な位の人たちだ。


 ゲームの通りにいけば主人公は将来的に彼らの隣に立つ事になる。


 しかし、仮に「自分がその立場になるかも」と考えると……それだけで気が重くなる。


 こうして実際の話として考えてみると、やはりこういった事は「憧れ」程度で終わらせるくらいがちょうどいいと思えてしまう。


 そもそも、アリアはそういった「野望」とか「願望」とかそういうのよりも「絶対的な平穏」を望んでいたのだから当然と言えば当然なのだが。


 そして、実はこの世界では自分の魔法実力を数値化出来ない。


 要するに分かりやすくレベルなどで判断する事が出来ないというワケだ。


 本来なら「それってものすごく困る!」というところかも知れないが、アリアにとっては大変ありがたい事だった。


 なぜなら、たとえ『魔法の才能』があっても要するに「下手な演技をすれば誤魔化す事が出来る」からである。


 今のアリアはちょうど十歳で、貴族の子供たちは大体このくらいの年から魔法を学び始めるらしい。


 つまり習い始めた今だからこそ、基礎をキッチリと学んでいるという事になる。


 だからこそ、余計に今の状況が「魔法によるモノではない」と錯覚してくれるはずだ。


「……」


 どちらにしても長居は無用だろうとアリアはその場を静かに立ち去った……のだが。


 この時アリアは完全に忘れていた。


 その「魔法を学び始める時期の話」はあくまで「一般的な貴族の令息、令嬢たちの話なのであって、王族はその限りではない」という事を。


 そして――。


「なっ、何。今の……」


 この人通りが少ない道。


 だからこそ「誰も見ていないだろう」と勝手に思い込んでしまっていたという事を――。


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