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2.エイプリル家の就職


 そんなこんなで俺達一家は隣国のポートエクス王国へと亡命した。俺は国外追放扱いだけど。


 一応の資産はあるので、ちょっとした家というか邸を購入し、使用人も亡命と同時につれてきている。



 翌朝、俺はこの国の市場に行くことにした。市場を見ると国の様子がわかるっていうしな!

 はぁ、この国の市場は賑わってるなぁ。きっと国王陛下が良い政治を――。そんな時俺は一人のイケメンと目が合った。

 イケメンハ ナニヲタベテモ イケメンダ テニモツクシサエ ウツクシイ(キガスル) ―――字余り


 流れる豊かな金髪。褐色の肌。金色の瞳。鳥串かな?を食べていたけど、その串でさせもなんかキラキラしているように錯覚させる美しさ…の男性。女性ならば、『運命』とか思ったかもしれない。

 猫っぽい反応をされた。この串は渡さないぞというように威嚇されたように思う。美形だから誤解かもしれない。


「すまない。脅かしてしまったか?いやなに、この鳥串は自分のものだと主張がしたくて…」

 誤解じゃなかった――――!!

「大丈夫ですよー。取りませんって、むしろ喉につまらせたり、串は危ないですし、そんなに急がなくても大丈夫ですよ?」

 じりじりと距離を詰めてきた。野生の猫か?


「すまない。私の名前は、アーサー=ポートエクスだ」

 まさかの王子?

「失礼をお許しください。王太子さまですか?」

「そうだよ、あんちゃん。知らねーのか?さては、最近この国に来たのか?まぁ驚くだろうなぁ。この王太子様はなぁ――」

「アーサーでいいと言っているだろう?」

「アーサー様はなぁ、日々市場に来ては買い食いをしてるんだ。な?変わってるだろう?そんなアーサー様だから俺達は信用できるんだよ」

 そうだよなぁ、城の中から声すらよく聞いた事がない人間にいきなり「戦場に行け」とか言われても、なんかまさに上から指令が来たって感じだよなぁ。

「買い食いじゃない!視察だ!」

 アーサー様はそう言うが、事実買い食いだ。間違いない。


「で、あんちゃんはどうしたんだ?」

 かくかくじかじかと俺は市場の人に事情を説明した。

「聞くも涙、語るも涙の話だな。そうだよな、王族っていきなり冤罪吹っ掛けてきたりするんだよな。それで国外追放になったと」

「はあまあ。自分なりに国に尽くしてきたつもりだったんですけどね」

 市場の人で涙ぐんでいる人までいる。そこまで感情移入された―――!。


「よし、リチャード!賢いみたいだし、うちの王城でお試し就職だ!あ、リチャードのお父上も。宰相だったんだろ?そうとうのキレ者なんだろう?」

「はぁ、家での姿と違うかもしれないので、わかりませんがよろしければ。その方が家計の助けとなります」

 使用人も雇っているわけだし、きちんと給金を払うためには働かなくてはならない!

「アーサー様、よろしくお願いします!」

 俺はきちんと頭を下げた。礼儀重要!



イイ子やぁ。そんな子を国外追放にするなんて!国が亡ぶんだからね!!

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― 新着の感想 ―
亡命先は隣国のポートエクス王国か〜。リチャードは、国の内情を知るために城下街へ視察か。確かに実際の民の生活振りをみると、その国の政治の良し悪しが分かるって言うもね。そうこうしていると、1人の金髪、褐色…
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